犬の副鼻腔炎とは
犬の鼻の奥にある器官である副鼻腔の中で炎症が起きた状態のことを指します。この副鼻腔という器官の一部は鼻腔(鼻の内部にあたる部分)と繋がっているため、鼻腔に炎症が起きると副鼻腔に炎症が伝わってしまうことがあるのです。そのため、副鼻腔炎=副鼻腔の炎症だけではなく、鼻腔と副鼻腔の炎症を併発している場合も含まれます。
犬の副鼻腔炎の主な症状
副鼻腔炎になってしまった場合の主な症状として挙げられるのは、鼻水、くしゃみ、鼻のまわりが腫れる、鼻が詰まったために起きる呼吸の荒さ、その他顔や鼻のまわりを気にするようになる、鼻血が出る...などです。場合によっては結膜炎や鼻炎、蓄膿症を併発することもあります。
結膜炎とは?
眼球の白目〜まぶたの裏側までを覆っている、結膜という膜に炎症が生じたもの。症状としては前足で目をこすろうとしたり、床や壁などに目をこすりつける、まばたきが頻繁になる、涙の量が増える、白目が充血するなどの症状が挙げられます。
治療法は主に点眼薬や軟膏の塗布で治療することになり、場合によっては目のまわりを清潔に保つ為に洗浄したり、目のまわりの毛が目に入って炎症を起こしている場合にはカットすることもあります。結膜炎の原因としては異物の混入から細菌やウイルスの感染までありますが、いずれにせよ根本的な原因を取り除くことが重要です。
鼻炎とは?
鼻の中の粘膜部分に炎症が生じたことを指します。犬の鼻の中の粘膜の表面積は、トータルでいうと人間のそれよりもはるかに上回っています。そのどこかに刺激が加わるなどして炎症が起きた状態を鼻炎といい、初期段階ではさらさらした鼻水が出るようになります。
それがやがてネバネバしたものになり、さらに炎症が進むと鼻血が混ざったり、最終的には鼻付近の骨が融解したり、最悪炎症が脳へと侵入してしまう場合もあります。
鼻炎の原因は細菌・ウイルスによるものから寄生虫、アレルギーまで様々ですので、症状が疑われる場合にはまずかかりつけの獣医さんに相談しましょう。
蓄膿症とは?
副鼻腔炎の炎症症状が進行して悪化したり、慢性化してしまうと副鼻腔内に膿がたまってしまい異臭を発したり痛みを感じるようになります。膿がたまることで鼻の付け根あたりが膨らんできたり触ると嫌がるようになることも。
食欲が落ちてしまうことも少なくないので、「鼻炎なんて命に関わる病気じゃない」と高をくくって放置せず、ドロッとした鼻水になってきたら蓄膿症を疑いできるだけ早く病院で診察を受けましょう。
犬の副鼻腔炎の意外な原因
副鼻腔炎は何らかの原因で鼻腔内に炎症が発症して鼻炎となり、そこから副鼻腔に炎症が起こる場合がほとんどと言われています。ですがその他にも鼻の中や鼻周辺のケガや腫瘍、さらには副鼻腔に近い上アゴ周辺の歯周病が原因で副鼻腔炎が起きる場合があります。
上に挙げたような症状が出た場合、他のケガや病気などが考えられる場合もありますので、まずは病院の診察を受けるようにしましょう。
犬の副鼻腔炎予防について
副鼻腔炎を引き起こす原因のひとつである鼻炎の症状を長引かせないことが一番です。鼻炎の症状が出たらきちんと治療し、慢性化させないことが大切です。その他鼻炎の原因となる病気やケガなどにも十分気をつけるようにしましょう。
犬の副鼻腔炎の治療について
副鼻腔炎は他の疾病によって引き起こされている場合も多いので、その場合にままずその疾病の基礎疾患への治療が優先されます。例えば鼻炎が原因の場合には鼻炎の原因に合わせ、抗生物質や抗ウイルス剤などの薬の投与がされ、また歯周病が原因の場合には歯周病の治療が優先されることになります。
ですが副鼻腔炎が進行し、副鼻腔内に膿がたまる蓄膿症を発症している場合にはたまった膿を洗い流したり、呼吸困難を起こしているような時には薬剤を用いてまずは炎症を抑えるなどの処置がされることもあります。
処方された医薬品を服用することで副鼻腔内にたまった鼻水を排出するようサポートしたり、ネブライザーと呼ばれる吸入器を利用して薬剤を鼻の内部に直接噴霧して炎症を抑えたりして症状を抑制します。
さらに副鼻腔内に膿がたまった状態の「蓄膿症」を発症し、悪化してしまっている場合は外科手術によってチューブを通して膿を出す処置を行うこともあります。
他の症状や病名で犬の病気を調べる
犬の副鼻腔炎の他にも、気になる犬の病気や、普段見ない行動をとっていて心配なときに病気を調べることができる辞典がありますので、ぜひ活用してみてくださいね。↓
犬の病気大辞典!知っておきたい基礎知識【症状や病名から調べる】
飼い主が「ホームドクター」「第一のかかりつけ医」と呼ばれるのは、日頃の様子とそこからの変化をきちんと知っているから。ちょっとした変化や「なんとなく気になる」程度のことでも、飼い主がおかしいとおもったら決して放っておかずに様子を観察して経過をメモを残しておいたり、遠慮せずに獣医師に相談するようにしましょう。
犬の副鼻腔炎まとめ
副鼻腔炎になると、犬は鼻がつまってしまい大変息苦しい思いをすることになってしまいます。たかが鼻づまり...とついつい見過ごしてしまいがちですが、人間でも鼻づまりが長期化すると非常に不快なものではないでしょうか。犬は人間と違い、不快でも苦しくても言葉にして人間に訴えることができません。
日頃からその行動や素振りに十分注意し、何か気になることがあったり、普段と違う違和感を感じた場合には、まずはかかりつけの獣医さんに相談するようにしましょう。
ユーザーのコメント
40代 女性 こたママ
40代 女性 葵
聞いたことがあります。地面に近い分散歩のときなど外から雑菌を貰ってきてしまう事は多いのでしょうね、うちの愛犬も良く鼻水を流しています。風邪かな?と思い熱っぽいと思ったらすぐに病院へ連れて行くようにしています。特に鼻の病気だと言われていないのですが、続いてしまうようならちゃんと見てみてもらった方がいいかもしれませんね、私も鼻炎があるので人間でも辛い症状があります。それをわんこが、と考えると可哀想でたまりません。早めに治してあげたいですよね。
女性 Kaeko
30代 女性 はるか
40代 女性 もなか