犬のパルボウイルス感染症とは
1970年代、犬が次々と死んでしまうということが世界中で起こりました。
これがパルボウイルス感染症の始まりです。
パルボウイルス感染症は致死率が非常に高い病気で、感染している犬から経口感染します。
免疫力の弱い子犬や老犬が感染しやすいです。
パルボウイルス感染症の主な症状
腸炎型パルボウイルス
特に発症しやすいのは生後6~16週頃の子犬です。
感染してから7~10日ほどの潜伏期間の後、激しい下痢、嘔吐、食欲不振、元気がなくなる、発熱、脱水などの症状が現れます。
下痢は水溶性で悪臭があり、重症になるとトマトジュースの様な血便が出ます。
嘔吐と下痢により脱水状態になり、衰弱して死亡してしまうこともあります。
妊娠中のメス犬が感染すると死産や流産をしてしまいます。
心筋炎型パルボウイルス
元気だった犬が急に悲鳴を上げたり、嘔吐などの症状が現れます。
呼吸困難で30分以内に死亡してしまうケースがほとんどです。
症状が急激に現れる為、飼い主さんが気づいた頃には手遅れであることが多いです。
パルボウイルス感染症の原因
ウイルスに感染した犬の便や嘔吐物などを他の犬が舐めたり触れたりすることで感染します。
感染した犬が使った食器を使い回したり、人間が感染した犬を触った手で他の犬を触ることでも感染します。
多くの犬が一緒に生活している繁殖施設、保護施設などでは集団感染に対する注意がとくに重要です。
パルボウイルスは自然界で半年~1年は生存できるので感染した犬と接触しなくても感染してしまう恐れがあります。
普通の石鹸や消毒液ではウイルスに効かず感染力はなくなりません。
パルボウイルス感染症にかかりやすい犬種
特に注意が必要なのは免疫力の弱い子犬と老犬です。
また、確証は得られていませんが
- ドーベルマンピンシャー
- ジャーマンシェパード
- ピットブル
- ラブラドール・レトリーバー
- ロットワイラー
が他の犬種よりも症状の悪化が早く、回復率も低いといわれています。
パルボウイルス感染症の予防と対策
ワクチンを接種することで予防できます。
子犬を飼いはじめたら病院に行き、ワクチンを接種する時期と回数を確認しましょう。
母犬からもらった抗体の効き目がなくなるのが生後2ヶ月くらいなので、ペットショップからお迎えする頃が一番危険です。
子犬の頃は1か月おきに間隔を空けて2~3回接種します。
成犬になったら年に1回のワクチン接種を行いましょう。
感染してしまったら犬のケージや床、食器なども徹底的に消毒する必要があります。
前述したように普通の石鹸や消毒液ではウイルスに効かないので、家庭にある塩素系の衣類用漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)を薄めて消毒します。
それでも完全にウイルスを死滅させることは不可能なので、やはり予防がなにより大事になります。
また、感染した犬の排泄物や嘔吐物はすぐに捨てましょう。
排泄を外でしてしまうと土などにウイルスがついて、他の犬に感染してしまう危険性があります。
パルボウイルス感染症の治療方法
検査方法
パルボウイルスに感染すると血液中の白血球が減少するので、血液検査で診断します。
現在では検査キットもできており短時間で簡単に調べることができます。
治療方法
感染を防ぐ為、隔離しての治療となります。
入院ではなく通院になると思います。(入院になる場合もありますのでケースバイケースです)
発症後1~2日以内に治療すれば助かる確率は高くなります。しかし、死亡率が高い病気なので亡くなる場合が多いです。
ウイルスに効く薬は残念ながらありませんが、免疫力を高める薬や、二次感染から身を守る抗生物質、抗炎症剤、下痢止め、吐き気止めなどを投与して治療します。
初期治療が何より大事ですので、発症して5日経ったあたりから治療を始めると手遅れになってしまいます。
病院に連れて行くと、病院に来ている他の犬に感染してしまう恐れがあるので、「パルボかも!?」と思ったらまず病院に電話し、先生の指示に従いましょう。
パルボウイルス感染症の早期発見が愛犬を救います。
▼犬の病気を症状や病名から調べる▼
犬の病気大辞典!知っておきたい基礎知識
ユーザーのコメント
40代 女性 まゆみ
知らないうちに症状が進行し、手遅れだった…などと悲しい事にならないためにも必ず予防接種を受けたいと思います。
大切な大切な家族の一員のために…。
30代 女性 Chappy
初めて知りましたが、1970年代に次々とワンちゃんがパルボウィルスで亡くなるということがあったんですね。
特に心筋炎型のほうは、嘔吐のあと30分以内に呼吸困難で死亡してしまうことが多いとのことで、本当に恐ろしいと思いました。
しかも、ウィルスに効く薬もないんですね・・・ですが、このウィルスは予防接種で防ぐことができるウィルス。予防接種を絶対に忘れないようにしたいと思います。
20代 女性 小夏
多頭飼いをしているならきちんと予防接種しておくべきですね…飼い主さんの義務です!
30代 女性 匿名
血便、血尿、とても苦しそうでした。
土曜日で家族全員家にいた為、みんなで見送る事は出来ましたが…。
我が家は3軒連なってる家の真ん中。
隣のワンちゃんから、感染する病気とは知らず、気づいた時にはもう手遅れでした。
幸い、もう一軒のワンちゃんは感染しましたが、処置が早く大丈夫でした。
予防接種、ぜひして下さい!
40代 女性 匿名
我が家のチワワも、ペットショップから迎えて4日目のよるに、突然水下痢と、泡状の嘔吐でぐったりしました。初めての飼い犬で大した知識はなかったのですが、嫌な予感がしました。すぐに夜間診療の病院に連絡をしたところ、車で駐車場についても中にもいれてくれませんでした。駐車場のまま、かなり強い感染だということ、悲しいけど致死率90%であるということを説明されました。そのまま連れて帰り一晩中、暖め、注射器で1時間ごとに口に液体のごはんを運びました。体重わずか600㌘の仔犬には辛すぎました。幸い次の日に入院でき、ちゃんと2週間で帰ってきました。10%の生存でした。その後6歳の今まで、1度も体調を崩しません。
みなさんに、覚えていていただきたいのは、症状に気づいたらとにかく一刻もはやく病院にいってください。助かるかもしれません。
女性 匿名
うちに来て3カ月後位の、生後6カ月半頃。この急性心筋炎型にやられ、あれよあれよという間に
可笑しくなり、病院へ連れて行って預けて帰宅して暫くしてから急変、再度病院へ戻った時には…。
儚くあっけなかったです。暫くの間は寂しくても次のを迎えるのを自粛する事と言われ、獣医師の指示のもと、2週間ほどの間、塩素系の消毒液(市販の奴ですが)を30倍濃度に薄めたものであけても暮れても
拭き倒す様に言われ…。49日が過ぎるころに次のを迎え入れました、虚弱体質で病気に苦しんだ生涯と
なりましたが、14歳と10カ月迄生きてくれ…。今、可愛い3匹目がのんべんだらり~んと平和に
私の元で暮らしています。今年の10月で7歳になる♀の柴です。うちは、私と父親の2代に渡って柴です。
めっちゃ可愛いよ^^。はい、パルボには思いっきり痛い目にあわされましたので、ワクチン接種は勿論の事、不特定多数の動物が行き交う場所には、なるべく連れて行かない様にしてます。
40代 女性 ぱん
わたしの友人の犬も他の犬の便をちょっと舐めただけで、ひどい下痢をしてしまい緊急動物病院に行きました。
普段の生活のなかで、犬は見たものを何でも舐めてしまいがちですので、日頃からのしつけとわたしたち飼い主の注意がとても大切ですね。
感染には免疫力も関係してきます。
ある程度免疫がある子でしたら、症状が軽くて済むことがあるかもしれません。
愛犬が病気にならいよう、できるだけ免疫力を上げて毎日を健康に過ごせるようにしてあげたいですね。
そこで飼い主がしてあげられることは何かを考えてみました。
睡眠不足、運動不足を避ける。愛犬に合うドッグフードの見直し。愛犬が感じるストレスの原因を作らない。
そして太陽の光を浴びてビタミンDの生成。乳酸菌で腸内環境を整える。必要なら犬用サプリメント など。
大事な愛犬にはいつまでも元気で過ごしてもらいたいものですね。
30代 女性 ユーリ
50代以上 女性 ワンニャン
ただ我が家でパルボに感染した子達は動物病院での14日間の入院治療となりました。
かかりつけの動物病院に、隔離室があったためでもあります。
知り合いに話を聞くところによるとパルボの子達は動物病院は通院対応だと聞いて逆に驚いておりました。
女性 ゴン吉
母犬からの抗体が切れる頃に感染しやすいようです。対症療法しか方法がないということは、小さい体で頑張ってもらうしかないので、予防が何よりの対策です。
ワクチンで予防できるものなので、早めのワクチン接種が望まれますが、打つ前に感染してしまっていると危険です。特にペットショップでは流通過程の扱いがあまり良くないことが多いです。
ブリーダーさんから迎え入れる際も、迎え入れるまでにできる限りワクチンは早めに打ってもらうようお願いしておくと良いと思います。
30代 女性 匿名
連れて来て10日目、あと4日後ワクチンを控えてたその日ー朝ご飯食べて元気だったのにお昼過ぎあたりから、嘔吐、少し元気がありませんでした。夜もご飯は食べずぐったり。オシッコもうんちもいつも通りで疲れているのかな??と思ってました。次の日、少し元気も戻り遊んでましたがご飯は食べませんでした。オシッコもうんちも正常。夜になってかなりぐったりしていたため、次の日の朝に病院に行きました。
行きつけの病院が休みだったので違う病院に行きました。血液検査をしてもらったら貧血を起こしていて、脱水症状が酷かったので、小さな点滴と吐き止めなどの注射をしてもらい帰りました。でも改善されませんでした。水分ご飯食べず、うんちがちょっとゆるくぐったりしてました。次の日の朝病院で熱が40度以上あり血液検査は貧血白血球の数値が悪く、パルボウイルスの検査をしたらー。パルボでした。
ワクチンを打つチャンスが2回あったのに打たなかったことをすごく後悔しました。
その日に入院し、血液検査は悪くなる一方で白血球は12までに下がってました。覚悟もしてました。でも入院から4日目あたりからほんのちょっとずつ数値が上がって行き、ご飯も8ccぐらいずつ流しこんでも吐かなくなりました。それから14日の入院で無事退院して、ウイルスがいなくなるまでマメに通院しました。
今までの子達はちゃんとワクチンをしていたしウイルス感染の話を聞いたことが無かったので、まさか!!と思いました。ワクチンの大切さを知りました。これまで通りしっかりワクチンをします。確かにワクチン安くはないですけど、入院費など考えたらー20年分以上打てます。ウイルスを軽く考えてはいけません。
女性 匿名
信用した動物病院の診断が間違っていたこと(いまだにパルボじゃなくほかの病気を疑っています)で家に残っていた2頭は手遅れになってしまいました。
入院していた子は早期治療ができたので(パルボとしての治療じゃなかったけども)、助かりました。
今回の事でわかった事は子犬がこのような症状を見せた場合は90%以上パルボと思ってもいいです。
本当に苦しい、辛い、痛い思いをさせてしまった2頭には謝っても謝っても足りません。
40代 女性 いちご
女性 ぽち
ペットショップから迎えたばかりの犬にそんな危険があると知らなかったもので、すぐに会いに行きたくなってしまいましたが、それ以来しばらくは様子をみるようにしています。私がウイルスを運んで愛犬にうつしてしまったら大変なので。
20代 女性 玄米
我が家の一員になって一週間ほど経った頃、酷い嘔吐と下痢を繰り返し、翌日病院へ連れていくと、パルボウイルスに感染していることが分かりました。
その日から、うちの子は毎日病院へ注射を打ちにいく事になります。
現金な話ですが、なかなか高額な注射だったと記憶しています。
ペットショップでその子を購入する時に付いてくる保険があって、病院の先生も、ペットショップでその子を売ってくれた店員さんも、今ならその保険の範囲で同じ金額の仔犬と交換出来ますよ、と言ってくれたのですが、私は、どうしてそんなことが出来るだろう、と思いました。
だってその子はウチに来たとき、食欲旺盛で元気で生意気で可愛い我が家の男の子だったのです。
という事で、彼の治療が始まりました。
私は毎日病院に連れてくために、結構会社を早退しました。冗談じゃなく、結構言い訳のスキルが問われます。
犬を病院に連れていくので…って、社会では早退の言い訳にならないんだな…としみじみ思い知りました。
それでも家族の協力もあって、なんとか毎日病院に連れて行く事が出来ました。
でもやっぱりなかなか辛くて、もう違う仔犬と替えてもらったらどうだ?という意見も、家族の中から出たりしました。
悲しいですが、現実ですよね。
病院では、そこまでしても急に容態が急変して死んでしまうかもしれません、と言われました。それでも、受け入れてくださいね、というような話もされました。
彼は、パルボにかかったと分かってから先、まともにご飯も食べれなかったし、ずーーーっとずーーーーーっと寝てるかぐったりしてる、という状態だったので、私も私の家族も、無理なのかもな…と思っていました。
パルボの菌は潜伏期間…?というか、生き残る期間が長く、しぶとい奴は一年半ほどは生きているそうで、我が家にその子が来てから使ったゲージも、ゲージに敷いてた毛布も、水飲みも、おもちゃも全部、一度キレイに処分しました。
生まれたときから彼のお気に入りだったと言う布のおもちゃは捨てるのに気が引けましたが、いや、むしろ彼の為だ…!と思い捨てました。パルボ菌が残っていたら大変なのです。
そして、彼をよく病院に連れていく時に使っていた小さなキャリーバックも、その頃よく着ていた私の私服も捨てました。
母もよく彼に構っていたので、その頃母のよく着ていた私服も捨ててもらいました。
ああ、写真を撮っておけば良かったな、とその時初めて思いました。
そして二ヶ月後。
パルボに掛かってから約二ヶ月半ほどが経ちました。
その時、なんと彼はその病を完治させるのです!
すげぇな!と思いました。
稚拙な言葉ですみません、でも、よくやった!!!と思いました。
それはうちの家族の総意だったと思います。
その後も暫く免疫の不全があったりして、一歳の頃にニキビダニに感染し、目と鼻の間のマズルの一部に十円ハゲが出来たりしました。
その時も、治療費もバカにならないし、家族の負担も大きいし、やっぱパルボやった仔犬の頃に別の仔犬に替えて貰えば良かったじゃん!とか言う身内もいましたが、今ではそいつも我が家の黒柴くんを可愛がっています。
都合のいい奴め。
手前味噌ですが、
いまうちの子は超、かわいいです。
親バカですみません。
パルボを乗り越えたお陰か、今では病気一つしない、ちょっと恰幅の良い黒柴になっています。(笑)
病院の先生に何度も言われましたが、パルボ治療は手間も費用も時間も掛かるのに、それでも致死率90%を切らないという、恐ろしい死に至る病なのだそうです。
我が家の黒柴はほんっっっとうに運良く生き延びる事が出来ましたが、同じような手間を掛けても、悲しい事に死んでしまう子がほとんどなのだそうです。
残念ながらそうなってしまった子の飼い主さんの気持ちになると、本当にやりきれないな…と思います。
あんなに元気だったのに……
あんなに治療頑張ったのに……
あんなに可愛がったのに……
と思うと、もしうちもそうだったら…という想像をしてしまい、居ても立ってもいられない気持ちになります。
うちの子の場合は、先生の話によると我が家に来て一週間経たないうちにそうなった、という事もあって、おそらくパルボにはペットショップで感染したのだろうと言われました。
そういうこともあるのだな、と思いました。
それでも今この子が元気に生きてて良かったなと思います。
これからも、一緒に歳をとりましょう。(笑)
30代 女性 sakira
具合が本当に悪くなるまでは病気の事すら隠し通して笑顔で毎日散歩に行きました。
入院が決まった日のお昼、大好きなボールを追いかける姿は今でも忘れられません。
進行が本当に早くて入院した次の日の夕方獣医さんから亡くなった連絡を受けました。
その子は予防接種もしていたし変わったことと言えばうちに新しく来た子犬のコーギーが下痢をしていた事です。
当時、そのショップさんは下痢をしているのを知っていたのに私たちにその子犬を売りました。
あの時、子犬を引き取らなければあの子はパルボにかからなくて済んだのではないかと何度も悔やみました。
もしも今後ペットを迎える方がいましたら、ペットショップの対応に本当に気をつけて下さい。