外部寄生虫
ノミ
肉眼で見ることができます。いるかどうかは、尾の付け根に黒い小さいゴミのようなものがあったら、それを濡れたティッシュで挟んでみてください。ティッシュに血が付いたらノミがいます。
ノミは犬の体で吸血して尾の付け根に糞をします。ノミは飛ぶイメージを持たれている方が多いですが、犬の体を移動するときは飛ばず、走ります。動きは速いので捕まえるのは困難です。
下へ下へ移動する習性を持っているので、犬が普通にしている時は、腹側にいることが多いです。
また、犬にノミが5匹以上寄生していた場合は、犬の体で繁殖をしているので、犬をシャンプーなどに出している間に、家にバルサンなどの殺虫剤を焚くのがいいです。
この時、犬が使っているベッドやクッション、毛布など可能であれば捨ててしまって、新しいものを用意します。
卵には殺虫剤が効かないので、2週間後もう一度焚きます。また、ノミは人間も刺すことがあるので(刺されるととてつもなくかゆいそうです)、徹底的に駆除してください。
ダニ
肉眼で見えるのはマダニです。その他、肉眼で見ることが難しいヒゼンダニ、ツメダニ、耳ダニ、ツツガムシなどがいます。
・マダニ
マダニは草むらに行くとついてしまうことが多いです。基本的にどこでも吸血しますが、特に足の指の間、耳周囲に見られることが多いです。
マダニは満腹になると犬から離れます。皮膚の中に頭を突っ込んで吸血するので、もし付いていたら無理にとらず、病院などで取ってもらってください。
頭が残ると再生するといわれていますが、そんなことはなくそこの部位が炎症を起こします。もちろんマダニも人間に寄生することもあります。
・ヒゼンダニ
疥癬を引き起こすのはヒゼンダニといわれています。顕微鏡でしか見ることができない大きさです。
ヒゼンダニは皮膚の下にトンネルのようなものを掘って生活するので、犬にとっては眠れないほどの激しいかゆみを伴います。
そのため、皮膚が傷つき、そこから雑菌が入って炎症を起こすなどの二次感染が起きることがあります。
肘や耳の先端に脱毛や炎症が見られたら要注意です。また、疥癬は人間にもうつります。
・ツメダニ
ツメダニは、犬がたくさん集まる施設でよく見られます。こちらも顕微鏡でないとみることができません。
仔犬に寄生すると背中に大量のフケが出ることが多いです。痒がることはあまりありません。
人間にも寄生します。腕に多く、ニキビ状の発疹とかゆみが出ます。
・耳ダニ
耳ダニは耳垢を餌に生活するダニです。かろうじて肉眼で見えます。寄生されるとやたら頭を振ったり、赤褐色から黒色の耳垢が大量に出たり、耳だれが出ます。
幸い、人間には寄生しませんが、犬同士で伝播します。
・ツツガムシ
ツツガムシは枯草に潜んでいる寄生虫で、顕微鏡でないと確認できません。指の間や、耳や口周囲にかゆみを伴う炎症を起こします。
内部寄生虫
内部寄生虫は蠕虫と原虫に分かれます。
蠕虫
蠕虫は犬にもっともよく見られる内部寄生虫で、線虫類と条虫類に分かれます。
線虫類:円筒状でクリーム色、回虫、鉤虫、鞭虫、糞線虫です。大体成虫で腸に寄生しますが、心臓や肺に寄生するものもいます。
条虫類:体が小さな体節が連なった平らな形をしています。小腸に寄生しています。
腸に寄生する蠕虫類には、回虫、鉤虫、鞭虫、条虫、糞線虫があります。
・回虫
回虫は犬にもっともよく見られる寄生虫です。仔犬の場合下痢や嘔吐が起きることがあります。また糞の中に回虫を排出することもあります。
大量寄生されている場合、まれに死亡することもあります。仔犬は母親が回虫に寄生されていた場合、胎盤経由で胎内にいる時に寄生する場合と、母乳から寄生する場合があります。
・鉤虫
鉤虫は小型の寄生虫で、腸の粘膜に寄生し吸血します。これが原因で、貧血を起こしたり、血液の混じった下痢、食欲不振、体重減少などが起こります。
・鞭虫
鞭虫は細い糸のような太さで、5~7cm程度の大きさです。大腸や小腸に寄生、吸血をするので、血液の混じった下痢や体重減少などを引き起こします。
・条虫(サナダムシ)
瓜実条虫(サナダムシ)はノミが運び屋となって犬の体内に寄生します。特に条虫が原因で病気になるということはありませんが、大量に寄生している場合には下痢や食欲不振が起こることもあります。他に、ヘビやカエルなどから感染する条虫もいます。糞や肛門から体節が出て、驚くことがあります。
・糞線虫
糞線虫は便中に混じって排泄される寄生虫で、下痢の原因になります。
※犬糸状虫については、ご存じの方が多いので割愛させていただきます。
原虫
原虫は顕微鏡でしか見ることができない単細胞生物です。
原虫にはたくさんの種類があるので、代表的なものを紹介します。
コクシジウム症、トキソプラズマ症、バベシア症などがあります。
・コクシジウム
コクシジウムは腸管に寄生し、水様の下痢を引き起こします。特に仔犬は寄生されていてもストレスや不衛生な環境でない限り、重篤な症状を起こすことはありません。
・トキソプラズマ
トキソプラズマが仔犬に重篤な疾患を引き起こすことは稀です。発熱、食欲低下、腹部膨満などがあります。
・バベシア原虫
バベシア原虫は赤血球に寄生します。ダニによって運ばれます。寄生された犬は重度の貧血を起こしたり、黒褐色の尿が出たりします。
最後に
簡単ではありますが、外部寄生虫と外部寄生虫をまとめてみました。
栄養状態をよくして、ストレスをかけない、清潔にする、きちんと予防するだけで犬の健康は守られます。
ユーザーのコメント
40代 女性 さくらママ
緊張して食欲がないのかと思っていたが
水飲まず、えさも小食、でもおなかパンパン。
うんちが出ていないせいかと思っていたら、突然嘔吐し、その中に区クルクルの小さな固まりが何個も!!
伸ばしてみたら、先端がとがっていて『回虫』だとわかりました。
口から出る物なのですか?
子犬に口元を舐められたり、被毛に口付けたりしているので
感染していないかも心配です。
先住の動物達にも移ってないか心配。