犬の脳梗塞の症状や原因、治療法から予防法まで

犬の脳梗塞の症状や原因、治療法から予防法まで

犬が脳血管障害を引き起こすことはないと考えられていましたが、脳梗塞を引き起こす可能性も高くなっています。原因・症状・後遺症・リハビリなどについて考えてみました。

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記事の監修

日本獣医生命科学大学卒業。北海道の大学病院で獣医師として勤務。一般診療をメインに行いながら、大学にて麻酔の研究も並行して行う。「動物と飼い主さんに寄り添った治療」を目標に掲げ、日々診療に励んでいます。

犬の脳梗塞について

首をかしげるパグ

とても稀ではあるようなのですが、犬にも脳梗塞という病気があります。私たち人間の場合、脳梗塞は生活習慣病のひとつであると考えられていますが、わんちゃんの場合ははっきりした原因はわかっていません。

脳の血管が破裂し、出血によって血栓が生じ、もしくはなんらかのものが脳の血管につまることで部分的に脳障害が起きる病気のことを言いますが、重症である場合には治療をする間もなく亡くなってしまう可能性もあるとても恐ろしい病気です。

犬の脳梗塞の原因とは?

公園の芝生で遊ぶトイプードル

脳梗塞は、脳の血管が破裂し、動脈に血栓やもしくはなんらかのものが詰まることが起きる病気です。これは、犬の場合も人間の場合も同じです。

犬の脳梗塞はとても稀な病気であり、あまり馴染みがありません。しかし、これからもっと増えていくのではないかとされています。

犬の脳梗塞の症状

ベッドで横になるジャックラッセルテリア

病変部によって異なります。例えば、首が曲がってしまったり(斜頸)、眼の揺れ、元気消失、麻痺などがあらわれるようです。人の脳梗塞の初期症状には、めまい・頭痛・手足のしびれなどがあります。しかし、犬の場合、それらの症状がそれらがあったとしてもあることを言葉にして伝えることができません。

「めまいがするよ」「頭が痛いよ」なんて言えないですから、私たち飼い主が気づかなければなりません。初期症状は、しっかり愛犬の様子を観察していなければ気づくことができない症状だと思います。

また、獣医さんに診察をしてもらった場合でも、症状を伝えるだけでは脳梗塞であるか他の病気であるかの判断は難しく、MRIやCTなどの特別な検査が必要なのだそうです。

獣医さんの診察により、脳神経の異常が疑われる場合、MRIやCTは全身麻酔を必要とする検査であり、病変部を見つけることができます。

犬の脳梗塞の原因が不明の場合もある

犬が脳梗塞などの脳血管障害を引き起こすことはとても稀なことだ、と考えられてきたのですが、MRIやCTが普及し、脳梗塞などの脳血管障害を引き起こす可能性がある、と考えられるようになりました。

また、脳梗塞を発症してしまった犬の中には、心臓病・甲状腺機能低下症・副腎皮質機能亢進症などの病気を併発していることが多いとされています。

愛犬が脳梗塞を引き起こしてしまったら

犬の歩行器で歩く犬

脳梗塞は早期発見がとても重要です。重度である場合には亡くなってしまう可能性がとても高いですし、早期発見によって後遺症が残ってしまうリスクも減らすことができます。

発見が遅ければ遅いほどに後遺症が残ってしまうリスクは高くなりますし、愛犬にとっても飼い主さんにとっても、つらいリハビリが必要となる可能性があります。

犬の脳梗塞の後遺症・リハビリについて

  • 歩き方がおかしい
  • 首がずっと傾いたままである
  • 足に麻痺が残る
  • 寝たきりになる

このような後遺症が残ってしまう可能性があります。

自分の足で自由に歩くことができなくなってしまった犬は

  • 気分が落ち込む
  • 食欲が低下
  • 体力が低下してしまうなど

飼い主さんには介護の知識が技術が求められるようになります。

後遺症が残った犬は、カラダを動かす機会が減り、筋肉が凝り固まってしまったり、動かしにくなってしまうため、とても可愛そうに感じることもあります。

しかし必ず毎日のリハビリを行わなければならず、愛犬が不安になってしまったり、気分が落ち込んでしまわないようにするため、飼い主さんがイライラしてしまったり、悲しんでしまったりしないよう、楽しく明るく過ごさなければなりません。

脳梗塞後の後遺症と闘う犬やリハビリを一生懸命に頑張る犬の姿を動画で見ることができます。ぜひ、「犬 脳梗塞 リハビリ 後遺症」などで検索してみてください。

まとめ

お散歩するポメラニアン

犬も脳梗塞を引き起こす可能性があります。とても稀な病気ではありますが、決して可能性のない病気ではありません。
適切な食事、適切な運動、適切な知識で愛犬を守ってあげたいですよね。

また、愛犬と幸せに暮らせるよう、私たちも食生活や生活習慣、早期発見など愛犬の健康状態を把握すことが必要なのではないか、と考えさせられました。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 コロ

    犬にも脳梗塞ってあるんですね。人間と同じですね。
    適度な運動とライフステージに合わせたフードの見直しはとても大事だと改めて気が付かされました。
    我が家の愛犬も高齢になり、食べては寝る繰り返しになりがちなので、予防のためにも無理のない運動を取り入れなくちゃと思います。
  • 投稿者

    女性 ゴン吉

    心臓病が脳梗塞のリスクを高める原因にもなりうるということでしょうね。愛犬が心臓病なので日頃から食生活には厳しくしています。適度な運動も必要だとは思うのですが、高齢であることから控えめにしています。体が重いと力を入れる機会も増えてしまい、心臓に負担をかけてしまうので、体重も少しずつ落としています。
    それにしても肥満は殆どの病気に繋がってしまうことなんですね。注意したいと思います。
  • 投稿者

    女性 Yaiko

    昨年、私の父親が脳梗塞になりました。幸い、早期発見と周りに友人たちがいたようで、すぐ助けてくれたので大事には至りませんでしたが、最近は「脳梗塞」という言葉を聞いただけでゾクゾクしてしまいます・・・。人間だけに起こるものかと思いきや、脳梗塞は犬にも引き起こるのですね!我が家には犬がいるので怖くなりました。人間は「助けて!」などと言葉でその状況を説明することができますが、犬は言葉で伝えてくることができないので、普段からよく様子を見ていてあげないといけませんね。また、特定の獣医さんを持って、定期的に健康診断や相談を受けに行くことも、愛犬を守る上で大切なことだと思います。近年は人間だけに起こる病気が犬にも引き起こるようになってきましたね。
  • 投稿者

    50代以上 女性 ryuto6111

    我が家の、14歳になるシェルテーは、昨年の春ころからめが目が緑内障になり、見えなくなりました。それからは、肺炎を二度この冬には小脳梗塞になり、斜頸が少し残りましたが食いしん坊が幸いして手作りフードや、ささみを食べて命をつないでいます。市販の柔らかいフードを食べると、お腹を壊すことが多くなり、ラム肉、ささみ、サトイモ、サツマイモ、キャベツ、りんごを、圧量鍋で煮て柔らかくして、ロイヤルカナーンのドックフードを細かくして混ぜて食べさしています。犬の脳梗塞、人間の脳梗塞の症状によく似ています。判断は、目の瞳孔の揺れを見て判断しているようです。寒さと、高齢も原因の一つのようです。
  • 投稿者

    30代 女性 ここ

    12歳になろうとするメスのワンコです。一昨日後ろ足片方が力がなく、また捻ったかなと思い翌日、うまく立てずふらつきながら崩れてべたっと伏せる状態になりました。ふらつきながら右往左往し崩れる、の繰り返しでみてられません。明日病院につれてくのですが恐らく脳梗塞ではないかと思います。これからの事や今までの後悔で悲しい気持ちでたまらなくなり書き込みさせて頂きました。同じ経験のある飼い主さん、気持ちの持ち方どうしたらいいか、、、お言葉下さい。
  • 投稿者

    女性 もふころ

    わんちゃんも高齢によって脳梗塞になる可能性が上がるのでしょうか。
    血管や血液の状態が特に重要になってくるので、日頃からの食事ケア、持病を持っていればそちらも注意ですね。
    犬の脳梗塞は眼振がわかりやすいとあるので、毎日愛犬の目薬の際にチェックしておこうと思います。
  • 投稿者

    50代以上 女性 J

    我が家の7歳のチワワが突然、部屋の中をグルグル回り続け、ゲージの中に入れてもグルグル回り続けました。突き当たると何度も掘り、先に進めないので、又、回り始めました。
    夜8時位から夜中の2時過ぎまでの長い時間でした。何度も止めさせようと試みましたが、止めてはくれません。その後眠って、朝はいつもとおりに戻っていました。
    4日後に同じ事が起こり、翌朝は目がうつろで元気がない。急いで病院に行き、2日間点滴をしてもらい、MRI検査を勧められました。高額でしたが、大切な命には変えられません。検査可能な病院を紹介してもらい、翌日検査を受けました。水頭症と他に脳梗塞と脳炎の疑いで、髄液と血液検査を追加で、脳梗塞である事はわかりました。脳炎に関してはまだわかりません。薬を4種類飲む事になりました。薬を飲ませる事は大変です。
    まさか、7歳まで元気だったのに何故?
    不思議でたまりません。
    ドックフードとジャーキーしか食べていませんでしたし、お留守番は多いですが、もう一匹のチワワと一緒で仲良しです。
    実はもう一匹のチワワもやはり7歳で軽い心臓病と診断され、1種類の薬を飲み続けついます。
    辛くても我慢します。
    それをなかなか表情に現さないので、可哀想で仕方がありません。
    これ以上、悪化しないで良くなって欲しい!
    大切な命です!
    とっても可愛いらしく、私を癒してくれて!感謝の気持ちで一杯です。
    2匹のチワワと私と!お薬を飲み続けながら頑張ります。

  • 投稿者

    女性 匿名

    我が家のわんちゃんは先日脳梗塞で亡くなりした。11歳でした。
    気づけたことが沢山あったのにと後悔しているので少しでも参考になるように細かく長文で書かせていただきます。
    亡くなる1週間くらいに夜、急に立ち上がったり歩くとこが出来なくなり、腰を少し触るとキャン!と痛そうにしていました。翌日の朝かかりつけの病院に連れていくとヘルニアかもしれないという事でお薬を貰いました。高齢で、犬種がコーギーだったのもあり私達もヘルニアかな?と思っていました。GW前だったので薬で様子を見て改善しないようだったらGW明けにMRI検査ができる別の病院をおすすめされました。薬を与えるとすぐに歩けるようになりご飯も食べて元気になったので安心していましたが、3日後にご飯を食べなくなり、次の日に下痢と嘔吐(消化されてない)がありました。前の日に食欲が無かったので少しリンゴをあげたのでお腹壊したかな?と思って様子を見ていたら次の日には食欲はまだ無いものの少し元気になってきていました。次の日、ご飯は少ししか食べませんでしたがうんちも出て顔も元気になったので安心していましたが、お昼頃、愛犬が寝ている所からバタバタバタバタと大きな音がしたので駆け寄ると、首がおかしな方向に傾き、手と足もピンっとなって横たわっていました。口も開いていてヨダレがダラダラと出て泡になっていました。その様子を見てもうダメかも知れないと覚悟しました。日曜だったのでかかりつけの病院は空いてませんでしたが他の病院で検査や点滴をしてくださいました。脳に以上があるかもしれないとのことでMRI検査ができる病院に連絡すると見てくれることになりました。車での移動の1時間半の間、暴れないように抱き抱えていましたが愛犬は目が回っているかのようにぐわーんと首を起こして動かしたりしていました。病院でMRI検査について、わんちゃんの様子だと麻酔をかけるのは危険です、覚悟してくださいとの事でした。でもこのまま検査も治療も出来ないのも命に関わるとのことで検査をしました。検査の結果、お腹の脾臓と副腎に大きな腫瘍があり、小脳にも転移していて脳を圧迫していたそうです。重度の脳梗塞で今までいつ亡くなってもおかしくない状態が続いていたみたいでした。麻酔をかけたあとからは斜頸は治っていましたが、手の施しようがないと言われ、今夜も危ないがもし意識が戻れば明日の朝かかりつけの病院に行くしかないそうです。ここに1泊入院させてもいいけど、今夜何があってもおかしくないよ、どっちにするかわんちゃんとあなた達家族にいい方を決めてねとの事だったのでお家に連れて帰りました。帰りの車でも愛犬の様子を見ると意識が戻りそうな気配もなくもう今夜が最期かもしれないと思いました。たくさん「ありがとね」「大好きだよ」「可愛いね」といつも愛犬が喜んでいた言葉をかけました。家に着いて1時間もしないうちに最初は一生懸命だった呼吸が徐々にゆっくりになり最後は父が仕事から帰った瞬間、父を待っていたかのように気持ちよさそうにスっと息を引き取りました。お昼に様子が急変してから亡くなるまで8時間程一生懸命がんばってくれました。もっと早く気づけてやれたのにと少し後悔はありますが11年間の感謝や家族全員で最後を看取れて良かったという気持ちでいっぱいです。少しでも皆様の参考になればと思っています。
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