ペットに遺言残して遺産相続?もしもの時に備えて生前の内にできる事とは

ペットに遺言残して遺産相続?もしもの時に備えて生前の内にできる事とは

ニューヨークの大富豪が、生前に遺産の受取りを愛犬に指定したニュースを基に、日本においてのペットへの相続の仕方や、もしもの時に備えて、残されたペットの為に生前の内にできる事をお話しします。

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愛犬に遺産を残すことは可能なの?

大金

14億もの遺産を愛犬に遺した超セレブマダム!

2008年8月にアメリカ・ニューヨーク在住のレオナ・ヘルムズリー夫人という方が心不全のため87歳で亡くなりました。この方は貧しい生活から不動産ビジネスで成功させたスーパーセレブであると同時に、“根性悪の女王”という悪名高い事でも有名でした。

何とそんな彼女は、死ぬ間際に膨大な遺産を自分の親族には渡さず、愛犬のペットのマルチーズ“トラブル”ちゃんに遺産の一部1200万ドル(約14億円)を残したのだそうなんです!

日本はペットに遺産を残せるのか

実はこのニュースを見ていた当時、私は愛犬のプシュケを連れて実家を出て一人暮らしを始めるのと同時進行で、生命保険に加入をしようとしている時だったのですが、日本にもこんな事が出来るのかな?と淡い期待を抱きながら保険屋さんと契約をしている最中に「あの、私が死亡した時に発生する保険金を愛犬に受け取らせる事はできますか?」と訊いたら「いや、無理です…」と苦笑い混じりに否定されてしまいました(笑)

このように、基本的に日本ではペットに遺産相続をする事はできない事になっています。
それでも「どうしても遺してあげたい」と思う飼い主さんには以下のような方法があります。

負担付遺贈

『自分の財産を渡す代わりにペットの面倒をみてもらいたい』という内容の遺言を残す民法1002条に基づく方法で、「私が死んだら、●●(ペットの名前)の世話をお願いします」と共に遺産を引受けてペットの面倒をみてくれる人に対し、食事の回数や銘柄(ドライか缶詰とか)、散歩の時間や回数、予防接種の時期や、お手入れの仕方等を具体的に指示をしておくという方法があります。

ただしこの民法は、遺言者の一方的意思表示であって引き受ける側の方は必ず守らなくてはいけない訳ではなく、場合によっては遺産を放棄してペットを引き取らないという事も、また酷いパターンだと遺産だけ貰ってペットの面倒を見てくれない事もありえるので、“遺言執行者により受遺者がペットの面倒をみているかどうかをチェックさせるようにしておく”という民法1006条にも基き、必ず事前に意思を確認をしたうえで、後々ペットが不幸にならないような完璧な遺言を作成する必要があります。

生前に愛犬のためにできること

飼い主さんの高齢化による深刻な問題

老人と犬

近年の日本で問題になっているのが少子高齢化ですが、それに伴ってペットの飼い主さんも高齢の方が増加の一途を辿っているようです。
もちろん長寿大国と言われるくらい、年齢を重ねても心身共に健康的な方は沢山いますが、それでも高齢の為に亡くなって残されてしまうペットは決して少なくはないのです。
運良く遺族の方が引き取ってくれたり里親さんが見つかれば良いですが、もし次の飼い主さんが見つからなかったら、一体どんな運命になってしまうのかと考えただけで胸が痛くなりますよね?

飼い主さんの死は予想できない

そしてこの飼い主さんの死は高齢だけではなく、病気や思わぬ事故といった形で降りかかる可能性もあるので「自分は若いから大丈夫」と油断はできないんですよね。

実は私自身、常日頃から何かにつけて心配したがる性格でして、それが愛犬のプシュケに関する事となると、病的なくらいの心配性が出てきてしまいます。

恥ずかしい話ですが、今日も仕事中に「もしかしたらテーブルに薬を置きっぱなしにしたかもしれない!プシュケが誤飲してしまったらどうしよう!」と心配になり、お昼休みに片道20分の距離を小走りで帰宅して確認してしまった程です…。(因みに薬は棚に閉まってありました)

そんな私なので、旅行や帰省で家を留守にする際に「もし今乗ってる飛行機が墜落したらプシュケは誰か面倒見るのだろう?」と考えてしまうのは仕方ありませんよね(笑)

“もしも”の時の為に私達ができる事は?  

ということで、もしもの場合に備えて私達飼い主は生前どのような対策をしておけば良いのかを、私なりに考えてみる事にしました。

信頼する親族、知人に声を掛けておく

ゆびきりげんまん

まずは親族や知り合いといった、身近にペットを任せても大丈夫な人がいるか考えて、もしいればその方たちに声を掛けておきます。
その際は後々に揉める事がないように、誓約書や金銭を用意しておくのを忘れないようにします。冒頭に挙げた“負担付遺贈”の簡易版みたいな物ですね。

手紙を残して置く

手紙

旅行等でペットを預けたまま旅先で亡くなってしまった時を想定して、家を空ける時に「自分に何かあれば●●をよろしくお願いします」と書いた手紙と、里親を探してくれる団体といった保護施設の連絡先と、それに伴う費用を多めに入れた物を、テーブルの上といった分かりやすい所に置いておきます。
大げさかもしれませんが、私のような心配性のタイプの飼い主さんには向いているかもしれません。

第二の家を用意してあげる

ペットリゾートカレッジ画像

上記の具体例にもなりますが、飼い主さんが亡くなられたり様々な事情で残されてしまったペット達を引き取って、里親探しや生活の世話をしてくれる施設があります。それなりに費用はかかりますので、死亡保険から支払えるように一筆書いておけば良いでしょう。

まとめ

飼い主さんの高齢化や、思わぬ病気や事故などで愛するペットを残して先に死んでしまった事を考えて、私達は生前の内に、次の飼い主さん探しや引き取り先の確保、そしてそれに伴う費用を遺産や保険金を使って支払えるような手続きを行い、最後まで責任を持ってペットを守るよう心掛けておきましょう。

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