「雨の日の犬との過ごし方」ストレスを貯めない対策からよくある困りごとまで獣医師が解説

「雨の日の犬との過ごし方」ストレスを貯めない対策からよくある困りごとまで獣医師が解説

また今年も梅雨の季節がやってきます。お散歩が好きなわんちゃんにとって、外に出られないことは大きなストレスにもなり得る場合があります。ではどんな風に過ごすことで、少しでも梅雨時期のストレスを溜めない過ごし方になるのでしょうか。

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麻布大学獣医学部獣医学科卒業後、神奈川県内の動物病院にて勤務。獣医師の電話相談窓口やペットショップの巡回を経て、横浜市に自身の動物病院を開院。開院後、ASC永田の皮膚科塾を修了。皮膚科や小児科、産科分野に興味があり、日々の診療で力を入れさせていただいています。

お散歩の目的

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梅雨の時期は雨が続くため、お散歩が好きなわんちゃんの飼い主さんは頭を悩ませる機会が増えるでしょう。

まず、皆さんはどんな目的でお散歩をしていますか?

排泄

お外でないと排泄ができないわんちゃんもいるでしょう。

雨だからと言って我慢させるわけにはいきません。

お外での排泄の場合、どんな天候であっても散歩をしてあげる必要が生じます。

また、少しの距離歩いただけで排泄ができる子もいれば、自身の定位置まで行かなければ排泄できない子もいます。

排泄できるまでお散歩が必要な場合が多いです。

ストレス発散

体力のある若い個体や、体格の大きい子などは運動量を必要としていることが多いです。

室内で過ごすだけでは発散がしきれず、いたずらなどの問題行動などにつながる可能性があります。

外での発散が大きな役割となっていて、欠かせない場合は雨の日でもお散歩をする必要があるでしょう。

雨が嫌いだったり、飼い主さんの事情でお散歩ができない場合であれば、代わりになるものを見つけてあげなければなりません。

大型犬の場合、室内で遊べるスペースを確保することは難しいかもしれませんが、体を使うだけでなく頭を使ったり、スキンシップを図りながら行って満足できるよう工夫してみましょう。

飼い主さんとのコミュニケーション

お散歩によって飼い主さんとコミュニケーションを取ることを楽しみにしているわんちゃんもいるでしょう。

大好きな飼い主さんとアイコンタクトをとりながら、話しかけてもらう時間を楽しみにしているため、時間になると催促をしたり、雨の日も一緒にお散歩に行こうとお誘いを受けて断れないという飼い主さんもいると思います。

しつけの一環として、天候や飼い主さんの事情でお散歩に行けない日はあきらめるということも教える必要があります。

代わりに室内でコミュニケーションをとる方法や一緒に過ごす方法を考えることをおすすめします。

雨のお散歩、こんなことが困る

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問題なくお散歩ができるのであれば、雨の日でもお散歩を行なっても良いと思います。

しかし、雨の日のお散歩で飼い主さんが困ることもたくさんあります。

飼い主さんにとってどんなことが大変と感じることが多いのでしょうか。

被毛のケア

濡れてしまった被毛が生乾きだったり、びしょ濡れのままでいると、独特のわんちゃんの臭いがしたり、被毛がぼさぼさになってしまうことが多いです。

せっかくの大切なわんちゃんにはいつでもかわいくいて欲しいというのが多くの飼い主さんの願いでしょう。

トリマーさんなどの専門家であれば、濡れた後の被毛のケアも素早く行えるでしょうが、家庭で行なわなければならない場合、わんちゃんのいやいやも併せて起こって飼い主さんが大変になることが多いです。

短い被毛のわんちゃんはタオルドライをしっかり行うだけでも充分乾かせますが、長い被毛のわんちゃんは、シャンプータオルやドライシャンプーなどの水やお湯を使わなくて良いものでの清浄やブラッシングをしながらのドライヤーでの乾燥が必要になるケースが多く、面倒に感じる飼い主さんも多いかもしれません。

雨の際の視界の悪さによるトラブル

雨の日はどんよりとした空の色になることや、霧がかかったりして視界が悪くなることが多いです。

時間帯やわんちゃんの被毛のカラーによっては、視界の悪さにより車と接触しそうになったりヒヤッとした経験のある飼い主さんも多いのではないでしょうか。

少しでも雨の量が少ない時間帯に散歩をする、わんちゃんがいるということをアピールするために目立つレインコートを飼い主さんもわんちゃんも装着する、蛍光色に発行する首輪を装着するなどトラブルの対策を行なう必要があります。

飼い主さんもよりわんちゃんのまわりの環境に配慮しながらの散歩が必要になるでしょう。

飼い主さんの荷物が増えることになる

雨の日は濡れないために傘を持ったり、レインコートを着たり、防水のバッグを持つなど雨対策のグッズを身につけることが多く、飼い主さんの荷物が増えるため、お散歩がより大変に感じることが多いです。

突然のトラブルやわんちゃんのダッシュ、引っ張りなどで荷物の多い中での対処は難しかったり、飼い主さんのケガなどのトラブルにつながることもあります。

少しでも荷物を減らすべく、レインコートを装着したり、ウエストポーチなど手が塞がらないようなグッズを使用する等の方法をとると、解決できる可能性も高いです。

雨の日のお散歩に困らない過ごし方

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雨の日のお散歩はなかなか大変なことがわかりました。

お散歩をどうしてもしなければいけないという場合もありますが、お散歩を代わる方法に代えて避ける方法もあります。

どんな方法があるのでしょうか。

お家の中でのトイレトレーニング

外でないと排泄ができないわんちゃんも多いと思います。

特に大型犬のわんちゃんはお外での排泄をするルーティンになっている子も多いでしょう。

お外でしかしないわんちゃんの理由としては、ただお外ですることが好きだから、本能的なマーキングとして行いたいから、家の中では不安があるから、家のトイレで排泄するのが好ましくないと思っているからなどが挙げられます。

マーキングとして行っている場合、去勢手術をすることでトイレのコントロールがしやすくなる場合もあります。

家の中での排泄に不安がある場合や、トイレの大きさなどで排泄をしづらいと思っていることが考えられます。

安心して排泄できるような環境に整えてあげること、充分な大きさや広さを確保し、清潔に保つことで快適に排泄できるようにすることで、室内での排泄も行えるようになる可能性があります。

トイレシーツの感覚が苦手な子や、吸水したシーツのやわらかい感覚を好まない子もいるでしょう。

まずは場所を特定せず、わんちゃんができる場所でトイレシーツの上での排泄に慣らす練習から行い始めると、徐々に指定したトイレでの排泄ができる可能性が高いです。

吸水時の触感が苦手な子の場合、シーツの厚さや質感などを変えることや交換の頻度を多くしてあげることで解決できる場合もあります。

試してみると良いかもしれません。

知育玩具

発散というと、体力を使うことを連想しがちですが、体力を使うこと以外でも充分に満足して発散をすることが可能です。

その一つとして知られているのが知育玩具と呼ばれる頭を使って遊ぶおもちゃです。

小さな穴からおやつやフードが出てくるように角度や動かし方を調節するおもちゃや舌を上手に使って小さな穴からペーストを上手に舐めとるものなど種類は様々で、難易度もやさしいものから難しいものまで様々です。

最近ではノーズワークと呼ばれる、わんちゃん本来の優れた嗅覚を利用する知育遊びもよく知られるようになってきました。

わんちゃんの性格によって、一人で楽しめるようになるまでに時間がかかることもありますが、まずは簡単なものを飼い主さんと一緒に楽しむことで、知育玩具での遊びが楽しいものという印象が付けられるため、次の難易度を試してみやすくなるかもしれません。

集中して工夫をしたり頭を使うことで、体を思い切り使っての発散とはまた違った充実感が得られて、室内でも満足できる可能性が高いです。

室内での飼い主さんとのスキンシップ

きちんとわんちゃんと飼い主さんの信頼関係が築けていると、どんな場所でも大好きな飼い主さんと一緒に過ごすことはわんちゃんにとって楽しい時間となります。

おもちゃで室内でもできる遊びをしたり、一緒に寝そべってゆっくりするのも良いでしょう。

大好きな飼い主さんであればマッサージをされたり、たくさん触れてもらえることもわんちゃんにとってはうれしいことの一つです。

雨の日ならではのスキンシップの時間を楽しんでも良いと思います。

そのためにも、普段から信頼関係が築けるよう、おうちのわんちゃんの性格やわんちゃんの性質をきちんと理解して、上手に接することが大切です。

まとめ

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雨の日もお散歩をしなければならないと思うと憂鬱になる飼い主さんも多いでしょう。

しかし、雨の日でもお家の中で楽しめる方法はたくさんあります。

外のお散歩の楽しみに代わるものを見つけてあげることで飼い主さんも負担にならずにともに楽しめる雨の日になるはずです。

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