犬や猫を取り巻く環境を良くしたい、その思いを伝える方法
パピーミルと呼ばれる繁殖施設の劣悪な環境、ペット動物の流通の際の子犬や子猫への負担、愛護センターなどの殺処分の問題など、犬や猫を愛する人が心を痛める問題はたくさんあります。
そして自分にも何かできることはないか?少しでも役に立ちたいと思っている方もたくさんいます。
けれどもこのような大きな問題は条例や規制を変える、つまり行政の力がなくては解決できません。
SNSやブログなどで世論に訴えるというのもひとつの手ですが、この場合は情報は広く薄く発信されることになります。
そこで、例えば地元の議員事務所、新聞社や雑誌社に手紙やEメールを出すと、影響力の大きい所に直接働きかけることができます。
アメリカの大きな保護団体が「議員や新聞社に訴える手紙の書き方のヒント」を団体のサイトに掲載しています。
気をつける点などは日本の場合も同じなので、ちょっと目を通してみてください。
議員や市長、新聞社に訴えてみよう。その時の注意点は?
地元の議員や市長に手紙を書くなんて敷居が高い!と思われるかもしれませんが、彼らの多くは有権者の声を聞くことに積極的です。
最近は議員や自治体の長のフェイスブックやツイッターのアカウントが設定されていたり、事務所のサイトにメールの送信フォームが付いていることも多いので、思っているよりも気軽に問い合わせができます。
新聞社などもSNSやメールフォームからの問い合わせができます。
とは言え、相手は忙しく多くの意見や陳情が届いているはずですので、次のようなことに注意してまとめるのが有効です。
- 文章全体の最初の2〜3のセンテンスに要点をまとめる
- テーマはひとつに絞り、全体で400字程度の短い文章にする
- 最初から最後まで礼儀正しい言葉で書く
- 特定の条例や法案についての意見を書く時は、法令の名称を明記する
- 自分の連絡先を明記する
- 最後は、意見について耳を傾けてくれたことについてお礼を述べる
- 誤字脱字がないかの最終チェック
例えば、こんな感じで書いてみる
手紙やメールに書くテーマの例をあげてみましょう。
「犬や猫の繁殖施設には、管理がずさんで動物の扱いが非人道的な所が多くあります。
条例で動物の扱いや繁殖数を規制する必要があると思われ、ご一考いただきたいと存じます。」
「私の住む地域では年間に○○匹の犬や猫が殺処分されていると発表されています。それなのにペット産業の繁殖施設が規制を受けずに動物を送り出しています。行政が規制するべきところがないがしろな状態で、殺処分に税金が使われることに疑問を感じます。」
このような文章の後に、実際の統計や、信頼できるソースの情報を付け加えるとさらに効果的です。
電話での問い合わせは厳禁!
議員事務所や新聞社などに声を届けたいと言っても、直接電話をかけることは厳禁です。
通常の業務の邪魔になってしまいますし、電話では後でじっくりと見返すということもできません。
中でも自治体の愛護センターに電話をかけるというのは、最もやってはいけない行動です。愛護センターの職員さんは自治体の規定に従って働いている人々です。電話をかけることは迷惑になるだけでなく、肝心の動物たちの世話に支障が出てしまいます。
自治体の愛護センターについて改善を求める場合は、正規の方法で市区町村長への訴えかけをしましょう。
まとめ
犬や猫を取り巻く環境を良くしたいと考える時、行政やマスコミに訴えかけるのは良い方法のひとつです。
ただし、多くの声が届く中で良い印象に残るためには気をつける点があります。
自分が正しいと考えることを訴える時、人は誰しもついつい熱くなってしまうものです。
けれども意見を受け止める方の立場で考えれば、短く要領よく礼儀正しく書かれたものの方が印象に残り、力になりたいと思わせるのではないでしょうか。
「動物のために何か行動を起こしたい」と思っている方に、参考になれば幸いです。
《参考》
https://bestfriends.org/resources/end-puppy-mills-write-letter-legislators-and-newspapers