犬の腎不全について~急性・慢性での症状や原因、予防や治療方法まで

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犬の腎不全について~急性・慢性での症状や原因、予防や治療方法まで

犬の腎不全をご存知でしょうか?犬が腎不全にかかり悪化すると、人間とは違い透析などが出来ない為に、やっかいな病気の一つであります。特に犬の腎不全の中でも「急性腎不全」は命を落とすことの多い恐ろしい病気なんです。腎不全はシニア犬がかかりやすい病気とも言われていますので、万が一に備えて、情報を集めておくことをお勧めします。この記事では、犬がかかる腎不全の症状から原因、その予防から治療方法まで幅広く書いています。腎不全の基礎知識として犬との生活にお役立てください。

監修:獣医師 平松育子

(ふくふく動物病院)

犬の腎不全とは

犬がかかる病気で怖いものとして挙げられる「腎不全」。愛犬が腎不全にかかってしまったら、いったいどのような症状に見舞われるのでしょうか?また、犬が腎不全になってしまう原因とは何なのでしょうか?愛犬と長く生活する上で、犬の腎不全に関わる知識を頭に入れておいても決して損はありません。まずは「腎臓の主な働き」についてお話させていただきます。

犬の腎臓の働きと腎不全

さて、皆さんは腎臓の働きをご存知ですか?
腎臓というと尿と関係が深い臓器というイメージがありますが、生命活動を維持するために必要な様々な働きを持った器官なのです。

寝ている犬

腎臓の主な働きは次のようなものです。

腎臓の主な働き

  • 老廃物の除去
  • 尿の生成
  • 水分や電解質の調節
  • ホルモン(主に血液を造ったり血圧の調節をするホルモン)の分泌

体の中の毒素や老廃物をこしとる「フィルターの役目」、「血液から尿を作る働き」、必要な水分を体に戻し、「不必要な水分を排泄する働き」、「血液を造る命令を出したり血圧の調節をする役目」、腎臓には主にこの4点の役割があります。

今回説明する「犬の腎不全」は何等かの原因で、犬の腎臓の機能がうまく働かなくなり、フィルターの役目を果たさず、老廃物を排泄できなくなる状態をいいます。

犬の腎不全には「急性腎不全」「慢性腎不全」があり、急性腎不全は急激に悪化して、命を落とす可能性の高い病気です。決して甘く見てはいけない犬の病気だということを覚えておいてください。

犬が腎不全になったら出る主な症状

丸まったい犬

では、犬が腎不全になってしまったらどのような症状が起こるのでしょうか。「急性腎不全」と「慢性腎不全」はそれぞれ出る症状が違ったりもするので、下記のリストを参考にしてください。

犬の「急性腎不全」の症状

  • 動きたがらない
  • 食欲がなくなる
  • 嘔吐する
  • よだれが出る
  • 脱水症状
  • ほとんど排尿しない
  • 背中をまるめる

犬の「慢性腎不全」の症状

  • 薄い尿を頻繁にする
  • お水を異常に飲む
  • 動きたがらない
  • すぐに疲れる
  • 食欲がなくなる
  • 嘔吐する
  • 痩せてしまう

犬が腎不全になる原因

次に、犬が腎不全になる原因を紐解いてみましょう。こちらも急性か慢性かで原因が異なる事もあります。また、食べるものなどで腎不全になることもあるので、下記のリストで確認しておきましょう。

犬が「急性腎不全」になる原因

  • 脱水による発症
  • 心疾患による発症
  • 細菌感染症による発症
  • 腎臓そのものの損傷による発症
  • 尿路のダメージによる発症
  • 結石・腫瘍ができる、事故にあう等

犬が「慢性腎不全」になる原因

  • 老化による腎臓機能の低下
  • 高塩分食、高たんぱく食などの偏った食事
  • 他の疾患(ガン・糖尿病・自己免疫疾患・遺伝疾患)によるもの

以下の物質が原因で中毒になり発症する事も

  • 不凍液
  • レーズン
  • ブドウ
  • 抗生物質
  • 化学療法薬等

犬の腎不全の予防と対策

そんな危険度の高い犬の腎不全ですが、普段からできる予防や心構えには、一体どのようなものがあるのでしょうか。こちらも急性・慢性に分けて一つ一つお話していきます。

犬の「急性腎不全」の予防や対策

急性の腎不全は、すぐに治療をしなければ命を落とす可能性の高い病気です。愛犬に腎不全と思われる症状(上記、症状を参照してください。)が見られたら、すぐに病院で看てもらいましょう。

私事ですが、我が家の先代の愛犬は、関節炎に効果的と言われている一般的な薬(実際、多くの犬に効果があるごくごく一般的な薬です。)を処方されて、1回飲んだだけで、食欲がなくなり動きたがらなりました。ですが、その時は病院に行かず、3日間その薬を飲ませ続けてしまいました。

結局、全く動かなくなり、呼吸が浅くなり、病院にかけつけた時には急性腎不全により、腎臓によって濾過されず、溜まってしまった毒素が体中に回ってしまい、治療もむなしく3日で急逝してしまいました。

腎不全の原因の項目で既述したように、ブドウ・レーズン・不凍液・薬などの中毒により急性腎不全になる場合が多々あります。

急激に悪化しますので、中毒の原因となる物質を取らせないことはもちろんのこと、もし、症状がみられた場合にはすぐに病院に行って治療を受ける事をお勧めします。

犬の「慢性腎不全」の予防や対策

バランスのよい食事を与えるように注意をします。シニア犬の場合、腎臓機能の低下は避けられませんので、日ごろから尿の量や回数、色をチェックするようにします。

また、シニア犬の場合、元気がない、食欲がないのは老化のせいだろうと見逃しがちなので、定期的な血液検査もお勧めします。

血液検査をすることにより、BUN値とクレアチニン値、P(リン値)の確認が出来、慢性腎不全の場合、早期に治療を始める事ができます。

犬の腎不全の治療方法

聴診器

犬の「急性腎不全」の治療方法

病院ですぐに輸液療法などによる緊急治療が必要です。尿毒症になっている場合が多いので、毒素を排出させる治療を行います。

犬の「慢性腎不全」の治療方法

主に食事療法が効果的とされています。しかし食事療法だけでは不十分な場合もありますので、吸着炭の投与、皮下輸液、点滴治療、造血剤などの薬物療法も行います。

また、最近は薬物を避け、手作り食とホリスティック医療による治療も広まってきました。

我が家は先代犬を既述の通り、薬の副作用による急性腎不全で亡くしている為、慢性腎不全の診断が出た時に、「手作り食」「ハーブ」「ホリスティック医療(ホモトキシコロジー)」による治療を行いました。(他の疾患が原因ではない慢性腎不全だった為)

手作り食については、タンパクの制限を行いますが、人間の腎不全でも現在はある程度のタンパクの摂取は必要とされており、犬の場合にも同じ事が言えます。量に注意して、良質なタンパクを与えるようにします。

また、オメガ3、コエンザイムQ10、ビタミンCを取るようにしました。

ハーブについては、ヒルトンハーブのKDソリューションがお勧めですが、そのほかに

  • ネトル・クリバース・バードック
  • カモミール・シナモン・ジンジャー
  • ホーソン・ローズヒップ・ハイビスカス
  • ビルベリー・エキナセア・ローズマリー

などを中心に他のハーブも混ぜて、与えています。

ハーブは組み合わせによって、よくない場合もあるので、詳しい方に相談してから使用してください。

また、良質なものでないと効果が望めませんので、良質なハーブを選ぶようにします。

ホモトキシコロジーは猫の腎不全に効果的と広まったホリスティック医療ですが、犬にも効果的なことがわかってきています。(すべてのケースではありません。)また漢方での治療もあります。

漢方は種類によって保険が適用されますが、ホモトキシコロジーは保険対象外となっています。(2014年当時)

様々な治療方法や方針がありますが、腎不全のレベルによっては合わないことや個人差もありますので、担当の獣医師とよく相談の上で治療法を選択するようにしましょう。

犬の腎不全のまとめ

犬の腎不全には「急性腎不全」と「慢性腎不全」が存在し、前者の場合は早急な対処が必要になる非常に危険性の高い病気になっています。

愛犬が腎不全の症状を見せたら、まずはすぐさま動物病院へ駆け込んでください。

万全を尽くしても腎不全になってしまうこともあるとは思いますが、愛犬と長く一緒にいるために、腎不全にかからないような生活をするよう心がけていきたいですね。

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犬の病気大辞典!知っておきたい基礎知識

記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (ふくふく動物病院 院長)

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

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  • 30代 女性 Chappy

    肝臓って、体にとって大切な役割を果たしている臓器なんですね。まだまだ若いから…なんて思っていても、いざなった時にあたふたしてしまうと思います。
    もしなってしまった場合、手作り食以外にもハーブなども取り入れることは勉強になりました。普段からハーブはよく使うので愛犬にも大丈夫なハーブの種類を知ることができてよかったです。
  • 20代 女性 ゆり

    腎臓の病気になったら一生病院通いと言われているように、大切な器官の一つですよね。毒素を排出できないことが、体にとってどれだけ悪いことなのかがよくわかります。
    我が子もプレシニアの年代になってきたので、定期的な健康診断は欠かさずに行こうと思います。腎不全にはハーブが有効ということを初めて知りました。今後我が子がならないとは限らないので、今回知った知識を覚えておこうと思います。
  • 20代 女性 すず

    わんちゃんの腎不全にはとても辛い思いがあります。我が家のわんちゃんも3年前に腎不全の末に亡くなりました。最期は苦しそうで、今思い出しても涙が止まらなく私たち飼い主にとっても辛い思い出として残っています。腎不全はとても苦しい病気です。
    わんちゃんが1番苦しいですが、見ているしかできないこちらは本当に辛くて辛くてあの頃の私はボロボロでした。この記事を読んでまたあの辛さを思い出してしまって、少しでもこの病気に皆様のわんちゃんがかからないように祈ることしかできません。

  • 40代 女性 グーグルぽち

    正直、犬の腎不全という言葉はあまり聞いたことがありませんでした。
    しかし突然悪化する怖い病気とのこと。飼い主さんにとって、犬のかかり得る病気の知識はとても大事だと思います。

    慢性腎不全は老化による機能の低下から起こるだけではなく、偏った食事からも起こるという理由に目が行きます。
    近年ではドッグフードの種類がありすぎて、何を愛犬にあげたらいいのか迷う飼い主さんも多いと思います。犬は少しのフードでも体に大きな影響を与えるので、考えてしまいますよね。

    腎不全の治療で使用されているハーブは、実はとても良い食べ物で、今ではドッグフードにも良質のハーブを混ぜて作られているものもあります。健康維持やシニア犬にも良いといわれるハーブは多方面で役立つことでしょう。
    そして今は数種類のハーブがミックスされたサプリメントもあります。
    アメリカ産でオーガニック認証されているAnimal Essentials(アニマルエッセンシャルズ)やイギリス産のHilton Herbs(ヒルトンハーブ)などは評判がよいブランドの一部です。
    日本でハーブは食品扱いですが、海外では昔から薬として一般的に使われていますので、効果が期待されますね。ぜひ病気予防として普段から取り入れることをおすすめします。
  • 30代 女性 emi

    愛犬が苦しむ姿は、愛犬だけでなく、見守るこ飼い主さんにとっても、
    本当にお辛いことだろうと、胸が苦しくなります。友人の愛犬は飼い始めてから間もなく腎臓病と診断され、2年程くらいしか生きられないだろうと言われていました。
    ブリーダーさんにお返しすることもできましたが、もうすでに我が子も同然でしたので、
    看病しながら一緒に過ごすことに決めました。
    それから食事療法、飼育環境、病院通いを徹底した結果、2年の命と言われていたその子は
    9年も長生きをしてくれました。家族の愛情が伝わってのことだと思います。腎不全になるととても苦しいのですね・・愛犬の苦しむ姿はもう見たくないので、
    我が家も気を付けようと思います。
  • 40代 女性 匿名

    1週間前に愛犬のコーギーが、慢性腎不全と診断されました。全く 症状も出ず 体がだるくなってるのか動きが鈍いなと感じ、みるみる食が落ち水しかのまずホエイを飲ませたら嘔吐、ついには大好きなお肉タイプの腎臓用フードすら食べない様になりました。足を引きずる様になり、うんちもでなくなりました。病院に連れて行って 全ての症状を説明しました。足を引きずるのに目がいき、内蔵の疾病に関しての検査をしてもらえませんでした。14 歳の高齢だと言うことを考えたら先ず、血液検査と尿検査をするべきでした。異常に気づいて3日後に入院治療開始。この時点で、尿素窒素140 クレアチニン6 。3日後に尿素窒素121 クレアチニン4 .9 まだ高いままです。何も食べないせいで体はゴツゴツになってやつれました。腎臓の機能は25 %以下と言われました。今現在も点滴をして入院してます。腎不全に負けないように、愛犬の命が続くかぎり、サポートして行きます。目標は2年生存です。最大最上の愛で支えます。沢山かけがえのない愛をくれたから。諦めません。
  • 30代 女性 ゆいこ

    我が家の子も11才で急性腎不全でたった1週間で亡くなりました。症状が出てすぐ病院に連れていきましたが、胃腸炎といわれ…。2日後再度連れて行った時の検査で腎不全と診断。それから5日間の入院でした。
    飼い主の皆さん、疑問に思ったらすぐにセカンドオピニオンをおすすめします。主治医は猫の腎不全と同等と考えていました。同じ数値でも犬の腎不全は今日明日の命に関わる場合があります。一生の後悔です。
  • 10代 女性 匿名

    私の家の犬は急性腎不全でした。
    ある日、たまたま犬の世話をしていた時全く動かずしんどそうにしていました。祖父と祖母に病院に行くよう説得し、聞かなかったので強引に連れて行きました。何か、嫌な予感がしていたからです、、。
    そして病院につき、そこはとても混むので待っていた時、ケースの中で苦しそうな声が聞こえました。そして、車に乗り、ケースを開けると嘔吐をしていました。とても辛そうで、車でもしんどかったのだなと思います。それからは抱っこをして撫でながら待っていました。約2時間後ついに検査を受けました。すると、腎臓と膵臓がとても悪く、もし連れてきていないと今日の夜には亡くなっていたと言われました。そして、明日まで生きられるかわからないと言われました。その夜は辛すぎてねれませんでした。
    次の日から毎日行ける時間があればお見舞いに行きました。出来るだけちからになってあげたかったからです。すると、約3週間でどんどん回復して行きました。波はありましたが、それでも良くなっていきました。先生にも、それは家族がついていてくれて、『生きよう』という気持ちができ、凄まじい生命力で生き抜いたおかげです。本当にすごいです。と。
    それからは退院し、毎日決められた量の注射をしてあげています。たまに嘔吐などはしますが、食欲もて出来ていまはすっかり元気です。でも気を抜かずしっかりと栄養管理はしています。
    みなさんには同じようになってほしくありません。
    少しでも様子がおかしかったり、痩せたりしたら病院に連れて言ってあげてください。
    そして、1日1日を大事に愛犬との思い出をたくさんつくってほしいです。
    いまの当たり前の日常が当たり前でないほど、悲しくて辛いことはありません。
    参考にならないかもしれません、しかし辛い思いをした犬を増やしたくありません。どうか気づいてあげてください。
    長々と失礼しました。
  • 女性 海

    腎臓は悪くすると大変です。家族に透析を受けているものがいますが、長時間の透析治療を週に何度もしないといけなく、常に体はだるく本当につらそうです。犬は透析治療なんてきっとできないでしょうから、腎臓の治療は困難が想像できます。持って生まれた体質だから避けて通れないことなのかもしれませんが、出来るだけ軽度のうちに治療を始めて大事にならないようにしてあげたいです。
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