犬の迷子札の選び方
まず、あなたが愛犬の迷子札を選ぶ際、購入の判断基準にしていることは、『デザイン』『扱いやすさ』『素材』ではないでしょうか?
犬といっても、その犬によって似合うデザインや色は百人十色・・・いや、百犬十色だと思います。だからこそ、かわいい愛犬に迷子札を買ってあげるならデザインはとても大事だと思います。
扱いやすさに関しても、犬の迷子札選びには大事な判断基準です。犬の性格や種類によっては、普段の生活で身につけていて邪魔になる迷子札もあるので、扱いやすいものを選ぶことは大切です。
しかし、犬の迷子札を購入する際に、一番の判断基準として必ず確認してほしいことが、迷子札の『素材』です。素材によってはアレルギーがでて皮膚が赤くなったり、痒い体を無理に掻いて出血し、動物病院に連れていかなくてはいけなくなる可能性があります。
接触アレルギーに関しては、重度なアレルギーは聞いた事がありませんが、湿疹などの跡が残ることもあるので、犬の迷子札を購入する際は必ず迷子札の素材を確認し、あなたの愛犬に合った物を選びましょう。
犬の迷子札に使われている素材
犬の迷子札といっても、沢山の種類や素材があります。
中でもよく使われている素材は、
- プラスチック素材
- 革素材
- ステンレス素材
- シルバー素材
- 木素材
上記の5種類の素材が、犬の迷子札によく使われています。
ここからはプラスチック素材から順番に、素材の特徴を説明していきたいと思います。
犬の迷子札:プラスチック素材の特徴
犬の迷子札のアレルギーがでる素材で、一番多いと言われているのがこのプラスチックです。プラスチック素材の犬の迷子札は、安価で購入しやすく、ネットショップなどでも取り扱いが豊富です。
しかし、あまりプラスチック素材の迷子札をつけている犬は少なく、それには理由があります。
人の場合は、携帯カバーやペットボトルなど、普段の生活にプラスチック製品が色々と使用されていて、プラスチックでの接触アレルギーがある人は少ないです。しかし犬の場合は、プラスチックでの接触アレルギーをもつ犬が多いと言われています。
プラスチック素材でアレルギーが出やすい理由
プラスチックによる犬の接触アレルギーが多い原因としては、人とは違って犬は、ドッグフードを入れる食器やケージなど、プラスチックを口に入れることが多く、プラスチックの成分が体内に入ることで免疫が過剰に反応し、アレルギーが出やすいようです。
普段からプラスチックの食器などを使用しているけれど、アレルギーは出ていない、そんな犬ならプラスチック素材の迷子札は安くて購入しやすいので、オススメです。しかし、アレルギーが発症する可能性もある為、普段から愛犬にプラスチックアレルギーが出ていないか、チェックしておくことをオススメします。
プラスチック素材の迷子札のメリット
安価で購入しやすい
安いものなら500円~1,000円で購入できる。
加工がしやすくデザインが豊富
プラスチックは加工がしやすく、かわいいデザインが豊富
水に強い
プラスチックは熱には弱いが、水に強い為、愛犬が水遊びをする際もつけたままで大丈夫。
軽い
プラスチックは重力が軽い為、愛犬への負担が少ない。
プラスチック素材の迷子札のデメリット
壊れやすい
プラスチックは柔軟性はあるが、強い衝撃に弱い為、他の素材の犬の迷子札に比べると壊れやすい。
買い替えが必要
プラスチックの迷子札に愛犬の名前と電話番号を刻印しても、表面上の加工の為、徐々に削れて見えなくなってくるので買い替える必要がある。
アレルギーが出る可能性がある
現在、プラスチックのアレルギーが無い場合でも、他の素材の迷子札に比べるとアレルギーが発症する確率が高い。
※アクリル素材と記載した迷子札もありますが、アクリルもプラスチックと素材は一緒なので購入する際には注意しましょう。
犬の迷子札:シルバー素材の特徴
アクセサリーといえばシルバーというイメージの方も多いと思いますが、犬の迷子札もシルバー素材は人気です。しかし、シルバーは金属アレルギーが出るというイメージも多く、愛犬の迷子札としては少し不安という声も多く聞きます。
けれども、実はシルバーはサージカルステンレスには負けますが、アレルギーが出にくい金属でもあります。ただ、アレルギーが出にくいといっても、愛犬が金属アレルギーを持っている場合は他の素材の迷子札を選びましょう。
シルバー素材の表記について
シルバーのアクセサリーを持っている人は見たことがあると思いますが、指輪の裏などに『シルバー925』と刻印されています。よく「この『925』の表記はなんですか?」と質問をいただくので、コチラも説明しておきます。
結論から言うと、『925』は『92.5%』という意味です。つまり、シルバーが92.5%使われていて、残り7.5%は他の金属(銅や真鍮)を混ぜています。なぜ純銀ではないのかというと、シルバーは純銀の場合、柔らかくキズが付きやすい為、アクセサリーとしては不向きな金属だからです。
そこで他の金属を7.5%混ぜることで、強くて、シルバーの美しさを損ねない、適度な柔らかさをもつ金属として人気の素材となり、世界基準で「純銀=シルバー925」となっています。
シルバー素材の迷子札のメリット
高級感がある
シルバーは光の反射率が高くてキレイです。犬の迷子札としても目立つ為、迷子札になった際にも目に付きやすいところが人気でもあります。
デザインが豊富でかわいい迷子札が多い
シルバーはとても加工がしやすく、個人で犬の迷子札をハンドメイドで制作しているショップもあり、他では買えない世界に1つの迷子札を、愛犬に持たせることができます。
どのようなデザインがあるか?については、下記のサイトをチェックしてみてください。
アレルギーが出にくい
「シルバーよりプラチナや金の方がアレルギーが出ない」と言われていますが、実はアレルギーの出にくさはシルバーも同じです。純金やプラチナ1000ptなどの、他の金属が含まれていない金属なら、たしかにサージカルステンレス同様にアレルギーがとても出にくいですが、純度100%の素材はアクセサリーとしては使えないので販売もほとんどされていません。
シルバーに関しては、最近では銀に対して銀イオンなどの殺菌力効果も期待されているようです。
使用用途が多い
シルバーの犬の迷子札の場合はデザインがかわいいこともあり、もし愛犬に合わなかった時や逝去後などの形見として、傷直しを依頼して、飼い主がペンダントやキーホルダーとし活用する方も多いです。
実際、デザインによっては飼い主が愛犬とペアで持つために、自分用と愛犬用で購入される方もとても多くおられます。
シルバー素材の迷子札のデメリット
価格が高め
シルバーはグラム単位で価値があり、他の素材の迷子札に比べると値段が高いです。どこにでも売っているようなプレート迷子札なら、2000円程で売っていることもありますが、ハンドメイドで制作されている物は、高い物で30,000円近くで販売されている犬の迷子札もあります。
変色する
変色するといっても錆びではなく、シルバーは空気に触れると表面だけ酸化し変色していきます。この変色は、100均などで売っているシルバークロスで拭けばすぐに取れます。
ステンレス素材より傷付きやすい
シルバーはステンレスより柔らかい為、ステンレスに比べると傷が付きやすい素材です。ただ、犬の迷子札の場合、激しい動きによりステンレスも傷だらけにはなるので、「結局、愛犬に長い間つけていると傷はつくから同じ。」という声も多いみたいです。
先ほどもお伝えしましたが、シルバーは加工がしやすい為、ショップによっては傷だらけになっても期間内であれば、無料で傷直しや修理をしてくれるお店もあるので、長く愛用できる犬の迷子札ではあります。
犬の迷子札:革素材の特徴
革素材は犬の首輪やリードでも人気で、愛犬にも優しいというイメージで、犬の迷子札も革素材を選ぶ方が多いです。しかし革素材といっても、本革や合成皮革(合皮)な ど様々な革があります。
革だから大丈夫と安易に購入して、後から悔やまないように、革の特徴も知っておきましょう。
革でもアレルギーが出るの?
もちろん革でもアレルギーが出ることもあります。
まず、合成皮革(合皮)に関しては、本革を使用している訳ではなく、布地をベースに表面だけを天然の革に似せて作っているだけで、革ではありません。合皮は素材としてはプラスチックと同じなので、逆にアレルギーが出やすい素材です。
しかし、それを知らずにプラスチック素材でアレルギーが出たからと、革素材の札に買い替えて愛犬につけ直したところ、その迷子札が合皮だった為に再度アレルギーが出たという話しも聞いたことがあります。
本革のアレルギーに関して
本革の場合は、首輪や犬の迷子札として商品にする前に、革の腐食を防ぐ為に加工しますが、その加工に使う液は草木から取れる『タンニン』を使用している為、本革でアレルギーが出ることはほとんど無いと思います。
ただし注意しなければいけないのが、『クロムなめし』という金属で加工する方法があるのですが、その加工方法の場合、革アレルギーが出なくても金属アレルギーとして症状が出ることがあります。
しかし加工方法に関しては、記載していないことがほとんどなので、愛犬に金属アレルギーがある場合は『栃木レザー』を使用している犬の迷子札や首輪を選ぶことをオススメします。
本革素材の迷子札のメリット
長く使える
使えば使うほど革自体に味が出てきて長く使える。ただし犬の迷子札の場合は、擦れなどで刻印が薄くなることがある。
衝撃に強く耐久性がある
本革自体は頑丈な為、愛犬の激しい動きなどにも耐えられる。
アレルギーが出にくい
他の素材に比べるとアレルギーが出にくい安心素材。金属アレルギーのある犬の場合は『栃木レザー』の革がオススメ。
デザインや見た目がオシャレで可愛い
可愛いデザインの物やアンティークな雰囲気の物など、愛犬に似合う迷子札が多い。
本革素材のデメリット
水に弱い
革は水に弱く、シミができてしまいます。対策としては、革用の防水スプレーをすることで、ある程度の水気によるシミなどは防ぐことができます。
価格が高い
本革は基本的に価格が高く、高価な物が多いです。中には安い犬の迷子札もありますが、安い革素材は染色加工に化学薬品を使っているものも多いので、購入する際は注意が必要です。
手入れが必要
革は乾燥に弱く、放っておくとひび割れなどをおこします。長く使用する際は『ミンクオイル』などで定期的に油分を浸透させなければいけません。
犬の迷子札:ステンレス素材の特徴
犬の迷子札でも人気のステンレス素材。
みなさんステンレスといえば、「アレルギーが出なくて丈夫な金属」というイメージをお持ちの方が多いですが、全てのステンレスがそうではありません。
ステンレスには種類が多く、全てのステンレス素材を説明するとキリがないので、ここではただの『ステンレス』と『サージカルステンレス』の違いを説明したいと思います。
ステンレスとサージカルステンレスの違い
ステンレス
まず『ステンレス』は一般的に鉄がべ一スで、クロムとニッケルなどを加えた合金です。ステンレスは鉄の最大の弱点である『錆び』を防止するように改良されて作り出された金属で、長持ちするという特性を持っています。
しかし鉄がベースでできている分、アレルギーか出ないということは決してありません。
よく無知なネットショップで、「アレルギーの出ない犬の迷子札」と書いていますが、素材説明欄に『ステンレス』だけ記載している場合は、シルバーや他の金属素材の迷子札と同じと思っていいと思います。
サージカルステンレス
では『サージカルステンレス』は何かというと、サージカルステンレスはJIS企画で「SUS316L」と呼ばれ、医療用工具のメスや注射針などに使用されているほどアレルギーが極めて出にくい素材です。
もし愛犬に金属アレルギーがある場合は、『サージカルステンレス』と記載している迷子札を購入しましょう。
金属アレルギーがないのであれば、ステンレスでも問題なく使用でき、丈夫で変色のしないオススメの迷子札です。
ステンレス素材の迷子札のメリット
軽くて丈夫
ステンレスは金属の中でも軽くて丈夫なので、愛犬に負担がかかりにくい素材です。
アレルギーが出にくい
『ステンレス』ではなく『サージカルステンレス』は医療用のメスや注射針で使用されている為、金属アレルギーのある犬でも迷子札をつけることができます。だだしごく稀にステンレスアレルギーがある場合もあるので、装着後しばらくは様子をみてあげましょう。
安い
ステンレスは素材自体がとても安い為、かなり安価で販売されているお店もあります。安いところで700円~で販売されているので、安価な犬の迷子札をお探しの方はステンレス素材で探してみるといいかもしれません。
変色しない
ステンレスは変色のしない金属で、錆びることもないので手入れ要らずで長く使えます。
ステンレス素材のデメリット
刻印が薄い場合が多い
ステンレスは固い素材の為、レーザー刻印がほとんどで文字が薄いことが多いです。なかなか刻印が消えることはないですが、薄いとせっかくの名前やデザインが見えないので、オーダーの際はレーザー刻印が深いショップをオススメします。
デザインのバリエーションが少ない
ステンレスは硬く、加工が難しい金属です。最近は機械技術の向上で、人間用のステンレスアクセサリーには自由なデザインが多くなりましたが、犬の迷子札などにはまだ使われておらず、ありきたりで面白くないデザインの迷子札がほとんどです。
安っぽい
ステンレスは金属の光り方のせいなのか、「価格相応の価値」などと言われています。犬がつける迷子札なので、特にデザインにこだわりがなく、気にしないのであれば、素材的にはとても優秀な素材なので、ステンレス素材の迷子札はオススメです。
ステンレスとチタンの違い
ネットショップなどで犬の迷子札を探していると、素材が『チタン』の迷子札も出てくると思いますが、基本的には似たような特徴の素材です。
簡単にステンレスとチタンの違いを伝えるなら、「ステンレスより少し軽くて高価な金属」というくらいの感じで覚えておいて大丈夫です。
犬の迷子札:木素材の特徴
木素材の犬の迷子札は安価で販売されていて、アレルギーがでることがほとんどなく、安心してつけてあげることができます。
- プラスチック素材
- 革素材
- ステンレス素材
- シルバー素材
もし今までに紹介したこの4つの素材にアレルギーがでたなら、この木の迷子札しかないと思います。
ただし『ブナの樹』『杉の木』にはアレルギーを起こす個体があるため、それ以外の『ヒノキ』などの木材の迷子札を選ぶ事をオススメします。
また、木材を加工する際の腐食剤などで犬の肌があれることもあるようなので、購入した際は1度しっかりと洗浄して天日干しをすることで、さらに安心して愛犬に付けてあげられると思います。
木素材の迷子札のメリット
安い
安い物ならヒノキの素材でも、焼き刻印をいれても700円などで販売されています。
愛犬の体に優しい
木は軽くてアレルギーがでることが少ないので、愛犬への負担を最小限に減らすことができます。
デザインが豊富
木もシルバーと同様に加工がしやすいため、かわいいデザインの犬の迷子札が多いです。
木素材の迷子札のデメリット
水に弱い
木は水に濡れると柔らかくなるので傷がつきやすく、刻印も消えやすい為、定期的に買い替える必要があります。
壊れやすい
木は濡れると柔らかくなり、乾いているときは固くて割れやすいです。購入する際は、木の厚さが5mm以上あると簡単に割れる事がないと思うのでオススメです。
犬の迷子札に関する今回のまとめ
長々と犬の迷子札の素材の特徴をお伝えしましたが、犬に関しては人間ほど金属アレルギーや革アレルギーを持つ子は少ないので、そこまで気にする必要はないと思います。今回の記事は、もし購入した迷子札でアレルギーが出た際、違う素材の犬の迷子札を選ぶ時の参考にしてもらえると幸いです。
犬の迷子札や服に関して、「そんなものを身につけさせるのは人間のエゴだ!!」という人もいますが、その人は犬を飼っていないか、愛犬が迷子になったことがないからそういうことが言えるのだと思います。
あなたがかわいがっている愛犬だからこそ、かわいい犬の迷子札や服を着せたいと思うのは、当たり前のことです。
もし愛犬が迷子になった時も何か身につけているからこそ、「この犬は捨てられたのではなくて、迷子になったのかも。」と思い、発見した人が犬の迷子札を見てあなたに電話をしてくれて、また愛犬と再会できる。
犬の迷子札はたしかに人間のエゴかもしれませんが、それ以上にあなたと愛犬を結ぶとても大事なものなので、是非あなたが愛犬につけたいと思う迷子札を見つけてあげてください。
ユーザーのコメント
40代 女性 セナ
40代 女性 匿名
ただ、首輪に付けていて愛犬がカキカキしてしまって金具部分が広がって外れてしまい、無くしてしまう事が多々ありました。
海外旅行に行った際に、自動販売機で作れる迷子札があったので試しに作ってみました(写真有。裏面に名前とTELが印字されています)これに、ストラップ紐を付けて愛犬の首輪に巻きつけたところ、引っ掻いても取れずにいまだに使っています。金具よりも、丈夫なストラップ紐の方が良いのだと思いました。やはり、災害時や迷子になった時に迷子札があれば見つかる可能性も多くなるので、これからもつけてあげたいと思います。