犬の敗血症とは?症状や原因、唾液やキスの注意!人に移る感染症

【獣医師監修】犬の敗血症とは?症状や原因、唾液やキスの注意!人に移る感染症

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犬の敗血症という病気をご存知でしょうか?この病気は決して他人事ではありません。犬の敗血症は、重症化してしまうと最悪の場合は命を落とすこともある病気で、さまざまな合併症を引き起こす病気でもあります。もしもの時に備えて、今から「犬の敗血症」について勉強しましょう。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

犬の敗血症とは?

顎を持たれる犬

敗血症とは子宮蓄膿症や肺炎、尿路感染症などの感染症に伴い発生する可能性のある病気です。細菌、真菌、ウイルスなどあらゆる微生物が原因になり得ます。 このような、微生物が体内に侵入すると体を守るために免疫系が働き防御反応が起こります。敗血症はこのような防御反応が過剰に起こったり、抑制されることが原因で起こるといわれています。治療が遅れると重症化しなくなることもあります。

敗血症にはいくつかの原因があり、初期症状などもありますので、早めの治療が犬の命を救います。

さらに気をつけなければならないのは、犬の常在菌が原因で人が敗血症を起こしてしまうこともあります。キスや口移しや犬に噛まれるなどによって、唾液中の細菌が体内に侵入し感染することがあります。日本でも愛犬との密な接触によって感染するケースがいくつか報告をされています。

もし犬に噛み付かれたことで、咬傷を患った場合は速やかに病院を受診し正しい治療を受けましょう。
また、飼い犬が敗血症で重篤な症状になる前に飼い主が見つけてあげれるよう、敗血症とはどんな病気なのか、またどんなことが原因しているのか知っておきましょう。

犬の敗血症の原因

点滴をうたれる犬

敗血症を患うには様々な原因が考えられます。しかし、どの原因にも共通しているのが犬の「免疫力低下」です。免疫力が低下してしまうと、体の中に細菌が入ってきてもしっかり退治できずに症状は悪化してしまうのです。

犬自身が元々他の病気を患っている場合に免疫力が低下し、二次的な疾患として敗血症につながってしまう場合があります。次の病気の犬には十分注意しましょう。

  • 子宮蓄膿症
  • 肺炎
  • 腹膜炎
  • 腎不全
  • 肺不全
  • 糖尿病

また、自己免疫性疾患などで免疫抑制剤などを投与している場合は免疫力が低下しているので、通常の細菌感染でも敗血症になってしまう可能性もあります。

この場合、飼い主さんと獣医師との連携がとても重要となります。特にガンによる抗がん剤治療、自己免疫疾患により免疫を抑える免疫抑制剤の投薬を行なっている場合は十分に気をつけましょう。

また、人間が敗血症に感染する原因として言われているのが犬や猫の口腔内の常在菌であるカプノサイトファーガ・カニモルサスの存在です。この常在菌が人間の体内に入り敗血症を発症するのは稀ですが注意が必要です。

犬の敗血症の症状

不安そうな犬

  • 元気減退
  • 体温の上昇と低下
  • 呼吸異常
  • 食欲不振
  • 皮膚疾患
  • 意識障害

敗血症を患うと、様々な症状に悩まされることになります。その中でも特にわかりやすいのが食欲低下、元気減退です。元気がなくなり食欲が低下すると、さらに体力が落ち症状を悪化させる原因となりますので、敗血症は初期症状で気づき早めに治療を行うことが重要になります。

また、敗血症は皮膚トラブルから起こることもあります。皮膚の抵抗力が弱くなっていると、皮膚に感染した細菌から敗血症を起こしてしまうことがあります。また、耳のトラブル(重度の外耳炎)にもなりやすく臭いと感じ、獣医師に相談をしたら敗血症と診断されることもあります。

その時点で病気に気がつければいいのですが、ただの風邪かもしれないからそのうちよくなるだろうと様子を見ると呼吸困難や意識障害といった症状を経て命を奪われることもあります。

犬の敗血症の診断方法

診察されている犬

犬が敗血症かどうかを診断するのは最終的に血液検査の結果が元になります。最初は「なんとなく元気がない」「食欲がない」「風邪のような症状がある」などの理由で受診をしたとしても、血液検査の結果白血球の数値が高いなどの異常がみつかれば、細菌感染などしていないか、他の病気はないかという診察が入ります。

そこで、敗血症の原因となる細菌感染や病気がみつかり、敗血症を疑わせる症状やその他の検査結果などから総合的に「敗血症」と診断されます。愛犬が敗血症にかかっているのか否かを見た目などから判断するのははほぼ不可能です。

また風邪のような症状だから大したことはない、と思っていたら実は敗血症だった!なんてこともありえます。敗血症は早期発見、早期治療が命運を分ける病気です。ぜひ自己判断はせずに、異常を感じたならばすぐに獣医師に相談をする癖をつけましょう。

犬の敗血症の治療法

点滴をうたれる犬

昇圧剤

犬の敗血症の治療は、早期発見がとても重要で敗血症を発症してから数時間以内に治療をしなければなりません。遅れてしまうと予後が悪く、最悪の場合命を落としかねません。そのため、治療には早期発見が大切だということを忘れないでください。

敗血症になると血圧が下がり血液循環が悪くなります。そのため、手足が冷たくなってしまったり、ぐったりしてしまいます。このような状態になった場合は、低下した血圧をあげる昇圧剤を投与しなければなりません。その時の症状にもよりますが、血圧の低下が見られる場合は昇圧剤の投与と同時に点滴を行い様子を見ることから始まります。

抗生物質

敗血症の治療の中でも頻繁に見られるのが抗生物質の投与です。原因となっている細菌を退治する効果が期待できる抗生物質は、敗血症以外の病気でも幅広く使われる治療薬です。点滴や昇圧剤と一緒に使われることが多いようです。

処置・手術

敗血症の原因が切除可能な臓器である場合は手術を行う場合もあります。処置・手術内容としては、感染のひどい部位の消毒、洗浄や敗血症の原因となっている臓器や部位の切除です。手術後は入院にて経過観察となりますので、獣医師の説明をしっかりと聞き納得ができる治療を行うようにしましょう。

敗血症には病気を直接治療するワクチンというものは存在しません。そのため、治療はその時の症状に合わせた対症療法となります。

犬の敗血症の予防方法

待てをされる犬

敗血症がかかりやすいのは高齢犬や子犬です。そして子宮蓄膿症を患ってしまったメス犬に多く見られます。それを防ぐには、毎日の健康チェックをし、いつもの状態を把握しておいくことが大切です。いつもの状態を知っていれば、小さな異変にも気づくことができるからです。

また、メス犬の場合、子宮蓄膿症にから敗血症になってしまうことが多いので、早いうちに避妊手術を検討し、予防に努めましょう。また、敗血症は細菌感染などが原因で発症するケースも多いです。敗血症にならないためには、敗血症の原因となる感染症を予防することです。

そのためにも、一年に一回の予防接種はしっかりと受け、健康診断を定期的に行う、軽い症状でも様子を見ないで念のため受診するなど出来るだけ感染症を防ぐように心がけましょう。大切なのは早期発見、早期治療と、未然に予防することですよ。

犬の敗血症の余命について

敗血症は早期発見、早期治療を行えば治る確率が高い病気ではありますが、重症化すると敗血症ショックが起こるなど、治癒率は格段に下がり生存率も下がってしまいます。また、敗血症は他の病気に二次疾患であることが多い病気です。

敗血症を治療するためには、その原因となっている病気の完治を行うのが必須条件です。敗血症になったから余命はどれくらいか?と、不安になっている方も多いでしょうが、それはその犬の状態や何が原因となって敗血症に感染しているのかというのが鍵となります。

もしかしたら、余命数週間かもしれませんし、治療を行えばすぐに元気になる可能性もあります。ただ一つ言えることは、敗血症に感染したならば自分ができる限りの治療と看病をしてあげるのが大切だということです。

幼犬や老犬は敗血症に注意!

敗血症に特に注意をしてもらいたいのが幼犬や老犬です。元々免疫力が低い幼犬や老犬が敗血症に感染をすると、あっという間に死に至ることもあります。全ての犬に注意をしてもらいたいのですが、特に幼犬や老犬は感染すると生存率が低いので注意をしてくださいね。

まとめ

元気に走る犬

敗血症とは症状を発症してからすぐに対応しないと命取りになる病気です。それには普段から犬の観察をよく行い、いつもと違う点はないか、細かくチェックするようにしましょう。

敗血症は早期治療が鍵となり、それにより予後の良し悪しが決まります。大変恐い病気ですが、飼い主さんと獣医さんの連携が重要になってきますのでぜひ、小さな症状も見逃さず、何か異変があったらすぐに動物病院で治療を受けましょう。

また、近年では韓国アイドルのスーパージュニアのメンバーの愛犬に咬まれた女性が敗血症で亡くなりました。大きな問題となったので耳にした方もいらっしゃると思います。さらに犬だけではなく、猫から感染するケースもあります。もし、見知らぬ犬に噛まれたなら速やかに病院へ受診するようにしてくださいね。

ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 ゆべし

    敗血症の症状は他の病気でも起こりうるようなものだったので、素人が判断するのはとても難しいですね。飼い主さんが一番おかしいと気づきやすいのは愛犬の元気がないことだと思います。次いで食欲不振ですね。
    愛犬の基礎体温を知っておくことは大事だと思いますが、健康で元気でいるうちはそこまで把握している人は少ないのではないかと思います。うちでも愛犬の体温は知りませんでした。なので、せめて毎日耳をひっくり返して見て、赤くなっていないかを確認するようにしています。いつもより熱かったり赤みがある場合は熱があり、何かしらの原因があります。うちの場合は耳の炎症が多いのですが。
    逆に体温が低い場合、肉球がとても冷たくなっていることが多いのでこれも体温を知る目安になると思います。

    敗血症は免疫力の低下が大きな原因になっているので、免疫力を高める食事や環境を整えてあげることも予防のひとつになるのではないかと思います。基礎体力をつけておくこと、マッサージをしてあげることも効果があります。腸内環境を整えることも免疫力向上に大きく関わります。ヨーグルトやサプリメントなどを活用するのもいいですね。
  • 投稿者

    女性 MIHO

    敗血症について初めて知りましたが、かなり怖い症状が出ますね。しかも、最悪の場合
    は死に至るとは!初期症状に早く気が付いてあげなくてはいけませんね。「免疫力
    低下」は人間もそうですが、動物にとっても一大事のことだと思います。免疫が下がる
    と、思いもよらない病気になったり、病気がかなり長引いたりしますよね。愛犬の様子
    に日々気を付けて、健康でいてもらいたいと思います。
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