犬がよだれを出すのは基本的に正常
今回は犬の『よだれ』でわかる危険な病気について触れていきますが、そもそも犬がよだれを分泌すること自体は正常は反応です。
美味しそうな匂いを嗅いだ時、食べ物を見た時、「美味しそう」という感覚から、唾液の分泌量が多くなるのは仕方がありません。人間でも同じようなことがありますよね。
他にも、暑い時に犬は呼吸をすることで体温調節するため、どうしても口が開きっぱなしになってしまいがちです。それにより、口の中が乾いてしまい、唾液が分泌されることも多いです。このように、犬がよだれを多く出すこと自体は、決して悪い事ではありません。
犬の『よだれ』異常なサインは?
犬がよだれを分泌することは、悪い事ではありません。むしろ、正常な状態であれば、自然な体の反応と言って良いでしょう。
しかし、中にはよだれの出方やその時の様子などに異常を感じることもあるでしょう。その場合は、体調を崩していたり、何らかの病気が関係していることもあるので、一度受診することをおすすめします。
下記のような症状が見られたら、さまざまな病気が考えられます。
- よだれの量があまりにも多い
- よだれと一緒に呼吸が荒くなっている
- 口を常に開きっぱなしでよだれが垂れている
このような違和感を感じた場合、かかりつけの動物病院へ電話し相談したり、そのまま病院へ連れていき、検査をしてもらいましょう。
犬の『よだれ』でわかる危険な病気とは
先ほど挙げたような異常が見られた場合、どのような病気が考えられるのでしょうか。ここでは考えられる病気とその経過症状などを解説していきます。
口腔内腫瘍
犬の悪性腫瘍の中では4番目に発症数が多い病気です。メラノーマや扁平上皮癌、線維肉腫などが口腔内腫瘍に含まれます。よだれの分泌量が突然多くなる他にも、口臭が悪化したり、食欲不振に陥る犬も多いです。
特にメラノーマを患う率が高く、そのまま放置してしまうと、リンパ節や肺へ転移してしまい、全身がんへ進行してしまう恐れのある非常に怖い病気です。
口腔内腫瘍が発見された場合には、外科的手術で切除する方法がとられます。
胃拡張胃捻転症候群
大型犬に多く見られる病気です。食後に激しい運動などをすることで、胃が異常に大きくふくらみ、胃捻転を引き起こしてしまいます。
とても恐ろしい病気で、呼吸が徐々に苦しくなり、次第に呼吸困難に陥ってしまいます。吐こうとしても吐けなかったり、よだれが異常に出ることも特徴です。 また、進行スピードが非常に速く、すぐに病院へ連れて行かなければ、そのまま急死してしまう事例も少なくありません。
様子を見ていては症状が悪化し、手遅れの状態となってしまう緊急性を要する症状のため、飼い主さんはすぐに病院へ連れて行く必要があります。
急性膵炎
膵臓が炎症を起こし、膵臓から分泌される消化酵素が以上に分泌され、膵臓自体を溶かしてしまう恐れのある非常に恐ろしい病気です。また、進行も早く、短期間で重症化してしまう例も多く、死に至る危険性のある病気です。
初期段階では嘔吐や下痢の症状が現れ、次第に食欲も低下していきます。さらに呼吸が荒くなり、よだれの分泌量が多くなるなどの症状が現れ始めます。この段階で早期発見、早期治療することで、良くなる犬も多いです。
しかし、先ほどもお話ししたように、このサインを見逃してしまい、症状を放置してしまうと、ショック死を引き起こす恐れがあります。少しでも違和感を感じたら、受診してください。
まとめ
たかが『よだれ』と思われがちですが、よだれの分泌量が異常に多くなったり、同時に他にも症状が現れている場合は注意が必要です。早期発見、早期治療が愛犬の命を助ける鍵となるので、早めの行動を心掛けてください。