冬も危険なマダニ対策!季節ごとにやるべき5つのこと

冬も危険なマダニ対策!季節ごとにやるべき5つのこと

マダニが活動するのは春や夏だけではなかった?!冬も危険なマダニがいるって本当?愛犬をマダニから守るために季節ごとにやるべき5つのことを再確認しておきましょう。また、犬がマダニに刺された時の症状や治療法、注意点などについてもご紹介します。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

マダニは冬も危険!

芝生で寝転ぶ犬

マダニとは主に屋外の草むらに生息する大型のダニのことを指します。一般的に家の中に住むダニ(ヒゼンダニ、イエダニ)などとは種類が異なり、体は固い外皮に覆われ、口の先はノコギリのようにギザギザとしています。また、その大きさは微小ダニ(イエダニ)に比べると約8~10倍に相当すると言われています。

マダニに限らず、ノミやダニは春や夏など気温の高い季節に注意する必要があると認識している飼い主さんも多いかもしれません。しかし、気温の低い冬であっても油断は禁物。実は、年中通してマダニ対策をする必要があるのです。

マダニが犬に寄生することで様々な症状を引き起こしたり、重篤な病気を媒介したりする可能性もあるため、気温の低い冬であってもマダニ対策を怠らないように注意しましょう!

冬にもマダニが危険な理由

草むらと犬

マダニに限らずノミやダニは春から夏など気温の高い季節に活発化することで知られていますが、あくまでもそれは活発化する時期であるというだけで秋や冬にマダニが全く存在しないわけではありません。マダニにも様々な種類が存在するため、秋や冬などの気温の低い季節であっても愛犬に寄生する可能性は十分にあります。

実際にマダニが活発に活動するのは春から夏頃とされており、一般的には夏に十分に吸血した後に動物から離れ産卵、秋頃には幼マダニになり冬眠します。この冬眠をするというマダニの習性から考えると「冬にマダニはいない」というのは間違いではないのですが、種類によっては2月頃には冬眠から覚め活動を始めるマダニの存在もあれば、年中通して活動するマダニの存在もあります。

近年では実際に真冬でもマダニが犬に寄生する症例が多く報告されているため、季節に関係なくマダニ対策を行うよう喚起されています。特にマダニは生命に危険を及ぼす感染症を媒介することもあるため、今一度愛犬のマダニ対策について確認しておきましょう。

冬にやるべきマダニ対策

薬と犬

冬にやるべきマダニ対策には以下のようなものがあります。

予防薬の投与

冬に限らず愛犬をマダニから守るための対策として最も現実的なのは、マダニに対する駆除薬を投与することです。「ノミダニ駆除薬は何月から何月まで利用すればいい?」と悩む飼い主さんも多いようですが、基本的に気温や時期に関わらず通年通してマダニを含むノミダニの対策をするのが望ましいと考えられています。

動物病院で処方されるノミダニ駆除薬にも様々な種類がありますので、マダニに対応している駆除薬かどうかを事前にしっかりと確認しましょう。また、ノミダニ駆除薬にも副作用の存在があるため、愛犬の体質によっては投与期間を考慮しなければならない場合もあります。その場合は地域性や生活環境などを考慮した冬のマダニ対策についてかかりつけの獣医師に相談しましょう。

お散歩コースの確認

冬にするべきマダニ対策として愛犬をマダニが生息している可能性が高い場所に近づけないことも大切です。マダニは山や森の草むらや河川敷の草むら、広い公園、田んぼや畑の周辺などに生息していることが多いとされています。愛犬のお散歩コースにマダニが潜んでいそうな深い草むらなどがないかどうかを今一度確認しておきましょう。

日本国内で確認されている犬に寄生するマダニの種類は20種類以上と言われています。代表種にはフタトゲチマダニやキチマダニ、ツリガネチマダニ、シュルツェマダニなどがありますが、なかでもキチマダニは真冬でも寄生が確認されていたり、ツリガネチマダニは都心部に多く生息し地面や犬小屋の周りで寄生されたりすることもあるため注意が必要です。

洋服を着せる

冬にやるべきマダニ対策として、愛犬が嫌がらないのであれば洋服や帽子などでなるべく体を隠すのも一つの手です。マダニは犬の体温が高い場所を好んで咬み付く習性を持ちます。犬の体温が高い部位は頭や首、胸、上腕や太腿です。この全てを洋服で隠すのは実際問題困難ではありますが、特に咬み付かれやすい首や胸、頭部を洋服や帽子で隠して対策するのも良いでしょう。

夏にやるべきマダニ対策

駆除薬と犬

夏にやるべきマダニ対策には以下のようなものがあります。

駆除薬の投与

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1,180円(税込)

商品情報
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夏にやるべきマダニ対策は、冬のマダニ対策同様に駆除薬の投与が第一です。また、動物病院で処方されるマダニ駆除薬とあわせてお散歩などの外出時には犬用の防虫スプレーを利用するのもおすすめです。

特にアウトドアやドッグランなどに出掛ける際は念には念を入れ、マダニ対策を徹底しましょう。この時、愛犬に人間用の防虫剤を使用することは絶対に避け、必ず犬用の防虫剤を選ぶようにしてください。

お散歩後のボディチェック

夏にやるべきマダニ対策として、お散歩などの外出後にはマダニに咬み付かれていないかどうかを確認するために必ず全身のボディチェックを行うことが大切です。特に耳の付け根や目の周り、首、胸、脇の下、太腿の付け根など被毛が少ない部分や見えにくい部分は念入りにチェックしてください。衣服を着用していても隙間からマダニが入り込むこともありますので、帰宅したら一度衣服を脱がして全身をチェックしましょう。

マダニに刺された症状と治療法

獣医師と犬

マダニに刺された症状と治療法についてご紹介します。

マダニに刺された症状

マダニはノコギリのようにギザギザとした口先で犬の皮膚を食い破り吸血します。犬がマダニに刺されると、まず引き裂かれた皮膚細胞とマダニのセメントのような唾液成分によって免疫反応が生じ、痛みやかゆみなどの一時症状を引き起こします。しかし、マダニは寄生した際に麻薬様物質を口から出すので寄生していることに犬が気づきにくくなります。更に複数のマダニに吸血されることで貧血症状に陥ることもあれば、唾液中に毒性成分を持つマダニに吸血されることで歩行障害などの麻痺症状を引き起こすこともあります。

また、マダニは刺咬部位の炎症以外にも様々な病気を媒介することで知られます。マダニが媒介する病気には人獣共通感染症としても知られる犬バベシア症やライム症、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)などがあります。いずれも重篤な症状を引き起こし生命に関わる可能性がある病気であるため注意が必要です。

マダニに刺された時の治療法

犬がマダニに刺された時の治療については、まず皮膚に咬み付いているマダニの除去が最優先となります。マダニはノコギリのような口先とセメントのような唾液成分によってしっかりと皮膚に咬み付くため少々引っ張った程度ではなかなか取れません。そのため、マダニを除去する場合は動物病院で専用のピンセットや薬剤を使用して皮膚から引き抜く必要があります。

また、マダニの除去後は駆除薬や抗生物質などの投与が行われます。更にマダニが感染症を媒介している疑いがある場合は必要に応じた検査を行いましょう。

マダニに刺された時の注意点

マダニに刺された時の注意点はマダニを無理やり取らないようにすることです。マダニは一般的なイエダニなどの微小ダニと異なり、吸血することによって500円玉程の大きさまで膨れ上がる場合もあるため、その見た目に驚き、思わず無理やり取ったり引っ張ったりしてしまいそうになるかもしれませんが、まずはそのまま動物病院を受診してください。

犬の皮膚に咬み付いたマダニを無理に引っ張ると犬の皮膚内にマダニに口器だけが残存し、化膿などの症状を引き起こします。マダニに刺されたのが夜間や休日など動物病院の診療時間外であった場合や既にマダニを取ってしまった場合であっても、マダニの口器の残存や何らかの感染症を媒介している可能性があるためなるべく早く動物病院を受診してください。

まとめ

草むらを歩く犬

冬も危険なマダニ対策についてご紹介しました。マダニに刺されるとただ皮膚の炎症を引き起こすだけではなく重篤な感染症を媒介する可能性があるため、季節に関係なく年中通して常に警戒しておかなければなりません。近年では都心部など比較的自然の少ない環境であっても冬場のマダニ寄生が確認されており、それらのマダニが媒介する病気には完治が困難なものや生命に関わるものも少なくありません。

マダニ対策として最も現実的なのは動物病院で処方されるノミダニ駆除薬です。ホームセンターなどで市販されているダニ予防薬の殆どがマダニを予防、駆除できないものとなっているため、必ず動物病院処方のノミダニ駆除薬を利用するようにしてください。また、愛犬がマダニに寄生された場合は焦らず、動物病院へ急ぎましょう。

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ユーザーのコメント

  • 投稿者

    女性 スタバー

    マダニやノミって、本当に厄介ですよね・・・。犬を飼うと決めた時に、大好きな犬が家に来る!とウキウキして、犬用グッズを買いそろえていましたが、うっかりこの害虫予防策に対してはよく考えていませんでした。しかし、犬を飼うと決めた時にきちんと考えておかなければいけないことの上位に入ると思います!大好きな犬を害虫から守ってあげなければなりません。我が家の愛犬は柴犬で、外で遊ぶことが大好きです。特に芝生などでゴロゴロしたり、草むらに入るとテンションが上がるようで、ジャンプしながら遊んでいます。この草むらはマダニが潜んでいる可能性が高いので、注意が必要です!家に帰ってから、よ~く犬の体をチェックしています。また、我が家ではフロントラインなどのお薬を塗ってあげたりして予防していますよ。
  • 投稿者

    女性 くりーむそーだ

    ノミやダニですらやっかいなのに、マダニは比べものにならないくらいやっかいで気を付けなければいけないですよね。
    犬から人へ移る場合もありますし、マダニで命を落としてしまう事もあるため、予防、早期発見するしかないですよね。

    お散歩をするなら、草むらなど避け気を付けてもマダニが寄生してしまう可能性があります。
    マダニは草の中から動物が通ると飛び乗り、寄生するチャンスを待っているんだそうですよ。恐ろしいですね。

    ここではマダニを取るのが難しい場合は動物病院へとありますが、マダニを見つけたら迷わず動物病院へ行ってください。その方が安全です。取った際に頭部など体の一部が残ったままにしてしまったりするとやっかいです。
    マダニに関しては獣医師さんにお任せした方が良いと思いました。

    マダニは見つけづらく特に毛量が多いわんちゃんだと寄生する場所によっては見つけるのが困難ですよね。
    なのでマダニ予防をするのが一番効果的だとおもいました。
    フィラリア予防が始まる春から冬にかけてはフィラリアやマダニ予防もされる方は多いとおもいますが、冬はどうしても油断してしまいがちです。
    ノミやダニやマダニは年中予防し、ハーブなどの天然の虫避けスプレーなどのグッズを併用してあげるとさらに効果は高くなるので良さそうですね。

    特に夏場はマダニに関して注意しているイメージはありますが、冬場は大丈夫かな?なんて思いがちになります。
    改めて日々のボディチェックや予防が大切だと思いました。
  • 投稿者

    女性 小鳥

    マダニで死亡事故のニュースがたまに目につくようになりました。人間も死んでしまうような毒性のあるマダニがうちの体重たったの4kgの愛犬についてしまったらと考えると恐ろしくなります。神経毒を持つマダニから愛犬を守るために対策は万全にしておきたいです。
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