犬が唸る9つの原因
犬には「唸る」という習性があります。これは、相手を威嚇するための一種の防衛本能とも呼べるものです。
しかし、単に唸るといっても細かく分けると様々な「唸る理由」があるのです。飼い主としてはどういった状況で愛犬が唸っているのかによって、その心理状態を見極める必要があります。
唸り方の種類
- (1)自身の優位性を示す唸り
- (2)恐怖心に駆られた唸り
- (3)仲間を守る唸り
- (4)仔犬を守ろうとする唸り
- (5)餌を取られそうになった時の唸り
- (6)おもちゃを取られそうになった時の唸り
- (7)縄張り意識からの唸り
- (8)喧嘩の唸り
- (9)じゃれ合っている時の唸り
(1)の「自身の優位性を示す唸り」は、相手に対して「自分の方が優位だぞ!」というアピールです。この場合、耳をピンッ!と立てた状態で毛を逆立てることもあります。同じ家に住んでいても、飼い主以外の家族に対して優位性をアピールする犬もいます。
(2)の「恐怖心に駆られた唸り」というのは、普通に愛犬と接していればそうそう経験するものではありません。ブルブル震えながら耳もダランと垂れ下がった状態で唸ります。虐待を受けていたなどの理由で人間に心を開いていない犬は人間への恐怖心からこうした唸り方をすることが多くあります。
(3)の「仲間を守る唸り」は、飼い主を守ろうとして起こす唸り声でもあります。滅多に会わない知人に会った時など、見知らぬ人間が近付いてきたりすると、こうした行動を起こします。
(4)、(5)、(6)は読んで字のごとくです。「愛犬の餌やおもちゃなどを取り上げようとすると唸られる」という飼い主さんも多いのではないでしょうか?
(7)の「縄張り意識からの唸り」は、室内犬、室外犬問わず縄張り意識、警戒心が強い場合に発生します。郵便屋さんなどに対して歯をむき出して唸っている場合は、縄張りに踏み込まれたことに対する威嚇行動です。
(8)の「喧嘩の唸り」は文字通り犬同士が喧嘩しているときに唸る行動です。お互いに睨み合って唸っている時はいつ戦闘開始になってもおかしくありません。
(9)の「じゃれ合っている時の唸り」は、よく喧嘩と勘違いしてしまう飼い主さんも少なくありません。犬同士がじゃれ合う際は仔犬でも唸り声を出しています。喧嘩なのかじゃれ合っているのか判断が付かない場合は、鼻の上にしわを寄せているかどかでも判断できます。恐怖心や怒りなどで唸っていれば必ず鼻の上にしわを寄せるので、容易に判断がつきます。
犬が唸るということには上記のように様々な理由があります。当然、この「唸る」という行為がエスカレートしてしまうと「咬む」という行動に至ってしまいます。
愛犬が頻繁に唸っているからといって、その原因も探らずに唸る行為だけを無理矢理止めさせようとした場合、「唸る」という行為を悪化させてしまったり、「唸る」という行為を省いていきなり咬み付くという行動をしてしまう犬もいます。しつけを間違ってしまえば、唸ること以上に狂暴な犬になってしまう恐れも孕んでいるのです。
犬が飼い主に唸るのをやめさせる対処法
上の説明で言えば、(5)と(6)に該当する部分ですね。
おやつを取り上げようとしたら唸られた――。おもちゃを取り上げようとしたら唸られた――。怖くて餌を食べている時やおもちゃで遊んでいる時はうかつに手を出すこともできないという飼い主さんもいるでしょう。愛犬に唸られてショックを感じてしまう飼い主さんも多いのです。
唸らなかったらご褒美! これを繰り返しましょう
モノを取り上げようとして唸られてしまう場合は、飼い主の努力で改善させることができます。
唸りを止めさせる方法はいくつかあります。例えば、何度か取り上げるような仕草を繰り返し、唸らなかったらおやつなどのご褒美をあげて褒めるというのも有効なしつけの方法です。
ただし、しつけを効果的に進めていくには飼い主と愛犬との間に信頼関係がしっかりと結ばれていることも大切です。それができていなければいくらしつけをしようとしても上手くいきません。また、愛犬に合わない方法でしつけを進める事で悪化させてしまっている場合も多々あります。問題が重症化する前に、信頼のおけるドッグトレーナーなどに相談しましょう。
飼い主に厳しく接するドッグトレーナーもいます
ドッグトレーナーは犬のしつけの他にも飼い主としての心構えも教えてくれます。「犬を見れば飼い主が分かる」と言いますが、腕の良いドッグトレーナーほど、飼い主さんにも厳しく接します。犬のことを本当に考えてくれるからこそ厳しく接してくれるのだということは理解しておきましょう。
まとめ
唸る行動の裏側には、大小の差はあれ必ず何らかのストレスが隠れています。しっかりとコミュニケーションを取れる様になる事で、唸りも自然に改善されていくこともあります。飼い主はその原因がどこにあるのかを見極めなければならない責任があるということもしっかりと認識したいものです。
愛犬にとって、信頼する飼い主と共に過ごす時間が最も楽しい時間です。甘やかすのではなくて愛犬の気持ちに寄り添い、何が愛犬のためになることなのかを考えてあげることが、飼い主に求められる最善のしつけとも言えるのではないでしょうか。
ユーザーのコメント
50代以上 女性 K9-ABC
愛犬を良く見守り続け、接する方々やワンちゃん達にご迷惑をおかけしないようにしたいと思います。
40代 女性 こみゃこ
30代 女性 きゃらこ
例えば、『身を守るために噛んでしまうからそれ以上手を近づけないで』と恐怖から警告をしているのに、そのまま手を出せば咬まれるのは当然の結果です。
犬がせっかく警告しているのに無視したのですから…。
また、飼い主さんが何かを取り上げようとした時、初めは取られたくなくて『嫌だ』という気持ちでちょっと唸ってみるのですが、ここで飼い主さんが犬に唸られた理由が分からず犬を恐れて手を引いてしまった場合、犬が悪い学習をしてしまうことがあります。
少し唸って脅したらやめた→自分が警告さえすれば、飼い主は従う、と認識し、それを繰り返した結果、“アルファシンドローム”のような深刻な問題に発展するケースも出てきます。
我が家のマルチーズは、若い頃に、物を取り上げようとした私に対し二度ほど唸ったことがありますが、毅然とした態度で接した結果、その後8年間、一度も唸ってみせたことはありません。
犬がその時どのような感情で唸っているのか、状況から分析し、対処していくことが大切だと思います。
20代 女性 匿名
帰宅したら「帰ってきたよ」と伝えるために毎度声を掛けるのですが、機嫌が悪い、今は接さないでほしい、などそのときの気分にも関わるのでしょうか?
もう少し犬に関しての知識を勉強して改善していきたいと思います。
50代以上 女性 匿名
噛み癖もなくおとなしい子なのに不思議です。
もっとたくさん抱いてあげたいなといつも思います。
50代以上 女性 コスモス
手に入れた物、例えばですが
高い所に置いているティッシュを
口にくわえたので取り上げようとすると、唸り噛みつきます。
そんな時には、無理やり取り上げ
ようとせずに、交換しようねと
大好きなおやつをあげるようにしてます。
50代以上 男性 匿名
女性 てとまる
現在、我が家にいる赤ちゃんがハイハイしている時に、愛犬のテリトリーには赤ちゃんを行かせない様に配慮したりしています。(最初、落ち着くまでしばらくは別の部屋で出会わない様にしていることもありましたが)また記事にもあるように仲良くしてくれた時にはおやつをあげたりすることで少しは改善出来たと思います♪
40代 女性 匿名
ほとんど吠える事もないコですが、ふくよかな女の人(マツコデラックスさん、酒井藍ちゃんなど)がテレビに映ると唸ります。
これは警戒なのでしょうか?
女性 匿名
私の横で唸っている時は『大丈夫、◯◯が帰ってきたよー』って言いながら撫でてあげるとやめます。
家族が全員揃うと唸ることはないですね。
女性 バター
おもちゃもおやつも、「ちょーだい」といえば渡してくれる子だったのですが、生まれて初めてのラムチョップは相当おいしかったのでしょうね。
女性 なまず
夢でも見ているのかな、どんな夢みているんだろう、といつも気になっています。
たいてい唸る時は(起きている時)、何か自分の思い通りに行かなくてそれを訴えている時や、他の犬を警戒しているときです。寝ながら唸っているときは、夢でそんなシチュエーションなのかな。