犬は優れた社会的知性で嘘を見抜く
犬は人間と同じ様に、左脳で言葉の内容を把握し右脳で言葉の抑揚を把握しています。
何かを指差せば、それが何を意味しているかも理解できるのです。
なんとそれはチンパンジー以上だと言われています。
また、飼い主が本気で自分を誉めているのか嘘をついているのか、しっかり見抜く事ができると最近の研究で確認できたそうです。
これは、犬が人間と共に大昔から暮らして来た長い歴史の中で身についた『優れた社会的知性によるものだ』と結論付けられています。
飼い主が本気で誉めた時だけドーパミンが分泌される
2016年8月29日号の米科学誌【サイエンス】電子版で、『犬は人間がつく嘘を見抜く事ができる』と言う内容が、ハンガリーのエトベシュ・ローランド大学の【アッティラ・アンディクス博士】率いる動物行動学チームにより発表されました。
この実験では、MRIを使用して13匹の犬を対象に、それぞれの犬の飼い主に様々な言葉を4パターン録音してもらい、その言葉を聞かせて犬の脳のどの部分が活性化するか調査したそうです。
Ⓐ【お利口だね】【良い子だ】【ヨシヨシ】【その通り】を、本当に気持ちを込めて称賛して喋る
Ⓑ抑揚もない中立的な口調で誉め言葉を喋る
Ⓒ賞賛の気持ちを込めて意味のない中立的な言葉を喋る
Ⓓ中立的な口調で意味のない言葉を喋る
その結果、犬のMRIによる脳画像は左脳が言葉そのもの、右脳がイントネーションに反応している事が判明したのです。
左脳は計算や分析などの理論的な働き、そして言葉の意味を理解します。
右脳は芸術性や創造力など感情面の働きをすると言われます。
この様に、犬は人間と同じで両方の脳を働かせて、飼い主の込められた感情や言葉の意味が判断できる事が分かったそうです。
そして、Ⓐの本当に気持ちを込めて称賛して喋った時だけ、犬の脳内の【報酬系領域】が活性化されて【ドーパミン】が分泌されたそうです。
報酬系領域は人間の脳内にも存在し、達成感や嬉しさを感じた時に快楽物質であるドーパミンが分泌されると言われています。
つまり犬は、人間の【本気】と【ウソ】を見抜く事ができるのです!
犬の脳って人間が思っているより発達しているのですね。
これは、犬と生活している私にとって嬉しさの極みです。
愛犬家の皆様、愛犬が良い事をしたら気持ちを込めて誉めてあげましょうね。
犬は嘘をついた人間を信用しない
京都大学の心理学教室で犬の認知研究を行っている【高岡祥子】さんは、こんな事を言っています。
『犬は特定の人間を信頼できるかどうかは、自らの経験を踏まえて判断する』
つまり犬は嘘をつかれた人間の事を憶えており、その人からの情報を信用できるかできないか、今後その人との関わりをどうするかを決定する情報として使っているのだそうです。
実際に実験も行われています。
参考ページ↓
http://www.dogactually.net/blog/2015/03/post-652.html
私が思うに、あまり愛犬を騙してばかりいると信頼関係は築けないのではないかと思います。
愛犬をからかうのも程々に、と言うところでしょうか。
嘘が見抜かれたケース(私の愛犬編)
我が家には9歳のシニア犬がいます。
愛犬との9年間の生活で、私がついた嘘が何度か見抜かれた事があります。
その内容をいくつか紹介しますね。
嫌いな動物病院に連れ行こうとしたがバレた
混合ワクチン接種のため動物病院に連れ行こうとして、犬友の『〇〇ちゃんの所に行こう』と言って騙して連れ出したまでは良かったのですが、歩いたりコースが動物病院へ行くコースなので嘘がバレて、途中で動かなくなってしまった。
それからは動物病院に行く時には、必ず愛犬の大好きなキャリーバックの中に入れて連れて行っています。
マダニとフィラリア予防薬を肉と言って騙したが見抜かれた
3歳になった頃、急にチュアブルタイプのマダニとフィラリア予防薬を食べてくれなくってしまいましたので、『お肉だよ』と言って口に咥えさせたが、嘘がバレてしまい愛犬は口に咥えていた薬を後ろに投げ飛ばしてしまいました。
たぶん怒ってこの様な行動を取ったのだと思います。
それからと言うもの、マダニとフィラリア予防薬はスポットオンタイプを滴下する様にしています。
悪戯を止めさせるために『何だあれは?』と言っていたが通用しなくなった
生後半年くらいまで愛犬はスリッパ破壊魔でした。
スリッパを噛んではボロボロにしてしまうので、『何だあれは?』と大きな声を出して適当な方向を指差して騙していました。
しかしその嘘も通用しなくなってしまいましたので、『地震だ!』と言ってテーブルをガタガタ揺らして脅かす方法に変えました。
地震が大の苦手な愛犬にはちょっと可哀そうですが、これが一番効果のある方法です。
犬は最初のうち何度か騙されても何も起きなければ『何も起きない、安全だ』と認識して騙されなくなってしまいます。
こう言った仕草は、愛犬自身の体験から嘘を見抜く能力が備わって行った証だったのですね。
犬同士でも騙したり騙されたり、そんな駆け引きをしているのでしょうか?
まとめ
犬は、人間が思っているよりずっと優れた社会的知性を持った動物です。
愛犬のためになる嘘なら仕方がないと思うのですが、面白半分で騙したりすると飼い主を信用しなくなる様です。
そうなると逆に犬が飼い主を騙したりするケースがあると聞きます。
嘘をついて揶揄ってばかりいると、主従関係が崩れて【アルファシンドローム】(権勢症候群)になる場合があります。
つまり立場の逆転現象崩が起きる可能性が高くなると言う事です。
そうなってしまったら犬も飼い主も不幸になります。
それは是が非でも避けなければなりません。
愛犬と上手に付き合うには、出来るだけ嘘をつかず誠実な心と深い愛情を持って接して上げなければならないのです。
『たかが犬』と侮って安易な気持ちで接してはいけません。
【大切な我が子】と言う気持ちで生涯面倒をみてあげて下さい。
そうすれば必ず強い絆と深い信頼関係が築ける事でしょう。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 匿名
こんな声の調子の時はウソだとか・こんな目をしている時はウソだとか・果ては飼い主の心拍数まで聞こえているはずです。
コワいくらいですね。