犬の鼻炎とは
犬の鼻炎とはウイルスやアレルギーなど様々な原因により、鼻の中の粘膜に炎症が起こってしまう病気です。軽度の場合は命に関わるような危険な病気ではないものの、重症化すると鼻呼吸ができなくなったり呼吸困難になったりするリスクもあります。
鼻炎は原因ごとに適切な治療を受ける必要があるので、くしゃみや鼻水といった初期症状に気づいた時点で、放置せずに動物病院で診察を受けることが大切です。
犬ジステンパーウイルス感染症や歯周病など、思わぬ病気の症状として鼻炎になっているというケースも珍しくありません。慢性化したり、一度回復しても再発してしまったりすることも少なくないので、できる限りの予防をしたいところです。
犬の鼻炎と症状
鼻炎の初期段階ではまだ、サラサラとした水のような鼻水が分泌されます。この時点ではまだウィルス感染は初期の状態です。
症状が進み、中期以降になってくると炎症はさらに進んでいき、少し粘り気のでた鼻水へと変わってきます。症状が進んでいくにつれてくしゃみの回数が増えたり、鼻水の量も増えてくる傾向にあります。この段階に来ると、愛犬の方もかなりつらい状況のはずです。
もっと症状が進んでくると鼻の奥の方に膿が溜まり、副鼻腔炎という新たな病気を引き起こしてしまうこともありますので、飼い主さんは日頃から愛犬の様子をしっかりみて、早期発見に努めてください。
ちなみに副鼻腔炎になると、鼻水の量が増えて、くしゃみの回数が増えるだけではなく、さらに鼻の周囲が腫れてしまったり、呼吸が苦しそうになったり、下手をすると呼吸困難になってしまう犬もいます。
この段階では鼻水の色はかなり濃い色になってきます。副鼻腔炎は人間同様、さらにひどくなってくると蓄膿症へと進んでいきますので重症化する前に動物病院へ行きましょう。
犬の鼻炎の原因
犬の鼻炎の原因はいくつかあります。飼い主さんの方でも予防できることはあります。
炎症を起こす主な原因
- ①ウィルス、細菌、真菌などによる感染
- ②花粉、粉塵、ハウスダストなどのアレルギー反応
- ③リンパ腫や良性のポリープなど、鼻の中にできてしまった腫瘍
- ④植物の種など、異物の吸引によるもの
- ⑤口蓋裂などの病気があるわんちゃんは鼻炎を引き起こしてしまうことがある
以上の事がよく、鼻炎を引き起こしてしまう原因と言われております。お散歩中に植物の種をお鼻から吸引させないとか、住宅環境を整えてあげる、1年に一回のワクチン接種(ウィルス感染症予防)などは、飼い主さんの方であらかじめ出来ることですので、愛犬が鼻炎を引き起こさないためにも、鼻炎を引き起こす原因となるものは取り除いてあげましょう。
鼻炎の検査方法
犬の鼻炎を治療するには、まず検査によって鼻炎の原因を特定することが重要です。鼻炎の検査方法には以下のような種類があります。
- アレルギー検査
- ウイルス検査
- 鼻水の細胞診
- 歯科検査
- レントゲン検査
- 内視鏡検査
- CT検査、MRI検査
鼻炎の原因がアレルギーやウイルス感染にある場合は、アレルギー検査やウイルス検査をすることでアレルゲンやウイルスが特定できます。鼻水の細胞診では鼻腔内に腫瘍の疑いがあるか、細菌が多く見られるかを調べます。また歯科検査をして歯周病が鼻炎の原因になっているとわかれば、歯科治療を施すことで鼻炎が改善するでしょう。
レントゲン検査では、鼻腔内の炎症の様子や異物がないかを確認します。内視鏡検査は内視鏡を使って鼻腔内を直接観察するという検査方法です。異物や腫瘍の有無を調べるために、全身麻酔をかけて検査を実施します。
なかなか治療の効果が得られない場合には、CT検査やMRI検査などの詳しい検査が必要になるケースもあります。
かかりやすい犬種
どの犬種でも鼻炎になる可能性はありますが、特にかかりやすいのはマズルが長い長頭種だと言われています。ダックスフンド、コリーなどは注意が必要でしょう。また歯周病や腫瘍が原因の鼻炎は、高齢の犬ほどリスクが高くなっています。
犬の鼻炎の治療法
基本的に、鼻炎の原因が様々なので、原因によって治療をしていきます。
①ウィルス、細菌、真菌などによる感染の場合
抗生物質や抗真菌薬などが投与されます。場合によっては消炎剤も使用することがあります。
②花粉、粉塵、ハウスダストなどのアレルギー反応が原因の場合
抗アレルギー剤を投与したりアレルゲンを特定しその特定アレルゲンを除去することをやって行きます。アレルゲン検査後は獣医師とよく相談して今後の治療方針を決めることが大切です。
③&④&⑤鼻にできてしまった腫瘍や異物吸引、また口蓋裂などが原因の場合
鼻の中に異物がある場合は異物を除去するための処置(手術など)が行われます。口蓋裂などの場合も外科的手術が行われます。
他の症状や病名で犬の病気を調べる
犬の鼻炎の他にも、気になる犬の病気や、普段見ない行動をとっていて心配なときに病気を調べることができる辞典がありますので、ぜひ活用してみてくださいね。↓
犬の病気大辞典!知っておきたい基礎知識【症状や病名から調べる】
犬の鼻炎の治療費
犬の鼻炎の治療費はどのような検査や治療を行ったかによって異なりますし、病院によっても金額に多少の差があります。おおよその目安となる料金をご紹介するので参考にしてください。
1回の診察料+お薬の処方で3000~5000円程度はかかるでしょう。もちろん1回の通院で鼻炎が完全に治ることはなかなかないので、しばらく通院を続けることになると予想されます。
またレントゲン検査は5000円程度(枚数に応じて追加料金あり)、CT検査やMRI検査をする場合は犬の体重ごとに料金が決められており、3万~10万円ほどかかるようです。もしも鼻炎の原因が腫瘍で手術が必要となると、手術費用も10万~20万円ほどかかります。
鼻炎に大病のイメージは持っていない方が多いかと思いますが、場合によっては治療費や検査の費用がかなりかかるということを覚悟しておきましょう。
犬の鼻炎の予防法
犬の鼻炎は原因ごとに予防法が異なります。
犬ジステンパーウイルス感染症などの感染症が原因で起こる鼻炎は、ワクチンを摂取して感染症対策をすることで防げます。感染症は鼻炎が起こる以外にも命に関わる様々な症状を引き起こすので、定期的なワクチン接種で愛犬の健康を守りましょう。
アレルギーが原因の鼻炎は、花粉やハウスダスト対策として空気清浄機を設置したり、こまめな清掃を心がけたりすることである程度症状を軽減できます。
歯周病から鼻炎が派生するのを防ぐには日々の歯磨きが大切です。歯磨きが苦手な犬は多いですが少しずつ練習して歯磨きを習慣化し、清潔で健康的な歯を維持しましょう。
犬の鼻炎に関するまとめ
鼻炎の原因はさまざまですが、1年に一回、ウィルス感染予防のためにワクチンをうつ、アレルギー反応を引き起こさないために日頃の食生活や環境を整える、免疫力を下げない、異物吸引をしないよう愛犬の様子を観察しておくなど、飼い主さんで予防出来ることはあります。
人間同様、犬も鼻炎になるとつらいです。もし、愛犬が「あれ?もしかして鼻炎かも?」と思うようなことがありましたら自己判断せず、悪化する前に早めに動物病院で受診しましょう。愛犬の健康を守れるのは飼い主さんだけです。愛犬が健やかな日常を送れるよう、愛犬の健康管理にぜひ務めていただけたらと思います。
ユーザーのコメント
40代 女性 我が子
3日飲んで4日間あけまた4日間飲む薬
3日目に症状は治りつつあったのですが4日間あけてから症状が少し戻ってしまったかなと思いながらも薬を飲み切るまで様子をみてる状況です。言葉を話せない分…ツラいです。少しの変化も皆さん大袈裟な位の感覚で病院に連れてってあげて下さいね
30代 女性 まろんママ
30代 女性 匿名
乾燥するとブヒブヒ、むせる、最近少し酷くなってきて、ネブライザーだけでしたが飲み薬も出して貰いました。
鼻が酷くなると頭部振戦がよく出ます。
神経がデリケートなのかすぐお腹壊すし胃腸炎にもなるし…
毎日の観察大事です。飼い始めた頃からたまに息がおかしいと獣医に言い続けて5年目、やっと検査してみようと言ってくれる先生が居ました。飼い主さんが気になっておられるのでとの捉え方で。他には何の異常もなく、右の鼻腔は粘膜で覆われ左にも少しありました。
水を飲むのもむせるので早くから分かってればと…。
先生が言う事全て正しい事はないのでおかしいと思ったら納得行くまで先生探しした方がいいです。毎日みてるのは飼い主さんなので。
女性 桃
40代 女性 チョコママ
うちも花粉の時期にくしゃみをしていることがあるので、ひどくならないといいなと思っています。
女性 せとか
ウイルスや細菌などによる風邪みたいな感じのものから、アレルギー様のもの、腫瘍や異物吸引、いろんな原因があるとのことで。想像すると、人間のようにティッシュで鼻水をかめるわけでもなく、なかなかツラそうです。ましてや副鼻腔炎だなんて!人間でも大変なのに。
余談ですが犬って鼻毛がないんですよね。鼻水はタラタラ垂れっぱなしなのかな…。
このサイトの犬の健康関連の記事を読んでいると、1にも2にも早期発見なんですね。愛犬の異変には、本当に早く気が付かないといけないんだなと改めて思いました。
50代以上 女性 雛ママ