犬の正しいマズルコントロールのやり方は?嫌がる犬にも必要?

犬の正しいマズルコントロールのやり方は?嫌がる犬にも必要?

マズルコントロールとは、犬の鼻周りから口元の部分であるマズルに触れて行うトレーニングの一種です。マズルコントロールは、愛犬の性格ややり方によっては逆効果になりかねません。犬のマズルコントロールの目的や正しい方法、注意点を解説していきますので、正しいマズルコントロールを理解してから行いましょう。

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犬に優しいマズルコントロールのやり方

マズルを触る複数の手

マズルコントロールの目的や効果がわかったところで、マズルコントロールのやり方を覚えてみましょう。

マズルを触らせるということは本来、犬にとっては嫌なことです。やり方を間違えて愛犬が不安やストレスを感じてしまうと、なかなか触らせてくれなくなる可能性があります。愛犬がストレスや苦痛を感じにくいように、慎重に教えていきましょう。

すぐにマズルを触らない

マズルコントロールを練習するからといって、すぐに愛犬のマズルを触ることは避けてください。犬のマズルは急所にあたるのでいきなり触られると、愛犬は強いストレスや不安を感じます。

まずは、マズルではなく顎周辺や犬にとって触られると嬉しいと言われる部分から触っていきましょう。 愛犬がリラックスした状態になったら、少しずつ手をマズルに近づけていきましょう。

すぐに完璧にしようなんて思わず、時間をかけて取り組んでいくと良いでしょう。

犬のしつけで行うマズルコントロールとは?

鼻を触る指と犬

マズルとは、犬の鼻から口元までの部分のことを言います。

マズルコントロールとは、そのマズルに触れたりつかむことで犬に対し「いけない」とか「よくやった」というメッセージを伝えることで犬の行動を抑えたり、主従関係や気持ちを伝えることができます。

これは母犬が子犬に対し、自分のマズルを子犬のマズルの上に置いたり、口を覆うという犬の習性に呼びかけたトレーニングなので、犬にとってもストレスが過度にかからないと言えます。

また、飼い主にとってもマズルを触ることで、犬の口や歯・目や耳などのマズル周辺の健康を確認することができます。犬にとっても普段から触られている場所なので。恐怖や不安がなく、ケアや治療を受けることができます。

犬にマズルコントロールを行う目的

歯磨きする犬

飼い主さんが犬にマズルコントロールを行う大きな目的は、「主従関係を理解させ、信頼関係を深く築く」「ケガや病気から犬を守る」ことです。

マズルコントロールを通して、主従関係を理解させることは犬の健康や安全につながります。そしてそれが「飼い主さんがいれば私は安全だ。飼い主さんが言うこときこう!」という信頼関係につながります。

このような目的から、マズルコントロールをすることは、飼い主さんにとっても犬にとっても大事なことと言えます。では、具体的にマズルコントロールをすることで得られる効果や目的についてを解説していきます。

犬の歯や口周りのケアを行いやすくする

犬の口内の健康は、様々な病気を防ぐことができると言われています。飼い主さんが愛犬の口内健康を保つには、毎日の歯磨きはかかせません。しかし、愛犬の歯磨きに苦戦されている飼い主さんが多いのが現実です。

難しいといわれている理由は、愛犬が口周りを触られることに慣れてないことに起因します。犬は、幼い頃から口周りや口内に触られることに慣れてないとなかなか歯磨きをさせてくれません。

マズルコントロールを幼い頃からはじめていれば、口周りを触れられることにも抵抗がなく信頼している飼い主さんがすることを不安に思うこともないでしょう。

また、動物病院にかかった際やトリミングでの口周りのカットの時も、普段から口周りを触られることに慣れていればストレスも少なく、治療やカットもしやすいので飼い主さんも安心して愛犬を預けることができます。

犬の興奮を落ち着かせるための合図やルールをつくる

愛犬が興奮をしたり、呼びかけに応じない時の対策としてマズルコントロールはとても有効です。興奮を収めることは、犬のケガやトラブルを防ぐことにつながります。

例えば、散歩中にふいに首輪がとれてしまったりリードを手放してしまった時に呼びかけに応じる習慣ができていれば愛犬がその場を動かず逃げることもありません。もし、呼びかけに応じる習慣がなければ車道に飛び出してしまう可能性もあります。

そんなトラブルも防ぐためにも、犬の口元を優しく多い飼い主に注目を集めさせて「落ち着いて」などの合図を作って呼ばれたときに愛犬の注意が飼い主にいくようにすることが重要になります。

犬の噛み癖や吠え癖をなくす

犬種にもよりますが、愛犬が人や動物を噛むと重篤な症状を引き起こす場合があります。そのような悲しい事故が起きないように、飼い主さんは人や動物を噛むことはいけないことだと愛犬に教えてあげないといけません。

吠え癖に対しても同じです。異常があった時に吠えることはいけないことではないですが、吠えれば何かをしてくれるといったような関係になることは良いこととは言えません。

マズルコントロールで幼いときから、愛犬に「いけない」というルールづけをすることによって噛み癖や吠え癖をおさえることができます。また、マズルを覆うなど最小限の動作で「いけない」と合図を送れるので愛犬にとってもストレスが少ないです。

褒めることで飼い主さんとの信頼関係を深くする

マズルコントロールで何らかの行動を抑えた後は、必ず愛犬をほめてあげるようにしましょう。

犬はマズルという敏感な部分を飼い主に触らせて何らかの合図を察してくれます。それに対してよくできたと愛犬の体をなでたりおやつをあげたりしてほめてあげてください。更に、愛犬との信頼関係を高めることができます。

ただし、信頼関係については、本来犬が嫌がるマズルを触らなくても、別の方法で信頼関係を築き上げるといったマズルコントロールの必要性を否定する意見があることも確かです。

しつけの方法については、愛犬の体格や性格、環境の違いもありますからどれが正解と言い切ることはできません。ですが、マズルを触るということはしつけだけではなく、健康面確認や投薬等で必ずといっていいほどでてきます。

その時のためにも、愛犬にとって最もストレスがかかりにくい方法を探してみましょう。

犬に優しいマズルコントロールのやり方

顔を覆う手と舌を出す犬

マズルコントロールの目的や効果がわかったところで、マズルコントロールのやり方を覚えてみましょう。

マズルを触らせるということは本来、犬にとっては嫌なことです。やり方を間違えて愛犬が不安やストレスを感じてしまうと、なかなか触らせてくれなくなる可能性があります。

愛犬がストレスや苦痛を感じにくいように、慎重に教えていきましょう。

すぐにマズルを触らない

マズルコントロールを練習するからといって、すぐに愛犬のマズルを触ることは避けてください。犬のマズルは急所にあたるのでいきなり触られると、愛犬は強いストレスや不安を感じます。

まずは、マズルではなく顎周辺や犬にとって触られると嬉しいと言われる部分から触っていきましょう。 愛犬がリラックスした状態になったら、少しずつ手をマズルに近づけていきましょう。

すぐに完璧にしようなんて思わず、時間をかけて取り組んでいくと良いでしょう。

フードやおやつを使って人の手に慣れさせる

犬は嗅覚がすぐれているので、フードやおやつの匂いに強く反応します。飼い主さんが手にフードやおやつを持ちつつマズル周辺を触ってみましょう。

愛犬に「飼い主さんの手はいい匂いがする、怖いものではない」ということを徐々に感じさせてからマズルに手を近づけていきば、愛犬も不安に思うことも少なくなります。

愛犬が安心をしたらマズルを優しく覆う

飼い主さんの手に安心し、マズルを触られることになれてきたらマズルコントロールをしていきましょう。

優しく愛犬のマズルを覆ってみて愛犬の反応をみてみましょう。はじめは少し抵抗があるかもしれませんが、少しずつ触ることで、愛犬も慣れていくことができるでしょう。焦らず、時間をかけて繰り返していきましょう。

トレーニングに慣れてきたら褒めてご褒美をあげる

マズルに触れたり、覆ったりする時間を長くすることができたら、愛犬を褒めてあげましょう。

褒めてご褒美であるフードやおやつを与えることで、犬はマズルを触られることはイヤなことではない、褒められることなんだ、といったことを学びます。少しオーバーに褒めることによって犬はより早くおぼえることができるでしょう。

誤ったマズルコントロールをしないための注意点

マズルを掴まれる犬

マズルコントロールは、必ずしなければならないトレーニングではありませんが、すれば効果をもたらすものです。

ですが、やる目的ややり方を間違えてしまうと、犬が人間を怖がったりと逆効果になりかねません。次のような注意点をしっかり読んで、誤ったマズルコントロールをしないようにしましょう。

嫌がって暴れる犬のマズルを無理やりつかまない

マズルコントロールとは、マズルを触る・覆うといったような最低限の動作で犬の行動を抑えるトレーニングの一つです。犬にとっては、きちんとトレーニングすればストレスが少なく指示をきくことができます。

ですが、トレーニングをするにあたって、犬が嫌がったり暴れたりしている場合は無理やりマズルを触るようなことはやめましょう。本来ならば犬のストレスを考えるトレーニングなのに、無理やりすることで犬に過度のストレスがかかってしまいます。

マズルコントロールは、時間をかけてトレーニングすることが基本です。犬が怖がらないように、不安や恐怖を与えないようにトレーニングを続けていきましょう。

人間への不信感が強い犬には行わない

マズルコントロールは、人間への不信感が強い犬には行わないようにしましょう。保護犬だった犬や、性格的に怖がりな犬は、マズルコントロールを嫌がる傾向にあります。無理やり続けてしまうと人間のことを更に怖がる可能性があります。

まずは怖がらない部分からスキンシップをとっていき「人間=怖いものではない」ということを犬に理解してもらいましょう。

嫌がっているのに無理やりトレーニングを続行してしまうと人間自体が怖くなったり、人間の手を恐怖の対象としてみてしまいます。

犬のしつけはマズルコントロール以外の方法で行ってもいい

マズルコントロールは、犬と飼い主さんにとって必須のトレーニングではありません。それは、直接的な問題の改善が確実にできるわけではないからです。

あくまで、トレーニングの一種だと考え愛犬の性格や行動の傾向からトレーニング方法を見つけていきましょう。

別のしつけ方法でも、犬と飼い主が信頼関係をつくることは十分に可能です。例えば吠え癖・興奮癖に関してはストレスや運動不足が原因ならば、運動時間を増やしたりコミュニケーションをとる時間を長くするなど工夫をしてみてください。

但し、ある程度愛犬のマズルを触ることができた方がケガや病気の時などに犬も抵抗なくケアをさせてくれるというのも事実の一つです。どのトレーニングが愛犬には合っているのかを探していきましょう。

できれば犬が幼いうちに行う

保護犬を引き取ったり、成犬を迎え入れるといった事情がない限りは、成犬になる1歳前にマズルコントロールは行いましょう。

理由は、子犬のころからトレーニングをすると成犬になって行うより覚えが早くなるからです。また、成犬になると犬歯がしっかりしているので、不意の抵抗があった場合に飼い主さんがケガをしてしまう可能性があります。

マズルコントロールに限らず、パピーの頃からしつけやトレーニングを行うようにしましょう。

まとめ

ピンク背景マズルを触る手

犬のマズルコントロールとは「主従関係を理解させ、信頼関係を深く築く」「ケガや病気から犬を守る」が目的のトレーニングです。マズルコントロールを覚えてしまえば犬にとってはストレスが少なく危険から身を守ることができます。

ただし、「主従関係」に関しては考え方があるので必ずしもこれが正解というものはありません。大切なことは、しつけやトレーニングを通して愛犬の健康を保つことにあります。

そして、それには「信頼関係」を築くことが必要になります。しつけやトレーニングの方法は、多種類ありますので愛犬と飼い主さんに一番合う方法を見つけていってくださいね。

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