愛犬の出産に偶然立ち会った話

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愛犬の出産に偶然立ち会った話

何の前触れもなく突然一人で立ち会った愛犬の出産。子供心にそれは何かとても神聖で尊く、衝撃の体験でした。僕が犬に魅了され、犬をもっと知りたくなったきっかけが愛犬チコの死とこの神秘体験だったんです。

シーズー授乳中

花子が妊娠して帰ってきた?

僕がまだ子供の頃、両親と2匹の犬と暮らしていました。雑種のメス犬でチコと花子と言いました♪
チコは僕が8歳の時、生まれて初めて飼った娘で、花子は野良犬で、子犬の時に家の近所をウロウロしていたのを母に付きまとい仕方なく母が連れ帰ってきて家族の一員になりました。
昭和50年代前半はまだ野良犬が街を闊歩して時代なんですよ。

それから4年後、12歳になった僕は今でもはっきり脳裏に焼き付く思い出、「愛犬の出産」に立ち会う神秘的体験を花子にさせてもらいました。
この時の衝撃と感動が、犬の魅力に引き込まれるキッカケですねぇ。

ある日、花子が家を脱走するという事件が起こります。
そして毎日ご近所周りを捜索する日が続き、2日後ぐらいだったかなぁ花子を見つけたんですよ。
その場面もはっきり記憶があるのですが、花子が野良犬にマウンティングされてたんですね。

僕はとっさにいじめられていると思い、
「コラー!!何しとんねん!!」
と棒を振り回しその野良犬を追い払ったんです。
そして花子に首輪とリードを着けて家に連れ帰りました。

母も安堵の表情で、
「お帰り~無事で良かった良かった♡」
と喜んでいました。
それから何事も無く1ヶ月ほど過ぎた頃、母が、
最近花子が太ってきたなぁ。食い過ぎやで!
と言うのでよく見ると、お腹が膨らんで確かに太ってます。
「ホンマやなぁ♪ええやん。太ってるのも可愛いやん♪」
とその時は、気にもとめていませんでした。

そしてそれから2週間が過ぎた頃、母が、
「お前、花子妊娠してるんちゃうか?
と言うので、見てみると確かに太ったお腹が、今度は垂れ下がって来ているのです。
「え?これって妊娠なん?」
「間違いないで!」
「マジで~!」
やっと花子が妊娠していることに気付いたのです。

当時は当然の事ながら、何の犬の知識もありません。当時は今ほど動物病院に連れて行く習慣もそんなにありませんでした。

僕は慌てて近所のおばちゃんに聞きに行き、
「どやさ!あんたそれやったらもうすぐ産まれるやん♪」
と言われ色々教えてもらいダンボールで急遽お産箱を作り準備したのを覚えています。

今でこそ犬の妊娠は約2ヶ月間とか、子孫を残そうとする本能からそういう脱走行動に出るメス犬は多いとか、あのマウンティングがそうだったのかとか解りますが、その頃は全くの無知で花子に申し訳ない事をしたと思いますね。

産まれた~♪!

白いパピー3匹 就寝中

そしてその日は突然訪れます。
僕は風邪をひいてしまい、熱が出て中学校をお休みし、一人家で寝込んでいました。
昼前だったか熱にうなされボーッとしながら、寝てるのか起きているのかも判らない状態でした。
襖の向こうで物音がしだします。

ガサゴソガサゴソ!
カサッ!カサッ!カサッ!カサッ!
クーン…クーン……。
ペチャペチャペチャ!

「うん?何だ今の?花子?まっいいか♪…もう少し寝よう♪」
とあまり気にしてなかったんです。布団の中でウトウトしていると、
ミュー……ミュー……ミューミュー!
「ん?猫?」

僕は慌てて襖を開けて花子のお産箱に目をやると、箱の中で花子が苦しそうにお尻をプルプル震わせています。
そして、お腹付近に小さな命が!
「えー!産まれてる~!赤ちゃんや~ん‼︎」
僕は唖然とし呆然として固まってしまいました。
「え?え?どうしたらええの?どうしたら?」
両親も留守で、ただ一人あたふたしている僕を尻目に、花子は黙々と陣痛に耐え出産を続けるのです。

白い羊膜の玉が出てきてそれをすぐさま噛み破り食べる。
自らへその緒を噛み切り、赤ちゃんを綺麗に舐めて掃除してあげています。
そして綺麗になった子犬をマズルと手でお腹に誘います。
僕の知らない母性に満ちた花子の姿。
何か身体が震える様な感動が込み上げて来ました。

「犬って凄いなぁ!誰に教わった訳でもないのにちゃんとできるんや…」

何か手伝えないかと子供ながらに考え、お湯とタオルと計量器を用意し、産まれて来た赤ちゃんを1匹1匹タオルで拭いて計量器で体重を測って記録していました。
必死でしたね(笑)でもバカですよねぇ~(汗)そしてどれほどの時間が経ったでしょう無事に6匹の新しい命が誕生したのでした。

パピーアップ

母は強し!

何をして良いのか解らずとにかく汚れたお産箱のシーツを替えたり、子犬の世話をしたりで風邪をひいている事なんか忘れていました。
両親も帰宅してびっくりしていましたが、今日の出来事を話すと父が、
「なかなか犬の出産は目の当たりに出来ないぞ。ええ経験したな♪良かったがな」
「うん♪」
「でもみんな飼う訳にはいかんぞ。どうしたらこの子らが幸せになれるか考えような♪」
「うん♪」
その後、父が里親さんを探してくれて5匹は新しい家族が決まり、2ヶ月齢迄うちで過ごし、1匹はウチに残ることになりました。
その子の名前はチビにしました♪

それから、チコ、花子、チビの妹達と楽しい生活が始まりました。
しばらくはウチに8匹の犬が家に居て、僕が学校から帰ってくると、全員で奥から小さいのが6匹、ちょこまか走ってつまずいて転げてお出迎えしてくれた事が、今でも愛しくて良い思い出です♪

母になった花子はというと、出産後しばらくは僕以外、両親とチコが近付くと思いっきり、
「近寄るなぁ‼︎」と威嚇していましたね。
人間も犬も「母は強し!」ですよねぇ(笑)

さいごに

白パピー3匹

現在、僕は犬に携わる仕事をさせて頂いており、その中でたくさんの出産や看取りを経験してきました。
今思えば子供の頃に「命の誕生」に触れたことは大きな財産だと思います。
今の世の中YouTubeや映像で見ることはできますが、やはり実体験は臨場感がハンパないです。

ブリーダーさんは別として一般の愛犬家の方はなかなか体験できないことです。
体験すれば犬の凄さや偉大さが解り、良い意味で犬を見る目が変わると思います。
そしてもし、
「うちの子の赤ちゃんが欲しい♪」
とお考えなら『産まれてくる命』にも全責任を持つことをくれぐれもお忘れなく!

子犬って産まれたらすぐにママのオッパイを探すって知ってました?
目も見えない、耳も聞こえない状態で唯一微かに機能している鼻で、匂いを頼りに這いずりまわって手探りでオッパイを探すんです。
凄くないですか?
産まれた瞬間から「生きるぞ!」という生命力に満ち、自分で努力しているのです。この経験で僕は犬から色々学びました。
犬の凄さに圧倒され、「命」の美しさを知りました。

人も犬も猫も「同じ命」です。
飼う側がもっと犬の命の重さを知って、犬の本質を知って「殺処分」という人間側の身勝手なエゴが無くなる日を切に願うばかりですね。

白パピー3匹並び

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