犬を擬人化してはいけないのか?
犬と生活する上で、犬を擬人化してはいけないとよく言われます。一般的に擬人化とは、『人間ではないものを、まるで人間のように表現する』事です。また犬の行動科学における擬人化とは、『人の感情を犬の感情に当てはめて考えること』と言われています。
しかし犬の行動科学がめざましく発展して来ている近年では、この『擬人化の定義』が変わりつつある様です。今までは『犬を擬人化してはならい』というのが定義とされて来ましたが、最近の研究で『犬は様々な場面で人間と同じ様な感情の動きがある』ということがわかってきました。
そして犬の記憶力についても、これまでの研究で示された能力より高い事も判明しており、犬の持つ能力が人間に近いものだといいう事も分かっています。この様な状況を鑑みると、擬人化の定義が従来よりも曖昧になって来ています。ですので基本は擬人化NGではありますが、あくまでも『愛犬のためになる』という前提での節度ある擬人化ならば許されるのではないでしょうか。
犬を擬人化してしまったときの問題点
『愛犬を家族として迎えているのだから、人間扱いするのは当然の事』と思われて、犬を完全に擬人化している方々は、日本だけではなく世界中に少なからずいます。でもそれが犬にとって本当に幸せでしょうか?
人間の常識は犬に対しての常識ではありません。例えば、『人間が美味しい物を食べた場合、愛犬にも食べさせたい』などと思い、人間と同じ食べ物を犬に食べさせると、犬にとって毒となるものが沢山あります。場合によっては中毒になり死に至る事さえあり得ます。
また、飼い主の中で愛犬の擬人化が行き過ぎると『留守番させるのが可哀想』などと考え、顔や上半身が出てしまう様なキャリーバッグに入れて電車やバスに乗せてしまったりします。ここで一番問題なのは、飼い主が犬を大事にするという意味を勘違いしている事です。
この擬人化によるの勘違いが、愛犬をろくに躾をせず甘やかして過保護にしてしまうのです。そうなると犬は自由に『やりたい放題』しますので、これが問題犬を作り出す要因となるのです。そして、溺愛するばかりに他の犬や人との交流を避けてしまうと、社会化も出来ていない状態で成長してしまいます。
こうなっては人間も犬も不幸になるのが目に見えています。ぜひともこれだけは避けて頂きたいですね。
躾と言いいましても、厳しければ良いというものではありません。犬の習性や愛犬の性格に合わせた躾が必要となります。あまり厳しくすると、犬が委縮して飼い主さんとの信頼関係が築けない場合がありますので、メリハリをつけて躾ける事が重要です。
人はどうして犬を擬人化してしまうのか
愛犬を擬人化してしまう原因の一つとして、その人が『犬が好き過ぎる』からという理由が考えられます。犬が好き過ぎる人全てが犬を擬人化する訳ではありませんが、人によっては『悪い溺愛』をしてしまいます。つまり犬を愛し過ぎる事に度を越した人は、『精神的盲目状態』になってしまうと言う事なのです。
犬のためになる溺愛ならば、それはそれで結構だと思います。しかし精神的盲目状態になると、愛犬のためにならなくても正しいと思い込んでしまいます。そうならないためにも、一度愛犬の躾け方を見つめ直す必要があります。とにかく冷静に愛犬を見つめながら躾けて行けば良いと思います。
でも犬を擬人化している人達の気持ちも分かります。犬って可愛い子ぶりが上手すぎます。家族で食事をしている時など、愛犬がテーブルの横にやって来て、ウルウルの瞳でこちらをジッと見つめるのです。そんな愛犬を見たら、つい食べ物を与えてしまいたくなるのが心情です。
犬と言う動物は人が食事をしていると、何であの様な人間的な表情をするのでしょうか?『何を食べてるの?』『とっても美味しそう!』『少しで良いから頂戴』と懇願している様な顔をするから本当に困ってしまいます。でも人間の食べ物を愛犬に食べさせると、健康に支障を来す恐れがありますので十分注意しなければなりませんね。
犬の擬人化に関するまとめ
犬の認知科学や行動科学が発展して来た現代では、犬の感情が以前より遥かに分かって来ています。そして、犬は感情の豊かな動物であり仲間意識があります。ですので家族のために怒る事もあり、家族全員がいないと寂しく感じる時もあります。
また、喜びや悲しみ、不安、恐怖も人間と同じ様に感じます。だからこそ犬をよく理解して感情を読み取り、愛犬のためになる事を常に考えてやれば、必ずしも度を越した擬人化にはならないと思います。私も含めてですが、犬をこよなく愛する人達にしてみれば、ある程度の擬人化は止むを得ない気がします。
犬の本能,習性、そして愛犬の性格を熟知していれば、どの様に擬人化すれば良いの分かる様になって来ます。そうする事により、ある程度擬人化してもリスクを負わずに済むのです。犬の知識を活用して慎重に擬人化すれば、却って信頼関係と絆が深まって行くのではないでしょうか。
愛犬の健康面や気持ちをしっかり考えてあげる事が出来れば、多少の擬人化もありだと思います。
ユーザーのコメント
40代 男性 hiro初めまして
擬人化についてとてもハッキリ描かれてるなと思いました。
ただ擬人化してる人は自分でわかっていない人が多いと思いました。
都合よく物事を解釈してる人が多いので最初の方に描かれてる近年変わってきて擬人化も良いところがあるとゆうところしか読んでいないと思います。
一番肝心なその後の文は読んでいないと思います。
ですので擬人化してる人を甘やかす文はどうかな?と思います。
描かれてることはそのとうりと思うことばかりで消して悪い事では無いですよ。
誤解を招くような描き方をして申し訳ないです。
40代 女性 S46
犬のためになること、ならないことをしっかりと見極めて接することが大切ですね。犬にとっても、飼い主とべったりではなく、ある程度の距離感が大事なのだそうです。愛犬が可愛いあまりに、ずっとかまってばかりいたり、犬がくつろいでいるときや寝ているときに顔をのぞきこんだり・・ついついやってしまいがちですが、犬にも犬の生活ペースがあります。それを崩されると分離不安や落ち着きのない犬になってしまうそうです。
犬が好きすぎて精神的盲目状態になって、周りの方々に迷惑をかけないように、また、愛犬のためにも間違った愛し方をしないように、私もしっかりと気を付けようと思いました。
30代 男性 BOB
50代以上 女性 楓
そのときに大事なのは、犬と人間は違う習性を持った生き物であるという認識です。犬の習性を無視して人間と同じように扱ってしまうと、愛犬にストレスをかける結果となります。犬と人間、お互いの習性を尊重し合ってともに暮らすのが理想だと考えています。
ただ、やはり犬のほうが弱い立場なので、人間のほうに犬を理解する努力が求められます。犬は基本的に穏やかな生活を好むので、人間と同じようにあちこち連れ回す「レジャー」は必要ありません。犬がくつろげるように、人間ができるだけ配慮するのが大切だと思います。
女性 シュナ
女性 白川
もちろん家族ですが、犬のためにならないことはしない、が前提で飼っています。
聞くと、ご飯に関しては犬に菓子パンを丸々一個与えてしまっていたり、なかには飲み残して炭酸の飛んだビールを与えてしまっていたり、とても怖い環境にいる子も多いです。
我が家では愛犬が同じ食卓につくことがありますが、人用の味の付いた食べ物を与えることはありません。せいぜい白米を少々おすそ分けするくらいです。これも本当は良くないんでしょうけど。
犬を家族として扱うのはいいと思います。ですが、人と犬という枠引きだけはしっかりしておかなくてはならないと思います。
人の長い寿命の中で、犬と一緒に過ごせる時間は多くはありません。その限られた時間を本当に良かったものだと思えるように、間違った扱いをしてはいけないと改めて感じました。
40代 女性 キイナ
30代 女性 ひまわり
批判するわけでは有りませんが、自分がもしあんな風に甘やかされて育っても嬉しくないと思うからです。これは人間目線かもしれませんが、犬にとっても過剰な甘やかしは、犬の成長を阻害すると思います。しっかりと社会化して、ほかのわんちゃんと上手にコミュニケーションできる子の方が幸せだと私は思います。
女性 ゴン吉
バス停のベンチに自分の犬を座らせている人がいて、そこに座りたい人が「犬をどかしてほしい」と言うと、「こっちが先に座っていたんだ」と犬をそのまま座らせている人がいました。間違っていると思います。
犬を人と同じように家族として大事に扱うことは良いことだと思います。ですがその範囲を間違えてはいけないと思います。
女性 鶴
20代 男性 匿名
20代 男性 匿名