犬の嗅覚について
犬の目元から鼻先の部分は口吻部・マズルと言います。
見てわかる通り、犬種によっても長さはちがいますよね。
マズルの部分がペチャンコで可愛い、フレンチブルドックやパグ。
標準的な長さの、柴犬やゴールデンレトリバー。
長いマズルを持つ、かっこいいイメージのグレイハウンドや、ボルゾイ、そしてジャーマンシェパード。
マズルが長い方が嗅覚が優れていると一般的には言われていますが、それは匂いを嗅ぎとる部分の面積が広いからです。
しかし2010年に行われた研究により、それだけが理由ではないことがわかりました。
どうやら犬の頭蓋骨が脳の形を変形させているようで、研究者たちがマズルの長い犬と短い犬の脳内を、それぞれMRIで撮影してみたところ驚きの結果が判明したそうです。
マズルの短い犬の脳は前後に潰され丸みを帯び、鼻から情報を集められる「嗅球」がかなり下方にずれ込んでいるようです。
鼻の短い犬が、鼻の長い犬よりも嗅覚が劣っているのは、匂いを嗅ぎとる部分の面積が小さいだけでなく、嗅球がつぶれて機能ができていないということも理由の一つだということが、研究により判明しました。
犬の嗅覚にも得意・不得意がある
犬の嗅覚は人間より1000倍から1億倍優れていると言われています。
けれど、かぎ分ける臭いには得意、不得意があります。
犬にとっては身の回りにあって当たり前の自然界の花などは、特に気に留めるものでもないので、これらの匂いに対しては鈍感なようです。
では、自然界にない化学物質には敏感なのかなと思いますが、それらは犬には関係のない匂いのため、それらの匂いに対しても鈍感なようです。
敏感に反応する得意な匂いは、動物の発する匂いです。
犬の祖先はオオカミです。
自然界で生きていたオオカミは、どんな動物がいたか、または来るのか敏感に察知しないと命を落としてしまう可能性があります。
獲物の匂いがすれば、捕獲するために必死に匂いを嗅ぎ、風に乗って襲われる可能性のある生き物の匂いがすれば逃げなければなりません。
こうしてオオカミは得意な嗅覚を生かし、人間と生活する人生のパートナー「犬」、となるまで生き抜いてきたのです。
日にちをさかのぼって、匂いを嗅ぐ
「ここに何があったか、匂いで当ててみて」と言われても、人間にはできません。
けれど犬は、そこに何があったのか匂いでわかります。
その証拠に警察犬は、数日前犯人が歩いたところを嗅覚をたどって進み、犯人の居場所を突き止めます。
私たちの愛犬も、お散歩中にクンクンと匂いばかり嗅いでいることありませんか?
匂いから何がいたのか、どのわんちゃんなのかを嗅ぎ分けているのです。
また、愛犬にお留守番を頼んでお出かけし帰ってくると、クンクンとしてきます。
飼い主さんについた匂いを嗅いで、どこに行ってたのか、誰といたのかを操作しているんですよ。まるで愛犬が探偵になったようです。
愛犬に「仕事だからごめんね」と嘘をついて、美味しいもの食べに行ったり楽しんできても、全てお見通しです。
「嘘つかれたら、余計不安になっちゃうよぉ~」とスネちやうかも知れません・・・!
ちなみに我が家の愛犬は探偵調査よりも「帰ってきたー!遊んで~!待ってたよぉ~」という気持ちが強いようで、クンクンはあまりしません。喜び表現に必死なんですよ♪
人間と犬の嗅覚の違いについて
人間も犬も、鼻腔内に嗅上皮(きゅうじょうひ)というものがあります。そこには臭いを脳に伝える役割をしている嗅細胞というものがあります。
人間の場合、この嗅上皮の面積は1~10円玉、嗅細胞の数は500万個と言われています。
犬種によって鼻の長さも違うので違いはありますが、嗅覚が優れている犬の嗅上皮の面積は人間の50倍!
1000円札1枚ちょっとの面積があります。
そして嗅細胞の数は、2億2万個とものすごい数を持っています!!
それだけではなく、犬には臭いの階層化という能力があります。
夕食時にいい香りがしてきて「あ~今日はカレーだね♪」
なんてこと、よくありますよね。
これを階層化の能力を持った犬で表現すると
「あ~今日は牛肉とジャガイモと人参と、カレー粉とクミンとコリアンダーと・・・だね♪」
といった具合になります♪
材料一つ一つをかぎ分けることができるのです。
面白いですよね♪
もう、凄すぎます!!
その能力のおかげで私たちは、色々と助けられています。
犯人の匂いをかぎ分けたり、麻薬調査、そして最近では癌をみつける犬もいますよね。
癌を見つけるなんて!と驚いちゃいますが、匂いさえわかれば癌やそのほかの病気でさえも、犬には簡単に見つけることができるでしょう。
犬の嗅覚は本当に凄いですね!
ちなみに犬界ナンバー1の嗅覚の持ち主は「ブラッドハウンド」だそうです。
確かにあのお肉の垂れた顔、垂れた耳のわんちゃんが床に這いつくばって、鼻だけ動かしてクンクンクン!というシーンは漫画で見たことがあるような気がします♪
犬の得意分野を、うまく表現されていますね♪
まとめ
犬の嗅覚が優れているのはみなさんご存じかと思いますが、マズルが長い犬種の方が嗅覚が優れているだとか、材料一つ一つ嗅ぎ分けられるということは、あまり知られていないのではないでしょうか。
犬の嗅覚は、私たちが思っているよりずっとずっと凄いようですよね!
でも、犬が落としたおやつの欠片やフードなど、「そこ!そこ~」と言ってもなかなか見つけられないわんちゃんはなぜなのでしょうか?
これ、わんちゃんあるあるじゃないですか?(笑)
うちの子も、もちろんそうです(笑)
きっと鼻が良すぎて、色々な匂いがするからわからないんですかね。
嗅覚が凄いのに、すぐそこのおやつの欠片を見つけられないなんて・・・♪
可愛い過ぎますよね♪
ユーザーのコメント
30代 女性 mika
40代 女性 まみ
ゴールデンレトリバーでマズルが長いので、嗅覚も優れているのですね。材料を1つ1つまで把握できる嗅覚は人間よりもはるかに優れていてスゴイと思いました。
30代 女性 ちびまま
30代 女性 sasara
探偵と表現されていたのにすごく共感し笑ってしまいました。我が家のワンコは帰って来た人の口の匂いを絶対に嗅ぎます。「なに食べたの?」って調べられていたのか!?床に落ちたフードをなかなか見つけられない理由も納得できましたし、この記事を読んでわんちゃんの嗅覚の仕組みがとてもよくわかりました。
20代 女性 かねごん
この能力を有効に利口に発揮しているので思いあたるのは警察犬ですね!犬は匂いの記憶力が抜群なので犯人を追えるのです。
また、逆にこのずば抜けた嗅覚を持っているが故に酢のようなきついにおいが苦手で他にも香水などにおいの強い物にはその分ダメージが大きいです。気をつけてあげましょう。
30代 女性 v_v
犬は時間をさかのぼって匂いがわかるとありましたので、もしかしたらこれかなと思いました。犬が得意な分野の匂いだと、人間の1万倍以上の嗅覚といいますから、私がおもちゃを持って歩いた経路がわかるのではないでしょうか。かなり難しい場所に隠してもあっという間に見つけてしまうため、隠すこちら側が毎回悩んでしまっています。
40代 女性 こたママ
30代 女性 ちょびこ
30代 女性 zzz
お肉を焼くと大喜びに、ピシっとお座りをして私に熱視線を送ります。
それなのに、人間を判断するのは視覚が優先のようです。大好きなお姉さんが、ある日会ったらロングヘアからショートヘアへスタイルチェンジしていたんです。うちの犬は名前を呼ばれているのに、しり込みをしてしまいには逃げ出す始末。いつもなら見つけた途端に飛びついていくのに。お姉さんが何度も何度も声をかけますが、逃げてしまいます。手の匂いをかがせても隠れてしまいます。どうやら聴覚や嗅覚ではなく、見た目で人を覚えているみたいです。
その後、10分近く時間をかけて、無事大好きなお姉さんだと判明ました。
40代 女性 SUSU
以前、仕事中の主人に少しだけ会ってから帰宅したことがあります。お留守番をしていた愛犬がいつものようにお出迎えをしてくれましたが、私の匂いを嗅いですぐに玄関に行ってしばらく待っていました。特にくっついた記憶はないのですが・・・きっと主人の匂いがしたのだと思います。「まだ帰ってこないよ。」と説明するまで健気に待っていました。このような行動はその時だけでしたので、近くにいただけでも体に匂いは付くんだなぁと妙に感心してしまいました。
なお、記事にもあるように犬は優れた嗅覚を持っています。従って、人工的な香りや匂いが強いものは苦手とされています。
愛犬の場合、香りつきのトイレシートは苦手なようです。消臭フレグランス付きのトイレシートも数多く販売されていますが、シート自体に香りが付いてるため、避けるようにトイレをしてしまいます。平気なワンコもたくさんいると思いますが、匂いに神経質なワンコの場合は無香料タイプがおすすめです。
また、ワンコは匂いや食感でご飯を食べると言われており、匂いはワンコの食欲をそそるとても大切なポイントとなります。食いつきを良くするために業界内では魔法のパウダーと呼ばれている粉を振りかけられているドッグフードやオヤツもたくさん存在しています。○○パウダーや○○エキス、香料などの表示がこれにあたります。
そのため、このフードの方が身体に良いと聞いて購入しても、いつものフードの方がよく食べるといったことが起こってしまうのです。
我が家では夕飯のみ手作りご飯を与えていますが、風味付けにはいつも苦労しています。手作りご飯を作られている方も多いため、補助食品もたくさん揃っていますが、ペット用ふりかけのような風味付けアイテムは匂いを嗅いだだけで食べようとしないため、タンパク質となるお肉を先に焼いてスープと煮込まずに別に置いておいたり、新鮮なお刺身が手に入った際には上にトッピングすることもあります。私達が卵料理をした際には、あらかじめ別に取っておいた卵を焼いてトッピングに使うこともあります。スープに溶いてしまうよりも焼いた方が食欲をそそるようです。
お刺身をワンコにあげることについては賛否両論ありますが、我が家では新鮮な物を少量であればOKとしています。(あくまでも自己判断です。)新鮮な物という判断が難しいと思われがちですが、犬には優れた嗅覚があります。愛犬の場合、解凍されたお刺身はまず口にしません。匂いを嗅いで止めています。その他、少し色がどうかな?とこちらが思う物もまず食べようとしません。お魚屋さんで買った本当に綺麗なお刺身のみ、匂いを嗅いでパクッと食べています。
我が家では愛犬が食べようとしなかったお刺身は火を通すようにしています。おかげで買ってきたお刺身を食べて気分が悪くなったことは一度もなく、とても頼りになるチェックマンがいると思って感謝しています。
女性 Satsuki
らいすごいかということはあまり考えていませんでした。空港などで警察犬などを
見るとプロフェッショナルですごいな!と思います。私はたまに香水などを利する
ことがありますが、きっと飼っている犬にとってはキツイ匂いなんだろうなと思い
ます。犬の嗅覚は本当に素晴らしい才能ですね。