犬と海外旅行がしたい!
皆さん、旅行は好きですか? 私は温泉旅行が大好きです。でも子供が生まれて以降なかなか行けていないのが現実です。ましてや海外旅行は夢のまた夢…。
でも子供達が長時間フライトに耐えられる様になったらオーストラリアへ行きたい!そしてあの大型犬ラブラドゥードゥルの子犬を買って帰りたい!そんな夢が実現する日を心待ちにしています。
犬と一緒に海外旅行ができるの?
愛犬は家族です。自分達が海外で楽しく遊んでいる間、ペットホテルの狭いケージの中で待たせておくなんて可哀相ですよね。でも、それは仕方のないこと…。
いえいえ! そんな事はありません。愛犬だってパスポートがあれば海外旅行できちゃうんです。さぁ、貴方も犬のパスポートをGETして一緒に海外旅行へ行きましょう!
犬と海外旅行に出かける前に準備すること
準備、と言っても何をどうすればいいのか見当もつかないですよね。そんな貴方に簡単に海外旅行に必要な手順をお教えします。ちょっと煩雑ですが、一度経験すればなんて事はないです。頑張りましょう!
- 必要な手続きを調べよう
- 日本に帰って来る時の事を考える
- 手元にある書類を確認する
- 動物検疫所に連絡する
- 利用する航空会社に予約を入れよう
大体、こんな感じです。では、ひとつひとつ見て行きましょう。が、その前に…
動物検疫について知っておこう
昨今、デング熱やエボラ出血熱といった人の病気が話題となり「空港で発熱症状のある人を検疫所の職員が呼び止め、病院へ搬送」というニュースを耳にした人も多いと思います。こうした「疫病の検査」をしている「検疫」というものがあります。
飛行機の中は密室です。そこに病気に感染した人が居るとどうなるでしょう。また、病気に感染している人が海外へ渡航し、不特定多数の人と接触するとどうなるでしょう。人や物の交流が盛んな今の時代、検疫というものはとても重要なものなのです。
これは人に限ったものではありません。動物も同じです。海外から輸入される牛や豚、海外のレースに出場する競走馬、そしてペットとして輸入される犬や猫など。そうした動物達も病気に感染していないか「検疫」を受ける必要があるのです。
特にペットの場合「狂犬病」という病気が大きな問題となります。この病気は犬や猫だけではなく人も感染します。温血動物といわれる動物全てが感染する病気で、発症してしまうと治療ができない100%死に至るという恐ろしい病気です。
幸い、日本は「狂犬病」が発生していない国として国際的に認められています(狂犬病未発生国として国際的に認められている国は十か国未満です)。世界的にも珍しい「狂犬病未発生国」である日本の動物検疫は、とても厳しい制度となっています。
必要な手続きを調べよう
では、具体的な準備に入りましょう。今回は「アメリカへ行く」と仮定しますね。それでは、まず「アメリカに犬が入国できるか」確認しましょう。どこで確認するのか、と言うと、それは『アメリカ大使館』や『アメリカで動物検疫を担当しているお役所(アメリカ農務省)』です。
大使館?!と驚く方もいらっしゃると思いますが、日本に居ながらアメリカの正確な生情報を得られるとても便利な所なんですよ。つい先日、話題になった「特命全権大使:キャロライン・ケネディ閣下」がいらっしゃる所です(勿論、電話を掛けたからと言って閣下とお話しできる訳じゃないですけれどね)。
「犬と一緒にアメリカに行きたいのですが、予防接種とか健康証明書とか何が必要になりますか?」そんな風に聞けば必要な条件を教えてくれます。また、電話はちょっと……という場合はE-mailで問い合わせてもいいでしょう。条件を教えて貰ったら掛かり付けの動物病院で予防接種や健康診断をして貰いましょう。
日本に帰って来る時の事を考える
さて、旅行ということはまた日本へ戻って来ます。海外から日本へ戻って来る条件も調べなければなりません。日本は「狂犬病が発生していない国」なので「狂犬病が発生している国」から日本へ来る為にはとても厳しい条件をクリアしなければなりません。
「日本生まれの犬で、日本から海外旅行に行っただけの犬なのに?」と不思議に思われる方も多いと思います。ですが、一度日本から海外へ出てしまうと「海外の犬」という位置付けとなるので、「海外から日本へやってくる犬」の条件をクリアしないと入国できないんです。
厳しいですが日本のペット達を怖い病気から守る為の検疫制度ですから頑張りましょう!具体的な準備は「マイクロチップを装着」して、「狂犬病予防接種」をします。30日間以上経ってからもう一度「狂犬病予防接種」をします。
それから「血液検査」をすればOKです。血液検査は『一般財団法人 生物科学安全研究所』で受ける事になっています。動物病院で採血して貰い、獣医さんにお願いして研究所へ血液を送って貰いましょう。
手元にある書類を確認する
行く先の国に入る準備と日本へ戻ってくる準備が済んだら、手元にある書類を確認しましょう。
- IDデータ登録申請書:マイクロチップを装着したら獣医さんから貰えます。
- 予防接種済証:予防接種が終わると獣医さんから貰えます。
- 抗体価検査結果証明書:血液検査が終わると研究所から送られて来ます。
これらの書類はとても大切な物です。ファイリングするなどして無くさないようにしましょうね。
動物検疫所に連絡する
動物検疫所は国際空港にあります。成田空港、羽田空港、関西国際空港など、空港の中にありますので、利用する空港にある動物検疫所に電話しましょう。
「犬と一緒にアメリカへ行って、一週間後に帰って来たいです」
そんな風に話して検査を受ける予約をしましょう。その時、「輸出検査申請書」と「届出書」を出すように言われます。予め、動物検疫所のHPからダウンロードして目を通しておきましょう。書き方が解らない場合は電話で聞いてみましょう。
なお「届出書」は「日本に帰って来る予定日の40日以上前までに出す」と法律で決まっていますから注意しましょう。
利用する航空会社に予約を入れよう
残念ながら殆どの航空会社がペットを機内に持ち込むことを禁止しています。スーツケースを預けるのと同じで、チェックインの時にケージに入れた状態で犬を預けることになります。
スーツケースなどを入れる貨物室にペットを載せる為の、空調が効いた空間を作って搭載するのですが「機体が小さくて空間を確保できない」「搭載できる頭数が限られていて既に予約がいっぱい」などの理由で希望する便を予約できない場合もあります。
いくつか候補を挙げて航空会社に電話しましょう。オンライン予約システムではペットの予約ができない場合もありますから、必ず航空会社に電話をして予約しましょう。
こんな順序で準備を進め、日本を出発する日に動物検疫所へ愛犬と一緒に行って「輸出検疫証明書」という書類(犬のパスポート)を貰えば出発準備完了です。
犬と一緒に海外旅行先へ入国する
さて、日本を出発してアメリカに着いたら、空港の税関を抜ける時に犬が一緒である事を告げて動物検疫を受けます。この時に日本の動物検疫所で貰った「輸出検疫証明書」を見せます。ただ手続き方法は空港によって違うので事前にアメリカ農務省に確認しておくといいでしょう。
犬と海外旅行から帰国する際の手続き
人の場合は日本で作ったパスポートさえ持っていれば良いのですが、ペットの場合は少し違います。「日本を出発した時に動物検疫所で作って貰った輸出検疫証明書」と「アメリカの政府が発行する健康証明書」二つが揃っていなければ日本に入国できません。
「アメリカの政府が発行する健康証明書」はアメリカ農務省で作って貰います。日本を出発する時に健康証明書の元になる書類を貰えますので、全部書き込み、アメリカの動物病院で健康診断を受けてからアメリカ農務省へ行けばOKです。
お役所手続きがあるので億劫に感じる方も居ると思います。でも一度経験すればできるようになるペーパーワークがほとんどです。「どうしてもできない!」という場合は代行業者にお願いすることもできますよ。
愛する家族の為に貴方も一歩前へ踏み出して、海外旅行を愛犬と一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか。
ユーザーのコメント
30代 女性 xoxo
現在では航空会社によっては、犬は貨物扱いではなく客席の足元にバリケンに入れて置くことが許されているそうですが、犬が経験したことのない気圧の変化など、何かあったらと心配です。
旅行ではなくて、何年も長期間の滞在になるようだったら愛犬を連れて行くか悩むところですが…。私がまだ学生だった頃に、両親が海外赴任になり犬を連れて行こうか最後まで悩んでいましたが、当時オーストラリアへの犬の輸送は動物検疫に1カ月間近く拘留されるということで諦めていました。
私にとっては、国内線でも飛行機移動は避けたいと思っていますので、海外は到底ハードルが高すぎる印象です。
女性 Taiko
女性 匿名
そして国内だけでなく海外へ一緒に連れていくというご家族もいます。
そのため航空会社もそんなご家庭に合わせて「ペットらくのりサービス」というものも出てきました。
しかし、どんなペットでも行けるというわけではありません。
条件は“健康に問題ないわんちゃん”です。
渡航の際は健康証明書が必要となります。またペットを輸入するということになりますので、輸入証明書も事前に用意をしておかなければなりません。
夏場の暑い時期は、いくら健康なわんちゃんでもシーズー、パグ、ボクサーなどの短頭種も乗せることが出来ません。
それはほかの犬種と違って暑さに弱く、熱中症や呼吸困難を起こす恐れがあるためです。
一緒に行くならば涼しい時期を狙って、愛犬の健康状態をチェックしてから連れていくようにしましょう。
40代 男性 わんパパさん
エアラインは客室内持ち込みOKのところしか使っていません。
受託預け入れ荷物(貨物)は、いくら空調と気圧が保たれていると聞いても
あとを絶たない不慮の事故の情報を知っていますので私には選択肢としてあり得ません。
預け入れる際に万一何かあっても・・の「免責書類」にサインする気はないからです。
生後半年から国内出張にも連れて行っていましたし、キャリーケースでの移動に慣れていたので
「新幹線も飛行機も一緒かな?」というのと、出張が長期なのでペットホテルは考えませんでした。
検疫手続きで唯一、狂犬病抗体価検査のための狂犬病ワクチンの2度接種があるので
ワクチンアレルギーの発生だけが心配ですが
獣医に相談し、ワクチンメーカーを変えるなどして
できるだけアレルゲン(にもし反応してしまう体質だったとしても)に
重複して暴露しないよう、気をつけています。
飛行機での移動も、犬にやさしい欧州系の航空会社はそのほとんどが
機内に犬を持ち込めますし、CAさんも犬に優しい対応の場合ばほとんどです。
狂犬病発生のない、世界でも稀な地域である日本に住んでいるので
そうでない世界のほとんどの地域に出かけて帰国する以上
検疫のための手続きは仕方のないことだと思っています。
(日本から、あちらへ行くのは本当に簡単。帰ってくるために
ほとんどの事前手続きをするようなものですから。)
海外には犬と宿泊できるホテルはいくらでもありますし
特にEU圏内では犬は自由に行き来できる(犬用のパスポートまであります)ので
犬が家族といつも一緒なのは、ヨーロッパでは普通のことです。
特に、ドイツ(ダントツで犬に優しい国)、イタリア、英国は
犬の社会的な地位が高い国ですね。
スペインなど、レストランに犬がほとんど入れない国もありますが
上記の3か国はレストランでもショップでもどこでも
犬を同伴できるものすごい愛犬国です。
検疫は難しそうに思えますが
実際経験すれば、きちんと必要なことさえすれば
恐れるものではありません。
とくに、日本の動物検疫所の方は、とても親切ですので
輸出検査当日(出国する当日か数日前に行う検疫)の日までに
すべての書類の事前提出とチェックが入り、不備があれば
訂正するよう細かく指示してくれますので
当日は特に何も心配いりません。
唯一、帰国のためにあちらで行う書類作成だけが
不安になる部分ではありますが
現地の獣医に行って簡単な健康チェックをし
日本へ帰国するための書類に必要なことを書いてもらいサインをもらい
そのあと、その国の動物検疫の窓口(政府)で
エンドースメント(押印・裏書き・スタンプ、いろいろ呼び方はありますが)
をもらうだけです。
実際は獣医を事前に調べたり、どこに動物検疫の窓口があるのかを
調べたりしなければいけませんが
各国の在日本領事館に問い合わせたり
現地在住の日本人の方に訊いたりすれば
たいてい情報が得られるかと思います。
ほんの数日だけの旅行などでは、犬の身体への負担も心配ですが
それなりに長く滞在するのであれば、犬の負担の面でも
手続きにかかる時間的にも、安心ではないかな?と思います。