安産,難産は犬種によりけり
確かに昔の原種に近い日本犬、特に大型犬は比較的安産であったそうですが、現代の小型犬や短頭種については難産が多く、人間の手を借りないと出産できないケースが多々あります。
また、帝王切開で産まれて来る場合もしばしばあると言われています。
その理由として、小型犬は産まれて来る頭数が少なく胎児が大きくなり易いのと、短頭種は体に比べて頭が大きいため産道を通り難いからとされています。
つまり、母犬が小さいの対して大きな子犬を出産する事になりますので難産になり易いと言う事になります。
特にブルドッグ系の犬は産道が狭いため、頭と肩が支えて殆ど帝王切開になるそうです。
ですので近年に於いて犬の安産説は犬種によりけりだと言えるでしょう。
原種に近い日本犬種の大型,中型犬は比較的安産が多い
日本犬は中型犬が多く、特に原型に近い日本犬は種頭部の大きさと体のバランスが良いため比較的安産が多いとされています。
そして、1回の出産時が多頭数であるため1匹のサイズが小さめと言う事。
つまり、出産の時にそれほど細くない産道を小さめの胎児が通過しますので安産になるのです。
因みに比較的安産だと言われている日本犬種は以下の通りです。
大型犬:秋田犬
中型犬:甲斐犬,紀州犬,四国犬,北海道犬,川上犬
小型犬:柴犬
その他:雑種
小型の人気犬種は難産になり易い
小型の人気犬種は体が小さくなる様に繁殖が繰り返されて来た事で、母犬の産道はどんどん狭まくなり、その影響で1回の妊娠でできる胎児の数が減って来ています。
そのため、胎児1匹のサイズが大きくなって細い産道を楽に通ることが難しい状況になっています。
ですので人気犬種に成れば成るほど難産になり易くなり、場合によっては帝王切開で産まれて来るワンちゃんもいるそうです。
また、母犬が小さ過ぎるため体力が持たずに最後まで自力で産み落とす事が出来なくなり、人間の力を借りて産むと言う様な重い難産になる犬種もあります。
これは、より小さくするためのブリーディングを繰り返して来た人間のエゴの結果と言えるでしょう。
難産や帝王切開になり易いと言われる犬種は次の通りです。
チワワ,ミニチュアダックスフンド,マルチーズ,ヨークシャーテリア,ポメラニアン,トイプードルなど。
短頭犬種の殆どが帝王切開
体に比べて頭のサイズが大きい短頭犬種は、胎児が産道をスムーズに通りずらく高確率で帝王切開になります。
短頭犬種は人工的に作出された種ですので、当然、自然界には存在しません。
特にブルドッグやフレンチブルドッグの出産は、殆ど帝王切開が行われています。
出産前から帝王切開について考えなければならない犬種は次の通りです。
ブルドッグ,フレンチブルドッグ,ボストンテリア,パグ,ペキニーズ
自宅での出産を望むなら
一般の人が自宅で愛犬の出産を望むと言う事は、一つ間違えば胎児と母犬の両方を失うことなり兼ねない、命がけの行為と言っても過言ではありません。
その様な事がない様に、完璧な体制を整えて臨まなければなりません。
まず自宅出産が可能かどうか掛かりつけの獣医師に確認しておきましょう。
その際に骨盤の広さ,外陰部,母犬の体が出産に適しているか、などの判断してもらう事が重要です。
それから、不測の事態が生じた場合に備え、獣医師に緊急連絡がとれる体制を整えておく事が最も大切です。
出来れば初回はブリーダーか獣医師のような専門家か、犬の自宅出産の経験が豊富な人に立ち会ってもらう事をお勧めします。
不測の事態例:陣痛が弱くて母犬が息まない,胎児が産道に詰まる,胎児の死亡など。
まとめ
本来 犬はもともと安産な動物なのです。
難産が多くなっている原因は、小型化を目的とした無理な繁殖の繰り返しにあります。
世界では非公認の犬種も含めると約800種類も存在していると言われています。
もうこれ以上無理な繁殖をさせて犬種を増やす必要ないと思うのですが、そう言いながら小型犬が好きで一緒に生活している自分に矛盾を感じています。
無理のない品種改良って無いのでしょうか?
無理のない繁殖で可愛い小型犬種がいっぱい・・・
『そう言う世の中が来れば良いなぁ』と思っています。