動物病院の先生に恋をした『ラブちゃん』の物語

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動物病院の先生に恋をした『ラブちゃん』の物語

動物病院はペットにとって大嫌いなところです。とくに注射を打つ先生はペットにとっては怖い存在。でも「ラブちゃん」は違いました。腎不全を患いながらも、最後まで先生に会うために一生懸命生きたワンちゃんのお話です。

毎日に病院に来る「ラブちゃん」というワンコ

病院で笑顔を見せる犬

私が動物看護師として働きはじめたばかりの時のお話です。
私が初めて勤めた動物病院には、院長の他に代診の先生が2人いました。
1人はすごく怖い先生。
1人は優しくて面白く、新人でガチガチに緊張していた私を和ませてくれる優しい先生でした。
今でも私にとって理想の獣医さんです。
私がまだ仕事も出来ずオロオロしてる頃、ラブちゃんはすでに常連さんで診察にほぼ毎日きていました。

待合室にいる間は落ち着かずソワソワ。
名前を呼ばれて診察室に入ると、一目散に先生のところへ。
会った瞬間、ちぎれそうな位しっぽを振り、全身で喜びを表現します。
大好きな先生に撫でてもらい満足すると、大好きな先生に抱っこしてもらい診察台に乗せてもらいます。
ラブちゃんはとても頭のいい子で、診察台に乗ると大人しく、注射や採血も暴れたりせずじっと我慢してくれ、私達や先生を困らせることはありません。

診察が終われば、飼い主さんに促されながら名残り惜しそうに診察室を後にし、何度も振り返りながら帰っていく。まさに恋する乙女。

でも、その頃のラブちゃんの体はガリガリで、食事を食べないこともよくあり、食べない時は点滴を受けに病院を訪れていました。

ラブちゃんは「腎不全」でした。
腎不全は高齢の子がなる病気ですが、おそらくラブちゃんは先天的に腎臓に欠陥があり、気がついた時には腎臓の数値は跳ね上がっていました。

飼い主さんは高齢のご夫婦。
車を運転できるお父さんが仕事でいない時は、先生と二人でお家に往診へ伺い、点滴や注射をしました。
私は先生とラブちゃんの関係が大好きでした。
でも終わりの時間が迫ってきているのは、新人の私にもわかりました。

最後まで

点滴を打つ犬

闘病から1年になろうとしていた頃、ラブちゃんの体は限界がきていました。
食べれない日が何日も続き、嘔吐もほぼ毎日。
入院する日も増え、日に日に弱っていくのがわかりました。

先生も必死で色んな文献を調べ、ラブちゃんを救うために試してみましたが、数値は下がらず、出来ることは点滴ぐらいしかありません。
先生はラブちゃんの負担を考え、朝一番から診察ギリギリまで預かり点滴をし、夜はゆっくり眠れるようお家に帰しました。何かあればすぐに行くのでと、自分の携帯番号を飼い主さんに渡していました。

そんな日が何日か続きました。

いつものように朝一番にやってくるラブちゃんを待っていましたが、ラブちゃんはやってきません。

数分後病院の電話が鳴りました。

「ラブが今亡くなりました。今までお世話になりました。また改めてお礼に伺います。」

飼い主さんからの連絡でした。

数日後、飼い主さんがお礼にこられました。
私は別のワンちゃんの診察中で、お話できませんでしたが、飼い主さんの顔をみて会釈しましたが泣きそうになり、すぐに目をそらしてしまいました。

診察が終わり入院の子の世話をしているふりをしながらこっそり泣いていると、先生が横にきて話をしてくれました。

亡くなった日の夜、診察終了後先生はラブちゃんの家を訪ね、最後のお別れをしたそうです。

あの日の朝
「ラブ。先生に会いに行こう。」
と声をかけるとフラフラした体を起こし、自分で立ち上がり車まで歩いていったそうです。
車に乗り込みエンジンをかけようとした時、後ろにいたラブちゃんをみると亡くなっていたそうです。

最後まで先生に会いたかったんだろうなと思うと、抑えていたものがあふれ大泣きしてしまいました。
先生は私に「いつも往診についてきてくれてありがとう。これよかったらもらって。」

ラブちゃんの写真でした。

飼い主さんにお願いし、ラブちゃんの写真を譲ってもらったうちの1枚を私にくれました。
今でも私の宝物です。

まとめ

花畑で楽しそうな犬

私達の仕事は病気の動物を治療すること。
ただ治療しても完治せず、亡くなることも多いのが現実です。
その時、最後まで、一緒になって闘ってくれる先生がいたラブちゃんは、世界一幸せなワンコだったと思います。
そんな先生に会えたラブちゃんが羨ましく思います。

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