冷静な電話対応を・・・
「愛犬の様子が急におかしくなった!」
とてもびっくりしますし、焦る気持ちはよく解ります。
私も犬を飼っているので、もし急に倒れたりしたら冷静ではいられないと思います。
ただ、病院スタッフとしてはどんな状況か電話では解らないので、少しでも状況を知りその為の準備をして急患を診る体制を整えておきたいのです。
最低限知りたい情報
- 犬の種類(MIXの場合、おおよその体重)
- 年齢
- 性別
- どんな状況か
- 飼い主さんの名前電話番号
- 到着時間
時々「犬が元気ない!今から行きます!」と言われ電話を切られる方がいます。
全くどんな状況か解らず、何時に来るかも解らないので、他の急患を受け入れにくくなってしまいます。もし、緊急に手術が必要だった場合、人数も必要になってくるので、最低限の様子だけは知りたいです。それに移動中に出来る応急処置もあるので、冷静に対応して頂けると私達も説明しやすいです。
誤食の場合
夜間の病院に勤めている時によくあったのが誤食です。
食べてはいけない物を食べてしまい、びっくりしてお電話される方が多かったです。
愛犬が誤飲してしまった場合に知りたい情報としては、
- 何分前に食べてしまったのか
- どれぐらいの量を食べたのか
- 今の様子はどうか
一番多かったのはネギの入ったおかずの誤食、その次がチョコレートでした。
チョコレートもカカオ成分の高いブラックチョコと、ミルクチョコでは危険度も違うので、どんなチョコを食べたのか教えて頂けると解りやすくお答えしやすいです。
たまにネットで調べると、「塩を飲ませると吐く」という情報が載っていますが、今はそれをしている病院は少ないと思います。
塩を与えると、量によっては塩中毒を起こすこともあるので、どうしても連れていけない場合は、病院の指示を仰いで下さい。中には、吐かせてはいけない物もあるので、必ず病院に連絡して下さい。
薬や薬品を飲んでしまった場合
もし、薬などの薬品を飲んでしまった場合は、必ず飲んでしまった薬や薬品の袋は捨てないでください。
電話をされた際に教えていただけると、処置も早くできるので必ず残しておいてほしいです。薬の容量やどんな作用が出るのか調べておくと、来院された際すぐ処置ができるので、犬の体への影響も少なくできるかもしれません。
尖ったもの・ひも状のもの
尖ったものやひも状のものはとても危険なため、内視鏡や手術の対象になる可能性が高いですので、必ず病院を受診して下さい。尖ったものはもちろん吐かすことは出来ません。
一番怖いのはひも状の物です。
お尻や口から出ていた場合、引っ張って抜いてはいけません。
引っ張ると腸が切れてしまう場合があるので必ずそのまま病院へ連れて来て下さい。
腰や足の痛みがある場合
もしどこかから落ちたなら、どれぐらいの高さかということと、どんな状態か教えて下さい。
全く脚をつかない場合、骨折や脱臼の可能性があります。急に腰を痛がる場合、椎間板ヘルニアの場合があります。立てるかどうか、麻痺があるかどうかで重症度は変わってきます。
ヘルニアも軽度の場合だと安静にしているとよくなる場合があるので、重症になる前に受診をお勧めします。
発作や呼吸困難
発作の場合、どれぐらい続いているのか、今の状態がどんな様子か教えて下さい。
長く続く発作の場合は、すぐに診察を受けて下さい。長く続けば続くほど脳へのダメージは大きくなります。
呼吸困難の場合は、犬の舌の色を見て連絡するとよいでしょう。
真っ青であれば、命の危険があるため、すぐに診察を受けて下さい。
夜間救急の料金について
深夜の救急は基本的に料金は割高になります。
保険に入っている方でも、保険対応していない場合もあるので、保険に入っているからといっても安心はできません。料金は、診察内容や重症度によって変わるので、どれぐらいかかるのかは診察してみないと解りません。
クレジットカードの取り扱いのある病院の場合は、クレジットカードを一枚もっておくと安心です。預り金をお願いする場合もありますので、現金は忘れないようにしてください。
備え
言葉を話せない愛犬が夜に急変することは珍しくありません。
もしもに備えて、夜間診てくれる病院を探しておくことが大切です。
もし、夜間診療をしてくれる病院が見つかったら、必ず病院の場所も把握しておきましょう。今はカーナビやスマホをもっている方も多いと思いますので、どれぐらいで到着するか確認しておきましょう。
私達スタッフとしても、到着時間までに処置の準備や他の患者さんとの調整もしやすいのでスムーズに診療することが出来ます。以前、病院の場所に迷ってしまい、処置が遅れ亡くなった子もいました。万が一に備え、日頃から事前の準備をしておくことをおすすめします。
犬を飼っていると、必ず予想外のことが起こります。
備えあれば憂いなし。愛犬の命を守れるのは、飼い主さんだけです。
夜間救急のスタッフは、そのお手伝いをする為に毎日頑張っています。
ユーザーのコメント
女性 もすら
電話で事前に診察代金を聞いてから行ったのですが、夜間救急はやはり高いです。私がお世話になったところは、診察料で1万円プラス処置費用でした。