犬の更年期障害?
人間の場合、「更年期」と呼ばれる時期にはホルモンバランスが崩れることで、さまざまな症状が現れるといわれます。女性の場合は動悸やめまい、頭痛や体が火照るホットフラッシュなどの症状で知られています。男性の場合は性機能関連の症状、筋肉や骨の痛みや発汗などの身体症状、落胆やうつなどの精神的症状が起こります。
これらの更年期に起こる症状は女性の場合は生理の終わりである閉経を挟んだ10年間(平均45~55歳)、男性の場合は40歳以降に起こる可能性があるといわれています。
こういった障害のことを更年期障害と呼びますが、犬の場合は中年期になると人間の更年期のような症状が現れはじめます。犬の大きさや犬種にもよりますが、犬の中年期とは大体6~8歳頃を指します。元気に見えるものの、少しずつ内面の健康に問題が起こり始める時期でもあります。
そんな犬の更年期ではどんな症状が現れるのでしょうか。また、治療法や予防法はあるのでしょうか。
犬の更年期障害の症状
犬の更年期障害では次のような症状が見られます。
身体的症状
- 冷えや微熱
- 便秘や下痢
- 食欲不振
- 体のこり
精神的症状
- 不眠
- 落ち込み
- イライラ
人間のようにどこからどこまでがホルモンの影響なのかを調べることは難しいといわれていますが、これらの症状は去勢や避妊の有無、性別問わずに発生する可能性があります。しかし、特に中年期に突入するメス犬によく見られるのだそう。
犬の更年期障害に治療法や予防法はあるの?
人間の場合は更年期の症状に合わせて、ホルモン補充療法、漢方薬による治療、抗うつ薬などの薬による治療が行われます。しかし、犬の更年期の場合、これといった治療法は確立されていないのだそう。
更年期障害はホルモンバランスの崩れが原因のため、場合によっては去勢や避妊手術によってホルモンの分泌自体を止めるというケースはあるようです。現在のところ治療法は去勢や避妊という手段が主になってくるため、飼い主さんにできる予防自体も残念ながらありません。
飼い主さんにできることは、愛犬が6歳を過ぎたあたりから様子をよく観察し、異変をいち早く察知することです。特にメス犬の生理の期間が延びたり、生理の量に変化があった場合は注意が必要です。
まとめ
【犬の更年期障害の症状】
- 冷えや微熱
- 便秘や下痢
- 食欲不振
- 体のこり
- 不眠
- 落ち込み
- イライラ
【治療法】治療薬はなし(避妊や去勢)
【予防法】特になし(よく観察すること)
犬の更年期障害については、残念ながら人間のように治療薬などはないことが分かりました。しかし、愛犬の様子をよく観察することで異常をいち早く察知することは大切です。更年期障害以外にもホルモンの乱れや生殖器に起因する病気は起こります。
例えば5歳以上のメスに多い子宮蓄膿症になった場合、最悪の場合は多臓器不全に陥って死んでしまうこともあります。
これらの更年期障害や生殖器の病気についての治療法は避妊手術が第一です。そのため、ためらう飼い主さんも多いかもしれません。しかし、繁殖を目的としていない場合は病気のリスクを考えて早めに避妊手術を行うケースが増えています。よく考えた上で、検討してみてください。
また、犬も歳を重ねることでさまざまな健康上の問題が現れてきます。そのため愛犬の様子をよく観察することはやはり大切なのです。全てを予防することは難しいことですが、いち早く察知することで治療や痛みの緩和を行うことができます。ぜひ、普段から愛犬の様子をよく観察し、異常に気付いてあげられるようにしてくださいね。
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