もっと話がしたい。犬が本当に伝えたがっている事とは?

もっと話がしたい。犬が本当に伝えたがっている事とは?

犬はペットというのは一昔前の話。最近では、犬も立派な家族の一員です。でもよくよく考えてみると、家族というわりに会話の大部分は「いい子」か「イケナイ」か「OOして」とかがほとんど。人間の子供とのように、学校の事、テレビの事、近所で起きた事などは話しかけません。でも、犬も本当はもっともっといろいろな事を飼い主さんと話したいのです。

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『犬が伝えたかったこと』の著者・三浦健太氏は、ドッグライフカウンセラーとして、20数年に渡り全国の愛犬家とお会いし、お悩みを聞き、アドバイスを通して、問題を解決してきました。そんな犬と飼い主さんの気持ちを知り尽くした三浦氏に聞いてみました。

犬は愛することに一生懸命

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地球上の動物の多くは生きるために食べ物を求めます。動物にとって生きるための食欲は最も大事な欲望です。しかし、犬だけは他の動物と少し違うようなのです。

犬は生きるための食欲以上に群れの中での愛情を優先するというのです。犬の群れは同じ価値観で結ばれています。従って群れの中での喜怒哀楽も一体化しているのです。もちろん幸福感も同じです。自分が幸せになるためには、群れ全部が幸せにならなければなりません。

10頭の群れの中で、一頭だけ満腹になったとしても、他の9頭が空腹であれば、気持ちは満たされないのです。言い換えれば、一頭だけ満ち足りた生活を得たとしても、他の9頭が満たされなければ、不幸と感じることになり、反対になにひとつ満たされていなくても他の9頭が幸せであれば、たとえ餓死したとしても幸福感の中の死を選ぶのです。

人は愛されることが好きで、愛されることを望むケースが多いようですが、犬は反対でひたすら愛することに懸命です。愛してくれたら愛してあげるといった打算は微塵もありません。自分でついていこうと決めた人をひたすら愛し続けるのです。

一度決めてしまえば、年月が経とうと、冷たくされようと、いじわるをされたとしても、愛する気持ちは変わりません。感情が繋がらなければ、不満は持ちます。でも、不満があっても嫌いになったり、立ち去ろうとしたりすることは考えもしません。

死ぬまで、愛し続けるのです。一生をかけて愛し続ける相手ですから、選び方も慎重で、時には「エッ?」と思う行動にも出ます。

どうして?懐いていた犬が突然、噛みついてきた。

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犬の成長過程で、子犬の時から大事に育て、一番面倒を見ていた人を噛むことがあります。あまり面倒を見なかった人ではなく、一番近くにいた人を噛むのです。これは、成長していく途中で、いつも大事にしてくれている人にこれから一生ついていこうとしかかった時に起こす動作なのです。優しい、好き、かまってくれる。

そう信じた相手にあとひとつ。これから起きるかもしれない数々の問題に対して、自分をしっかり守ってくれる実力と心があるか最後の試しに出たのです。

ちょっと噛んで泣きながら逃げ去ってしまう人であれば、大きな犬や乱暴な人、自動車や雷からは守れないかもしれません。また、小さい傷をつけられたことを恨んで自分のことをすぐに嫌いと心変わりしてしまうようでは、一生をかけてついていくことは出来ません。そんな最後の検定試験をしているのです。目を見てしっかり叱りつけ、翌日は何もなかったように接することで、犬は安心し、生涯を任せてくるのです。

いつも食べていたものを食べない。

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お腹も壊していないし、体調も悪くないのに、昨日まで食べていたものを突然食べなくなることがあります。通常は生後4ヶ月から7ヶ月の間ぐらいにやります。心配した飼い主さんは、冷蔵庫からミルクや缶詰、時にはとっておきのオヤツをあげたりします。飼い主さんにしてみれば「せめて、これだけは食べて」との願いからです。しかし、これも犬が誰についていくかの検定試験なのです。犬の群れは上位の者がすべての群れの行動を決定します。東に行くのか西に行くのか、何を獲り食べるか、すべては群れの上位に任されます。もちろん群れの中の満足感や幸福感も上位の者と同一化するのです。

当然、食べ物の種類や量も上位に従います。それが犬の群れのルールなのです。そこで、ある日食べていたものを食べないでみます。飼い主さんが心配のあまり他の美味しい食べ物を持ってきたとすれば、飼い主は自分の感情に従おうとしてる証拠となってしまうのです。従って、その飼い主さんは検定試験に不合格と判定されやすくなってしまいます。群れの上位の者は、下位の者に好かれようとはしないことを、犬たちは本能で知っているのです。

犬が大好きなリーダーの条件はふたつ

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犬から見て、この人に一生ついて行こう、この人を愛し続けようとするタイプの人の条件は主にふたつです。

ひとつはちゃんと抱きしめてくれる人。もうひとつは、しっかり叱ってくれる人です。これは自分を深く愛してくれることに繋がります。可愛がるだけでなく、社会のルールから外れそうなことをした時は、真剣に叱って直そうとしてくれる人が必要なのです。叱るという行為は、叱る方にも大きなエネルギーを必要としますし、勇気もいるのです。甘く居心地の良い生活だけを望んでいる人は、嫌いではありませんが、リーダーとしては不十分です。大好きな優しい飼い主さんが、もしリーダーとしての精神的な強さが無いとなれば、自分が飼い主さんを守らなければならなくなり、警戒心も強く、来客や他の犬に対しても激しく吠えて、遠ざけようとします。

私たちはどこかで犬に対して、教えていかなければ、シツケしなければ、と思っていました。私たち人間から犬に対しての欲求は多いのですが、犬が私たちに何を伝えたかっているのか、何を期待しているのかはあまり考えてきませんでした。しかし、よくよく観察してみれば、すべての犬はいつも私たちに何かを伝えたがっていたのです。

10月7日に発売した『犬が伝えたかったこと』は、このように家族や仕事に問題を抱えた人が犬を通じて気づけた愛情や感謝、犬が本当に伝えたかったことを実話を基にしたエピソードと共に紹介し、解説しています。

私たちの想像以上に、犬は昔から真剣に人を愛し、伝えようとしていたのです。私たち人間もそろそろ犬のひたむきな愛情に応えていきたいと思うのです。本能的に深い愛情に包まれた犬の心を理解することは、私たち人間同士の社会の中でも深い愛情を掴まえることの役に立つのではないでしょうか。

『犬が伝えたかったこと』

犬が伝えたかったこと

著者はこれまで50万組以上の犬とその飼い主に触れ合ってきた熟練ドッグカウンセラー・三浦健太氏。三浦さんだからこそわかる「犬たちが飼い主に本当に伝えたいこと」を心温まるエピソードとともに紹介、解説しています。

読むと、心から犬のことが愛おしくなる一冊です。

  • 2017年10月7日発売
  • 価格:1,180円+税

書籍の詳細・購入はこちらから

著者プロフィール

三浦健太 Kenta Miura

1950年生まれ。東京都出身。NPO法人ワンワンパーティクラブの代表。
1994年に日本初のドッグイベント“ワンワンパーティ"を企画・運営。1995年より
クラブとなり、その後NPO法人となる。現在、ドッグライフカウンセラーとして
全国各地でイベントや教室・セミナーを多数開催。全国の都市公園でマナーの
啓発やドッグランの設置や運営アドバイスを実践。毎春に全国100万人の犬の飼い主に
正しい飼い方を書いた小冊子を制作し手渡しで配布している。

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