基本情報
イタリアングレーハウンドの基本情報
- 性格
- 活発、愛情深い、従順、甘えん坊、感受性が強い(ナイーブ)
- 大きさ
- (体重)2.8~5kg
(体高)32~38cm - 毛色
- 単色 :ブラック、シール(赤茶色味を帯びた濃いグレー)、ブルー(青みがかった灰色)/グレー、レッド(赤みがかった茶色)、フォーン/イザベラ(薄い茶色)など
2色 :レッド&ホワイト、ブル-&ホワイト、グレ-&ホワイト、フォーン&ホワイト、シール&ホワイト など - 寿命
- 約12年~15年
ルーツと歴史
イタリアングレーハウンドの歴史は非常に古く、はっきりとしない部分も多くありますが、元はグレーハウンドが小型化されて作られた犬種だと言われています。
花瓶や壺などに描かれた絵や、お墓から発見されたミイラを見ると、古代エジプト時代にはイタリアングレーハウンドの祖先となる犬がファラオの宮廷で飼育され、約2000年前には現在のギリシャやトルコでも高貴な人たちのペットであったことが確かなようです。
また、紀元79年ヴェスビオ火山の噴火によって埋もれたイタリア・ポンペイの遺跡でも、小さなハウンドタイプの犬が首輪をつけ繋がれているモザイク画が残されていたり、鎖で繋がれた状態で亡くなった犬の石膏像が作られています。
石膏像の犬がどんな犬種であったのかはっきりとは分かっていませんが、イタリアングレーハウンドタイプの犬だと考えられていて、モザイク画の犬も石膏像の犬も番犬としての役割を果たしていたと考えられています。
イタリアングレーハウンドは16世紀頃までにはヨーロッパ中にひろまり、ルネサンス期のイタリアなどでは貴族や王族から絶大な人気を誇り、たくさんの肖像画にも登場しました。
しかし、小さい犬を作ろうとするあまりに健康面を軽視した交配が繰り返されひ弱な犬種となっていたことと2回の世界大戦の影響により、第二次世界大戦後には絶滅の危機に瀕します。
しかし、1800年代にヨーロッパからアメリカに渡っていたイタリアングレーハウンドの子孫を基に繁殖が行われ、頭数が回復しました。
特徴
初心者
✓飼いやすい犬種。ただし飼育環境を整えておくことも必要。
穏やかで飼い主に一途な性格です。また、お手入れのしやすさという点では、初心者でも飼いやすいでしょう。
ただし、細身の体つきは骨折のリスクが高いため、思わぬケガに注意が必要です。
寒さにも弱いので、洋服を着せたり、室内の温度を調整するなど、防寒対策にも気を配りましょう。
愛玩犬としての歴史も長いため、穏やかで従順な子も多い一方、サイトハウンドとしての性質を色濃く持っている子も多くいます。
サイトハウンドとしての性質が強い場合、猫や小動物を追いかけたい衝動にかられたり、速く走る運動を好んだりするため、飼い主さんがうまくその衝動をコントロールしたり欲求を満たしてあげる必要があります。
イタリアングレーハウンドの体質と性質を把握し、飼育環境を整えたうえで迎えてあげてください。
性格
✓とても甘えん坊で家族愛が強い。ひとりの時間に慣れる練習も行おう。
とても甘えん坊な性格です。家族の前では、リラックスして寄り添う姿をどんどん見せてくれるでしょう。
しかしその一方で、家族がそばにいないことが苦手になる子もいるようです。
不安や恐怖心から人間にとってはイタズラとなるような行動をとることもあるため、幼い頃からお留守番やひとりでいることに慣れる練習を取り入れてあげましょう。
学習能力
✓何度か練習して理解すればきちんと覚えるが、コントロールが難しい場合も。
怖がりで繊細な一面がある子がいたり、走ることが大好きで特に子犬期は活発に動き回ることが多い犬種のため、しつけは少し大変かもしれません。
しかし、正しい方法で繰り返し練習すれば、ゆっくりとでもきちんと理解してくれます。
どんな犬に対してもそうですが、イタリアングレーハウンドは飼い主の気持ちを敏感に受け止める犬種なので、恐怖を与える方法でのしつけは悪い効果しかないことが特に多いでしょう。
運動とスキンシップでストレスを発散させて欲求を満たしながら、ほめるしつけで信頼関係を築いてあげてください。
先ほども書いたように、サイトハウンドとしての性質が強い子の場合、衝動的に動くものを追いかける欲求にかられたり、単に飼い主さんの言うことに従うよりも自分で考えて行動したいと思うことがあります。
そのような場合、初心者ではコントロールが難しかったり、「しつけが入らない」と飼い主さんが思ってしまうことがあります。しつけが難しいと思ったら、早めにプロのトレーナーさんなどに相談しましょう。
お手入れ
✓ほとんど手間はかからない。足元のケアを行う時にはケガに注意。
短毛種なので、毛をカットする手間はかかりません。
自宅でシャンプーを行う場合でも、ごく短い被毛のため洗うのも乾かすのも楽で、短時間で終えることができます。
手足が細いため、爪切りや足を拭く時にはケガをしないよう、優しい手つきで行ってあげましょう。
抜け毛
✓定期的なお手入れで抜け毛対策は十分できる。
シングルコート(一重構造)の被毛で、保温のための下毛がない犬種です。そのため、ダブルコートの犬種で見られるような大量の下毛が抜ける明らかな換毛期はないでしょう。
ただし、シングルコートの割には抜け毛が多く、掃除で取り除くのが大変な短毛が季節に関わらず室内に散らばるという声も多くあるようです。
週に1~2回のブラッシングと、月に1回ほどのシャンプーで、室内に落ちる前に抜け毛を取っておくと良いでしょう。
汚れや抜け毛が気になる場合は、タオルや犬用のボディシートなどで拭いてあげるのも良いでしょう。
におい
✓お手入れをしていれば体臭はあまり感じない。
被毛は短くシングルコートの犬種であるため、においがこもることなく体臭は弱めです。
体臭を予防するケアは、ホットタオルで拭いてあげる程度でも問題ないでしょう。
けがや病気以外にはお手入れに手のかからない犬種のため、飼い主さんが自宅でするお手入れで最も大事なものは歯のケアとなるでしょう。
歯の汚れが溜まると歯石となって歯周病を引き起こし、放っておくと「口がくさい」と感じることがあります。
イタリアングレーハウンドには遺伝的にエナメル質形成不全を持つ犬がいると言われ、その場合には歯垢や歯石がよりたまりやすくなってしまいます。
食後は歯磨きの習慣を取り入れて、キレイな歯をキープするよう心がけてみてください。
吠える
✓ほとんど吠えない。ただし環境によってはしつけが必要。
吠えることは少ない犬種と言われています。わがままや自分の気持ちを伝えたい時にも、吠える手段をとることはほとんどないそうです。
ただし、警戒心から少しだけ吠えることはよくあるようで、生活環境によっては吠え癖がつくこともあるでしょう。
日頃から、吠えても良いことは起こらないと教えるしつけや、ストレス発散になる運動をしっかり行い、必要以上に吠えることがないようにしましょう。
人見知り
✓人見知りしやすい。慣れるまでには時間が必要。
外に出ると控えめで緊張しやすい性格になる子もいて、初対面の相手と仲良くなるには時間がかかります。
また自立していて他人にベタベタしたいと思わない子も多く、犬自身のスペースとタイミングを尊重してあげる必要があります。
グイグイ迫られることが苦手で、思わず後ずさりしてしまうこともあるでしょう。サイトハウンドには多く見られる性質です。
ただ、攻撃的であったり敵対心を持つタイプではないため、ゆっくりと時間をかければ、友好的な関係を築くことができるでしょう。
血統や生まれ育った環境によっては他人に対しても人懐っこい子もいるため、迎え入れる際に親犬の性格も見ておくのがおすすめです。
子供との生活
✓子供との同居に向いている子が多い。ただし犬のケガに注意が必要。
穏やかで家族の言うことを素直に聞く性格のため、子供とも良好な関係を築けるでしょう。
子供との生活は、どちらかというと犬のほうに危険が及ぶ可能性があります。
骨格が細い犬種のため、遊んでいるうちに無理な負荷がかかると骨折してしまう恐れが高まります。
椅子やベッドなどの高い所からジャンプをさせたり、手足を無理に引っ張ることなどがないよう、注意して見てあげてください。
性格
小さいながらサイトハウンド犬種にも分類されるイタリアングレーハウンドは、その華奢で美しくクールな外見に反して甘えん坊な性格をしています。
年々人気が急上昇しているイタリアングレーハウンドの魅力でもあるその性格についてご紹介します!
愛情深く従順
イタリアングレーハウンドはとても穏やかで甘えん坊、従順な性格をしています。
家族に寄り添って過ごすことを好み、攻撃性は強くありません。
無駄吠えも少なく穏和で頭も良いことから比較的しつけも行いやすいとされており、小さな子供とも良好な関係を築くことができるでしょう。
控えめで繊細
イタリアングレーハウンドは控えめで繊細な一面を持ちます。
特に飼い主以外の人や犬と接した際にその性質が出やすいため、子犬期から多くの人や犬と触れ合う機会を設け、社会化に尽力しましょう。
社会化が十分にできている上で他人や他の犬と触れ合うことを好まない場合は、犬のその性格を尊重してあげましょう。
恐怖心や不安を過度に抱くことがなく飼い主さんとの関係が良好であれば、他人や他の犬と仲良くすることを犬に強制する必要はありません。
また、吠えることが少なく感情や要求を表情や仕草で伝えようとする傾向にあります。我慢強くストレスを溜め込むこともあるため飼い主がしっかりと読み取ってあげることが重要です。
好奇心旺盛で遊び好き
優れた視覚、走力で獲物を追跡捕獲するサイトハウンドに分類されるイタリアングレーハウンドは、飛び跳ねたり追いかけっこをしたりすることが大好きです。
体型維持、ストレス発散のためにも十分な運動量確保を心がけましょう。
また、動くものを追う習性を持つため「戻れ」「とまれ」などのコマンドは徹底してトレーニングすることが大切です。しかしサイトハウンドとしてのその欲求をコントロールするのは難しいこともあるでしょう。
そのような場合には、サイトハウンドの扱いに慣れているトレーナーさんなどに相談し、飼い主さんが犬の行動のコントロールと環境の管理をしっかりとできるようになりましょう。
毛色
イタグレの毛色は「ブラック」「シール」「ブルー」「レッド」「フォーン」の5色が基本とされています。
それ意外にも「クリーム」「イザベラ」などの複数のカラーが存在し、ホワイトの模様が入ることもよくあります。
毛色の濃さは様々ですがドッグショーでは単色が望ましいとされています。
ブルー
特徴的なカラーであるブルーは、青みがかったグレーです。
イタグレの中でも人気が高く、国内外問わず主流となっている色です。
レッド
赤褐色のブラウンが特徴的なレッドカラー。
他犬種でもよく見かけるカラーですが、レッドは茶系の色の中でも濃い色味なのが特徴です。
ブラック(黒)
スタイリッシュなカラーです。
どのカラーでもホワイトが全く入らないまたはとても少ないソリッド(単色)の子は数が少ないですが、最近はソリッドのブラックの人気が上がっているようです。
フォーン
黒みがかったゴールドのような茶系のカラーですが、黒のさし毛や先端が黒い毛が入っている色をいいます。チワワなどに多く見られる色であり、柔らかい色味が特徴的です。
フォーンにもある程度の濃淡があります。
「イザベラ」と呼ばれるカラーもあり、一般的にはフォーンよりも薄い茶色を指します。イタグレにはクリームやイザベラといったフォーンよりも薄い茶色の犬もいますが、人や地域によってはフォーンを「イザベラ」と呼ぶこともあるようです。
シール
ブラックよりもやや赤茶色がかったカラーをシールといいます。
単なるブラックのように見えますが、よくみるとダークブラウンであることがわかります。なおシールとは「アザラシ」をさす言葉でもあります。
フォーン&ホワイト
レッドよりも薄い色味のブラウン、フォーンをベースにホワイトが入っているカラーです。ホワイトが入っている割合が多いと「(ベースとなっているカラー)&ホワイト」と呼ばれます。
個体により柄の入り方が違うため、2匹と同じ柄の犬はいません。
イザベラ
日本ではかなり珍しいカラーであるイザベラは、少し黄色味を帯びたベージュカラーです。
優しい色合いが特徴ですが、日本ではイザベラと表記されることは少なく「ブルーフォーン」や「イエロー」といわれていることもあります。
お手入れのアドバイス
イタリアングレーハウンドの被毛はごく短いので、頻繁なブラッシングやこまめなシャンプーは不要なため初心者でもお手入れしやすい犬種です。
ただし、ブラッシングの際は柔らかなブラシを使うなどして、皮膚を傷つけないよう注意しましょう。
皮膚を傷つけないようにお手入れを
イタリアングレーハウンドのごく短い被毛の毛質は柔らかく、なめらかな触り心地です。頻繁なブラッシングやこまめなシャンプーを必要とすることは少なく、初心者でもお手入れしやすいはずです。
被毛の表面についたほこりや短い抜け毛を取り除くには、皮膚を傷つけにくくブラシ部分が柔らかい獣毛ブラシを使い、週に1~2回程度行うと良いでしょう。
種類が豊富なラバーブラシでも良いですが、細く短い毛が生えている密度は低く、皮膚への刺激もダイレクトに伝わりやすいです。
うっかり力を込めてしまうと、愛犬に痛みを与えたり、皮膚に傷をつけてしまうこともあるため、あくまで「優しく」「なでるように」を意識して、ブラシを使いこなしてみてくださいね。
日常のお手入れは拭きとりだけでも十分
皮脂の分泌は多いタイプではなく、短い毛には汚れが絡みつくことも少ないため、イタリアングレーハウンドは皮膚病にかかっている場合を除き、体臭に悩まされることはほとんどありません。
月に1回程度を目安に全身シャンプーを行うと良いと思いますが、目立った汚れや臭いが気にならなければ、タオルを濡らして温めた蒸しタオルや犬用のシャンプータオルで体を拭くだけでも十分さっぱりします。
室内でついていたほこりだけでなく抜け毛も一緒に取ることができるため、ブラッシングの頻度も減らすことができるでしょう。
拭きとりを行う時には鼻先から頭にかけてスタートし、手足やしっぽの先に向かうような順で行うと、他の部位の汚れが顔周りに付着せず、目などの繊細な粘膜部分にゴミが混入して刺激してしまうのを防ぐことができます。
愛犬の気持ちに寄り添って無理はさせない
イタリアングレーハウンドは性格的にナイーブな一面や自立心旺盛なこともあり、爪切り・耳掃除・歯磨きなどのお手入れを「うまくできない!」と焦ってイライラしてしまうと、「飼い主さんの様子が怖い=今されているお手入れから逃げたい」や、犬が嫌がった時にやめてしまうと「嫌がればやめてもらえる」と学習し余計にお手入れをさせてくれなくなる、という悪循環に陥りやすいです。
愛犬が嫌がっているのを何とか抑え込もうと力を込めてしまうと、暴れて転倒したり乗っていた台の上から飛び降りたりと予想外の行動につながります。
細い手足が特徴の1つでもありイタリアングレーハウンドは、骨折しやすい犬種としても知られているため、無理なお手入れで恐怖や不安を与えないよう注意してください。
「大丈夫だよ。怖くないよ」と落ち着いた声で優しく声をかけつつ、初めのうちは実際に爪切りや耳掃除などを行わないまま、足先や耳、口元など敏感な部分に触られることに慣れてもらう練習から始めるのがおすすめです。
おやつに夢中になっている間に触る、抱っこして優しくなでる過程でついでに耳や口も触るなど、「お手入れのための練習」を繰り返し行ってあげましょう。
病気・ケガ
骨折が多く見られる犬種でもあるイタリアングレーハウンドは、日常生活で事故が起きない環境を整えてあげる必要があります。
また、皮膚や目の遺伝的な病気でも知られているため、早期発見・早期治療をしてあげられるように、病気やケガに関する情報をぜひ確認しておきましょう。
骨や関節の病気
イタリアングレーハウンドはその手足の細長い体格ゆえ、「骨折」で来院するケースが非常に多い犬種です。
抱っこから落ちたり、ソファから落ちたりするだけでも骨折することがあります。
運動量の多い活発な犬種ですから、段差のあるところからのジャンプなど、無理な動きをしないよう常に気を付けてあげましょう。
室内の環境を整えるとともに、お散歩中に突発的な動きをさせないような工夫やしつけも大事になるでしょう。
骨折しやすいために若齢でも手術が必要となるケースが多いです。
骨折しないよう気を付けることはもちろんですが、子犬であってもペット保険に加入するなど、万が一に備えておくことが勧められます。
骨折以外には、他の小型犬と同様に膝蓋骨脱臼が見られることがあります。股関節形成不全とレッグ・ペルテス病(大腿骨頭壊死症)はイタグレでの発生率は非常に低いとされていますが、動物の整形外科の団体であるOFAではイタグレでも股関節の評価をすることを推奨しています。
皮膚の病気
淡い色の被毛の犬に起こる「カラーダイリューション脱毛症(CDA)」と呼ばれる脱毛症が、ブルーの被毛を持つイタリアングレーハウンドで見られることがあります。
この脱毛症のみであれば多少のかゆみやフケが多く見られることはありますが、全身の健康を損なうことや命に関わることはありません。
ただし、紫外線や寒さ、皮膚の乾燥などには、より気をつける必要があります。
皮膚状態が悪く二次的に細菌感染等を起こしてしまう場合はとてもかゆがったり、赤みやブツブツなどの症状を伴いますから、脱毛が見られた場合は動物病院で診てもらいましょう。
CDAの完治は難しいですが、ホルモンの補充によって症状を改善することができます。海外の検査機関にはなりますが、CDAの遺伝子検査を行っているところもあります。
目の病気
イタリアングレーハウンドは「網膜剥離」を起こしやすい犬種です。
「網膜剥離」は外からの光をとらえる網膜がはがれてしまう疾患で、視力の低下や消失を伴います。
動物での視力の低下は人間から見て分かりづらいですが、イタリアングレーハウンドで「物にぶつかる」「おもちゃを追わない」といった症状があれば、積極的に眼科検査を受けましょう。
治療法や予防法として「レーザー治療」があります。必要な場合は眼科が得意な動物病院を受診しましょう。
イタリアングレーハウンドは硝子体の変性が多く見られる犬種であることも分かっています。
ある研究では、イタグレでは硝子体の変性が多くない犬種(グレーハウンド)に比べ91倍も高い確率で硝子体の変性が認められたという結果が得られているそうです。
人間においては硝子体の変性は加齢性白内障や網膜剥離、後部ブドウ膜炎などの眼疾患との関連が指摘されています。しかしその研究では、白内障やレンズ脱臼、緑内障、網膜剥離と硝子体の変性との関連は見つかっていないそうです。
【参考論文】
Krishnan H, Diehl K, Stefanovski D, Aguirre GD. Vitreous degeneration and associated ocular abnormalities in the dog. Vet Ophthalmol. 2020 Mar;23(2):219-224.
イタリアングレーハウンドはまた、進行性網膜委縮(PRA)が多く見られる犬種でもあります。イタグレのPRAには複数の原因遺伝子が特定されていて、利用可能になっている遺伝子検査もあります。
カルフォルニア大学デービス校獣医学部の遺伝子検査機関では、他犬種にもみられるタイプのPRAであるPRA-prcdの検査がイタグレも対象になっているだけではなく、複数のPRA原因遺伝子を調べPRAのリスクを90%の確率で検出できるイタグレだけが対象の検査も提供しています。
カルフォルニア大学デービス校獣医学部遺伝子検査機関の、イタグレにおけるPRAのリスクを予測する検査についてのページ
イタグレでの遺伝子検査が行われている病気には他に、原発閉塞隅角緑内障というタイプの緑内障とエナメル質形成不全がありますが、いずれも海外の検査機関でのみ実施されています。
その他の病気
甲状腺機能低下症と自己免疫性疾患、てんかんも、イタグレで見られやすいと言われています。
また、病気ではありませんが、現在のイタグレは非常に限られた数の犬の子孫であるため、アメリカのイタリアングレーハウンドクラブでは遺伝的多様性の乏しさを課題としており、遺伝的多様性についての遺伝子検査も行われています。
アメリカのイタリアングレーハウンドクラブ(Italian Greyhound Club of America)
イタグレの遺伝的多様性検査(カリフォルニア大学デービス校獣医学部の検査機関)
イタリアングレーハウンドはその体型ゆえに「骨折」が非常に多いです。抱っこからの転落や落差のある場所の登り降りには格段の注意が必要です。
また、「網膜剥離」を起こしやすい犬種であると同時に、「白内障」や「緑内障」など、その他の眼科疾患にも注意が必要です。
特に緑内障は激しい痛みを伴う緊急疾患でもありますから、目に異常を感じたらすぐに動物病院で検査を受けてください。
その他にも、歯周病が悪化しやすい傾向にあります。若いうちから自宅での歯磨きなど、口腔ケアを心がけましょう。
必要な場合は麻酔下での歯科処置も検討してください。ただし、イタグレを含めたサイトハウンドは様々な理由から麻酔をかける際には他犬種よりもさらに注意が必要となります。サイトハウンドの特性を理解している獣医師にお任せできると安心でしょう。
イタリアングレーハウンドのラインスタンプ
イタグレ♥ラブリースタンプ♥
イタリアングレイハウンドの仲良し姉妹LIA&VIVIのLINEスタンプ。デフォルメされたイタグレが魅力的です。
ねことイタグレ イタリア語 ver2
世にも珍しいアビシニアン(猫)とイタグレのイタリア語LINEスタンプです。のほほんとした絵柄がかわいい。
イタグレマニア!
イタリアングレーハウンドがアニメイラスト風になったスタンプ。イタグレらしい表情豊かなイラストは必見。
国際畜犬連盟(FCI)に所属しているジャパンケネルクラブ(JKC)のスタンダードには、「原則としてホワイトは胸と足にのみ許容される」と書かれており、FCIに所属している原産国イタリアと同様に単色が好ましいとされています。
FCIに加盟していないアメリカ(AKC)やイギリスの(KC)のスタンダードにはホワイトの割合や範囲に関する記述はなく、「許容されないカラーやパターンは、ブリンドルとタンマーキングのみ」と説明され、様々なホワイトの入り方のカラーが認められています。