犬の皮膚疾患で一番かかりやすい“膿皮症”とは?
ワンコの数ある病気の中で、犬種に関係なく一番かかりやすいといわれるのが“膿皮症”という皮膚病です。だから皆さんの愛犬もかからないという保証がないので、知らない方は一度この犬の濃皮症について学んでおきましょう。
膿皮症の種類は1つだけではない!
実は犬の膿皮症は1つの病気と思われがちですが、何パターンかに分かれています。その主な種類は3つあるんです。
表面性膿皮症
皮膚の一番外側の部分である表皮と呼ばれる場所に発生している膿皮症のことを言い、人間でいうとニキビのような形状の小さな膿ができます。
表在性膿皮症
毛包と表皮周辺に発生した膿皮症であり、毛の根元の角質層や、毛包と毛包の間に細菌が入り込んで広がってしまってます。酷くなると膿がはじけて赤くなる場合もあります。
深在性膿皮症
毛包全体、真皮そして皮下組織といった広範囲に発生し、細菌が皮膚の奥深くへと入り込んでしまっています。
ワンコが非常に痒がって掻きすぎてしまい、かさぶたや出血したり皮膚が厚くなったりもします。
ここまで来ると、熱が出たり等と体調にも影響を来します。
膿皮症の原因は何なのか?かかりやすい犬種は?
ワンコの身体にある常在菌が引き起こす
犬の膿皮症の原因の約90%がブドウ球菌と言われています。
ただ、このブドウ球菌そのものは皮膚の常在菌なので、基本的には害にはならないのですが、ワンコの皮膚は、角質が薄かったり、細胞の隙間にある脂質膜が少なかったり、毛包自体の防御力が弱いといった難点があるので、体調不良等で皮膚の中の細菌バランスが崩れてしまい、その結果として膿皮症を発症してしまうのだそうです。
膿皮症に特にかかりやすい犬種はいるの?
先程にも述べましたが、基本的には犬種を問わず、ほとんどのワンコにかかる膿皮症ですが、その中でも比較的かかりやすい犬種を強いて挙げるなら、
- イングリッシュセッター
- コッカー・スパニエル
- ブルドッグ
- ペキニーズ
といった、皮毛が長かったり密集していたり、また顔にシワのあるワンコが特にかかりやすいとされています。
自分の愛犬が膿皮症なのか知りたい場合は?
どんな検査をするの?
自分の愛犬が痒がったり、膿皮症のような状態になっている様子を見ても自分で判断をせずに、まずは動物病院へ連れて行きましょう。
濃皮症よく似た症状になる皮膚病に、皮膚糸状菌症という名前のカビによる皮膚病や、ニキビダニ症などがあるからなんです。
なので病院では、膿皮症か違う皮膚疾患なのかを見分けるために毛を抜いたりフケを集めたり、テープ(我が家の愛犬のプシュケは以前皮膚疾患になった際にテープで皮膚の細胞を取りました)を使って皮膚表面の細胞を顕微鏡で見る、などの検査を行うんです。
また濃皮症であると確定し、症状が悪化している場合は、血液検査を行って他の病気と合併していないかを調べる場合もあります。
膿皮症の治療はあるのか?
犬の膿皮症の場合、その種類や症状によって治療法が変わっていきます。
局所療法
表面性膿皮症のみの場合、“局所療法”という羅病した部分に対しての治療が行われます。
クロルヘキシジンやヨウ素を含んだ温水に10~15分間患部を浸したり、痒みを和らげる抗菌シャンプーや抗菌クリームや軟膏を塗っていきます。
投薬治療
表面性とは異なり、表在性や深在性膿皮症の場合は部分的ではなく、全身に対しての抗生物質の投与が行われます。
治療日数も長期におよび、表在性の場合は最低でも3週間、深在性の場合だと6週間以上の投薬期間が必要となるんです。更に再発を起こす可能性も高いので、治っているように見えても1~2週間は投薬を続けます。
膿皮症にならない為にはどうすれば良いのか
ではみなさんの愛犬が膿皮症にならないように日頃から気を付けるにはどうしたら良いでしょう?
まずは清潔にしておくのが一番です。
特に排泄物で汚れやすい陰部や下腹部、食べカスが残りがちな口の周りは常に綺麗に拭き取る等して清潔にしておきましょう。
また皮膚の風通しを良くする効果もあるので全身をくまなくブラッシングしてあげたり、被毛が濡れてしまったら細菌が発生する前にタオルやドライヤーを使って乾燥してあげましょう。そして使用したブラシはしっかり消毒しましょう。
寄生虫の管理を怠らない
膿皮症をはじめとする皮膚疾患の大敵ともされるのが、体の外に寄生してくるノミやダニといった外部寄生虫の存在です。
なので定期的に駆除薬を投薬したり薬用のシャンプーを行い寄生虫の繁殖を抑えましょう。
適切なメンテナンスを心掛ける
菌の繁殖しやすい夏場は、被毛をサマーカットするなどして短くしたり、こまめにブラッシングを行います。またシワの多い犬種の場合は顔を中心に、また他のワンコも股間などの蒸れやすい部分を1日1回濡れタオルで拭いてあげるだけでも効果てきめんです。
ストレスを溜めさせないようにする。
意外かもしれませんが、皮膚病とストレスの関係は繋がっています。
日頃から愛犬の側にいて愛情を注ぐなどしてスキンシップを図ったり、遊んであげるなどしてストレスを発散させてあげるようにしてあげましょう。
食事やサプリメントにも気を付ける
皮膚疾患を防ぐには免疫力を強くしておく事も大切です。
自然由来の栄養豊富でバランスがとれたフードや、ハーブやサプリメント等を食べさせてみるのも良いとされてます。その中でも特に良い栄養素は何かというと、
- 脂肪酸
- 消化酵素
- ビタミンA,C,E
です。更に免疫を高める効果のあるエキナセアというハーブもオススメです。
膿皮症に良い物はある?
ここで犬の膿皮症の予防に効果の期待できるシャンプー、サプリメント、フードを紹介させていただきます。
ビルバック(Virbac)犬用エチダン膿皮症用シャンプー200ml
エチダンは、アレルギー等の皮膚疾患の子でも安心して被毛の汚れと皮脂の汚れを落とせるように開発されたシャンプーです。
- 使い方
①ぬるま湯で皮膚と被毛をくまなく濡らします。
②適量のエチダンを被毛の上に直接ふりかけて、皮膚をマッサージするように時間をかけて洗ってあげます。(たらいにシャンプー液を作りそのたらいの中に入ってもらってもよいです)
③ぬるま湯ですすいでから、もう一度シャンプーし、10分間放置します。
④再びぬるま湯で良くすすいでからタオル等で良く拭き、乾かしてください。
皮膚疾患用のシャンプーなので、通常のシャンプーと比べて泡立ちが少ないのですが、ちゃんと汚れは落ちているので安心して下さいね!
M-リパレス
こちらは膿皮症の他にも、マラセチア、アレルギー性皮膚炎にも効果のあるとさるサプリメントです。
中に含まれている栄養素も、カルシウムにマグネシウムやアミノ酸含んでいる“カリカパパイヤ”や、ビタミンC、N-アセチルグルコサミン、カノコソウの根、ポップの花、タツナミソウ等と沢山の自然由来の物なので安心して与えられますね!
あげ方は、体重5kgのワンコ当たりティースプーン1杯半(3g)を3回に分けて食事に混ぜるだけです。
このフードは、皮膚疾患の犬の為に開発されました。食物アレルギーの原因となりにくい高消化性の原材料を使用し、また皮膚や被毛にも良いとされるオメガ3系脂肪酸やクルクミン、アロエや、その他抗活性酸素物質が含まれています。
おわりに
梅雨に入り、これから益々気温や湿度が上昇してくるので膿皮症をはじめとする皮膚トラブルにかかりやすくなります。
犬は痒いと感じても言葉が話せないので、私達飼い主は少しでも早く異変に気付いてあげられるように日頃からチェックをする習慣を身に付けておきましょう。