身体に有毒物質が巡る?犬の門脈シャントについて

身体に有毒物質が巡る?犬の門脈シャントについて

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身体全体が有毒物質に犯される可能性のある門脈シャント。遺伝的な要因の割合が大きいとされる病気です。後天的に発症するケースもあり、命に関わるものであるため、飼い主さんは知識を持っておく必要があります。この記事では、犬の門脈シャントについてご説明します。

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記事の監修

山口大学農学部獣医学科卒業。山口県内の複数の動物病院勤務を経て、ふくふく動物病院開業。得意分野は皮膚病です。飼い主さまとペットの笑顔につながる診療を心がけています。

門脈シャントとは聞きなれませんが、肝臓付近の血管異常に関する病気です。
悪化すると内臓や脳へも危険が及ぶので、重篤化を避けるためにも早期治療が求められます。
では、門脈シャントとはどういった病気で、どのような症状が出るのでしょうか。
ここからは、門脈シャントについて詳しく概要をお伝えして参ります。

門脈とは?

血管イメージ

門脈とは、門静脈とも言われ、胃や腸といった内臓から排出される静脈血を、肝臓へと運ぶ血管を指します。
静脈血は老廃物や炭酸ガスなどを多く含むため、肝臓内では運ばれた有害物質を、無害に変える働きをしています。
タンパク質を分解する際に発生するアンモニアも、この門脈を通り、肝臓で解毒されます。
体内を巡る有毒物質を解毒する過程で通る臓器が、門脈なのです。

門脈シャントとは?

見上げるダックスフンドの顔

門脈シャントとは、上記で説明した門脈にシャントが発生した状態を指します。
シャントとは回路というような意味。
つまり、大静脈と門脈の間にあるべきでない回路(血管/シャント)が存在し、本来肝臓に流れて解毒されるべき有害物質が、このシャントを通って大静脈に直接流れ込み全身を巡ってしまうという病気なのです。

身体の様々な部分に有害物質が運ばれるため、あらゆる症状が引き起こされます。
例えば、アンモニアが解毒されずに血液中のアンモニア濃度が高まると、脳に支障を来し痙攣や異常行動を起こす恐れがあります。

門脈シャントの原因

座るミニチュアシュナウザー

門脈シャントの原因としては、先天的なもの、後天的なものがあります。

先天的な場合

遺伝子疾患として門脈シャントを持つ場合。幼年に発症することが多く見られます。
この個体は発育があまり良くなく、あまり食欲がない子がいます。
好発症犬種としては、ミニチュアシュナウザーやヨークシャーテリア、シェットランドシープドッグ、シーズー、ラブラドールレトリバーなどが挙げられます。

後天的な場合

後天的なケースとしては、肝硬変や肝炎など肝臓の病気や、門脈の高血圧により発症することがあります。

門脈シャントの症状

ドッグフードと食欲のない犬

症状は食後にひどく見られる場合があります。
先天的なものと後天的なものでやや症状は変わり、成長不良は先天的な場合に、食欲の減退や肝機能低下などは後天的な場合に、多く見られます。

  • 食欲の減退
  • 下痢や嘔吐
  • 大量のよだれ
  • 元気が無くなる
  • 歩行異常
  • 体重減少
  • お腹に水が溜まる
  • 痙攣
  • 肝機能低下
  • 膀胱炎や結石など泌尿器疾患
  • 脳症 etc.

門脈シャントの治療法

病院の手術台に横になる犬の足

内科的

  • 対アンモニアのための投薬
  • 低タンパク質、肝臓を保護する食生活

これらは症状を緩和する程度であり、根本的治療にはなりません。
軽症の場合は、内科的な治療で様子を見ることがあります。

外科的

シャントを閉じる手術を行います。
症状が重い場合に検討されますが、シャント血管がある位置によってはかなり難しい手術であり、犬への負担が大きい場合もあるため、獣医師との綿密な相談が必要となります。

予防するには

ラブラドールレトリバーの親子

門脈シャントの予防法としては、後天的なものに関して、肝臓の健康に注意することが挙げられます。犬の肝臓は、菌やウイルス、寄生虫、有毒薬剤などによりダメージを受けます。
これらに気をつけ、薬のついたものなどを口にしないように注意しましょう。

また、病気は早期発見早期治療が必須。定期的な健康診断も効果的です。
一方で、先天的なものに関しては予防法はありません。
遺伝子的に病気の可能性を持つ犬が、遺伝子を残すことによって、子にその遺伝子が受け継がれてしまうのです。
よって、先天性として発病した場合は、その個体に交配をさせないという飼い主のモラルが求められます。
病気の犬を増やさない為に、病気遺伝子を断ち切ることが必要なのです。

まとめ

獣医師の診察を受けるシーズー

犬の門脈シャントについてご説明いたしました。
発病し重篤化すれば、命に関わる病気です。

ふだんから愛犬の様子をよく観察し、異常を感じたらすぐに獣医師に相談するようにしましょう。

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