犬の気管虚脱の概要
「気管」とは鼻と口から入った空気を肺に送り、再度空気を送り出す管のことです。
犬の気管は35~45個のC字形をした軟骨が連続して外側を囲み、首の動きに合わせて柔軟に変形するようにできています。
例えるなら、蛇腹ホースのようなイメージですね。
「気管虚脱」はその気管が押しつぶされ、正常な空気の流れが行われなくなる状態をいいます。
そうなると、呼吸困難になり、呼吸による体温調整ができなくなり、命の危険にさらされる場合があります。また、治療が遅れた場合、もし救命できたとしても、脳や肺に障害が残ることもあります。
夏場に発生しやすく一旦症状が落ち着いても再発しやすいため、1度症状が出た場合、継続して注意する必要がある病気です。
主な症状
息が荒くなりガーガーとガチョウの鳴き声のような乾いた咳がでます。
咳は興奮した時や運動中、散歩中に首輪を引っ張ることで頸部が圧迫された時などに出やすくなります。
私はガチョウのような・・・というのがよく分からなくて動画サイトで検索して確認しました。
見ると「なるほど~」と思いましたので、イメージできない方は検索してみてください。
ちなみに我が愛犬は「ガーガー」というより「カッ!カッ!」という咳です。
痰が絡んで吐くときのような感じです。
その他の症状としては、ヨダレがでたり呼吸困難でチアノーゼを起こしたりします。
原因
正確な原因は不明ですが、遺伝的要因、肥満(脂肪により気管が圧迫される)、老化(気管周辺の筋力の低下)、などが原因ではないかといわれています。
かかりやすい犬種
どの犬種にも発症する可能性のある病気ですが、小型犬の中高齢犬に多くみられる病気です。
若齢でも起こることがあります。
特に多いとされる犬種はトイ・プードル、チワワ、ポメラニアン、ヨークシャー・テリアです。
ゴールデン・レトリーバーやラブラドール・レトリーバーなどの大型犬でも発症することがあります。
我が家の愛犬は家に来て1ヶ月後には咳をしていました。
若くても油断禁物ですよ。
気管虚脱の予防と対策
- 肥満が原因のひとつと考えられているので、適正体重を維持する
- 散歩の際は首輪ではなくハーネスを使用し、過度に興奮させないよう注意する
- 激しい運動は咳が出やすいですが、適度な運動は必要
- 高温多湿の状態で咳が出やすいので、適度な温度と湿度を心がける
- 夏場の散歩は涼しい時間帯に行く
経験上、夏場と興奮時は本当によく咳がでます。
興奮はしつけで何とかなりますが、気温はどうにもならないので、人間が暑くなくてもエアコンをつけてあげてください。
一度つぶれてしまうと元には戻らないので、子犬の頃からできることで予防しましょう。
治療方法
投薬
咳止めや抗炎症薬を投与します。しかし、薬ではつぶれた気管は戻りません。一時的に症状を抑えるために使用します。
手術
ステントという金属のメッシュでできた筒を気管内に入れて気管を広げる方法があります。
しかし体が筒を外に出そうとし咳が出続ける場合もあります。手術は簡単で短時間で終わりますが犬にとっては苦しい方法です。
気管に穴をあけ、直接呼吸できるようにする気管切開もありますが、穴をあけた部分が感染しやすく投薬を続ける必要があります。
痰を数時間置きに取り除かないといけないので、犬にも飼い主さんにも負担になってしまいます。また、以前のようにしっかり吠えることが難しくなるので、かすれ声を聞くことが辛いかと思います。
以上のようになかなか手術で症状を継続的に改善することが難しいのが現状のようです。
新しい手術法
気管虚脱は進行性ですので、今後愛犬の症状が重くなった時どうしようかと調べていると新しい手術法で治療されている先生を見つけました。
光ファイバー用のアクリル材を用いた手術だそうで、実際に手術された方の評判もいいです。
ただ、費用が高いので早くメジャーな手術法になって、発症したたくさんの犬たちが楽に呼吸ができるようになってほしいなと切実に願います。
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犬の病気大辞典!知っておきたい基礎知識
ユーザーのコメント
30代 女性 チョコママ
リードもハーネスタイプに変えてみようかなと思います。
20代 女性 こなつ
あったとしても高額な費用…仕方ないのかもしれませんが、早くその術方がメジャーになっていてくれるといいですね。
あとは飼い主さんが対処法や予防法を熟知してなるべく手を尽くしてあげなくてはなりませんね!気をつけます。
50代以上 女性 フーガ
我が家の愛犬はチワワですが、たまにガチョウの鳴き声のような乾いた咳がでます。 まさかとは思いますが、今度健康診断へ行ったときは獣医師に気管虚脱のことを聞いてみたいです。
咳や息の荒さに、重大な疾患が隠れているいるのですね。今後もこの病気を調べてみようと思います。
女性 みるくママ
女性 みるくママ
女性 サブ
3年前から気管拡張剤の投薬を受け、呼吸が苦しい時の為に鎮静剤と携帯酸素マスクを準備しています。投薬で落ち着いた後は薬も一時中断し様子見をし、現在は夜中に1-2回軽い咳が出ると身体をさすって
あげます。抱いていると安心して静かに眠ります。寒がりの様でヒーターの前では穏やかに寝ています。
目も見えず耳も聞こえず他にも持病を抱えていますが食欲旺盛でよろけながらも毎日100メートル弱の
散歩に出かけます。高齢で今年は2度ほど一時覚悟をした事もありますが、見事復活しサブ君の生命力に皆感嘆!! 手術はせず自然に委ね愛情と見守りで完全介護を覚悟しつついる今日この頃です。
女性 匿名
50代以上 女性 あいちゃん
10代 女性 美空(みく)ちゃんママ
50代以上 女性 みるくママ
50代以上 女性 クーママユキ
2年ほどそのままにしていたら、ビスケットの破片が気管に入り出そうとしている間にガーガーと鳴り、止まらなくなって病院へ行ったら気管虚脱でした。
年と共に酷くなるので、ステントを入れる手術を勧められ、決断して申し込むと術後咳が出てくる可能性があると言われて、今は咳もしてないのに、術後咳が出てくるのは可愛そうなので手術を止めることに。
酸素が足らないようで時々深呼吸をします。その時にガーガーと喉を鳴らせます。
今は、咳止めとステロイドと抗生剤を飲ませてますが、良くなりません。
これから症状が悪くなるようなで、どうしてあげたら良いのかわかりません。
内科的治療で良い治療を、受けさせてあげたいと思っています。
女性 ザブトン
40代 男性 匿名
50代以上 女性 ぽぽ、チワワ牡
50代以上 女性 トイプードル家族
女性 ミント
50代以上 女性 漢方薬で咳止め
サイト情報を参考に 、漢方医ホームドクターから処方された人間用のを体重比の量に減らして、ぬるま湯で薄めオリゴ糖シロップを少々加えてスポイドで飲ませています。
薬局市販の同名薬では効き目が感じられなかったです。
もうすぐ14歳になる保護犬(柴MIX)。
気管虚脱と診断され、気管2/3が粘膜によってつぶれているとのこと。
主に夜間になると咳込み「ステロイド、安定剤入り咳止めシロップ、安定剤(眠らせるため)」を組合せ20間程服薬するも、効果なし。
副作用のふらつきやヨダレがかわいそうで、飼主の自己責任で漢方薬にチェンジ。
ウチの犬には効いています。副作用から開放され相棒(同保護犬1歳)と遊べる元気も復活して一安心です。
幼い頃から散歩時に、咳をすることがあったので「早いうちから首輪ではなくハーネスにしてあげてたら良かった…」と反省しています。
女性 匿名