犬の胃拡張について 食後の散歩が危険な理由

【獣医師監修】犬の胃拡張について 食後の散歩が危険な理由

犬の胃拡張は胃にガスがたまることにより最悪の場合死に至る恐ろしい病気です。しかし日頃の観察や注意によって早期発見や予防できます。その症状と治療などについてこの機会にぜひ知っておきましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬の胃拡張とは

食べ物をかじる犬

犬の胃拡張とは、胃が異常に大きくなり血液が流れにくくなるため、胃に酸素が回らなくなるものです。
犬の胃拡張を起こす前段階となっているケースもあります。拡張した胃が大静脈などを圧迫したり、胃が捻転することで血管がねじれ、腎臓や心臓、脾臓など他の臓器に大きなダメージを与えてしまいます。血流が滞ることで組織が壊死してしまうおそれもあります。

犬の胃拡張と胃捻転について

胃拡張や胃捻転は関連性の高い病気で、比較的胸の深い大型犬で見られやすいものです。ただし、空気の飲み込みや過食による胃拡張の場合は、小型犬や若い犬でも発症することがあります。ガスが溜まる胃拡張では高齢犬や老犬に多く発生します。

他にも、遺伝的な要因があったり、メスよりもオスの方が発症しやすいといわれています。

また、胃捻転は夏よりも冬の方が発症率が高い病気です。予防をする意味でも冬は注意しておきましょう。

胃捻転は、その名前の通り胃が時計回りに左背側にねじれてしまうものです。
この状態が続くと胃の入り口と出口が塞がれた状態になってしまいます。胃の中には食事の塊や飲みこんだ空気、胃から分泌される消化酵素の化学反応で発生するガスなどが溜まり、胃が拡張したままとなります。胃の中に溜まったガスや空気が外へ排出されないことで拡張し続け、最悪の場合周囲の臓器を圧迫します。

特に大型犬では、循環器系障害や代謝障害などの症状が伴う急性胃拡張・胃捻転を起こし、非常に危険で早急に病院での治療が必要となります。
また早期に治療を施した場合においても、術後、不整脈などの二次的疾患により命を失うケースが少なくありません。
日頃から胃拡張にならないための予防が重要となります。

犬の胃拡張(胃捻転) 危険度チェック

チェックリスト

愛犬が美味しそうにごはんを食べて満足そうにしている姿は飼い主としても嬉しいもの。しかし、そんな愛犬が食後、数時間のうちにお腹が膨れ出すことによって急に苦しみだし、最悪の事態に…。これはどのワンコにも現実に起こりうる出来事です。

胃拡張は食後の幸せなひとときに起こる怖い病気なのです。日常生活の中で胃拡張になるリスクが潜んでいないかぜひチェックしてみてください。あなたの愛犬に当てはまる項目はありませんか?

危険度チェック

  • 飲食後に散歩や運動をすることがある
  • がっつり早食いである
  • 多頭飼いでいつも争うようにして食事をする
  • 食事の回数は1日1回である
  • 食べ方が下手である(空気を一緒に飲みこんでしまうため)
  • ガスのたまる食物(穀物、イモ類、発酵食)をよく与えている
  • 大型犬である
  • 狭いケージの中などに長時間入れることがある

当てはまる項目が1個以上あったワンちゃん!胃拡張・胃捻転は他人事ではないかも!?

犬の胃拡張の症状

治療を受ける犬

主な症状

食後1~4時間以内に、お腹の膨らみ、呼吸が荒い、吐き気、何度も吐こうとする動作を見せる、よだれ、大量に水を飲む、横たわったまま立てなくなるなど。胃拡張、胃捻転どちらの場合も短時間で急激に悪化します。
胃拡張の場合、大量の水を飲みげっぷを繰り返す。嘔吐した吐しゃ物は黄色っぽいもの。胃捻転の場合、えづくが吐けず大量のよだれ。吐しゃ物は茶褐色が多く悪臭。そのままにし、症状が進行すると舌が紫色になり目の粘膜が真っ白になりいわゆるショック症状を起こす。

ここに挙げられている症状だけで判断するのではなく、食後の状態がいつもと違うと気が付いた場合は、極力安静にしながらすぐに動物病院へ向かい診てもらうことが重要です。

犬の胃拡張の治療法

治療の種類

  • 輸液と抗生物質の投与
  • 口から胃内にチューブを通すか、皮膚の上から胃内に針を刺してガスを抜く
  • 外科的治療(胃の整復、壊死した胃壁や脾臓の切除、再発防止処置)

急性の胃拡張・胃捻転では、早期の治療が成功した場合でもその後、問題が起きることも少なくないため死亡率は15~68%となっています。胃拡張、胃捻転どちらの場合も血流を妨げる症状なので、緊急性危険性の高い病気です。

胃捻転の外科手術になると、全身麻酔をかけるリスク、そして輸血が必要になる可能性も高くなります。血流を圧迫したことにより、他の臓器への負担も大きく、循環不全を起こしていることもありえます。早期発見、早期治療がとても重要になります。日頃から食事の後の行動をよく観察しておくことが大事です。

まとめ

食器の前に伏せるバーニーズ

胃拡張や胃捻転は、比較的死亡率が高く怖い病気です。
危険度チェックからもお分かりのように注意したいいくつかのポイントがあります。

  • 飲水や食事の直後の散歩、激しい運動はさける
  • 散歩のあとに食事をさせる
  • ガスが溜まりやすい穀類、いも類、発酵食を避ける
  • 早い食い傾向のある場合は、食器を変えるなどの工夫
  • 多頭飼いによる早食いの場合は1頭ずつケージの中に入れて食事をさせるなど安心して食べられる工夫を
  • 犬の首が水平になる高さに食器を設置し空気を飲み込みにくくする
  • 1日の食事回数を増やし空腹時間を減らす
  • なるべくストレスをかけない

このように、飼い主さんの日常の心掛け次第で予防できる病気でもあります。
知識と日頃からの注意深さを身に付け胃拡張や胃捻転の症状から愛犬を守ってあげましょう。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    40代 女性 こみゃこ

    犬の胃拡張、昔に本で読んだ事がありました。食後はすぐ運動させず、食休みと心がけています。大型犬が多いイメージでしたが、老犬もなりやすく、食事をする食器の高さも関わるのですね。長い間共に暮らす愛犬には、慣れがゆえに、細かい注意を怠りがちになりますが、いろいろ思い出すきっかけの記事になりました。
  • 投稿者

    30代 女性 TIKI

    記事を読んで、食後の散歩がどれだけ危険か知りました。我が家も高齢の大型犬を飼っています。特に胃拡張や胃捻転に注意しなければならない条件がそろっています。早食いも注意してあげなければいけないのですね。食事は毎日の事なので、飼い主がしっかり見てあげて、散歩は消化しきってから行くか戻ってからあげるなど考えたいと思います。
  • 投稿者

    30代 女性 Chappy

    『胃拡張』という病気は初めて耳にしました。
    大型犬、小型犬関係なくどのワンコにもおこりうる病気なんですね。。
    死亡率も高いとのことでしたので、普段から気をつけなければいけないと思いました。
    私の愛犬は早食いですので、首と同じ高さの食器台にのせたほうが食べやすく、またむせにくいと聞き、早速購入したので様子を見てみたいと思います。
  • 投稿者

    50代以上 女性 ろちゃん

    実のところ、我が家の愛犬2匹はこのチェックリストに当てはまるところがいくつかあります。
    食後にわざわざ運動させたりはしないのですが、気が乗ればいつでもはしゃぎまわれる環境にありますし、かなりの早食いでもあります。
    それが、このような怖い病気につながるのであれば、充分に注意してあげないといけないですね。
    治療の方法も詳しく説明されていて参考になりました。
  • 投稿者

    30代 女性 ミニー

    犬を飼い始めた頃、愛犬のココアと車でお出かけしたら、酷い車酔いをおこしてしまいました。それから暫くは食前に車に乗りお散歩をしていました。最近では、車酔いの症状も大分見なくなり、車に慣れたのかな~と、食後1時間後ぐらいであれば、車に乗せてお散歩をしたりしていました。
    この記事を読んでみて、食後の散歩の危険性を知り、これからは食後の散歩を控えようかと思います。
  • 投稿者

    20代 女性 もも

    以前動物病院で動物看護師として働いていました。
    胃拡張(胃捻転)の好発犬種は、
    ・グレートデーン
    ・ジャーマンシェパード
    ・セントバーナード
    ・ドーベルマン
    などの大型犬〜超大型犬に多いとされています。
    しかし、勤めていた間に胃拡張になった犬種はラブラドールレトリーバー、ゴールデンレトリバー、マルチーズ、ミニチュアダックスフンドなどがいました。
    初めて胃拡張を見た時の衝撃は今でも忘れられません。
    犬はショック状態で横たわり、お腹が風船のようにパンパンに膨らみます。腹部に針を刺すとプスーッと空気が抜け少量の胃液が出てきます。
    発症してから数時間で死亡してしまい、手術による治療を施しても予後は良くありません。

    胃に溜まったガスや胃液などの液体の増加や胃の流出障害、食後の運動などが原因で起こります。その他にはストレスや食事や水の急激な摂取によりリスクが高まります。どの犬種でもなる可能性はあり、いかにならないようにするかがとても大切です。
    ガツガツとあっという間に急いで早食いをしてしまう子には、早食い防止のため食べづらい食器を用いる、小分けにして食事を与えるなどの配慮が必要です。食後は安静にし、運動は決してさせてはいけません。
    きちんと管理をし予防に努めましょう。
  • 投稿者

    女性 雀3号

    うちの子は早食いなことと、薬の影響で食後に水をガブ飲みしてしまうので胃拡張、胃捻転、そして腸捻転には特に注意しています。
    早食いを防止するため、一日分の食事量を決め、それを朝、昼、夕と分けています。一度に食べさせる量が多いのも良くないかなと思います。空気も一緒に飲みこんでしまうので胃が膨れやすくなってしまいます。

    お水を飲むのは、薬の作用で仕方がないのであまり長く飲んでいる場合は一度背中をトントンして止めさせて、それから少し間を開けて飲ませるようにしています。こうすることで水でむせてしまうことも減りました。

    あまり必要はないとされていますが、食後に背中を軽くぽんぽんしたり、後ろから前へさするとゲップを出してくれます。
    ゲップを出すことが苦手な子は胃拡張になりやすいと聞いていたので、なるべく早めに出してあげるようにしています。

    おやつなども、早く次をもらおうとがっついてしまうことが多いので、合言葉のように「ゆっくり」と声を掛けて、極力丸飲みさせないようにしています。
  • 投稿者

    女性 シュナ

    怖い病気ですね。。犬の病気はまだまだ知らないことばかりみたいです。胃拡張は死亡率も高いとのことでとても怖い病気ですが、日ごろから出来る予防があるようで少し安心しました。
    うちはお散歩とご飯のタイミングは少し前までばらばらで、飼い主都合でした。ですが、うちの愛犬(犬種:シュナウザー)は規則的な生活を好むようなので、最近はお散歩→人間ご飯→愛犬ご飯のリズムが出来て人間にもいいリズムができました。食事は早食い防止のためにすぐに食べれる形態ではなく、コングのワブラーなど少しずつえさが出る方法をとっています。これは小さいころの早食いから吐いたりむせることがあったための予防策です。胃拡張の症状は知りませんでしたが、日ごろの生活が少しでも予防になっていたようでよかったです。食後の状態など、これからも気をつけていきたいと思います。
  • 投稿者

    50代以上 女性 ちょあ

    正にこの病気に、今朝なったばかりです。
    ミニチュアダックスの13歳です。
    朝ごはんを半分しか食べず、その後数分後に空嘔吐が始まり、1時間でお腹がパンパンのカチカチになりました。
    吐き気もずーと続き呼吸も荒くヒーヒーと鳴いていたのできっと辛かっただろうと思います。直ぐに病院で診てもらい、普通は麻酔をして喉から小さな管を入れて空気を抜くようですが、うちの子は免疫介在性溶血性貧血という病院にかかっており、麻酔をかけられないので、直接注射器を刺して抜きました。今は落ち着いて寝ていますが、まだ今夜に向けてなる可能性も有るので様子観察をしているところです。
    大型犬に多いいと聞きますが、この病院ではダックスや老犬もよく来院するといっていました。
    くせになる事もあるようですし、色々調べて対策を取りたいと思っています。
  • 投稿者

    女性 コロ

    胃拡張と胃捻転の怖さに気がついてから、食事の後は注意して過ごすようにしています。
    ご飯を食べ終わったら時間をみて、愛犬を軽く起こし背中をさすったりポンポンと手のひらでそっと叩きます。そうするとゲップを出すのでこれで少しばかり安心しています。
    子犬の頃、ゲップが上手く出せずにご飯を丸ごと吐いてしまったこともあるので、今はこれを習慣づけています。
  • 投稿者

    女性 ゴン吉

    胃拡張、胃捻転怖いですね。うちの愛犬はご飯を食べた後にすぐおもちゃを持ってきて遊びたがるので、少し時間を置いてからにしようと思いました。

    愛犬が高齢になってからは水やご飯の時にむせやすくなっていたので、ご飯台を少し高くしました。誤嚥も防止できているので、食べる環境も大事だと思います。
  • 投稿者

    女性 織田

    食後に激しい運動はダメですが、軽く歩かせる(家の中を歩かせたり、庭を歩かせる程度)はあってもいいかと思います。ゲップが出やすくなります。
    うちの愛犬はさつまいもやヨーグルトが好物なので、ガスがたまらないように気を付けています。
  • 投稿者

    30代 女性 のんのの

    うちのミニチュアダックスフンドは先日胃拡張が数回起き、それもあってか他界しました。

    元々は末期の癌も持っており充分な食事も取れず、強制給餌を行なっていました。

    最初の胃拡張は夜中に起こり、寝たきりで体力もないのに何故か唸り声が聞こえ、体をよじらせて苦しんでいました。

    何度か嗚咽をして水を吐いたり、よだれが出たり、見るに耐えないくらいです。
    嗚咽や嘔吐を何度かした後ガスが抜けたのか、嗚咽がなくなり落ち着きました。
    翌朝すぐ病院に連れていきその日は不安で半日入院させてもらいました。

    その日から軽い胃拡張は繰り返されその度に抜けて2日位経った後なかなか抜けない胃拡張がまたあり、動物病院で抜いてもらったその日の夜中に他界しました。

    とても苦しそうだったので楽になったから良かったのかなぁと思うようにしてます。
    そばからいなくなってしまったさみしさはまだ抜けないですが、私と17年間連れ添ってきた愛犬が経験した事がどなたかのお役にたてれば幸いです。
  • 投稿者

    40代 女性 匿名

    数日前にミニチュアダックス10歳が胃拡張になりました。2日間ぐらいご飯を食べておらず心配していましたが、発症した日は夜ご飯を食べてくれたので安心していました。でも、3時間ぐらいに急に嘔吐を繰り返したんですが何も吐かず そのうちお腹がパンパンに腫れて来ました。普通ではないと思い夜間救急病院に駆け込み胃拡張と診断されました。胃が3倍にも腫れ上がりもう少し遅かったら危険でしたよ。と担当医言われました。全身麻酔をして口からチューブを入れてガスを抜いてもらい元を大きさに戻り点滴後 帰宅しました。今思えば 2日間 ご飯を食べてなかったので 一気に食べたのが原因なのかと思います。今 注意してることは1日2回の食事を1度の量を減らし3回に分け早食い防止のお皿に変え食後は背中をさすりゲップをさせるようにしています。
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