イギリスの動物保護団体が本当に聞いた「犬を捨てる理由」
イギリスの動物保護団体Dogs Trustは1891年に設立されたイギリス最大の保護団体です。
さまざまな事情で新しい家族が必要になった犬たちのためのリホーム活動や、動物保護のための啓蒙活動を行っています。
団体には毎日のように「飼えなくなった犬を引き取ってほしい」という問い合わせが入りますが、中には耳を疑うような理由をあげる人がいるそうで、その一部が発表されました。
腹立たしいのですが、こういう極端な事例を見ることでわかりやすく浮き彫りになる大切なこともあります。
さて、どんなバカげた理由が?
以下にあげるのは、2017年中にDogs Trustで実際に受けた問い合わせで言われたことだそうです。
- 懸賞の無料旅行に当たったんだけど、犬は連れて行けないから引き取ってほしい
- 私はベジタリアンだから家に肉を置きたくないのに、犬が肉を食べたがる
- 散歩中に会う他の犬や人みんなに挨拶したがってフレンドリーすぎるのが負担
- 犬がエネルギッシュ過ぎて、体重が落ちてしまったから手放したい
- 思ってたより大きくなってしまったからもう飼えない
- 犬のハッハッという息遣いが激しすぎる
- ビーグルがこんな犬だと知ってたら飼い始めなかった!
- あまりにも毛が抜けるから、毎日掃除に1時間もかかる
- 犬が四六時中私を見てる!食事中までジッと見られる!
- プレゼント交換で犬を受け取ったんだけど、私の部屋はペット不可
- せっかく洋服を着せてあげたのに、犬が喜ばなかった
- 尻尾をブンブン振り過ぎる
- 部屋に置いてある家具と犬が似合わない
- 犬が一晩中犬用のベッドで眠る。犬は私といっしょに寝たがると思ってたのに
いかがですか?
ひとつひとつに「えっ?」「はぁ〜?」「おいっ!」「バカも休み休み......」と言いたくなりますよね。
犬を飼う前に、まずやるべきことがある
「犬がフレンドリー過ぎる」とか「ビーグルがこんな犬だと知らなかった」なんていう理由は本当に馬鹿馬鹿しいし、「下調べもせずに飼い始めたの?」とつっこみたくなりますよね。ポイントはそこです。
上の例はあまりにも極端なのですが、犬を飼い始める前にしっかりと予習や下調べをしておかなかったせいで「こんなはずじゃなかった」というのは、案外と多いものです。
自分が飼おうと思っている犬種の特性、注意点、ケアの方法、犬のトレーニング全般のこと、実際に飼い始める前に勉強しておかなくてはいけないことは山のようにあります。
犬はかわいいだけのアクセサリーじゃない
「ハアハア言い過ぎる」「毛が抜け過ぎる」「洋服を嫌がる」どれも犬を捨てる理由としてくだらなさ過ぎるもので、犬を生き物ではなくてアクセサリー程度にしか考えていなかったんだろうなと思われます。
でも捨てるまではいかなくても、犬本来の姿や習性を無視して人間の都合だけで可愛がっている例もたくさん目にしますね。
Dogs Trustに連れてこられた犬は殺処分になることはなく、新しい飼い主探しがされますので、たとえくだらない理由で捨てられたとしても、一生アクセサリー扱いしかされずに過ごす犬よりも幸せかもと複雑な思いにもなります。
その犬はあなたのライフスタイルに合っている?
「自分はベジタリアンなのに犬が肉を食べる」とか「家具に似合わない」なんて、ため息と乾いた笑いしか出てこない理由ですが、自分のライフスタイルに合わない犬を迎えて犬も人間も不幸になっているという例も少なくありません。
アウトドア大好きで活発な飼い主さんに付き合わされて関節を傷めてしまった小型犬、とてもたくさんの運動量が必要な犬なのに飼い主さんが運動嫌いで欲求不満で問題行動につながっている、そんな悲劇を起こさないためにも、自分のライフスタイルに合った犬を迎えることが大切です。
まとめ
イギリスの大規模保護団体に寄せられた犬を手放す理由のうち、耳を疑うようなバカげたものをあげてみました。
けれど、これらを笑ったり怒ったりして済ませるのではなくて、ここまで極端でなくても問題の根っこは同じかもしれないということは身近にたくさんあります。
ここにリストアップしたヘンテコな飼い主たちの言い訳が、犬が犬として犬らしく、人間といっしょに幸せに暮らすために大切なことに気づくきっかけになれば嬉しく思います。
《参考》
https://stv.tv/news/features/1404276-shocking-reasons-people-give-up-their-dog-revealed/