犬の車酔いの原因
犬の車酔いは、耳の奥にある平衡感覚やバランスを整える前庭や三半規管が、車の揺れなどについていけず刺激されて起こるものです。犬の車酔いも人間と同じですね。車以外にも船や飛行機や新幹線などで酔いが起こることがあります。
犬の車酔いを誘発させるものとしては、車内の臭いや、揺れ、エンジン音などがあり、過去に車に乗ったときに嫌な思いをしたなど、心理的な要因も大きく関係していると言われています。
特に今まで車に乗ったときに嘔吐したことがある犬は、それ以降、車酔いの症状が出やすくなります。車に乗せる前から、不安そうな表情や行動を見せるなどの前兆があらわれることもあるので、よく観察することが大切です。
もし旅行などで車をはじめとした乗り物に乗せるときは、窓を少し開けてあげると車外の空気を鼻で感じ、風を顔に受けて気を紛らわすことができるため車酔いもマシになります。また、長距離の移動の場合は休憩を挟みながら走行すると良いでしょう。最近では、高速のパーキングエリアにドッグランが併設している場合もあります。そのような施設やサービスを利用しながら楽しくお出かけをしましょう。またあまりにもひどい車酔いをした場合や、休憩をしても治らないときは一度お出かけを中断し獣医師に相談をした方が良いかもしれません。
犬の車酔いの症状
- 大量のよだれが出る
- 震える
- そわそわする
- あくびをする
- 心細く鳴く
- 吠える
- 嘔吐する
- 下痢をする
- 泡を吹く
こんな症状が出る場合には犬が車酔いをしている可能性があります。
わかりやすい症状としては嘔吐ですが、犬が嘔吐するまでにはよだれなどの他の症状を見せていることがありますので、車に乗せたときは注意してあげてください。また車酔いの症状としてよく見られるのが、大量のヨダレと生あくびです。
これらも車酔いによって気落ちが悪くなっている状態だと考えられます。同時に大量の鼻水が出てくる子もいます。さらに落ち着きがなくなり、よく吠えるようになったり、心細そうに鳴く仕草も見られます。車に慣れていない子の場合は、震える症状を出す場合も。
車に愛犬を乗せるときに大切なのは、愛犬の様子をしっかりと観察して異変を感じたらすぐに対策をとってあげることです。また、車酔いにならないための対策はあらかじめとってあげ、できるだけ快適なドライブを行ってあげましょう。
車酔いしやすい犬種
車酔いをするかしないかは、その個体差によって違います。体質的に車酔いをしやすい子もいますし、車が嫌いなことによる精神的ストレスによって車酔いのような症状が出てくることも珍しくはありません。
そんな様々な体質の犬がいる中で特に車酔いをしやすい犬種として有名なのがポメラニアンです。ポメラニアンは人間よりも平衡感覚が優れているためか、走行中の車のような安定していない空間にいると過剰に反応してしまい車酔いをしやすくなるのだとか。
またフレンチブルドッグも車酔いをしやすい犬種として知られています。この二犬種以外でも車酔いをしやすい子はいますし、この二犬種だったとしても、車酔いをしない子はいます。ただそのような傾向があるということだけは覚えておくと良いかもしれませんね。
犬の車酔いを予防するには
犬を車に乗せる直前に食事をさせない!
長距離や長時間のドライブなどの直前の食事は犬が車酔いをする原因にもなりますので避けるようにします。
車に乗せる2時間前までには、食事を済ませるようにしておきます。お腹はすきすぎても満腹でも犬は車酔いしやすくなります。短時間の場合は、目的地についてから食べさせるようにしても良いでしょう。
朝ごはんを食べさせて午後からゆっくりと出発をするくらいの感覚の方が良いかもしれませんね。ただ、あまりにも空腹の時間が長くなると逆に車酔いの原因となりますので、時間は慎重に選ぶようにしましょう。
こまめに休憩をとる!
時間に余裕を持って出るようにし、途中休憩時間をこまめにとってあげることも大切です。
最近ではドックランが併設されているサービスエリアなどもありますので、そこを利用することでワンちゃんの気分転換をさせることができます。もしドッグランがないとしても、リードをつけてエリア内をお散歩させてあげると愛犬も喜んでくれます。
また、走行中も窓を少し開けて空気を入れ替えてあげると気分転換になります。ただし、窓をあまりにも大きく開けてしまうと飛び出してしまう事故に繋がります。高速道路などで飛び出してしまうと大変危険ですから、窓を開けるときは誰かが抱っこをしてあげるか窓を少しだけ開けるだけに留めて事故に繋がらないようにしましょう。
病院に行くときだけ車に乗せない!
私たちもそうですが、病院嫌いのワンちゃんは多いはず。
そのときだけ車に乗せていると、車に乗ること=嫌なこと…という認識を犬が持ってしまいます。病院に限らず、車に乗ったことで嫌なことが起こったという認識を持たせないことです。車に乗ると何か楽しいことがあると覚えてもらうためには、普段から車を使ってお出かけをすると良いかもしれませんね。
車でしかいけないような少し遠めの公園へ行く、少し足を伸ばして自然が多いところへ遊びに行くなど、「車に乗ること=楽しいこと」と認識を持ってもらえれば、車酔いもいつのまにかなくなってくれるはずです。
停まっている車に乗せることから始めて、徐々に乗っていられる距離を伸ばしていきますが、その際は、必ずワンちゃんにとって良い事があると認識させることが大切です。
車で近くの大好きドックランまで連れていき思いっきり遊ばせる…など。積極的に車で楽しいところへ出かけるなど慣れさせてあげましょう。
体を固定させて揺れを最小限に!
車が揺れることで犬が車酔いをするのであれば、体を固定すれば改善されます。車の中で自由にさせるのではなく、キャリーケースやケージに入れるようにしましょう。こうすることで体の揺れを最小限にすることができ車酔いの防止に繋がります。
慣れているワンちゃんならば、その中に入っていることで安心感もうまれます。犬用のシートベルトを着用させるのも良いでしょう。
クレート(キャリーバッグ)に入れるのはなんだかかわいそうと、お膝の上に乗せたり抱っこをして走行中過ごす飼い主様もいらっしゃいますが、これは急ブレーキをかけたときに前へ飛び出す事故に繋がる可能性もあります。そのため、できればキャリーケースに入れて静かに過ごさせてあげるようにしてくださいね。
車酔いは周りの景色が見えているから起こる場合もありますので、キャリーケースに布などをかけて目隠しをするのも効果的です。そのためにも、普段からキャリーケースに慣れさせるための訓練を行い、必要なときは中に入るしつけを行っておきましょう。
酔い止めの薬を使う
どうしても車酔いが治らない、車酔いがひどい犬を車に長時間乗せないといけないというときは酔い止めを使うのもおすすめです。酔い止めの薬は動物病院で処方してもらえるだけではなく、市販でも販売がされています。
こちらはシロップタイプの酔い止めの薬です。シロップなので気軽に使えるので一つ常備をしておくと安心です。
車酔いをしそうだからと、おやつを与えて気を紛らわせようとしたりする方もいますが、車酔いをする犬におやつを与えるのは余計に症状を悪化させる原因となりますのでやめておきましょう。
車酔いに効くアロマを活用する
車が苦手で、気分が悪くなってしまうワンちゃん用のアロママッサージオイルというのもあります。
ホホバオイルをベースに、ジンジャーとペパーミントをブレンドした愛犬をリラックスさせてくれるアイテムです。アロマを手のひらであたため、首から尾の付け根まで毛並みに沿って、なでながらアロマを地肌に塗り込んでいきます。
前足や後ろ足も付け根から足先まで、毛並みに沿ってなでます。このようなアロマを使うことでリラックスさせて車酔いの防止につながることもありますので、気になる方はぜひ活用をしてはいかがでしょうか?
ただし、使用する前に少量をつけてみて犬の様子を確認しましょう。香りに敏感ですので合わない場合は、元気がなくなったりすることも考えられます。パッチテストを行い皮膚にトラブルが起こらないか確認することも必要です。
犬の車酔いの対処法
愛犬の様子がおかしい、車に酔ってしまったのかな…そう感じたら、できるだけ早く休憩をさせましょう。可能ならば車から降りて、外を少し歩かせるだげでも気分転換になります。車内の空気が良くない場合は、窓を開けてあげてください。
それでも車内で嘔吐してしまった場合も、慌てたり騒いだりせず、冷静に素早く汚物を片付けるようにします。
また、嘔吐したときに慌てないようにするには、必ずトイレシートやビニール袋などを前もって車内に常備させておくことが大切です。酔いやすい犬を乗せるときは、犬を乗せるスペースにあらかじめペットシートなどの汚れを防止するものを敷いておいても良いでしょう。
また車酔いの兆候が見られたらすぐに対処ができるように注意深く観察をするのも大切です。車酔いは体調やその時のストレスの状態にもよって症状が出るか出ないかに違いがあります。ぜひ、車酔いサインを見逃さずに対処をしてあげましょうね。
まとめ
犬の車酔いについていかがでしたか?
私事ですが、うちの愛犬は車酔いとは無縁の犬でした。車に乗ることが好きだったのかはわかりませんが、ドアを開けると自分からいつも乗り込むような犬だったのです。
はっきりとした理由はわかりませんが、私がよくやっていたことを申し上げると、愛犬を連れて車で公園に行って一緒に遊んだり、犬と入れる場所が多いところならばちょっとした旅行でも愛犬を連れて車で出かけていたことは確かです。
もちろん、動物病院も車で行っていましたが…。
やはり犬が車酔いをさせないポイントは、小さなときから車内の匂いや環境に慣れさせること、近くでもいいので愛犬と一緒に車で出かけていき、出先で一緒に楽しむことだと思います。
そうすることで、車に乗ることがワクワクと楽しくなりドライブが好きなワンちゃんになるのです。車を使っての愛犬との楽しみ方を増やすほど、犬は車に乗ることが大好きになります。また、走行中もストレスを感じない快適なドライブを心がけてあげると、車酔いも軽減して行くはずです。
これを機会に車を通して楽しい経験をたくさんさせて、車が大好きな犬にしてみるのはいかがでしょうか?
ユーザーのコメント
20代 女性 ゆー
30代 女性 べーちゃん
我が家の犬たちは、初めて我が家に連れて帰ってきたとき、よだれを垂らしていました。今思うと車酔いをしていたと思います。
車酔いの知識がないばかりに、かわいそうなことをしてしまいました。今は車に乗ることが楽しくなりドライブが大好きです。車酔いの情報を教えていただき助かりました。
20代 女性 なっちゃん
今度病院で最終手段のお薬を処方してもらおうと思っています。
40代 女性 スノー
最初は車酔い酷く可哀想でした。
5分〜10分位ドライブして散歩に。
それを繰り返し、徐々に時間を延ばしました。慣れてきても吐いたり吐かなかったりを繰り返しました。
☆抱っこが最も酔いが少なく
☆次にクレート
☆自由にするのは吐きやすかったです。
やはり記載されてるように揺れるからかな。また、皆さんと同じでブレーキで落ちそうになったり、運転席に来ようとして心配が多かったです。
慣れるまでは助手席にクレートをシートベルトで固定。扉を運転席に向けて置き、扉は外しました。中にトイレシーツを置きその上にタオル。またぬいぐるみ等で中のスペースを狭くしました。吐いてもタオルを交換で対処出来るので犬の汚れを防げました。窓を開けて空気を循環させ、芳香剤、煙草、香水などの匂いはなし。エアコンも冷房は使いましたが暖房は使わないようにしました。(私自身が車酔いしやすく、やはりエアコン。特に暖房の匂いが酔いやすいので同じかな?と思ってです。)
行きは吐いても散歩やドッグラン、パピィ教室の帰りは疲れて寝るので酔う事は少なかったです。
あと、記載されてる通り、食べて直ぐも吐きやすいですが、うちは空腹が吐きやすいです。我家は未だに空腹だと吐くタイプなので気をつけています。
あとアドバイスされたのが、飼主が心配しない事(笑)心配が犬に移るので、大丈夫。平気だよーという平常心でいる事でした。
週に3.4回のペースで完全な安定までは2〜3ヶ月かかりましたが、今は車を好きになり遠出も高速もエアコンも窓を開けなくても平気!ドライブ大好きです。距離によりクレートとドライブベッドも使い分けれています。色々試してみて下さいね。
50代以上 女性 匿名
悪い体験を覚えてしまい、駐車場に行くだけで口の周りが泡だらけになってしまう程です
獣医さんで、薬を処方してもらい、ドライブ中に嘔吐しないようになると薬無しでも酔わなくなりました
貰った薬は眠くさせるらしく、水分を自分からあまりとらなくなるので、特に暑い時期には熱中症に注意するように言われました
今は、車に乗って出かけるのを一緒に楽しんでいるようです
40代 女性 キウイ
トリミングサロンへ通うのに車で30分ほどの距離ですが、うちの犬は車に乗ってから10分と立たずに具合が悪くなり、15分くらいには嘔吐が始まります。毎月1回のトリミングサロンですが、せっかくトリミングをしてきれいになっても、帰り道の車中でも必ず嘔吐。口廻りはデロデロです。
また、具合が悪そうだから動物病院へ連れて行こうにも、車でさらに具合が悪くなってしまう恐れがあるためためらってしまいます。
まだ若いからそう体調を崩すことがないためなんとかなっていますが、老犬になって病気でもしたらと気が気でなりません。
慣れでどうにかならないかな、と思いながら4年経ちましたので、きっとこれはどうにもならないのかもしれませんが。
女性 めいぷるわっふる
愛犬たちはとくに車酔いはありませんが、長時間のせる場合は気を使います。
長時間といっても続けて30分以上車に乗る事は少ないため、なるべく休憩を挟んだり窓を開けたり(運転手以外に人がいる時のみですが)して気分転換になるようにしています。
そのときにお水休憩とおトイレ休憩をさせつつ少し歩いたりしてます。
車酔いの対策グッズでマッサージオイルなんかもあるんですね。
犬用シートベルトなんかも車酔いだけでなく安全面からも良さそうですね。
車酔いはなくとも、長時間車に乗っていると疲れてしまいますから、なるべくリラックスできるように心がけたいと思いました。
車=動物病院とならないようにするのは大事ですね。
女性 ハチ