マズルコントロールとは しつけの方法や必要性について

マズルコントロールとは しつけの方法や必要性について【ドッグトレーナー監修】

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マズルコントロールはどうしたらうまくできるか?あるいはマズルコントロールはしつけに有効?など、マズルコントロールに関する諸説や考え方についてまとめました。

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記事の監修

埼玉を中心に、しつけ方教室/問題行動のリハビリ/ドッグダンスレッスンまで行う。ドギーホームルームでは、愛犬のトレーニングのみにとどまらず、飼い主様のフォローに力を入れる事でQOLを向上させます。また、JCHA公認のハイドロセラピスト・フィットネストレーナーでもある為、愛犬の健康増進にも力を入れています。【埼玉・東京・横浜でオーナーレッスン随時開催】
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マズルコントロールとは

ホールドっスティール斜め

このコンテンツをクリックした読者の皆さんは、既にマズルコントロールについての知識がある方かもしれません。ですがココでおさらいの意味も兼ねてもう改めてご説明しておきたいと思います。もちろん、この記事で初めて知った方に向けて、分かりやすく説明していきますので、初見の方もどうぞご覧になって下さい。

マズルコントロールは「母犬の行動を模したしつけ方法」

マズルコントロールとは、オオカミや犬の母親が子犬のマズル(口の周囲)を口に含むしぐさを模した、しつけの方法です。これを模して、犬のしつけとして一般化してきました。

このように、母親が子犬のマズルを口に含むのは、子犬が興奮して吠え付いていたり、しつこくじゃれ咬みをしたときに「落ち着きなさい」「守ってあげるから安心しなさい」といった保護の意味あいで行うボディーランゲージです。

広い意味では、「保護者が子犬よりも力が強い事を確認する」といったニュアンスも含まれます。

マズルコントロールのやり方

マズルコントロールについての是非は後述としますが、ここでは、「マズルコントロールを利用したしつけ」の進め方を記載します。

しつけとして行うマズルコントロールでは、飼主が母親に成り代わって、犬に対してマズルコントロールを行います。

まず基本は、犬の後(背中)側に立膝をつく姿勢で行います。チワワやトイプードルなどの小さな子の場合は、犬がすっぽり収まる程度に膝を広げて正座の姿勢が良いでしょう。

この姿勢で犬を引き寄せ、片手でしっかりとホールドする体制をホールドスティールといいます。

嫌がって暴れてしまう場合など、どうしても愛犬がこの姿勢を維持できない場合は、マズルコントロールのトレーニングを行わずに、胸や耳の付け根など犬が喜ぶ場所を撫でてあげるか抱き寄せてあげるなど、犬が「ホールドスティール」の体制を好きになるようなしつけ(条件付け)を行います。決して無理に押さえつけるような事はせず、嫌がらないようにすることが重要です。

マズルを握った写真

ホールドスティールの体制に慣れたら、次にもう片方の手で、マズルを軽く握って直ぐ離します。この時に大人しくしていたら褒めます。
これを繰り返し、少しずつ時間を延ばして行き、同時に様子を見ながらマズルの触り方を徐々に強め、しっかり目に握ります。

最初は「1秒程度触って、離す、そして褒める。」これを繰り返して30秒程度までできるようにします。

マズルを上に向けた写真

マズルを触られることに抵抗が無くなったら、ゆっくりと左右、上下に動かしたり、ひねったりします。この時も最初は、ほんの少し動かしたら離して、褒める。これを繰り返します。少しずつ慣れさせながら、徐々に可動範囲を大きくしていきます。

今度は、犬歯の奥あたりに指を指し込んで口の中を触ることに慣れさせます。この段階はどの子もある程度の抵抗があると理解しておくことが重要です。

ここまでできれば及第点ですが、上級編としては、下あごに手を添え、軽く掴む感じでホールドして、もう片方の手で上あごを持ち上げ、抵抗なく口を開かせることができれば、満点といえます。

マズルコントロールは、決して罰として行ってはなりません。親が子犬にするように安心させるため、愛情を持ってやさしく行う事がコツといえます。

マズルコントロールに対しての皆さんの意見

マズルコントロールをめぐって愛犬家でも賛否両論があります。皆さんはマズルコントロールに対してどのように思っているのでしょうか?皆さんのから寄せられたコメントをご紹介します。

みんなからのアイデア


女性 20代
マズルコントロールは不要だと思います。犬のしつけは「ほめて伸ばす」のが基本です。悪いことをしたときに毅然とした態度で叱ることはもちろん大切ですが、犬が嫌がることをし、身体的な苦痛を与えることは飼い主と犬の信頼関係を壊す方向に導きかねません。


女性 20代
愛犬のマズルコントロールに関しては意見は様々ですが私個人としては必要ないと思います。飼い主とわんちゃんの間に絶対的な服従関係があって普段から厳しい環境で飼うのであれば必要であると思いますが、わんちゃんと楽しく家族として飼うのであればいけないことかもしれませんが時と場合により上下関係がなくなる時もあります。あくまで楽しく過ごす為にわんちゃんを飼うのであれば私は可哀想だと思ってしまうので必要ないと思います


女性 30代
過去に通っていたしつけ教室(パピークラス)でも、犬を大人しくさせる方法としてこのマズルコントロールを教えてもらいました。ただ、うちのわんこは元々ビビリで若干ハンドシャイ(触られるのを嫌がり手を避けたり怖がったりする)があり、過剰なスキンシップは余計ストレスになってしまうということで、それ以降マズルコントロールはしていません。マズルコントロールの代わりに、声やハンドシグナル(手を使っての指示)で「ダメだよ」というのを教えました。たまに聞いてないフリもされますが(笑)ちゃんと言葉やシグナルの意味をわかっているようで、本当にダメな時は私の表情も見てちゃんと聞いてくれます。なのでマズルコントロールは不必要だと感じました。
うちの様に怖がりのわんこは口を掴まれることで余計恐怖を植えつけると思うので、そういうタイプのわんこはマズルコントロールより言葉とハンドシグナルで教えてあげた方がいいと思います。ただ、歯みがきする時に口を触られるのに慣れてると楽なので普段からさりげなく触ったり撫でたりするのはいいと思います^^

柴犬をさわろうとする子供


女性 30代
愛犬歴7年目です。私は1度もマズルコントロールをしていませが、初めて犬を飼ったということでマズルコントロールは必要だと知人等に何度かされた事があります。悪いことをするとマズルコントロールという意味合いでされていたので、愛犬は今でも初対面の人や手、マズルコントロールされた人が今でも苦手です。
マズルコントロールをしなくても、上下関係は出来ると思いますし、うまくマズルコントロールもするのも難しいと思います。男性が苦手な、我が家のワンコは主人と出会って四年目になりますが、仰向けになって爪切りやお手入れもさせて口を触られても嫌がる事なく歯ブラシをさせてます。 もちろん主人もマズルコントロールは1度もしていません。
何年もかけてお互い絆を強めていくものだと思いますし、しつけも楽しく出来るのがわんちゃんも飼い主さんも楽しいと思います。


女性 40代
「愛犬にマズルコントロールは必要か?」と聞かれると、私は「必要ありません」と答えます。そんなことをしなくても、伝えられる方法はたくさんあります。
愛犬の気持ちになってみれば、マズルコントロールが必要かどうか分かるはず!人間の言葉が話せない相手に、どうやったら伝わるかな?マズルをつかまなくても伝えられる方法はたくさんあります!
自分がマズルコントロールをされたら、どんな気持ちでしょうか?想像してみてください。自分が全然知らない環境に突然連れて行かれ、そこでの生活様式や過ごし方など全く教えてもらえないまま、上から押さえつけられるようにしつけをされたら?大きな手でいきなりつかまれたら、びっくりしませんか?
反応は犬によって様々ですが、マズルをつかまれたからといって、気にしない犬もいるし「何するの!」と怒り出す犬もいます。敏感な子は、何度かそれを繰り返していると、恐怖で人間の手を怯えるようにもなるんです。
マズルコントロールをして、何を伝えたいのでしょうか?そんな風に力で押し付けても、人と犬の関係は決してよくならず、そこからは何も伝わらないと思います。
「こういうことはしないでね」「ここでは、こんな風に過ごしてね」人間社会での暮らし方を、ゆっくり何度も何度もやさしく教えてあげればちゃんと理解してくれます。そのために、犬の社会のルールもちゃんと理解してあげることも大切だと思います。人間の手はやさしくて、あったかいものだよ。あなたを守ってくれるものだよ。と教えてあげてほしいです。

いっぱいお話しようよ

マズルコントロールが必要なのかどうかについて

ホールドスティール正面

マズルコントロールは、正しい方法で行えば早い子で1週間程度、よほど何かのトラウマがある場合を除いて、大抵は数カ月でしつけることができるでしょう。

しかし、マズルコントロールに失敗した。反抗的になり逆効果になった。等、マズルコントロールに賛否があるのはなぜでしょう。プロのトレーナーでもマズルコントロールはしない方が良いとの見解を持つ方もいます。

これら意見が分かれるのには、いくつかの要因が考えられるのではないでしょうか?

考えられる主な要因

①トレーニングの仕方が不適切であったため、犬に警戒心や嫌な体験によるトラウマを持たせてしまった。
②犬の適性や性格特性を考慮したトレーニングが出来なかったため、上手く条件付けができず、犬に遊んでいるか、怒られていると誤認識させてしまった。
③難しいトレーニングの割に日常生活での有効性が低い。
④難しいトレーニングであるため、一般の飼主がうまく行えないことが多いため、プロのトレーナーが推奨しなくなった。
⑤犬の行動学の進歩により、マズルコントロールは、必ずしも飼主との序列を認識させる効果が少ないとの所見がある。

これらの理由により、近年では、多くのトレーナーがマズルコントロールはやらない方が無難である。あるいはマズルコントロールをしない方が良いとの見解が増えてきています。

只、マズルコントロール自体は、上手に行えば、しつけとして有効なこともあるため、これらの所見を一概に鵜呑みにする必要はないでしょう。

マズルコントロールが必要かどうかという観点は、どの子でも一様に必要、不要ということではなく、しつけの明確な目的や着地点を考え、飼主のスキルレベルと犬の性質や習慣、育った環境によって、相対的に判断するべきでしょう。

試してみて、上手く出来そうかどうか?犬が極端に抵抗しないか?など、状況を見て判断するのが現実的でしょう。

犬と飼主の序列を訓練する目的であれば、他のしつけ方法を選択することができるのですから、手段なのか目的なのかを明確にした上で、その子の適正にあったしつけ方法を実施することがポイントです。

マズルコントロールの効果について

犬の表情

マズルコントロールを行う目的として、吠えつきやある程度の興奮を制御したり、マウスケアや投薬がスムーズに行えるといったメリットがあります。

また、飼主に対する服従心を育むという効果があるといわれていますが、これには賛否あるようです。最近の動物行動学の研究によると、マズルコントロールは、親が子に対し、優位性を確認するために行っている行動で優位性を認識させる行為ではないとの所見が通説です。

従って、飼主が犬にマズルコントロールを行う事で、優位性をしつける効果は希薄であると考えられています。

また、犬にとって、親子の関係性と犬と飼主の関係性は同じ認識ではないことが分かってきました。親子犬を飼っている方は、思い当たることがあるかもしれませんが、親子であっても犬同士であれば序列があり、子犬が大きくなって自我が目覚めてくると親に対しても、序列の優位に向かおうとする行動がみられます。

親子で、おもちゃや飼主の膝の取り合いをするなど、序列の競合相手としての認識が出てきます。

蛇足ですが、犬の親子の場合、子犬の月齢が半年未満であれば、子犬が親に甘えている状態では、子犬の体内のオキシトシン(愛情ホルモン)濃度が高まることが分かっていますが、成犬になるとこのような変化は見られなくなるのが普通です。飼主と犬の場合、成犬に成ってからも飼主とのコミュニケーションにより、オキシトシン濃度が高まるとの研究データもあります。(麻布大学、自治医科大学、東京医療学院大学の研究グループ)

マズルコントロールの効果は、犬の性格や経験によって大きく個体差があります。前述の通り、実施のスキルやプロセスによっても大きく差が出ます。

まとめ

マズルコントロールに限らず、犬のしつけは、マニュアル通りにいかないと感じている方が多いのではないでしょうか?犬も人間同様に性格や得意不得意など様々な個性をもっています。人間のお子さんが同じ学校に行き、同じ塾に通い、同じだけの時間を勉強に費やしても同じ成績になる事はありません。

同様に犬のしつけも、愛犬の個性を理解し、適切な方法や見合ったペースで行う事が重用ではないでしょうか。

目的のトレーニングに対する愛犬の適性や好みも見定めなくてはならないでしょう。多動で元気な子には、長時間のマテは苦痛となるでしょうし、大人しい子にボールのとってこいは、気が進まないこととなるでしょう。

職業柄たくさんの犬と接していると、その個性の多様さに驚くことがあります。犬あるいは犬種をひとくくりに考えがちですが、我々同様に多種多様な個性があり、「マニュアル通りのしつけ=どの子でもできるはず」などと考えること自体が勘違いなのではないでしょうか?

適正と教育は一対であると考え、愛犬の個性を良く知り、見合ったしつけの方法を選択することがしつけを上手に進める最初の1歩ではないでしょうか。

マズルコントロールという手段や方法に拘らず、愛犬と向き合うことで適切なしつけの方法が見つかると思います。マズルコントロールという手法は、1つの道具に過ぎません。道具の使い方、使う場面、すなわち犬の適性や飼主のしつけスキルにより、有効にも無効にも働くのではないでしょうか。

ユーザーのコメント

  • 投稿者

    30代 女性 きい

    マズルコントロールは、どうしても見ているとかわいそうとわたしは思ってしまいます。でもそれぞれ事情はありますし、していることがそのわんちゃんにも飼い主の人にとっても良いからやっているのでしょうし、それはそのわんちゃんの性格などによりするべき・しないべきとなりますので一概には何とも言えないですね。我が家のわんちゃんは、とくに必要と感じたことはないので1度もありません。
  • 投稿者

    40代 女性 ちえ

    我が家は今までマズルコントロールをしたことはなかったのですが、やり方によっては口まわりを触らせるのを慣れさせる手段にもなるのかなと思ったりします。ただ、飼い主の判断でそれ以外でも充分しつけられるというのなら無理にしなくてもよいのかと思います。愛するワンコがいい子になる為に色んなしつけ方を勉強するといいですよね。
  • 投稿者

    30代 女性 かじゅ☆

    マズルコントロールは、安易にやってはいけません!!確かに私がドッグトレーナーになり始めた20年前は、マズルコントロールという言葉をよく耳にしました。正直、私もこの頃は、先輩方の教えを真似しながらのレベルでしたので、深く考えもせず、当時の飼い主さんへ教えていました。それから自分のやり方も確立し、現在に至りますが、いつの間にか『マズルコントロール』という言葉自体も、特に飼い主さんへは説明をしていませんし、しつけ方法のカリキュラムに入れていません。ですが、なぜかマズルコントロールと言う言葉を耳にするのが 『仔犬のワクチンで動物病院へ行ったら、獣医さんに、服従させるためにマズルコントロールをやりなさいと言われたのですが、上手く出来なくて噛まれます。どうしたらいいですか?』『今から止めて下さい!!』即答です。服従させるためにマズルコントロールをやるということは、時代遅れの考え方です。ワンコと正しい関係が築けていれば、マズルコントロールは容易に出来ます。練習するものではありません。しつけの方法も日進月歩なので、時代と共に、飼い主さんたちの意識と共にも、変化していくものです。その経過の中で、私自身は、マズルコントロールの効果やリスクを考え、あえてそれだけを集中的に練習したりしないという結果に至りました。
  • 投稿者

    30代 男性 匿名

    マズルコントロールやホールドスチルは意味がないとすでに証明されているはず。
    まだ過去の遺物的情報が流布していることに驚きを感じます。

    私の愛犬(柴犬)はホールドスチルもマズルコントロールも普通にさせてくれます。
    ただ、しつけ(?)の範疇でこれらを無理にやったことはないです。
    上記の方が書かれている「ワンコと正しい関係が築けていれば、マズルコントロールは容易に出来ます。練習するものではありません。」という部分が当てはまるように思います。
    しかし日常においてマズルコントロールを行う機会なんてないですよ。。
  • 投稿者

    40代 男性 匿名

    マズルコントロールは必要です。
    とは言え、押さえつける為にするのではなくてお風呂やブラッシング、怪我をした箇所なんかを見る為に「あっち向いて~、こっち向いて~、ココ見せてね」などがスムーズに行えますし、マズル(タッチングで全身も)を触られても嫌な事や怖い事では無いんだと言う事を教える為には必要な事だと思います。
    成犬になって安心して人と共に自由に過ごさせてあげる為にも、子犬の時に短期間だけ少~し不自由な思いをさせてでもしっかり躾をする事はとても大切な過程だと考えます。
    人間だってそうですよね?
    そういった意味でもマズルコントロールは必要な事だと思います。
  • 投稿者

    40代 男性 匿名

    マズルコントロールを否定する人って、ワンちゃんのしつけを満足にできなかったことに対する自己弁護なんですよね。
    「ウチのワンちゃんには不要・有害」と決め付けて、犬の本能と習性を否定する。動物に対する無理解を愛護精神と混同してしまっているんです。
    ワンちゃんを過保護にすることが愛情ではないですよ!マズルコントロールはワンちゃんの安全な生活を守るために必要です。
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