老犬特有の震えの原因
老犬になると、若い頃とは違った原因で震えが起きることがあります。
人間の場合でも、足腰から弱ると言われているように、犬も足から衰えていく場合が多い傾向にあります。
特に、後ろ足に震えが起こるケースが多く、散歩中など歩いているときにはそれほど気にならないようでも、立ち止まった時などに、後ろ足がブルブルと震えだすワンちゃんもいます。
このような震えの原因としては、筋力が衰え、体を十分に支えることができないために起こると考えられます。
もし、家の中などで静かに過ごしている時にも、震えがあるようでしたら、室内の温度が適切か、確認する必要もあるでしょう。
老犬になると、温度に適応する能力も衰えてくるので、飼い主が快適だと思っていても、ワンちゃんには寒い場合があるかもしれません。
また、老犬では、分離不安も強くなる傾向にあります。
これには、視力や聴力の衰えも関係しているかもしれません。
飼い主が自分を置いて買い物などに出かけてしまうと、不安に感じてしまうのです。
そのような心因性の原因がある場合には、普段から話しかけるだけでなく、撫でてあげたり、十分なスキンシップを取るように心がけましょう。
他にもある震えの原因
老犬の震えの原因には、他にも様々なことが考えられます。
痛みがある、怪我をしている
犬は言葉を話せない生き物です。
痛みがある場合や、飼い主が知らない間に怪我をしていることもあります。
痛みによって震えが起きるのは、その痛みが、かなり強いということでもありますから、普段と様子が違う点はないか、触られるのを嫌がるところがないか、注意深く観察する必要があります。
雷など恐怖を感じた
犬は雷や花火など、大きな爆発音のような音が苦手です。
老犬になると、聴力も衰えてはきますが、それでも苦手であることに変わりはありませんし、より一層、不安を感じやすくなるので、敏感に反応してしまうことがあります。
このような時は、飼い主がそばに寄り添って安心させてあげ、できるだけワンちゃんを不安にさせないような工夫が必要です。
こういった不安や恐怖などを感じている場合、ボディ・ラップという方法があります。Tシャツや幅の広い長めの布などを犬の体に圧をかけて巻くことで、不安を緩和させる効果があります。ただし、すべての犬に効果があるわけではありません。ボディ・ラップをおこなうときにはこの点を考慮に入れてください。
中毒症状
お散歩中に、誤って毒性の高いものを食べてしまったり、腐っているものを口にしたことで、中毒により震えが起きる場合もあります。
他に原因が考えられないような場合や、何か思い当たる点があった場合には、速やかに病院に行きましょう。
薬の副作用
今までは問題なく過ごせていた薬でも、老犬になると副作用が表れやすくなってしまうことがあります。その結果、内臓に負担がかかり体の震えとして出てくることがあります。
この場合はすぐに動物病院へ連れて行き、副作用の可能性を話し獣医師の指示を仰いでください。日頃から獣医さんとの小まめな相談をしておくと、いざという時とても重要になります。
熱があったり、病気が原因
老犬は、体温の調節機能が十分に働かないこともあり、体調を崩して発熱することも増えてきます。老犬が熱っぽい場合、体温計で測るのが一番なのですが、耳で判断することもできます。耳の内側を触った時に赤くなっていたり、普段よりも熱く感じる時は発熱している可能性が高いです。いざという時のために、日頃から耳の熱がどのくらいかを確認しておくと良いでしょう。
また、他に病気が潜んでいる可能性もありますので、発熱が続いた際には病院で診察してもらうことが大切です。
低血糖
食事が食べられない場合や、食べる量が少ない際には、低血糖が原因で震えが起きる場合がありますので注意が必要です。舌や歯茎の色が白くないかを確認してください。低血糖の場合はいつもより白っぽくみえることがあります。
インスリン治療中などの場合は特に注意して見ておくようにしましょう。緊急の応急処置として、練乳やガムシロップを上顎に塗りつけて糖分を補給させる方法があります。少しずつ塗り付け具合を見ながらすぐに動物病院へ連れて行ってください。
吐き気がする
旅行などで車に乗った場合、車酔いで吐き気がするような時にも、震えることがありますので、ドライブの際には、ワンちゃんの様子を観察しながら、無理のないようにしましょう。
トイレを我慢している
トイレを我慢して震えることもあるようです。
老犬になると、我慢できずに、お漏らししてしまうこともありますから気を付けましょう。
老犬の震えの対処法
老犬が、筋力の衰えが原因で震えが起きている場合には、お散歩など、無理のない範囲で行うようにしましょう。
しかし、極端に運動量を減らしてしまうと、かえって、筋力が衰えることにもなってしまいますし、ワンちゃんにとっても、残念な思いをさせることになりますから、すこしずつ、減らしていくのが理想的です。
もしくは、お散歩中に、こまめに休憩をするようにしたり、短時間のお散歩を、何回かに分けて行うのも老犬にとって負担が少ないといえます。
外にお散歩に出られない場合は、ワンちゃんにマッサージをしてあげると、リラックス効果もあり、ワンちゃんの心も落ち着くことでしょう。
老犬は、どうしても不安に感じることが多くなるようです。
ですから、これまで以上に、飼い主さんがスキンシップをしてあげることが大切になってきます。
人間の言葉は話せないワンちゃんですが、飼い主さんに話しかけられると嬉しいはずです。
また、飼い主さんの存在を身近に感じられるだけでも安心できるので、
震えが気になりだしたら、心配するだけでなく、さりげなく、温かく見守っていきたいものです。
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ユーザーのコメント
50代以上 女性 マルメロ
振舞いとしては、年々、頑固になっているなあと感じ、そういう場合は叱ることもあるのですが、甘えん坊になっているなあと思うシーンも多々あります。モノ言えずとも、愛犬自身が一番「自分の体調の変化」を感じているのかもしれませんね。この記事を参考に、メリハリがある生活を基本としながら、食欲不振、目や耳の衰えによる不安といった小さなサインにしっかりアンテナを張って、健康長寿を愛犬と共に目指せればと思います。
40代 女性 momo
何故改善されたのかを考えると、薬の影響がかなり大きいのかと思います。ちょうど足が震えていた頃に、皮膚炎の治療の為に<ステロイド>を継続的に飲ませていました。皮膚が改善したのでステロイドを止めてから震えはなくなりました。そして、その後また期間があいてから再びステロイドによる治療をしたところ、また足が震えるようになってしまいました。それだけが原因とは断言できませんが、薬による影響も多々あるかと思いますので、飼い主がどのような時に震えているのかを認識することが大事だと思います。そして、防げるのであればなるべくその原因を取り除いてあげてほしいと思います。
40代 女性 ナツ
運動の許可がおりてからは、最初から長距離を歩かせると足に負担がかかるので、無理のないように一日に3回にわけて、短い時間のお散歩をして筋力をつけていきました。筋力がついてきたと感じたら、お散歩の距離を徐々に増やしていきました。効果あってか、今では以前ほどひどくは震えません。
また、寝起きなどに急に運動をすると足が震えやすくなるので、太ももから足先にかけて優しくマッサージをしてからお散歩に出てあげると、血の巡りがよくなるので足が震えにくくなります。
30代 女性 38moto
口を開いて歯茎や舌の状態を確認し、白っぽくなっていたら高カロリーのサプリメントを与えます。犬用ニュートリカルがおすすめです。吸収も早いので貧血や低血糖にはとても効果がみられました。
次に寒さを感じている場合、服を着せて様子をみます。落ち着いて眠れるようなら大丈夫ですが、それでも震える場合は電気毛布のスイッチを入れます。ホッカイロをタオルで包んでお腹の下に入れると一晩安心です。
痛みではないですが、飲んでいる薬の影響で震えることがあります。高齢になると抗生物質の副作用が強く出やすくなる子もいます。吐き気などを我慢して震えていることもあるので、あまり酷い場合は獣医師に相談し抗生物質の種類を変更してもらうなどの対処が必要です。
老犬になると動かなくなり筋肉量が著しく低下してしまうことで、寒さを感じやすくなります。動かなくなる分食事量も減り、栄養が不足してしまうため貧血や低血糖、低体温を起こしやすくなってしまいます。
犬が横になった状態で尻尾を持ち上げて離す、という単純なことも後ろ足に刺激がいきトレーニングになります。また、犬を立たせた状態で、飼い主がお腹の下に手を入れ転ばないようにしてから順番に軽く足を上げ、3本足で立たせることも筋力アップトレーニングになります。コミュニケーションも取れるので無理なく実行してみてください。
女性 ジャスミン
震え症状、低血糖なんかにならないように、きちんと見てあげなくてはいけませんね。これまで以上に気を付けてお世話をしてあげたいと思います。
女性 シャンプー
女性 Momoko
に比べると、全ての行動がかなりスローになってきてしまいました。また、お散歩
に連れて行った時に同じ年くらいの犬に会ったことがありますが、犬の足が震えて
いたので、心配になりましたが、やはり筋肉の老化によるものなのですね。
愛犬には長生きして欲しいので、なるべく筋肉を鍛えてあげたいと思いました。