我が家の愛犬とチョコレート遍歴
犬が食べてしまうと中毒症状を起こしてしまう物の代表として、ネギ類とチョコレートがあります。
実はこのチョコレート、我が家の愛犬が最も多く誤食してしまった食べ物なんです。
過去に3度食べられました
お恥ずかしい話になりますが、我が家の愛犬ことプシュケ(ミニチュアダックス♀)は現在までに3回にわたりチョコレートを誤食してしまいました。
幸い、いずれも中毒症状を起こさずに済みましたが、自分への戒めも込めて、どういった経緯で食べてしまったのかを、当時のプシュケの年齢と体重、そして具体的に、どういう状況下で食べたかをお話しさせていただこうかと思います。
プシュケのケースは多くのご家庭でも、もしかしたら起こり得ることかもしれませんので、ご参考にしていただけたらと思います。
1歳(5kg)食べた物→一口サイズの板チョコ2かけ
それはある日の朝、出勤の準備でバタバタしていた最中に起こりました。
おやつに食べようと思っていたチョコレートが入ったバッグを床に置いたまま席を外した隙に、匂いで分かったのかバッグの中に顔を突っ込んで、チョコレートを取り出して食べてしまいました。
しかも綺麗に包装紙を取り除いて(笑)
でも当時の私は、ワンコにとってチョコレートが危険な食べ物だという認識をしていなかったので、そのまま気にも留めずに出勤して、暢気に休憩中に朝の出来事をブログに載せたんです。
するとブロ友さん達から次々と「犬にチョコレートは危険!」「プシュケちゃん中毒起こしてない?」というコメントが!
ここでようやく事の重大さに気づき、慌てて帰宅したところ、プシュケは先に帰宅した家族と元気に遊んでいました…
6歳(約6.3㎏)食べた物→チョコレートケーキ1ピース
調理師をしている家族が試作品として持ち帰ってきたチョコレートケーキを、バッグ(口が空いていた)から取り出すのを忘れたまま就寝。
翌朝、バッグ内が荒らされケーキの残骸が残されていたのを発見して、プシュケが食べた事が分かりました。
即動物病院に電話した所、「食べてから時間が経過しているので、今日1日様子を見て問題なければ大丈夫ですよ」と言われ、その後も無事に何も起きずに済みました。
8歳(体重6㎏)食べた物→チョコレートチップ入りパン
職場の方から頂いたチョコレートチップのパンをバッグに入れたまま忘れてしまい(しかもチャックが少し空いていました)、深夜になって思い出して慌ててバッグの所まで行きましたが、既に完食されていました…
その夜は徹夜で中毒を起こさないか見張り、朝イチで動物病院に電話しました。
「チョコレートチップくらいの量なら心配入りませんが、もし排泄をした際に下痢を繰り返すようならば念のため来て下さい」という先生からのアドバイスを貰った直後に、立派なサイズの通常便をしていました(笑)
チョコレート中毒の症状とは?
そもそも犬にとって、何故チョコレートが危ないと言われているのでしょうか?
それはチョコレートの中に含まれている“テオブロミン”という成分が、中毒症状を引き起こしてしまうからなんです。
その主な症状は、嘔吐・下痢・興奮・不整脈・激しい息切れ・高体温・身体の震え・痙攣等で、最悪の場合は死に至る場合もあります。
テオブロミンとは?
テオブロミンは1878年に発見された栄養成分で、ギリシャ語で「神の(theo)食べ物(broma)」とも呼ばれています。
その栄養素は医薬の分野や医療の分野で活躍していてます。
つい最近までは動脈硬化や高血圧などの治療にも利用されていましたし、現在では、血管拡張薬や利尿薬として使われています。
そういった事からチョコレートを食べてテオブロミンを摂取すると血流がよくなり、また脳を活性化させ集中力が高まるとも言われてるんです。
その他にも、
・自律神経を調整し、リラックスできる
・血流を良くして基礎代謝率を高めるためダイエットにも期待できる
と言われてるので人間にとっては大変嬉しい成分なのですが、実はワンコは私達人間よりもテオブロミンを分解できる力が弱いので多量に摂取してしまうと大変危険なんですよ!
犬にとってのチョコレートの致死量は?
人間でも食べ過ぎな量でない限りは致死量にはならない
少しでもチョコレートを食べてしまう=命の危険と認識してしまう飼い主さんは多いのですが、一般的に致死量といわれるまで食べてまうのは、体重1kgあたりで犬は120~500mgで、犬の体重の約10倍という計算になります。
例えばミルク成分の多いタイプの板チョコレート1枚に対しテオブロミンが210~215mg含まれていて、板チョコ1枚58gは手のひらほどの大きさです。
なので体重が5㎏のワンコが致死量に至る量は、ざっくり言うと板チョコ5個を一度に食べさせる計算になるんです!
対処法はあるの?
上記の様に余程の量を食べていない限りは大丈夫だとは思いますが、もし大量に誤食してしまい緊急処置が必要なら、まずは慌てずに素早く吐かせることが一番です。
塩を舐めさせる
チョコレートを吐き出させる方法として一番手っ取り早いのが食塩を舐めさせる事です。
塩辛さに耐えられずに沢山の水をガブ飲みしますので、自然と犬自らが吐き出してくれるでしょう。
適度な分量としてはスプーンで1杯~5杯くらいが理想的です。
ただし、大量の塩を食べさせるのは至難の業ですので水で溶くことをお勧めします。また、一時的に体内の塩分濃度が上がり腎造詣に影響が出る可能性がありますのでよほど緊急の場合に自己責任で。
オキシドールを飲ませる
オキシドールを飲ませ、身体に入ったチョコレートを吐かせます。
適度な量は、体重1kgあたり1~5mlぐらいを数回に分けてあげます。
他の栄養素を取り入れて排泄を促す
吐かせるよりもワンコにとって苦痛を与えない応急処置の1つとしてテオブロミンを体の中で吸収しきる前に、蒸かしたサツマイモや白米などの水分や食物繊維を沢山食べさせて、すみやかに排泄を促すという方法もあります。
実は我が家も3度目のチョコレート事件の際にこの処置を行い、結果として翌朝に大きな通常便を排泄して事なきをえました。
誤食を防ぐ為にはどうすれば良いか
では今後皆さんの愛犬がチョコレートを含む危険な食べ物を口に入れない為にはどのような事をしたら良いのかを挙げていきます。
カバンや袋は手の届かない場所へ
冒頭にも書きましたが、我が家の愛犬が3度に渡ってチョコレートを食べてしまった原因がバッグを床に置いたまま席を外してしまったことでした。
他にも良く聞くのが買い物から帰った時に袋を床に降ろしたままにしておいた隙に中身を荒らされて食べられてしまうパターンです。
なので日ごろから帰宅したらバッグや袋はワンコの届かない高い所へ乗せておく習慣をつけておきましょう。
テーブルの上は綺麗にしておく
特にリビングのローテーブルは、テレビを観ながらコーヒーやお菓子を食べる機会が多いかと思います。
そこで良くやってしまうのがお菓子が残ったままのパッケージを置きっぱなしにしてトイレ等で席を外してしまう事です。
ワンコは非常に鼻が利いてるし、常に狙っている子も多いので飛び乗ったり足をかけたりしてバクッと食べてしまうかもしれません。
こういった事を防ぐためにも席を離れる際は危ないものは非難させるようにして下さい。
また、こまめに食べ終えた物は捨てていく癖を付けておくのも良いでしょう。
お客さんに理解してもらう
あと耳にするのは日頃ワンコと接していない人や、ペットに対する認識が浅い方(特にお年寄りや小さなお子さん)が来た時に、つい「可愛いから」と近寄ってきた愛犬に出された食べ物を与えてしまうトラブルです。
悪気が無いから怒れなくて困りますよね…
ここでお勧めするのは事前に「この子に人の食べ物は禁止しています」とやんわり通告しておく事です。
または少しワンコには可愛そうですが、このようなお客さんが来ている間はサークルに入れるか別の部屋で隔離するもの1つの手段ですね。
最後に
一昔前まではワンコはペットとしてではなく、狩猟のお供や泥棒から家をまもる番犬として扱われていました。
当然その時代にはドッグフードなんて無く、大抵は飼い主さんの残飯を食べさせていましたし、恐らくその中には今ではワンコにとって危険とされる物も入っていた筈ですが、特に問題なく当時の寿命を全うしたワンコも多かっと思います。
そして中には「チョコレートは適度な量なら犬にとって良い食べ物で、周りが過剰反応しすぎている」という意見もあります。
でも私たち飼い主の多くは専門家ではないので、もしチョコレートを食べてしまったら、まずは獣医師さんに相談する事から始めるのが一番良い選択なのではないでしょうか。
▼犬が食べてはいけないものについてもっと知りたい方はこちら
犬が食べてはいけないもの一覧
ユーザーのコメント
30代 女性 MAI
30代 女性 べーちゃん
20代 女性 ゆー
記事のように、板チョコを何枚も丸呑みしなければ、そこまで問題になりません。小さい包み紙に入った数個のチョコレートの誤食なら全然大丈夫です。ただ、体に良い食材ではないので、誤食を見つけた直後であれば、動物病院で催吐処置をしてもらったほうが良いですし、数日は様子を見てあげたほうが良さそうですね。
女性 mocmoc
もちろん個体差はありますが、チョコ数欠けなら問題もなく済んでしまうことがあります。実際、動物病院に通院していた頃、何度かチョコレートを誤食してしまった飼い主さんを見かけたことがありますが、獣医さんはさほど焦っていませんでした。ブロックチョコの大袋を7割食べてしまっていても「様子をみましょうね」で済んでいたので驚いたのを記憶しています。
チョコでもミルクチョコの方が危険性は低くなります。最近よくみかけるようになったカカオ70%以上のチョコやビターの方が、成分が濃いので危険です。
他にココアも放置しないように気を付けなくてはいけません。冷ましている間に愛犬にペロリと舐められてしまったことがあります。その後も何度か欲しがる姿がありました。愛犬にとっては美味しいものとインプットされてしまったようです。
チョコレートは危険な食べ物ですが、量や種類によってはそこまで神経質にならなくても大丈夫な食材です。
チョコを食べてしまったからと飼い主さんが焦ってしまうと、適切な応急処置ができなくなってしまいます。まずは落ち着いてから電話で獣医さんの指示を仰いでくださいね。
女性 モンブラン