「わたしは犬が大好きです」幼い私を守ってくれた愛犬

「わたしは犬が大好きです」幼い私を守ってくれた愛犬

産まれた時から一緒に育ってきた愛犬は、いつもわたしを守ってくれていました。彼にはどんなことでも話し、いつも一緒に遊んで、いつもわたしを待って、いつも守ってくれました。そんなわたしと愛犬の思い出をご紹介したいと思います。

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シッポ姉弟

わたしには尻尾がはえた弟がいました。わたしの弟はシェットランドシープドッグという犬で犬好きだった父親が、わたしと同じ月に産まれた犬を、パートナーになるようにとプレゼントしてくれました。

彼の名前は【ジャッキー】といいます。

おかっぱ子供と犬

わたしたちはいつも一緒にたくさんの事を学び成長していきました。

家族はわたしを「お姉ちゃん」と呼び、わたしはいつも弟を引き連れて遊んでいました。

小学校3年生からジャッキーの散歩は、わたしが一人でも行けることになりました。

警察犬の訓練士をしていたことがある祖父に犬とのかかわり方を日常生活の中で当たり前のように習い、わたしは小さい頃から犬の扱いに慣れていました。

毎日の散歩

朝は必ず近くのパン屋さんのベンチに座って休憩します。

一人でお散歩をするようになってから、パン屋さんはわたしたちに丸いパンを1つとパックの牛乳とジャッキーのお水をくれます。

わたしたちはパンを半分ずつわけて食べました。毎日会っているのに、必ず「優しいお姉ちゃんがいて幸せだな」とジャッキーを撫でてくれました。

わたしは「お姉ちゃん」と言われるのがとても嬉しくてジャッキーも「うん」と大きく尻尾をふって返事します。毎日パンをもらっていた事は二人だけの秘密です。

ふたりで留守番

学校から帰るとわたしたちはふたりで留守番です。

おやつを食べて宿題をしたり、テレビをみたりジャッキーに本を読んで聞かせたりいろいろなことをしました。

わたしは本の朗読が大好きで、教科書や絵本たくさんの本を読みました。

わたしの膝にアゴをのせて、ゆっくりと尻尾を左右に動かすのは「うんうん」とあいづちしている合図です。

サングラスの犬

お稽古も一緒

1時間のピアノの練習が日課で、ジャッキーもピアノが大好きで一緒に歌ってくれます。

とくに好きな曲は「エリーゼのために」です。

仕事で忙しく一緒にいることができない父親がわたしに引いてほしいとリクエストしてくれた曲で、一生懸命練習しました。

ジャッキーはこの曲をひくと、自分が出せる一番高い綺麗な声を出して歌います。

「頑張ってね」とわたしを応援してくれました。

夕方の散歩

近くのグラウンドで、夕方はジャッキーの訓練をします。

宝探しをしたり、ボール投げをしたり祖父に教えてもらった通りにジャッキーと練習します。

「待て」と指示を出せば姿を隠しても、どんなに長い時間でもジャッキーは待ちます。

遠くから「よし」というと、スゴイ速さでわたしのところへ戻って来て誇らしそうに顔を見上げます。ジャッキーのからだはとても綺麗でした。

夕日があたると金色に輝いて見えるので、走っている姿を遠くから見たくてジャッキーを待たせていつも遠くまで走りました。

子猫を拾ったとき

段ボールに入った子猫を拾い持ち帰りました。わたしはよく犬や猫を拾ってきては、叱られて拾った場所まで泣きながら返しに行っていました。

そして、いつもジャッキーの寝ているクレートの中に拾った子を隠しました。

ジャッキーはその子を隠すように一歩も出てこなくなるので、家族が帰って来るとすぐに分かってしまいます。

いつも叱られて、泣きながらジャッキーと一緒に猫を拾った場所まで返しに行きました。

暗くなってもなかなか猫のそばを離れられないわたしにジャッキーはいつも文句も言わず付き合ってくれました。

家族が心配して迎えにきた姿が見えるとジャッキーは「帰ろう」といってリードを握った手を舐めました。

わたしを守るのが役目

わたしが祖父に叱られていると、祖父とわたしの間に入って来て、大きな声で祖父に吠えたてます。

祖父はとても厳しい人でジャッキーも叱られると怖いはずなのに、わたしが叱られて泣いていると絶対に守ってくれます。

祖父もジャッキーのことを静かにさせようと指示をしますがこの時ばかりは言うことをききません。

祖父がわたしにゲンコツをしようとした時には、すごい勢いで飛び込んで来て「やめて」「やめて」と祖父を止めてくれました。

厳しい祖父でも、この時のジャッキーには勝てません。「ジャッキーに免じてもう良し」と言います。

涙でいっぱいのわたしの顔を「もう大丈夫」「もう叱られないでね」と舐めてくれました。ジャッキーはわたしの全てを知っていて、わたしたちは本当に良い姉弟でした。

白い服子供と犬

勇敢な犬

いつものお散歩の道に、怖い犬がいました。真っ黒で大きな犬で外の犬小屋で飼われていました。お散歩ですれ違う時も、その子の家の前を通るときもいつも牙をむいて吠えかかってきます。

わたしはその子とすれ違うのがとても苦手で、いつもお散歩にでる時に「今日は会いませんように」と思っていました。

「あの子苦手なんだ」と言うとジャッキーは「大丈夫だよ」と言ってくれます。

運悪く出会ってしまった時はわたしはジャッキーを隠すように道路の端に立ち止まり、通り過ぎるのを待ちます。

それでもいつも、襲いかかる勢いで吠えてきます。ジャッキーは目も合わせず、知らんふりをしてどんなに吠えかかられても、堂々としていました。

ジャッキーが怒った日

ジャッキーはどんなことがあっても怒ったりしませんでした。いつも穏やかで、身体はふさふさで綺麗で気持ちよくてジャッキーの優しい目が大好きでした。

いつものように夕方のお散歩の帰り道のことでした。怖い犬の家の前を通りかかったとき、姿はなく「今日は吠えられなくて良かった」と思いました。

家まであと少しのところまで帰ってきた時、目の前に黒い犬が見えました。

立ち止まり、わたしたちの姿をみると大きな声で吠えて全速力で向かってきました。

あまりの怖さにわたしは声を出すこともできずに、とっさにジャッキーをかばうように抱きしめてしゃがみこんでしまいました。

ジャッキーはとても怖い声で吠えはじめ、黒い犬へ向かって行こうとします。

黒い犬は背中をむけたわたしのふくらはぎに噛みつき、わたしはようやく声が出ました。

わたしの目の前でジャッキーは黒い犬に飛びつき首元へ噛みつきます。

わたしは恐怖でパニックになりジャッキーのリードを引張りなんとか黒い犬と引き離そうとしますが、ジャッキーも怒りでスゴイ力です。

わたしがリードを引っ張っているせいで、ジャッキーは身動きが取れず、後ろ足に噛みつかれてしまいました。

わたしは道路でリードを離してはいけないとあれほど言われていたのに、恐怖で手を離してしまいました。

ジャッキーと黒い犬はもみくちゃになり、ジャッキーの後ろ足からはたくさん血が流れて足を引きずっています。

綺麗な胸の白い毛は血で染まり、それでも喧嘩はおさまる様子がありません。

「ジャッキーが死んじゃう」

わたしは手を振り回し黒い犬を追い払おうとしました。ですが、黒い犬はわたしにもむかってきます。

ジャッキーはわたしの前に立ち、おしりでわたしを押して遠ざけようと後ずさりします。わたしは恐怖で言葉にもならずただ叫んでいました。

きっとほんの一瞬のことだったのだと思いますが、ようやく近所の大人が出てきて、黒い犬を取り押さえてくれましたがその時に何人も黒い犬に噛まれてしまいました。

ジャッキーはすぐにわたしのところへ足を引きずりながら戻り、わたしの顔を舐めて「ごめんね」と言っているようでした。

わたしも「ごめんね」と何度もいいながら、体中、血まみれになっているジャッキーが死んでしまうのではないかと体中に震えがはしりとても冷たく感じたのを今でもよく覚えています。

感謝と尊敬

幸いジャッキーの足のケガも大事にはならずに済みました。顔にも少し怪我をしましたが、わたしもジャッキーもすぐに元気になりました。

あの黒い犬の飼い主さんは、毎日のように謝罪にきて美味しいクッキーやバームクーヘンを置いていきました。

わたしはこっそりジャッキーと食べていました。

祖父の勧めで黒い犬は訓練所にいくことになり、何年かは姿を見ることはありませんでしたが、戻って来て久しぶりに顔を合わせた時、わたしは初めて黒い犬を撫でることができました。

ジャッキーともしっかりと挨拶をしていてまるで別の犬のようでした。

祖父の教え

大事件がおこった時、祖父はなんどもジャッキーに「ありがとう」と言っていました。ジャッキーが盾になってわたしを守ってくれなければ、わたしはもっと大けがをしていました。

勇敢に立ち向かいわたしを守り通したジャッキーに祖父は大きな感謝をしていると話してくれました。

そして、日頃からジャッキーのお世話をしっかりしているわたしのこともとても褒めてくれました。

わたしがジャッキーを思う気持ちと、ジャッキーがわたしを思う気持ちが同じだからとても深い信頼関係が作られ、わたしとジャッキーは特別なんだと教えてもらいました。

本当に危険なときに犬は自分よりも大切なものを守るために、飼い主のいうことでも聞かなくなる。

だからわたしがいくらリードを引っ張って止めようとしても、ジャッキーにとってはわたしを守って戦うことが、飼い主からの絶対の命令よりも優先されたんだということ。

自分の考えでとっさに判断、行動ができる、とても素晴らしい尊敬できる犬だということ。

人間は犬の牙には勝てないから、もし同じようなことがあったらまず、ジャッキーを信じて自分の身を守ることが大切だということ。

笑顔シェルティー

祖父から教わったことはとても大きく心に響き、ジャッキーを尊敬しとても誇りに感じました。

最後に

この大事件のあと、ジャッキーは元気に19年立派に犬生をまっとうし、病気をすることもなく最後は眠るように穏やかに旅立ちました。

ジャッキーが怒ったのは生涯でこの時だけでした。いつも傍にいて産まれた時からわたしを守り続けてくれたジャッキーがいてくれたから、わたしは犬が大好きです。犬とのことは全てジャッキーを通して学びました。

強さや優しさ、相手を大切に想う心もジャッキーがいてくれたから肌で感じることができたのだと思っています。

犬はいつでもわたしたち飼い主を守っています。たくさんの愛情で「いつもありがとう」と感謝を伝えてあげたいですね。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    男性 匿名

    たいへん心暖まる記事でした。
    素敵な体験談有難うございました
  • 投稿者

    女性 匿名

    私にも同じような経験があり、涙しながら読ませていただきました。
  • 投稿者

    女性 匿名

    私もシェットランドシープドックを飼っています。
    いつも私の横にいます。朝は起こしてくれて昼間は賢くお留守番してます。帰宅したら誰よりも先に玄関までお出迎えしてくれます。
    本当に家族思いの優しい犬です。家族です。
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