アメリカ食品医薬品局が発表した警告「犬の骨オヤツ、できれば避けて」
2017年11月、アメリカの医薬品や食の安全を管理する政府機関である食品医薬品局が、犬の骨オヤツについての警告を発表しました。
当局では2010年から同じ警告を繰り返し発信しています。
具体的にどんなリスクや症例が挙げられているのでしょうか。
警告されている「骨オヤツ」ってどんなもの?
当局が警告している「骨オヤツ」というのは、豚や羊などのアバラ骨や大腿骨など天然の骨をよく乾燥させた後に、オーブンで焼き、香料や犬向けの味付けを添加したものです。
人間の料理に使ったチキンやスペアリブの骨は「危険だ」と認識している人が多いのですが、犬用オヤツとしてパッケージに入った骨オヤツは疑問を持たずに与える人が多いことからの警告です。
犬に骨のオヤツを与えるとどんな危険が?
2010年から2017年の間に、アメリカ食品医薬品局には68件の骨オヤツによると思われる犬の疾病が届け出られているそうです。
これは当局に届けのあったものだけですので、数字に表れていない同じような事例は多く起きていると思われます。
確認された症例は下記のようなものです。
- かじって飲み込んだ骨の欠片が消化管に詰まり閉塞を起こした
- 窒息
- 割れた骨で口や喉を切ってしまう
- 嘔吐
- 下痢
- 直腸からの出血
骨オヤツは犬の歯で噛むと小さく割れるのですが、硬いものなので喉や消化管に詰まってしまったり、傷つけたりしてしまう例が多いようです。
消化できなかった骨は嘔吐や下痢で出て来ればまだ良いのですが、開腹手術をしなくてはいけない場合もあります。
最悪の場合は死に至ることもあり、食品医薬品局に届けられたうち15匹が骨オヤツを食べた後に亡くなっているそうです。
飼い主が気をつけるべきことは?
犬用のオヤツとして売られているものでも、硬くて大きい骨を与えるのは上に挙げたようなリスクがあります。
とは言え、硬いものを噛むことで犬のストレス解消になったり、何より犬が大好きという理由で「たまには骨オヤツもあげたい」という場合もあるでしょう。
まずはかかりつけの獣医さんに相談してみましょう。骨の代わりになるものを提案してくださるかもしれません。
もし与えるなら、サイズや種類もしっかり吟味して大きすぎないもの、硬すぎないものを選ぶことが大切です。
また、骨オヤツは必ず飼い主さんの目の前で、監督しながら食べさせるようにします。
食べ終わった後、苦しそうだったり、吐きそうなのに吐かないなど様子がおかしい時にはすぐに病院へ。
万が一のことを考えると、病院がお休みの年末年始などはこういうタイプのオヤツは与えない方が良いですね。
飼い主さんの監督下でというのは、骨に限らずローハイドやアキレスなどのオヤツ、噛むおもちゃなども同じです。
まとめ
「犬用」として売られている天然の骨のオヤツに意外な危険が潜んでいるという警告がアメリカ食品医薬品局から発信されました。
骨の欠片が喉や消化器官に詰まってしまったり、割れた骨で口や喉を怪我してしまったり、最悪の場合命を落としてしまった例もあることからの警告です。
どうしても与えたい場合は、必ず飼い主さんが見ている監督下で、異変が起きたらすぐに病院へ。
日本でも骨を使った犬用オヤツは市販されていますので、注意が必要ですね。
犬の嗜好性が高くて食べるのに時間がかかるオヤツは、長い時間おとなしく集中してくれるので重宝がられますが、お留守番の暇つぶしに与えるのは止めましょう。
骨のオヤツ、細心の注意を払って与えるか、少しでもリスクがあるなら心配だから与えない、それは最終的に飼い主さんの判断です。
リスクと付き合うためには、まずはよく知ることが第一です。判断のお役に立てれば幸いです。
《参考》
https://www.fda.gov/ForConsumers/ConsumerUpdates/ucm208365.htm
ユーザーのコメント
女性 匿名
すぐに病院に連れていったら、骨の破片が腸の通過しづらい場所にとどまると、下痢や嘔吐を起こすと言われました。
鶏の骨はダメとは知っていたのですが、仔牛のあばら骨でおきたので本当にもっと早くこのニュース見てればと思いました!