頭も体もフル回転させる『アジリティ』
ハードルやシーソーなどさまざまな障害物をクリアしながら走るアジリティは、ドッグスポーツの中で最もメジャーではないでしょうか。アジリティはスピードと正確性によって採点される勝負で、特にスピードや瞬発力、判断力が重要になってきます。そのため体がしなやかで俊敏性に優れたボーダーコリーなどの牧羊犬には特に適しています。もちろんタイムを競うだけでなく、犬と飼い主のコミュニケーションとしてアジリティを行うのもおすすめ。シニアになっても体に負担がかからないようにその子なりペースでスポーツを楽しもうというサークルやドッグスクールもあるので、興味がある人はぜひ調べてみてくださいね。
スピードや体力が十分にあるという犬にはその他にも『フライングディスク』やボールを取って戻ってくるリレー競技『フライボール』などもおすすめです。
自然の中でマイペースに楽しむ『トレッキング』
アジリティなどのようにスピードには自信がないという方やドッグスクールなどに通わないとできないスポーツはちょっと敷居が高い…という飼い主さん&犬には、自然の中でできるスポーツとしてトレッキングがおすすめ。いわゆる山登りですが、犬の体力に合わせて山の高さや難易度を選ぶことができますし、競争ではないのでそれぞれのペースで楽しむことができます。また、自然の中で取り組むスポーツなので、普段は感じられない野生動物や虫の気配、草木のにおいなどを犬は楽しむことができ体力だけでなく精神的にも充実した時間となるでしょう。
同じく自然の中でマイペースにできるものとして、水が得意であれば川や湖での『水泳』、体力に自信があれば『ドッグマラソン』、雪の季節なら『スノーシュー』なども人気です。
飼い主と呼吸を合わせて演じる『ドッグダンス』
犬と飼い主がペアになって踊ったり演技をするドッグダンス。曲に合わせて優雅に踊ったり、ストーリー仕立てでミュージカルのように演じたりとさまざまなスタイルがあります。これはスピードや体力を競うものではないので、特定の犬種でなくても十分楽しむことができるところも魅力。犬種や大きさ、年齢などに関わらずどんな犬、人も始めやすいと思います。ドッグダンスで大切なのは技術よりも「思いっきり楽しむ」「恥ずかしがらずに演じ切る」という気持ちだと言われています。愛犬と飼い主の絆をオーディエンスに思い切り見せつけましょう♪
脳トレ・ストレス発散も!自宅でできる『ノーズワーク』
今新たなドッグスポーツとして注目を集めているのがノーズワーク。スポーツといっても走ったり跳んだり、体力を使ったりするようなものではありません。ノーズワークで使うのは、その名の通り「嗅覚」です。やり方はいたって簡単で、まず特定のにおいを嗅がせ、指定された範囲の中に隠された同じものを探させるというもの。
どんな犬でも本来持ち合わせているにおいを嗅ぐ能力を最大限に引き出して、本能を刺激することで精神的な充足感を与えてくれるのです。ノーズワークを行うと本能が発揮され、頭はフル回転!体力を使っていないはずなのに程よい疲労感を感じられ、精神的にも満たされるので普段なかなか運動させられない環境にある犬や、シニア犬、ケガや病気で体に負担をかけられない犬などにも大変おすすめです。
ノーズワークは自宅でも十分できる上、むずかしい指示を教える必要がないため誰でも気軽に試すことができるので、お散歩に出られない雨の日などぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか?
まとめ
犬が本能を活かしてストレスを発散することのできるドッグスポーツやレジャーは数多くあります。ここで紹介したものはドッグスポーツの中でも比較的メジャーなもので、一般的な飼い主さんでも気軽に始めることができるものばかりです。このほかにもサイトハウンドに最適な『ルアーコーシング』や鳥猟犬の得意分野を活かす『ガンドッグ』『フィールドトライアル』、寒い地域で生まれた犬や作業が得意な犬による『犬ぞりレース』など犬種の特性を活かすことのできるドッグスポーツも数多くあります。
初めから本格的にドッグスポーツに踏み込めないとしても、どんなスポーツにも必要な犬と飼い主の信頼関係をつくるために基本的なしつけを行ったり、ちょっとしたトリック(一発芸)などを教えて楽しむところからスタートしてみてはいかがでしょうか?当たり前のことですが、「何をするか」ということだけでなく「誰と」「どのように」取り組むかということが大切。犬にとっては大好きな飼い主さんと一緒に何かに取り組み、褒められたり一緒に喜んだりするだけで楽しく、とっても幸せになれるんですよ。