『フィラリア』って何だろう?予防の大切さを知っておこう!

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『フィラリア』って何だろう?予防の大切さを知っておこう!

この時期になると、わんちゃんの飼い主さんたちは耳にタコができるぐらい、『フィラリア』という単語をよく耳にするかと思います。初めてわんちゃんを買われるかたは新たな知識として、もう知っているよ!というベテランの飼い主さんは再度その重要性を確認していただけると幸いです。

はじめに

動物病院にいる犬

わんちゃんを家族に迎えいれたら、初めて飼われる方はなおさら、やらなければならない予防がたくさんあって、何がなんだかわからない状況になるでしょうし、ベテランの飼い主さんは毎年のことながら、この季節は色々と慌ただしいですよね。

春は予防の季節!狂犬病をしなければいけないですし、ノミやダニの予防、フィラリアの予防、場合によってはワクチンなど、わんちゃんたちにとっても忙しい季節になりますが、それに比例して病院も実は1番忙しい季節なのです。

そんな予防の中で、今回は『フィラリア』という寄生虫にスポットをあてて、簡単ではありますがお話していきたいと思います!

フィラリアって何?

フィラリア検査をしにいくコーギー

フィラリアってどんな虫?

フィラリアとは寄生虫の名前です。正式には、「犬糸状虫」という日本名がついています。漢字の通り、見た目は糸のように、白くて細長い虫です。オスとメスがいて、大きさはメスの方が大きく、25〜30センチになります。オスとメスがいるということは、子供の虫もいます。それを「ミクロフィラリア」と言います。

どんな動物に寄生するの?

フィラリアは、実は色んな動物に寄生します。アザラシ科やクマ科などにも寄生しますが、なぜわんちゃんばかりがこんなに騒がれるのか?と思われる方もいると思います。

理由はとても簡単で、フィラリアにとっては『わんちゃんが1番住み心地がいいから』です。住み心地が良すぎて、わんちゃんの中でどんどん家族を増やしてしまうのです。最近では、ねこちゃんへの寄生も問題になってきています。日本各地で報告が出てきました。それはまたご機会あったらそのうちお話しようと思います。

どんな所に寄生するの?

フィラリアの英語名は、『heart worm』。つまり、heartというのは心臓ですね。フィラリアの大好きな場所は心臓なのです。もっと正確にいうと、『右心室』と『肺動脈』という場所が特に大好きな場所です。

フィラリアのライフスタイルは?

どうやってフィラリアは、わんちゃんに住み着いてしまうのでしょうか?実は、フィラリアを手助けしている仲間がいるのです。

それは『蚊』です。オスとメスは心臓に寄生します。そこで産まれた子供のフィラリア、「ミクロフィラリア」は心臓を飛び出して、血液にのって全身を回っていきます。そんな状態の動物の血を蚊が吸血すると、ミクロフィラリアは蚊の体の中に入って成長していきます。

蚊の中で青年になったミクロフィラリアは、蚊がわんちゃんの血を吸った時にその傷口から入りこんで、わんちゃんの体に侵入します。侵入したわんちゃんの中でも、血液にのって、少しずつ大人になりながら、大好きな心臓を目指していくわけです。そこで大人になって、また家族を増やして...という流れになります。

フィラリアってどんな症状がおこるの?

フィラリアが心配なトイプードル

症状には「子供のフィラリア」がおこすものと「大人のフィラリア」がおこす症状があります。

子供のフィラリアは心臓に到達するまでに、色んな場所に血液にのっていくので、うっかり心臓じゃない所に迷いこんでしまうことがあります。それによって臓器が障害をうけてしまいます。

大人のフィラリアがおこす症状としてなんといっても怖いのは「突然死」です。心臓に虫がつまってしまうことで、血流がうまく流れず、食欲が急になくなり突然呼吸困難になったり、最悪亡くなってしまうことがあります。
この症状が起こる割合はフィラリアにかかっているわんちゃんの約4%ほど。ほとんどのフィラリア感染しているわんちゃんは、慢性的な経過をとることが多く、咳などがでてきます。

実際、都市部では少ないですが、郊外の方ではフィラリアに感染しているわんちゃんを何度かみたことがあります。フィラリアがいるせいで、心臓からうまく血液が流れていかず、どんどんお腹にお水が溜まっていく、という症状がでているわんちゃんもみたことがあります。

フィラリアはどうやって調べるの?

犬の血液イラスト

感染しているかどうか調べるのに必要なものは、血液です。
わんちゃんを飼っている方ならわかると思いますが、この時期にフィラリアのお薬をもらいにいくと、「フィラリアの検査をして陰性だったらお出ししますね」といったフレーズを聞いたことがあるのではないでしょうか?そして、少しわんちゃんから採血して、しばらく待っていると結果が出て...という流れの病院さんが多いのではないでしょうか。

先ほどいったように、フィラリアは血液にのって移動します。なので、病院さんによってどこまで検査されているかはわからないですが、たぶんほとんどの病院さんが、「大人のフィラリアを調べている」、「子供のフィラリアを調べている」、「どちらも調べている」のこの3パターンではないかと思います。

大人のフィラリアの調べ方

これはとても簡単で、実は検査キットというものが、いくつかの会社さんから出ています。基本的には、キットと採血した血液を数滴使って5〜10分ほどで結果が出ます。

子供のフィラリアの調べ方

こちらもとても簡単で、血液を直接観察する方法が多いのではないでしょうか。他にも色々あるのですが...ほとんど現場では使わないのではないかと思います。

もし陽性だったら?

たまに、検査キットで陽性に出ることがあります。つまり、フィラリアがいますよ、ということですね。でも全然症状がない子もいます。そういうわんちゃんに対しては、エコー検査を実施することがあります。エコー検査で心臓をうつすと、もしフィラリアがいる場合は、「イコールサイン」といって、記号の「=」のように見えることがあります。エコー検査のように、もしフィラリアがいる可能性が高い場合は、他にも画像検査や血液検査などを行う場合もあります。

フィラリアの予防法って?

外で座る犬

フィラリアがいなかった場合

ほとんどのわんちゃんは、検査でいないよ、と分かったら、お薬が処方されます。なぜ、いないとわかってからお薬を飲むのでしょうか?

実はもし、フィラリアが寄生していたことを知らずにお薬を飲んでしまうと、そこにいたフィラリアは一斉に死んでしまいます。そうすると、血管に死んでしまった虫がつまってわんちゃんが突然死したり、ショックをおこしてしまうからです。なので、確実にいないよ、とわかってからお薬は飲んで貰うため、毎年検査を行うのです。

今は色んな種類のフィラリアのお薬が販売されています。そして、確実に食べてもらえるようにわんちゃんが好きな味になっているので、おやつ感覚であげれるお薬が多くなってきましたし、ノミやマダニも一緒に予防できたり、消化管にいる寄生虫も一緒に駆除してくれるお薬も出ているので、通われている病院さんにご相談してみてください。

お薬について

よく病院でも聞かれる質問ですが、あくまでフィラリアのお薬は「駆虫薬」というものです。フィラリアにかからなくするお薬ではありません。フィラリアが体の中に入ってきても小さいうちに殺してしまうというお薬です。1ヶ月ずっと効いているというわけではないので、勘違いなさらないでくださいね。

なので、飲む期間も大切で、蚊に刺されて、フィラリアが入ってきてお薬が効く大きさまで育つには1ヶ月かかります。多くの病院さんは5月から11月、もしくは12月まで予防をされるではないでしょうか。子供のフィラリアにお薬は効くため、蚊がでてきてから1ヶ月後から蚊がいなくなってから1ヶ月後までの予防になります。

まとめ

散歩する犬

長々と書いてしまいましたが、フィラリアの予防が大切だ、という点が伝わってくれれば幸いです。今回はもしフィラリアだった場合の治療法などは書いていません。でも、フィラリアの治療は難しいのが現実です。

なので、予防をして防げる病気があるのなら、フィラリアは間違いなく予防するから防げるものなので、義務ではないですが必ずやっていただきたいものです。

お薬も安くはありませんし、お金もかかってしまうのはわかります。が、お金もかかってしまうから、散歩に行かないから大丈夫、ということではありません。

私たち人もお部屋にいるのに蚊に刺されますよね。それと一緒です。前に2年間、フィラリアは大丈夫だったから予防しなくても大丈夫だろうと予防されていないわんちゃんがいましたが、検査をするとフィラリアが陽性だったこともありました。

こういった勘違いもあるので、独断で判断されないようにしてください。少しでも疑問や不明な点があるときは、獣医さんや看護師さんに相談してください。自分の愛するわんちゃんが少しでも一緒にみなさんと過ごせるように、できることをしてあげるのはとてもいいことだと思います。

簡単ではありますが、フィラリアについて書かせていただきました。少しでもこの記事がお役に立つことができれば幸いです!

記事の提供

  • 獣医師
  • 加藤桂子
  • (伊達の街動物病院 獣医師)

日本獣医生命科学大学卒業。仙台市の動物病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

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  • 男性 ラララ

    隣近所の犬の飼い主や親戚にフィラリアは予防が大事と話すと、フィラリアとは何かと聞かれるので、予防しないと血管の中に糸状の虫がたくさんいる状態になる答える。
    すると、予防している、狂犬病の事ね、毎年狂犬病予防注射していると言う。
    特に地方の田舎の飼い主の半分以上はフィラリアや8種混合ワクチンを知らないのではと思う。
  • 40代 女性 ポンタ

    昔は「フィラリアは治らない病気」と思っていましたが、今では色々な治療薬も出ていて進行状況によっては治すこともできるんですよね。実家の犬をフィラリアで亡くしたので、「時代がちがえば…」と思ってしまうこともありますね。
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