犬が骨折を起こした時の症状
犬が骨折をした時には症状として、痛み、腫れ、触ると熱を持っている、内出血、変形などが認められ、骨折部位によってそれぞれの特有の機能障害が生じます。
犬が骨折した場所が四肢の場合は、肢を引きずるなど歩行不能等を起こし、犬が脊椎骨を骨折した場合は骨折部位以外の神経機能の麻痺をきたし、後肢や腰の麻痺と排便や排尿困難を伴う事もあります。
大腿骨の場合には大量出血を伴い、出血性ショックの原因となる場合もあります。
犬が骨折した際に起こる可能性がある合併症
外傷性骨折の場合は、神経や血管、筋肉などの軟部組織に様々な合併症を起こす場合があります。
犬が骨折した時の症状として神経や血管の損傷、筋肉の血行障害による阻血性拘縮の為に筋肉が壊死します。
阻血性拘縮は筋肉の血行障害の為に筋組織が強く障害されて線維性瘢痕組織に置き換えられて、筋肉の伸縮性が失われ、間接の可動域が狭まり、変形を生じる事です。
血行障害により骨折端の壊死が起こり、骨折部が癒合すべき日数が過ぎても癒合しない状態になる事もあります。
犬が骨折をした時の応急処置
犬が骨折した場所にガーゼを巻き、副木でガーゼを挟むようにして当てて、テープや包帯などで固定を行います。
この対処法はあくまで犬が興奮していない場合に行います。
犬が骨折をした事から触られる事を嫌がる時や、興奮している場合は無理に触ろうとすると噛まれる事もあるので注意が必要です。
犬が骨折した部分を見分けるのは、いつもと違うような態度を示したり、肢を挙げたままにしたり、いつもは触らせるのに触らせないなどで見分ける事ができます。
何かにぶつかった、高い所から落ちた。などの場合は十分に注意して観察を行いましょう。
犬の骨折した時の治療と治療費
正常な位置に骨を戻し、骨が再生してくっつくまでステンレス性のピンやプレートなどで固定します。
犬の骨折が軽症の場合は、ギブスによる固定で治療を行います。
また、治療費は手術、入院、通院(経過観察、プレート除去、リハビリ)と犬の骨折の度合いにより異なりますが、20万円~50万円ぐらいです。その中でも手術費用が一番治療費がかかります。
整形外科の手術後のトラブルが起こる場合もありますので、経験豊富な獣医さんに加療してもらいましょう。治療期間としては、2~3ヶ月ですが、症状によっては完治まで半年ほどかかる場合もあります。
費用も治療費がかかります普段から犬が骨折しないような対策を心がけましょう。
犬の骨折とは?
犬の骨折とは、外から加わる外力によって骨の構造上の連続性の全部もしくは一部が断たれた状態です。
それぞれの骨折の原因により、外傷性骨折や病的骨折などに分類され、犬の骨折の状態によって単純骨折や複雑骨折などに分類されます。
また、若齢時から肥満状態になっていると、体を支える骨が十分に発達せずに骨折をしやすくなる場合もあります。
犬の外傷性骨折
骨が持つ生理的な抗力を越えた大きな外力が加わって起こる犬の骨折を、外傷性骨折といいます。簡単に言うと、犬の骨に強い力が加わった時に、骨が折れた状態ですね。
犬の場合では交通事故や、階段などの段差からの墜落等、強度な打撲が原因で発生する事が多く、特に小型犬では犬同士の喧嘩などでも起こる事もあります。
犬の骨折部分が皮膚を突き破るなど、犬の骨折の原因となる外力が強大な場合は骨だけでなく周囲の皮膚や皮下組織、筋肉などを同時に破壊します。
骨が外から見えてしまう状況を開放性骨折といい、解放性骨折でむき出しとなった骨の骨膜や骨髄、周囲の軟部組織などに細菌感染が起こると重篤な状況になってしまいます。
開放性骨折とは違い、犬の骨折部分が外界と接しない場合は閉鎖性骨折といいます。
閉鎖性骨折の場合でも、犬の骨に加わった外力が強大だった場合は骨折部周囲の軟部組織が同時に損傷している事が多い傾向にあります。
犬の骨折にはいくつかの分類があり、弱い力が繰り返し加わる事で起こる疲労骨折、骨にひびが入る亀裂骨折、骨についている筋肉や靱帯が強い外力で引っ張られた時に生じる剥離骨折、強い外力で押し潰されて生じる圧迫骨折、子犬の成長期に起こる成長板骨折などがあります。
犬の病的骨折
くる病、骨腫瘍、骨感染症、栄養障害などが原因となって軽微な外力でも簡単に犬が骨折する事があります。
くる病は、骨軟化症とも呼ばれる病気で日光浴不足や免疫不足、栄養不足などによって体内で生成するビタミンDが十分に生成できない場合やカルシウムやリンが不足して起こる病気です。
関節がぷっくりと膨らんだり、肢の変形が起こったり、肢を引きずったりなどの歩行障害が起こります。
散歩や動く事を嫌がるようになったり、歩いてもフラフラとした歩行をするようになったりします。
骨腫瘍には骨を構成する組織から腫瘍が発生する原発性骨腫瘍と他の臓器から転移する転移性、他の腫瘍組織から骨に広がってできる浸潤性などの続発性腫瘍があります。
原発性骨腫瘍は良性と悪性があり、悪性の骨腫瘍の場合は転移をします。
犬では原発性骨腫瘍の発生が非常に多く認められ、その多くが悪性腫瘍です。
大型犬や超大型犬に骨腫瘍の発生が多く、年齢的には2歳齢時と9歳齢時に発生のピークがあると報告されています。
骨腫瘍は腫瘍化した細胞に基づき多くの型に分類され、骨腫瘍や繊維肉腫、軟骨肉腫、血管肉腫等に分類されますが、悪性の骨腫瘍の70~80%は骨肉種が多いと報告されています。
続発性骨腫瘍では、口の中にできる悪性黒色腫、扁平上皮癌、繊維肉腫などがあり、間接にできる滑膜肉腫などが多い傾向にあります。
その他にも乳がん、肺がん、肝臓がん、甲状腺がん、前立腺がんなどが骨に転移して発生するといわれています。
骨折をしやすい犬種
骨折をしやすいといわれている犬種は
- ポメラニアン
- チワワ
- マルチーズ
- イタリアン・グレーハウンド
- ボルゾイ
- サルーキ
- アイリッシュ・セター
- 甲斐犬
- トイ・プードル
- ミニチュア・ピンシャー
- パピヨンなど
犬の骨折の予防
犬が骨折をする原因で一番多いのは交通事故なので、飛び出さないようにしつけを徹底したり、リードを短くしたりするなどして未然に事故を防ぐようにしましょう。
かつて狩猟犬として活躍していた犬種は今でも狩猟本能が残っていて、自動車やバイク、自転車など動くものに対して突発的に飛びかかり、骨折をしてしまう事があります。外に出た時はいつもよりもしっかりとコントロールをして、できる限り骨折などのけがを負わないように注意しましょう。
特に仔犬の頃の肥満は骨の発育を遅らせる原因となるので、食餌管理と体重管理を徹底して行い、その犬種に合わせた適度の運動を行ってください。
抱っこをする場合は、首輪に手をかけるかリードを付けて万が一落ちた場合も地面には落下しないようにします。
まとめ
犬が骨折をすると、人でもそうですが、かなり痛いですし、完治するまで満足に動く事ができないので、犬にとってかなりの精神的な負担となりますので、できる限り犬が骨折しないように飼い主さんが注意しましょう。
また、飼育している犬が純犬種の場合は、その犬種がどういった歴史を持つ犬種なのか、ある程度は理解しておくようにしましょう。
その理由としては、飼育している犬種が元狩猟犬である場合は、特に急に飛び出る事もあるので、特に外出している時は常にリードでコントロールできるようにしてください。
中型犬や大型犬、超大型犬の場合は体格も大きいですが、力も大きさに比例して強く、子供や女性ではコントロールができない事もあります。
しつけを徹底して行い、散歩などは力である程度コントロールできる人がリードを持つようにしましょう。力が弱い人が持って、引きずられてしまうとその人にも危険が及びます。
オスを飼育している場合は、街中でオスを見かけると向って行ってしまう場合もあるので、飼い主さんは注意が必要です。
小型犬の場合は、中型犬や大型犬、超大型犬に比べて高い所から落ちた際のショックも大きくなり、骨折しやすくなるので小型犬を飼育して高い所にいる場合は落ちないように目を離さないようにしましょう。
万が一、犬が骨折をしてしまった時の為にガーゼやテープ、包帯、副木などの緊急的に対処ができるように用意しておくようにしましょう。
特に遠くに外出する場合は、常に持っていけるように、コンパクトに1つにまとめておくと便利です。
ユーザーのコメント
30代 女性 はるか
20代 女性 ラブ
40代 女性 良杏
30代 女性 もなか
女性 みかりん
今のところ一度も脱臼も打撲も骨折もしてないので安心してましたが、記事を読んでて「肥満」が目に止まりました。食べるのが大好きな子なので飼い主の私がしっかり気をつけてあげないといけないと改めて実感しました。
遊ぶのも好きな子でドックラン等にもよく行くので、もしもの時の為に応急処置グッズを持ち歩こうと思います!
30代 女性 愛
人間でいうと指の付け根⁇部分が3本折れて手術となりました。
自然治癒では骨が曲がったままになってしまい、歳をとったときに歩くのが困難になったりと不都合が出る可能性があるため、手術に踏み切りました。
骨折をした瞬間は号泣と言うくらいキャーンキャーンと鳴き続けて、痛さのあまりか私の手を噛みました。よしよしの撫で続けると落ち着き鳴かなくなりましたが、足を完全につけない状態でした。
何か変な事をしないですぐに病院に行くのが一番です。また、ワンコは痛みが引くと治っていなくても運動してしまうのでなるべく活発に動けないようにゲージなどに入れるのが一番だと思います。
もう二度とあんな可哀想な思いはさせたくないと思いました。
40代 女性 匿名
40代 女性 モモママ
すぐ病院に連れて行き、レントゲンを撮り手術する事になりました。折れた骨を支えるプレートを入れて1ヶ月位は安静にしてくれと言われ、ケージでは飛び跳ねてしまうので、エリザベスカラーをしてクレートで過ごしました。骨が再生するのに栄養が必要なので餌はいつもより少し多くあげて下さいと言われました。1ヶ月たってプレートはそのまま残し、小さいワイヤーやボルトだけ外す事になりました。それから又10日後位に抜糸して、完治するのに1ヶ月半位はかかったと思います。
治療費は、27万円ほどかかってしまったので、保険に入っておけば良かったと思いましたが、今は元気に走り回っているので、きちんと治療してもらって良かったと思っています。治るまで不自由にさせてしまい可哀相な思いをさせてしまったので、本当に気を付けようと思います。
50代以上 女性 たおちゃん
30代 女性 匿名
はじめてのわんこで、家族に迎えたばかりの頃、1度骨折を経験しています。
家の中で遊んでいる時に、歩き方がどことなくいつもと違うと気付いて慌てて病院に行きました。診察の結果、大腿骨頭壊死症という遺伝性の病気が原因でした。
なにも知らずに一月近く痛みを我慢させてしまったとだいぶ落ち込みましたが、うちの子の場合は骨折が原因でその病気が見付かり、足を切断という最悪のことだけは避けられました。
すぐ手術を受け、太腿の骨を3cm切除。1週間の入院、更に1週間後に抜糸。半年程、週1でリハビリに通いました。
抜糸までは走り回らせないように言われていたので、なるべくゲージで過ごさせていました。リハビリがはじまってからは、短い距離で散歩に連れて行っていました。
40代 女性 空とミルクのママ
40代 女性 ぶん
フローリングの床でピョンピョン跳ねていて着地に失敗して、左前脚を滑らせて指4本を骨折してしまいました。
最初は手術になるかもということでしたが、骨が細すぎて手術は不可能でした。
手術をしない場合は患部を固定をして自宅で安静にするのだそうですが、痛み止めが効いていると動物病院でも元気に動きまわるので、安心できるまでは家に帰すわけにはいかないと入院になりました。
3週間の入院の間には、元気に動きすぎるため2度ほどひっつきかけた骨がはがれたりということもありました。
2〜3日に一度レントゲンを撮り、治療費は10万円ぐらいでした。
退院後も2〜3週間は自宅のゲージで安静が必要でしたが、ストレスもたまっているようで暴れ回ることも多くて心配はつきませんでした。
散歩OKの許可が出るまでにも、4ヵ月かかりました。
ミニチュアピンシャーのように元気な犬種は、痛みがひいてくると骨折していても動き回ってしまうので、骨折させないように気をつけるのが一番のようです。
30代 女性 匿名
30代 女性 びび
サークルにいた筈なのに、外に出ていて骨折したので具体的にはわかりません。
ただフェンスをよじ登る癖があったので、多分登った時だと思います。
普通なら足の骨折なら、痛いので骨折した足を地面につけないと思います。
場合によっては、折れてるので足が変な方向に曲がったり、骨が飛び出てることもあると思います。
我が家のは骨が折れて、変な角度に曲がっていて、前足なのでずっと足を持ち上げてました。
そのまますぐに病院にいって手術でしたが、小さいとつなぐボルトの金具がないといわれ、どうにか使えるボルトで固定。
骨がつくまで固定しても暴れたら、ボルトが安定しなくなり意味がないような話してました。
結局体の中にあっても大丈夫な素材ということで、成長してもずっと取り出さないで金具は体内に残ったまんまです。
以前骨折したまんまほっとかれていたであろう野犬を見ましたが 、折れた辺りから微妙にプラプラしていて、足も変な方向に曲がっていたのを思い出しました。
確かケンケンぎみ引きずって歩いていたな。
40代 女性 れい
50代以上 女性 丸ちゃん
40代 女性 ママ
今は完治して元気ピンピンです!
うちは高さのあるとこからのジャンプでしたがソファーくらいでも用心した方がいいそうです。
本当に私も具合悪くなるくらい心配しました。
とりあえずギブスで安静というか行動範囲を狭くした方が絶対早く治ると思いますよ!
40代 男性 匿名
すぐに動物病院に連れて行き、レントゲン撮影を為た結果、左後ろ脚の大腿骨を骨折していて、翌日に手術を為ました。
プレートを入れギブスを為たのですが、動いてばかりで(気になるらしく)、結局プレートがズレてしまい、3週間くらいでギブスとプレートを外す手術を為ました。
10代 男性 Taiki
少し目を離したすきに前足を伸ばした感じで寝そべっていました
普段は普通に立てるのに頑張って立とうとしても立てないでいます
これは骨折でしょうか?
40代 女性 かえで
遊んでいたとはいえ、怖いことです。
ポメラニアンなので、脚が弱かったのと不意討ちだったのとで、まんが悪く、複雑骨折になりました。
すぐに、獣医さんに連れていきました!
手術をしていただき、半年後には、普通に走れるまでになりました。
高いところからの、飛び降りは骨折につながるので、気を付けなければいけませんね。
初めての手術だったので、心配しましたが、頑張ってくれました!
複雑骨折の場合は、へたすると脚が変形してしまうときがあるらしく、運がよかったのと、先生の腕がよかったのとで、綺麗に治っていました。
チワワちゃんの骨折は、なりやすいので、気を付けてやらなければなりませんね。
40代 男性 匿名
女性 もふころ
愛犬は子犬の頃、高いところからジャンプして顎を骨折したことがあります。なぜ足ではなかったのか不思議ですが、幸い子犬だったので回復も早く骨の付きもよかったようです。
高齢になったら骨も弱ってくると思います。周りで常に注意してあげる必要がありますね。
30代 女性 ぽめのとめさん