アニマルシェルターに収容された動物たちの存在
米国ロサンゼルスでカメラマンをしているジョン・ウォンさんは、高確率で殺処分が行われているアニマルシェルターで収容されている犬、猫、その他動物たちの写真を撮り続けています。
ジョンが撮影した写真はフェイスブックやインスタグラムにて、配信されています。
またメディアでもよく取り上げられていますので、これらの写真に見覚えがある方もいらっしゃるかと思います。
ボランティア活動として
私はライターとして書くことで多くの人達にその存在を知ってもらおうと動物愛護のボランティア活動をしています。だから私が書いている記事のほとんどは保護動物たちのことです。犬種猫種などには一切拘りはなく、雑種、野犬を含めすべて大切な命だと考えています。
それと同じように、ジョンはカメラマンとして、アニマルシェルターに収容された動物達の写真を撮り続け、SNSで配信することで彼らの存在をもっと多くの人達に知ってもらいたいと、写真を撮ることで動物愛護のボランティア活動をしています。
いろんなボランティアの形があります。
行き場のない動物達を保護して里親探しをするだけが、愛護ボランティアではありません。
自分にできることを各自が懸命に考えて、それぞれが可能な範囲で行動を続けていけば、もしかしたらいつか何かが変わるかもしれません。
一番いけないのは、助けを求めている存在が目の前にいても見て見ぬふりをすることや、私たち人間が作り出してしまった悲しい現実を知ろうとしないことだと思います。
きっかけ
まずはシェルターに収容されている動物達の存在を知ることから始めましょう。
いろんな動物たちの悲しい写真がSNSには出回っています。
その中でもジョンが撮った写真は、多くの人々の心にとても響くものだと感じます。
アニマルシェルターの犬猫達の存在
今回、ここに載せているすべての写真はジョンが撮影したアニマルシェルターに収容された犬猫たちです。
以前にも、ジョンの事を記事にしたことがあります。(殺処分有りのシェルターに収容された犬猫達を写真で救う男性がいる! )
でも、その時は1匹の犬のことをテーマにしたものだったので、今回は、もっとたくさんの収容されている犬猫たちの写真をご紹介させていただきたいと考えました。
間違った言葉の使い方
"アニマルシェルター"や"動物愛護センター"という名前をつけている場所で命の期限を決めて殺処分が行われている事実を案外知らない人が多いことが、SNSを見ていてよく判ります。
そりゃそうだと思いました。
だって、”シェルター”というのは本来、行場のない人や動物を収容して保護し守る所ですよね。
同じように”動物愛護センター”という言葉がついていると、収容された動物達を愛しみ里親探しをする場所だとつい思ってしまいますよね。
でも実際は、一部の殺処分ゼロの施設を除いて、行政が運営する”アニマルシェルター”や”動物愛護センター”の現実は、収容数に限りがあるため、命の期限をつけてまだ生きれる命を殺処分する処分場となっています。つまり頭数管理をする場所になっているというのが現実ではないでしょうか?
それを知らずに迷い犬、捨て猫などを保護した人やなんらかの事情があって途中で飼えなくなった人たちが、誰か新しい飼い主を見つけてもらおうとこれらの場所に犬猫たちのことを考えて良かれと思い込んで連れて行ってしまう…という事が、実際起きているのです。
後で、自分が連れて行った犬猫が殺処分されてしまったと知って、ショックを受け、とても後悔する人も実際にいらっしゃいます。
捨てないで!
でも、アニマルシェルターや動物愛護センターなどが殺処分することを責めるべきではないでしょう。
そもそも、捨てる人がいるから悲惨な運命を背負わせられる動物達がたくさん存在してしまうわけですから。
たとえいかなる理由があろうとも、一度一緒に暮らし始めたら、家族として最後まで一緒に暮らすべきではないでしょうか?
犬猫たちの命を軽く考えすぎている人たちがいることが、大きな問題なのではないでしょうか?悲しいかな…そんな人たちが実際、とても多いです。
- 飽きたから捨てる
- 汚い、臭いから捨てる
- うるさいから捨てる
- しつけできないから捨てる
- 世話が面倒だから捨てる
- お金がかかるから捨てる
- 病気になったから捨てる
- 年老いてきたから捨てる
- 引っ越すから捨てる
- 可愛がっていた家族が他界したから捨てる
- 様々な家庭の事情(出産離婚など)で捨てる
まだまだ、あげればきりがないくらいの自分本位な言い訳はあるでしょう…
想像してみてください
想像してみてください
突然、家族だと思って信頼していた人から捨てられることを
想像してみてください
突然、住み慣れた家から追い出されることを
想像してみてください
突然、知らない場所に置きざりにされることを
想像してみてください
突然、迷惑だと通報され、捕獲されて、冷たいコンクリートと鉄格子の中に、強制的に入れられることを
そして最後にどうか想像してみてください
突然、酸素を奪われ窒息させられ、苦しくて苦しくてのたうち回りながら死ななきゃいけないことを
まだ十分生きていける健康体なのに…
あなたが捨てたせいで、犬猫たちは生きる権利を突然奪われてしまう…ということになりかねません。
あなたのことを愛して信じ続けている家族の一員を、いかなる理由が生じようが、どうか途中で放り出さないでください…
彼らはいつかきっとあなたが迎えに来てくれるのだと信じ続け、冷たい檻の中であなたが迎えに来てくれるのをひたすら待ち続けていることでしょう。一度人間と一緒に暮らしていた犬猫たちはそういうものなのです。
犬や猫たちにも、人間と同じ温かい血が流れています。そして感情がちゃんとあるのです。
最後に
私がジョンの写真の中で一番強く印象づけられた写真を紹介させていただきます。
その写真のタイトルは『ラスト・ウォーク』(最期の歩行)です。
この写真は、何度もメディアで取り上げられましたので記憶に残っている方もいらっしゃることでしょう。
まず、この写真が撮られたいきさつをご紹介させていただきます。
この日、ジョンは朝一番でいつものアニマルシェルターに行きました。まだ開いたばかりでジョンの他には来訪者はいませんでした。
すると顔なじみのスタッフが、1匹の犬を連れて歩いてきました。
ジョンが何気なく「どこに連れて行くの?」と声をかけたところ…
スタッフは口数少なく「ちょっとね…」と言葉を濁らせたそうです。
ジョンは直観しました。この犬の命の期限が来てしまったことを…
この犬は誰にも必要とされなかったため(里親が現れなかったため)、殺処分される部屋へと連れて行かれるところだったのです。
犬は、スタッフに逆らうこともなく、従順について行ったそうです。
それがこの犬にとってラスト・ウォークとなることも知らないで…
その後ろ姿にジョンは思わずシャッターを切ったそうです。
それがこの1枚です。
これがアニマルシェルターや動物愛護センター(保健所)に収容された多くの犬猫たちの末路です。
最後に、ジョンがこの写真につけているメッセージを訳しておきます。
我々は彼らを家畜化し、そして我々は今、彼らに対して過ちを犯しています。
里親になって彼らを引き取ってください。(命を)お金で買わないでください。」
ジョン・ウォンさんのフェイスブックページ:
https://www.facebook.com/john.hwang.9461
ジョン・ウォンさんのインスタグラム:https://www.instagram.com/vegiwrap/
※尚、記事及び写真の掲載につきましては、ジョン・ウォンさんに承諾をいただいて行っております。