重症熱性血小板減少症行群(SFTS)とは?
重症熱性血小板減少症候群は2011年に中国の研究者によって発見された新種のウイルスがダニを介して人に感染してしまう感染症です。初めて国内で感染が確認されたのは2013年で以後、SFTSに感染した患者は年々増えています。
SFTSは潜伏期が5-14日ほどで、ヒトに感染した場合発熱、食欲低下や吐き気などの消化器症状、頭痛、筋肉痛、重度になると意識障害まで症状が見られます。
現在日本でSFTSを媒介するとされるダニはフタトゲチマダニ、ヒゲナガチマダニ、オオトゲチマダニ、キチマダニなどが確認されています。
これらのマダニの多くは梅雨の時期から秋口まで活動期で主に草原や丘にいる事が多く、人間に咬みつくことで感染させます。
国立感染症研究所は2017年にSFTSウイルスを持つマダニが確認されたマップを発表し、現在人の症例が報告されているの多くは西。特に九州で多くみられています。
犬にはどうやって感染するの?
最初にペットからの感染が確認された事例は2017年10月に徳島県で、40代男性が飼っている犬の看病をしている最中にマダニに咬まれ感染したとされておりイヌからもSFTSが検出されました。
マダニが犬に処方した駆虫薬によって駆除できたとしても、散歩中に草むらや広場でマダニに咬まれて感染している場合があり、その際は感染したイヌに舐められウイルスに汚染された唾液から感染してしまう恐れがあります。
犬がSFTSに感染した場合、主に症状を示さないことも多いですし、症例が少ないためはっきりとしたものがあるわけではないようですが、中には白血球や血小板の減少、発熱などが認められたり体調を崩すことがあります。ただ「SFTSに感染した」ために血小板が減少したのか、別の病気によって血小板が減少したのか獣医でも判別が難しいです。
現在確認されているペットからヒトに感染した事案の多くはマダニに咬まれたり、イヌに咬まれたり、犬になめられることによってウイルスに汚染された唾液や体液が直接体内に侵入することによって感染するケースが多いです。
現在国立感染症研究所はSFTSに感染している犬猫を全国的に調査中で、現段階の報告は国立感染症研究所のHP(http://www.niid.go.jp/niid/ja/sfts/3143-sfts.html)より見ることができます。
感染しないための予防策は?
では犬・飼い主共にSFTSに咬まれないためにはどうすればよいかをこれから紹介していきます。
肌の露出を防ぐ
ダニは蚊と同様、ヒトや動物の血を吸うことで栄養分を吸収するので、肌などについてしまうことがあります。
ですので、まずは散歩の際に草が生えている場所に行く際は長袖長ズボン、できれば帽子までつけて肌の露出を避けることを意識しましょう。
犬が咬まれていないことを確認する
先程も述べましたように飼い主が感染していなくても犬が散歩中に感染している場合があり、感染源が犬になる場合があります。
犬がSFTSを持つマダニ咬まれていては飼い主に感染するリスクが高まりますので、散歩から帰った際は軽くでいいですので犬が何かに咬まれていないか確認しましょう!
また、おうちにダニを持ち込まないためにも、ダニの予防薬をつけることも大切です。
毛が薄い部分には特に注意!
散歩中に咬まれていなくても、家の中に住み着いているSFTS持ちのマダニに犬が咬まれている場合があります。
特に眼や鼻、耳、指などの毛が薄い部分は常日頃から何か異常が起きていないか観察をするように心がけましょう!
自分でどうにかしようとしない!
もし犬または飼い主が咬まれた際、自分でマダニを引き抜いたりかゆみ止めなどを自ら処方しないようにしましょう!
これを行うと、ダニの頭を残してとってしまったり、傷口から他の感染症に感染してしまったり、傷口がひどくなってしまう場合がありますので、咬まれた際はすぐに動物病院または病院に向かうようにしましょう!
まとめ
今回は重症熱性血小板減少症について紹介しました。
予防をする項目は以下の4つです
- 肌を露出しない
- 散歩が終わった際は刺されていないか確認をする
- イヌの毛の薄い部分は要観察
- 咬まれた際はすぐに医療機関に行くこと。
SFTSは発見してからまだ日が浅いですがペット社会が進行してきている世の中では今後さらに感染が拡大していくかもしれません。
犬と共に健康的な生活を送るためにも今年は特にダニに刺されないような意識を持ちましょう!