犬用サポーターの選び方
まずは犬にとってピッタリな「犬用サポーター」を選ぶことが大切です。サポートを必要とする犬は、体の場所や症状によって、選ぶサポーターは違います。用途別にたくさんの犬用サポーターが販売されていて、デザインや素材も様々です。
犬用サポーター選びの基本
1、犬のサイズ合わせをしっかり行う
インターネットで犬用サポーターを購入する際に、小型犬用、大型犬用、S、M、L、LLなどのサイズ表記があります。犬用サポーターは、適応サイズにゆとりを持たせて作りられているので、サイズ表記だけで購入すると着用した時にピッタリサイズにならないことがあります。
犬種によって脚の長さ、関節の大きさや形、関節の方向など異なります。病状によって関節や骨格が変形している場合にも、目安のサポーター適応サイズだけで判断せず、必ず採寸しましょう。
できれば販売元へ問い合わせ、採寸サイズと購入希望のサポーターが合うかどうかを確認すると安心です。また、販売店舗で実際に試着させてもらうと、サポーターのサイズ選びの参考になります。
2、犬用サポーターの素材選び
犬の体に密着させるサポーターの素材は通気性があるのもが適しています。サポーター内に熱が籠もると、犬に不快感やかゆみの原因になります。床ずれ防止用にサポーターを使う場合や、犬が常にサポーターを装着して生活する場合は、特に通気が良いものを選ぶ必要があります。
また、【洗濯可能】なサポーターであれば、汚れた場合でも洗濯すればいいので衛生的です。ただし、中には洗うと形が崩れて、サポート力が弱まってしまうサポーターもあるので、洗濯できるかどうかはよく確認しておきましょう。
3、安全性
歩行補助や、寝たきりの犬の起き上がりなどに使用するサポーターは、飼い主さんの使いやすさも重要です。持ち手部分、マジックテープ部分、サポーターを固定するベルト部分は安全性を重視されているか?犬用サポーターの耐重、耐久の商品説明をしっかり確認しましょう。
用途に合わせたサポーター選び
犬用サポーターの種類
膝、肘用サポーター
犬の前脚、後脚でサポーターの形が変わります。犬の膝や肘の痛みや変形、神経伝達異常などでうまく力が入らずに歩行が困難な犬に使用します。運動量が多いアジリティドッグの膝、肘関節のダメージ軽減にも応用されます。
正しい位置に、膝、肘をサポーターで固定することで関節の痛みを和らげ、犬は力を入れやすくなります。柔らかい素材や、伸縮がより柔軟な素材は、スポーツの時の膝、肘への衝撃を吸収するサポーターにもなります。
腰、股関節用サポーター
犬のヘルニア、股関節形成不全、事故などによる損傷、神経疾患などで、腰骨や股関節が安定しない犬に使用します。特に重度の股関節形成不全で股関節が大きく外れてしまっている場合サポーターを装着することで、正しい位置に股関節を近づけ歩行が楽になります。
背骨、変形用サポーター
全身サポーターで、背骨や骨格の変形がある犬に使用します。自力では正しい位置に戻せない骨格を、犬用のサポーターで正常な位置へ近づけます。
肩、胸骨用サポーター
肩や胸骨の損傷や変形、神経伝達異常がある犬に使用します。犬は体を支えるために、前脚に大きな力がかかり負担が大きくなります。サポーターを着用し引き上げる力を利用し、犬の肩骨の補強をします。
手骨、肉球用サポーター
手骨の変形、異常、痛み、肉球のケガなどがある犬にサポーターを使用します。犬の体を支える手骨、肉球は体の中でもとても重要な場所です。手骨や肉球の異常は犬の歩行を大きく妨げます。
また、歩行異常で脚を地面に擦りながら歩いてしまう犬にもサポーターを使用します。山登り、海や川など、犬の肉球を傷つけてしまう場所へ行く時などにも使用できるサポーターです。
床ずれ防止用サポーター
自力で起き上がれない犬や、寝起きが困難な犬にサポーターを使用します。脚の関節に床ずれが起きやすく寝起きが困難な場合、伏せる際に勢いよく地面に体を下ろしてしまう犬は関節ダコになりやすくなります。
犬の加齢や傷病で体の筋肉が落ちると、頻繁に地面に触れる骨の近くは、床ずれになります。寝たきりでなくても長時間同じ姿勢でいる犬は、自力で座っているだけでもお尻に床ずれをおこすこともあります。
歩行介助、歩行補助用サポーター
飼い主によるサポートがあれば歩行できる犬に使用します。このサポーターは、飼い主用の持ち手が付けられていて大きな犬でも小さな力で引き上げながら歩行介助、補助ができます。前脚用、後脚用、全身用、頭を支えられるものなどがあります。
起き上がり、立ち上がり用サポーター
寝たきりの犬、立ち上がりが困難な犬に使用します。寝たきりの犬を一人で持ち上げて起こすのは、長期間になれば小型犬であっても飼い主さんへの体の負担も大きくなります。寝たままの状態で装着し、持ち手を引き上げて起こしたり立ち上がりの際に犬の体を支えたりします。
全身を包み込めるタイプの、大きなサポーターは、担架の代用にもなりますので万が一の時には小さな力で犬を運ぶのに便利です。
滑り止め、歩行矯正サポーター
手骨に力が入りづらく、自力ではグリップをかけられずに滑ってしまう犬に使用します。老犬、骨格形成不全や未発達、その他の足腰の衰えや異常により、自力で踏ん張りづらくなり足元が滑ってしまいます。滑り止めが付いているサポーターは、グリップが効いて歩行や起き上がりの際にも自力で体を支える補助もしてくれます。
このように犬用に開発されているサポーターは、部位別、症状別にたくさん販売されています。
犬用サポーターのおすすめ5選!
犬用足首サポーター【滑り止め、足首矯正、歩行補助】
S~LLがあり、販売サイトで足首のサイズ、肉球のサイズ目安が細かく表記されています。犬の手、肉球の構造に合うように微調整ができる考えられた商品です。
犬骨折治療 関節プロテクター 犬用サポーターネオプレン製 小中大型犬 老犬介護
安定性を保ち、関節の炎症を防ぎます。マジックテープ式で調整がしやすいプロテクターサポーターです。老犬のケガや躓き捻挫の予防にも役立つ商品です。
WalkAbout 前肢用 歩行補助ハーネス 中型犬用 M
足腰の力が弱まった犬の、前肢用ハーネスサポーターです。XS~XLまでサイズが豊富で、まじくテープで調整が可能です。持ち手がついていて飼い主さんが、小さな力でも犬の体を持ち上げるように散歩の補助ができます。サポーターは丸洗いができるので、衛生面でも安心です。
リハビリを助けるサポーター ヒップペットセラピーラップ 中型犬用
中型犬用のお尻、腰周りを温冷療法で痛みや炎症を抑えながら、リハビリや術後のケアをサポートする画期的なサポーターです。サポーターは電子レンジで温めたり、冷凍庫で冷やしたりできるので、症状に合わせた温冷療法が可能です。老犬の体温調節を兼ねたリハビリにも便利な商品です。
コムペット ホロノアサポーター S
背骨、腰をサポートするステーが入っていて、犬の後ろ足からお尻を持ち上げる構造で体のねじれを抑えながら立ち上がり、歩行のサポートをします。購入サイトにはA、B、Cの採寸ガイドが表記されていて、犬にピッタリ合うサポーター選びに便利です。
アニサポネック 犬用 小型犬 頚椎サポーター
サポーター装着には犬に練習をさせる
犬にピッタリのサポーターが見つかったら、まずは短時間からサポーター装着の練習をはじめましょう。特に犬の口が届く場所に装着するサポーターは、目を離した時にかじって壊したり、さらに歩行の妨げになったりすることがあります。
犬の肉球を覆うようなサポーターの場合、犬は違和感を抱いて、練習しなければ上手に歩けない犬がほとんどです。怪我や誤飲、犬への不快感を無くすためにも練習は必要です。
まとめ
いかがでしたか?犬用サポーター、たくさんあり過ぎてどれを選んだら良いのか分からない。サポーター選びに失敗してしまった。そんな経験がある飼い主さんは多くいます。
私も犬の介護の時に、サポーター選びや、体を動かす介助アイテム選びに悩んだことがあります。飼い主の支えや、犬用のサポーターの活用で、自力では動きづらい犬も遊び慣れた庭などへ出られると、とても嬉しそうに、気持ちよさそうにしていたのを思い出します。
介護用、補強、矯正など、犬にピッタリの犬用サポーター選びの参考にしてみてください。