犬の口が開かなくなる病気がある!?
犬の口が開かなくなってしまうことがあるのをご存知でしたか?口が開かなくなってしまうと、ご飯を食べることはもちろん、吠えることもできませんし、寝起きの可愛らしいあくびだってできませんよね。何らかの病気が原因のこともあれば、噛み合わせの問題のこともあるようです。
口が開かないと栄養を摂取できない
病気で長期間いつもより口が開かない状態が続いてしまうと、ご飯を食べづらくなってしまうので、栄養をしっかり摂取できなくなりますし、症状に早めに気づき治療を開始しなければ二度と口が開かなくなってしまう危険性も…。食べることが大好きな犬が、口から食べ物を食べることが出来なくなってしまうのは、とてもつらいことだと思います。早期発見のためにも、口が開かない原因についてお伝えいたします。
犬の口がいつもより開かない時に考えられる原因3選
1.顎関節症
誰もが一度は耳にしたことがあるであろう「顎関節症」。人でも二人に一人は発症すると言われる顎関節症は、犬にも起こりうる病気です。顎の骨と頭の骨を繋ぐ顎関節が、様々な原因により炎症してしまう病気。軽度な症状は顎の震え、また口や舌をクチャクチャするなど。症状が悪化してしまうと、全く口が開かなくなってしまうこともあるようです。
実は人の顎関節症もそうですが、原因がはっきりとは分かっていないようです。事故により顎の骨を骨折し炎症が引き起こされたり、硬いものを噛み続けることで、顎の骨が硬化してしまうことも原因のひとつになるのではないかと言われています。
症状が軽いうちは手術により治すことも出来ますが、口が完全に開かなくなってしまってからでは手術で治すことは難しいよう。口が開かず食事がとれなくなった場合は、胃にチューブを取り付けて食事をとらなければならなくなるケースもあるようなので、早めに気づいてあげることが重要になります。
2.咀嚼筋炎
咀嚼筋炎とは免疫機能の異常で発症する病気のひとつ。顎周りの筋肉など、食べ物を噛むときに使われる筋肉が炎症を起こし、口を動かすたびに痛みが生じてしまいます。症状が重くなると筋肉が萎縮してしまい、まったく口が動かせなくなることもあるようです。
咀嚼筋炎の場合は、口を動かすだけでも痛みがありますので、口を開けられる状態だったとしても、ご飯をうまく食べられなくなる、また、ご飯を嫌がるなどの行動が見られることもあります。
咀嚼筋炎には急性と慢性があり、急性の場合、顎や首のリンパに腫れがみられ、発熱することも。また慢性の咀嚼筋炎は口を開けにくい状態が長く続くため、ご飯を食べることが難しく、栄養状態に問題が起こることもあります。
免疫異常が関係している病気と考えられているため、予防は難しく気づいた時には病状が進行しているケースも少なくないよう。愛犬が口を開けにくそうで、食欲低下が見られた時は早めに受診しましょう。
3.上下の前歯の間に物が挟まってしまう
病気ではない原因で犬の口が開かなくなることもあります。どうやら老犬に多い状況のようですが、上の前歯と下の前歯をかみ合わせたときの、上下の歯が重なっている部分に偶然、物が挟まって口が開けられなくなることがあるようです。飼い主さんから見ると「愛犬がタオルを噛んで離さなくなった」と感じるようですが、犬自身は口を開けられなくなっている状況。
「なんで自分で噛んだもので口が開かなくなるの?」と思われるかもしれませんが、犬の歯の噛み合わせは、上の前歯は下の前歯よりほんの少し前に出ていて、口を閉じた状態では上下の前歯は少し重なっています。この少しだけ重なっている部分に、ロックするかのようにタオルやハンカチなどの生地が挟まってしまうことがあるようです。
この状況が老犬に多い理由は「筋力が弱いから」。比較的年齢が若い犬であれば、力任せに口を開けるのかもしれませんが、老犬の場合、口を開ける力自体が弱くなっているので自力では難しいよう…。飼い主さんが無理に開けようとするのも危険を伴いますので、動物病院で処置してもらうのが一番になります。
まとめ
犬の口が開かなくなってしまう病気は意外と多いようです。ご紹介させていただいた以外の病気だと、口内炎や歯周病が原因になることもあるよう。軽度の口内炎であれば自然治癒することが多いようですが、口内炎だと思っていたものが悪性腫瘍である可能性もあります。どんな病気でもそうですが、早期発見することで完治に繋がりやすくなりますので、気になる症状があるときはすぐに獣医さんに診察してもらいましょう。