犬の肝硬変について 症状や治療法など

犬の肝硬変について 症状や治療法など【獣医師監修】

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肝硬変とは、肝臓が長い間ダメージを受け続けた結果肝臓が機能しなくなってしまう肝疾患の末期の状態です。症状や治療についてわかりやすい言葉でご紹介します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬の肝硬変とは?

肝臓

犬の肝硬変とは、簡単に説明すると肝臓が固くなって機能しなくなってしまう病気です。
病気の名前ではなく、何らかの肝臓の病気により、徐々に肝機能が低下していった結果の末期の状態のことをいいます。

では、肝臓が固くなってしまうと犬の体にどんな影響があるのでしょうか?
この事を理解するために、まずは肝臓の働きから説明していきます。

肝臓の役割

肝臓は、私たちが生きていく上で欠かせないビタミンやホルモン、消化酵素などを生成しています。
また、炭水化物、脂質、タンパク質の合成や分解、体内に入ってしまった有害物質を解毒する役割も担っています。
肝臓の役割は数百もあるといわれていて、体にとって欠かせない臓器です。

肝臓は丈夫

肝臓は再生能力が高く、全体の75%が切除されても犬なら8週間ほどで元の大きさに再生してしまうほど丈夫で、80%の肝細胞が障害されない限り肝機能はほぼ正常に保たれるといわれています。

一度破壊された肝細胞は元に戻らない

しかし、一度破壊されてしまった肝細胞は元には戻らないのです。
これは言いかえると、肝臓に病気があっても残りの正常な細胞で肝臓の機能は保たれてしまうため、肝臓の病気になかなか気付くことが出来ないという事を意味します。

慢性的な肝臓の病気が続くと、肝細胞は少しずつ破壊されていきます。
肝臓は元に戻ろうとするのですが、修復作業が追いつかなくなってしまいます。
破壊された肝細胞は繊維化し、小さな癌のようになってしまいます。
この繊維化された細胞が徐々に増えていき、肝臓が固くなってしまうのが、犬の『肝硬変』です。

つまり、犬の肝硬変は肝臓の病気の末期の状態といえます。

犬の肝硬変の原因

ダックス

犬の肝硬変は、多くは慢性的な肝炎が続いた結果として起こります。
他にも胆管結石などによる胆汁の停滞、犬糸状虫症などによる循環不全などが原因で起こります。

犬の肝硬変の症状

では、犬の肝硬変はどのような症状が現れるのでしょうか。
最初に説明したように、肝臓は体に必要なビタミンを作ったり、解毒に関わったりと生命維持に不可欠な役割を担っています。
このため、肝臓の機能が低下すると以下のような症状がでてきます。

初期症状

食欲低下、体重減少、元気がなくなっていく、嘔吐、下痢といった症状が現れます。

進行すると現れる症状

黄疸

白目や歯茎が黄色く変色します。

腹水

お腹に水が溜まりふくれていきます。

肝性脳症

混乱や見当識障害、過度のよだれが見られます。
深刻な場合、けいれんや昏睡状態が起こります。

犬の肝硬変の治療

犬が肝硬変の状態にまでなってしまうと完治は難しく、症状の軽減を目的とした対処療法が中心になってしまいます。
他にも、食事療法や薬物療法などがあります。

食事療法

肝臓に出来るだけ負担をかけないように、消化のよい食事を少量ずつ、1日数回に分けて与えましょう。
肝性脳症や腹水などの合併症を予防するには、たんぱく質や食塩の制限も必要になってきます。

薬物療法

肝炎の症状にあわせた薬を使います。
具体的には、抗酸化剤、亜鉛、銅キレート剤、免疫抑制剤、抗線維化物質といった選択肢があります。

これらの薬は病気を完治するためのものではなく、症状を軽減させるための薬であるため、犬が肝硬変と診断されたらずっと薬を飲み続けなければなりません。

腹水を抜く

お腹に水が溜まって苦しそうな場合は、まず利尿剤を使って水分を排出するようにします。
それでも良くならない場合は、腹水穿刺といってお腹に注射針を刺して、水を直接吸い取る治療をします。

トイプードル

おわりに~飼い主ができること~

犬の肝硬変は肝臓病の末期の症状であり、愛犬が肝硬変と診断されてしまうと余命はわずかと言われてしまう事もありますが、早期に肝硬変と気づく事で症状の進行を遅らせる事ができます。

犬の肝硬変の原因究明や確定診断には、肝生検という検査が有効です。愛犬が肝硬変と確定した場合は定期的に超音波や血液検査などの検査を受け、肝臓の状態を把握しながら治療の方針を決めていきます。

獣医師さんと連携して、適切な環境で愛犬がより長く暮らしていけるよう、生活の質の向上に努めましょう。

ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 雀3号

    18歳の天寿を立派に全うしましたが、愛犬は多臓器不全に近い状態でもありました。胆のうはほぼ機能せず、その結果肝臓も半分近く壊れてしまっていたので、症状としては最後の2日間のみでしたが、食欲不振それに伴う体重減少と低血糖でした。嘔吐や下痢は最後までなく、黄疸もありませんでした。歩くこともあり元気もあったのでどうしてこんなに強いんだろうと思っていました。最後の踏ん張りだったのかもしれません。

    主に食事療法でしたが、だいぶ調子は良かったです。まず低脂肪であること、そして野菜を取り入れたことは大きかったです。細かくすることはもちろんですが、あまり量を食べられなくなってからは顆粒状の野菜サプリを活用しました。ゴマも効果があるので、できる限りトッピングに取り入れました。ササミも好物だったので与えることもありました。他にも出来る限りですが、欲しがる食べ物は少量ずつ。

    食欲がない時は「フジタ製薬 ニュートリカル」という犬用高カロリーサプリメントだけでしたが、効率よく吸収されるので返って元気なくらいでした。今思うと肝臓にはよくなかったのかもしれませんが、それでも貧血改善や低血糖予防など他の部分にはとても効果があったと思います。

    血液検査などで明日にでも寿命かもしれないと言われてから1年以上も過ごしてこられたのは、その時々の判断が間違っていなかったからだと思います。
    もし、肝硬変と診断され先が見えてしまいそうなら、無理ない範囲でその子が食べたいものを食べさせてあげてください。美味しいものは生きる気力にも繋がると思います。
  • 投稿者

    女性 カカオ

    肝硬変、人間だけではないんですね。とてもわかりやすい説明でこちらの記事に感謝しています。症状は末期にならないとわかりにくいとのことでとても怖いです。犬種によりなりやすい病気があるかと思いますのであわせて注意が必要ですね。うちはシュナウザーを飼っていますが高脂血症になりやすいといわれています。高脂血症から肝臓を患うこともあるようなので、予防には気をつけていきたいと思います。肥満にならないように注意、低脂肪・高繊維食の給与、カロリーコントロールなどの食事管理、これらは高脂血症の予防策なのですがいずれにしても何かの病気の延長で他の症状を誘発してしまうことはよくあると思います。まずはできることから注意していきたいと思います。
  • 投稿者

    40代 女性 てと

    この病気になってしまうと余命わずかと宣告されてしまうかも知れないんですね…。末期にならないと症状もよく分からないということは、日ごろからの予防がやはり大切なんですね。13歳に愛犬もなり犬種でみても平均寿命に入ってきました。愛犬には1日でも長生きしてもらいたいです。そのためにも少しでもいいから低タンパクなものなど肝臓に負担をかけない食事を心掛けてみようと思います。
  • 投稿者

    50代以上 女性 ノア

    末期の肝硬変と愛犬が診断され、肝臓を病理検査に出し結果を待っている状態です。
    そのように診断されても、長く生きる事が出来たわんちゃんは、いらっしゃいますか?その場合どの位の年月で、どのような事をしてあげたのでしょうか?
    どうかアドバイスお願いします。
    生きた心地がしない毎日を過ごしております。
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