飼い主の死で取り残された外飼い番犬の保護。医療ゼロの悲しい現実

飼い主の死で取り残された外飼い番犬の保護。医療ゼロの悲しい現実

高齢で一人暮らしだった飼い主さんが、突然倒れて救急車で運ばれ、そのまま帰らぬ人となりました。飼い主さんの家には、犬小屋に取り残された犬が1匹いました。

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取り残された犬

帰らぬ人

2018年12月1日、70歳の女性が突然倒れ、救急車で運ばれました。心筋梗塞で、そのまま帰らぬ人となりました。

その女性の家には、手作りの古い犬小屋がありました。そこには二度と帰らぬ飼い主さんを待ち続ける犬が1匹、取り残されていました。

犬小屋 私の写真

里親探し

取り残された犬のお世話は、近所の人と、そして飼い主さんの親戚の方がされていたようです。お散歩は、時々、親戚の方がされていたと聞いています。

その親戚の方から、当団体にご相談が入ってきたのは、飼い主さんが死亡して1ヵ月以上経った頃でした。

その犬の家は当団体の所在地からはかなり離れており、お世話に通えるような距離ではありませんでした。

動画と写真を撮影し、SNSで里親探しを始めました。

犬の名前は『コロ』ちゃん。5歳の中型犬、雑種の男の子でした。

コロ 私の写真

散歩

SNSで呼び掛けたところ、あるご家族が引き取ってもいいと連絡してくださったので、さっそくお見合いをしました。

その時コロちゃんのお散歩をしていただいたのですが、喜んだコロちゃんはグイグイリードを引っ張り大興奮。親戚の方によると、コロちゃんにとっては2週間ぶりのお散歩だったそうです。

その引きの強さに驚いたご家族は、一度話を持ち帰りよく考えるということになりました。

実はこの時、ひとつ気になることがありました。コロちゃんが一瞬でしたが、そばに近づいた私に唸ったのです。その様子をご家族も見ておられました。

寂しい

コロちゃんはとても人懐っこい子でした。

下の動画は、里親候補のご家族が帰った後のコロちゃんの様子です。私たちがまだそばにいたのに、お散歩をしてくれたご家族が去っていく姿を、コロちゃんはこんな風に見送っていたのです。

白紙

お見合いは失敗に終わりました。

ご主人は普段お仕事なので、奥様がコロちゃんのお世話をすることになります。まだ小学生のお子さんたちが3人もいる中でのお散歩には、コロちゃんのリードの引きが強すぎて自信がないというのが理由でした。

連れて帰るつもりでクレートも購入していたご家族が、お見合い後に「お話を一旦持ち帰って考えます」とおっしゃった時点で、その答えは想像しておりました。

実のところ私はリードの引きよりも、コロちゃんが最後に一瞬ですが唸ったことの方が気になっていました。小学生のお子さんがいるお家に引き渡して、果たして大丈夫なのか?という不安がありました。

万が一のことがあっては取り返しがつきません。小型犬ならまだしも、中型犬が噛みつきでもしたら大変なことになってしまいます。

正直このときはまだコロちゃんがどんな犬かわからなかったので、この犬のことをちゃんと見極めなければならないと考えていたところでした。断りのお返事をいただいたことで、ある意味ホッとしました。

後に、あのご家族の判断は賢明だったことが判ります。

この犬の本当の性格を、私たちを含め誰も周囲の人たちがまだ理解していなかったことが、よくわかったのです。

性格 私の写真

お迎え

その後お散歩ボランティアさん数人が連日コロちゃんのお散歩をしてくれましたが、何も問題がなかったと報告を受け、それであればと私の家に連れて来ることにしました。

私はこの犬に1度唸られているので、お散歩ボランティアで問題がなかった女性に同行を頼み、コロちゃんを引き取ってきました。

経過観察

この犬のことをもっとよく観察し、見極めることも目的のひとつでした。引きが強いので、お散歩はもっぱら夫が担当していました。

しばらくの間、犬は唸ることもなく何も問題がありませんでした。

あの時の一瞬の唸りは、何だったのか?心配しすぎたのか、私の考えすぎだったのか?

そう思い始めていた矢先のことでした。

団体メンバーがコロちゃんに会いに来た際に、私がコロちゃんの目の前でおやつを彼女に渡したことでそれは起こりました。

おやつをくれると思ったのに彼女に渡した=おやつを盗られたと勘違いしたコロちゃんが、彼女に吠え付いて唸り、咬もうとしたのです。

お散歩 私の写真

性格

やはりこの犬は危険な面も持っていました。

その後、コロちゃんはだんだんその本当の性格を見せ始めました。

特に食べ物に対して執着があり、誰かに奪われそうな気配があれば取られまいと唸って攻撃してくることがあるとわかりました。

また「撫でて」と、とても人懐っこく飛びついてくるのですが、撫でていると急に怒り咬もうとすることも何度もありました。

とてもすぐに里親探しができるような犬ではないことがわかりました。要するにしつけがあまりされていなかったのです。

お座り 私の写真

困難な里親探し

コロちゃんの性格をちゃんと見極めて、それなりの接し方をすれば咬まれることはありません。実際、私たち夫婦はすでに1年以上コロちゃんのお世話をしていますが、1度も咬まれたことはないのです。

それなりの人が飼い主になってくれればと、まだ希望は捨てていませんが、なかなかこの犬の里親探しは困難を極めております。SNSの呼び掛けで希望者が現れても、「咬むかもしれません」と伝えると返事がこなくなってしまいます。

不特定多数の人たちが訪れる譲渡会にも1度参加させたことがありますが、警戒心のない子供や大人たちが不用意に手を出してしまうため片時も目が離せない状態が続き、やはり事故があっては取り返しがつかないと、それ以来断念しております。

それでもコロちゃんを私たち夫婦は扱えているので、同じような人がいずれ現れてくれるかもしれないと諦めずに里親探しは続けています。

海 私の写真

医療

もうひとつコロちゃんには困った問題がありました。

コロちゃんは、飼い主さんがまったく医療をかけていなかった子だったのです。当然のように未去勢でノミダニ駆除すらされておらず、保護した時はマダニが寄生していました。

フィラリア予防ももちろんされておらず、フィラリア強陽性になっていました。

保護してすぐにノミダニ駆除し、フィラリアの治療を開始。ワクチン、狂犬病などの予防接種を受けさせ、去勢も行いました。

病院で 私の写真

最後に

番犬外飼い、医療一切なし…日本では悲しいかなよくあるパターンです。

行われているのは狂犬病の集合注射のみ?コロちゃんの場合は飼い主さんが死亡していたので、それすら分かりませんでした。

日本ではコロちゃんのような飼い方をしている飼い主さんが本当に多いです。

犬を物扱いにする国、日本。

あなたはどう思われますか?

今のコロちゃん 私の写真

※こちらの記事は動画や画像の撮影・制作・配信をしている団体より許可を得て掲載しております。
 掲載団体名:ディ・アンク

ディ・アンク

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    50代以上 女性 匿名

    悲しくなります。
    うちにも黒柴犬が居ます。母犬も父犬もおとなしい遺伝を継ぎ性格は穏やかな子です。しつけもそれなりにしましたし、しなければならない医療もしております。
    しかし、10歳で緑内障になり、眼圧が上がると痛がるので痛み止めに体に安心な座薬を病院で勧められて、慣れるまでとっても苦労しました。しつけをしていなければ、おとなしいわんちゃんとは言え、嫌な事を無理やり飼い主がしてくれば、抵抗して噛まれる事態も起こります。
    わんちゃんも、歳を取れば薬を飲んだり、イヤーな目薬も点さなくてはならなくなります。そんな中、失礼だとは思いますが、ご年配の方が医療のお金はかけず甘やかして、育てて行けば後々厄介な事態が起こりうる可能性もあります。当の飼い主さんはご病気になられたり、入院されたりでわんちゃんのそばに居られなくなり、わんちゃんにもストレスがたまります。
    突然飼い主さんが居なくなるなど、捨てられたと感じる事でしょう。
    ですから、ご年配の方は今後、もしもの時を想定して、しつけをきちんとして、フィラリアなどの接種も毎年しないといけません。(室内飼いだからとしておかないと室内に侵入したたった1匹の蚊に噛まれて、その幼虫が心臓に住み着けば心臓内がミミズのような幼虫だらけになり、心臓がダメになります)
    そして、そのもしもの時に代わりに飼ってくださる息子さん夫婦や娘さんや親戚とわんちゃんと常日頃からコミニュケーションを取っておくべきだと思います。
    そもそもわんちゃんは最低15年は生きるのですから、飼い主さんが70歳で可愛い、寂しいからと容易に飼い始めれば、85歳まで果たしてお散歩してあげれるほど元気で居られるるかは誰にもわかりません。逆の立場ならどうでしょう。毎日お世話してくれていたお父さんやお母さんがある日突然居なくなると言う事なんです。
    今後日本は全体の人口のおよそ半分がお年寄りになるのです。
    ますます、甘やかされ、予防接種もされぬまま捨てられるわんちゃんだらけになるのが現実です。
    せめて命を飼う責任として、狂犬病、フィラリア、混合注射、しつけ、くらいは最低限するべきではないでしょうか。
    そうすれば、ボランティアさんに救われるチャンスも有ります。
    しかしながら悲しいことにご年配の方がスマホをサクサク扱い、この様な記事に目を止めてくださるとも思い難く、熱心に耳を傾けてくださる方は上記の責任は全てクリアなされているはずです。
    わんちゃんにお金をかけたくないし、甘やかしたい。先の事は考えたくない。その様な方にこの記事が目に止まり拡散される事を切に願うしか有りません。

  • 投稿者

    50代以上 男性 匿名

    犬を幸せに出来ないなら飼う資格は無いと思う。そんな人間は罰を受けるべきだと思う。
  • 投稿者

    50代以上 女性 万里亜

    この記事を読んで、凄く悲しくなりました。私は難病治療中で、病院以外は外出しませんが、あるお宅の玄関に犬の豆柴が繋がれているのに気付きました。夏の暑い日、日陰も無く熱中症になるのでは?私は車で通り過ぎるのですが、病気のせいで車からでられません!だんだん寒くなり、冬になる頃、その子は犬小屋も毛布も無く、陽の当たらない(夏の反対で)所で、寒さでうずくまっていました。何もしてやれない自分に悩んでいた時、ご近所の方がお話しに行かれたそうです!豆柴の飼い主の返答は、家には家の飼い方が有る、放っておいてくれ!でした。その豆柴は最初、家の中で飼われていて、生まれた孫がアレルギーで外に出した!との事。びっくりと哀しさしかありません。それなら誰か、可愛がってくれる人を探して欲しいと思います。今回の記事の子は唸る噛む、問題のある子!とありますが、この子のどこが問題なのでしょう?私なら、こんな子ほど可愛いし、愛情を注ぎたい!飛んで行って連れて帰りたい!でも、病気で犬の世話は出来ない今、残念でなりません。どうか心優しい方が現れる事を心から願います。お世話をして下さっている方々には頭が下がります。有難うございます。
  • 投稿者

    50代以上 男性 ナデレール

    多頭飼育されていた保護犬(中型オス推定3歳)を引き取って2年ほどたちますが、来た当初は、体をしばらく撫でているうちに唸りだすことなどありました。
    おそらく、それまでは頭を軽く撫でられるくらいの経験しかなく、今までにない経験に不安になったのだと思います。

    唸られたときは、それ以上続けたり、叱ったりもせず、「唸ればやめてもらえる」と学習してもらうことにしました。
    「唸ってダメなら、咬むしかない」と学習されるのが最悪だからです。

    そして、唸る原因として考えた不安感を解消するべく、
    「撫でられるのが嫌になったら、何時でも離れられる」と学習するよう、
    犬が自由に動けるような位置関係で撫でるようにしたところ、
    ほどなくして、撫でているときに唸ることはなくなりました。

    今でも、獣医さんのところで痛みのある処置をされるときに唸ることはありますが、
    日常生活ではすっかり唸らない犬になりました。



  • 投稿者

    女性 匿名

    野犬に似た生活をしている子が食べ物に執着するのは当たり前のこと。
    ライター含めそういった野犬の生活をしている犬に対して、愛玩動物として品種改良された犬と同じ扱いで接しているから軋轢が生まれる。
    唸りや、噛み付く癖があっても鳴らすことができます
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