犬が食べ物を丸呑みする理由
おいしそうにガツガツごはんを丸呑みする姿を見て、一度は「もうちょっとちゃんと噛んで食べたらいいのに…。」と愛犬に語りかけたことがあるのではないでしょうか。
あんなに勢いよく食べて丸呑みしていると、絶対にのどに引っ掛ける!と思っていると、やっぱりゲホゲホ言いながらも食べ続けていたりしますよね。
いくらこちらが「ゆっくりたべなさい」「ちゃんと噛みなさい」と言ったところで、その言葉が愛犬に伝わるわけではないのですが、やはり見ている方としては少し心配になります。
しかし、これは犬の野生のころの習性であり決して異常なことではないため、食べ物を丸呑みすること自体は何も心配することではありません。
では、なぜ食べ物を丸呑みするような習性があるのかというと、それは犬が集団で生活をする動物だからなんです。
犬は集団で生活をして助け合いながら生活をしていますが、捕らえた獲物を上手に分け合うということはなく、早い者勝ちで奪い合って食べます。
ですから、ゆっくり噛んで食べていては周りの犬にどんどん餌を奪われてしまい、次獲物を捕まえるまで食べ物にありつけないため、噛まずに飲み込んでお腹を満たしていたのです。
そして、その名残が今でも残っているため必ずもらえるごはんやおやつであっても、他の犬に奪われまいとして飲み込むようにして食べるというわけです。
犬が丸呑みすることは異常ではないがリスクもある
丸呑み自体は野生のころの習性なので異常行動ではなく、どんな犬でも食べ物は丸呑みしてしまいます。
しかし、だからと言って何のリスクがないわけではなく、気を付けないと命さえも危ない状況になってしまうことがあるため、生活するうえで丸呑みしてしまわないように注意しなければならないことがあります。
鳥の骨を丸呑み
意図的に鳥の骨を与えることはないと思いますが、テーブルの上に置いてあった鶏肉を盗み食いしてしまうことがあります。
それに気付いたとき慌てて取り上げようとしますが、取り上げられることは犬自身もわかっているため、急いでお腹の中に入れようとして丸呑みします。
胃の中に入った鳥の骨は消化ができず、しかも中途半端にかみ砕かれた骨は鋭くとがっているため、内臓を傷つけてしまう可能性があります。
焼き鳥の櫛の丸呑み
あんなに長い焼き鳥の櫛を丸呑み?!と驚くと思いますが、犬は櫛に刺さった焼き鳥をそのまま丸呑みしてしまいます。
もし丸呑みをしてしまうと、鳥の骨以上に危険な状態なため早急に動物病院に連れて行きましょう。
デンタルガムやスプーンやボールなどの丸呑み
スプーンや小さなボールなどおもちゃとして遊んでいるときや、デンタルガムなど勢い余って丸呑みしてしまうことがあります。
もし丸呑みしてしまうと腸閉塞や食道閉塞などを引き起こし、嘔吐や下痢、元気消失といった様々な症状が現れます。
犬が異物を丸呑みを感じたらすぐに動物病院へ
あくまでも上記であげたものは一例ですが、他にも靴下やビニールなどたくさんあります。いずれにしても異物の丸呑みを発見したら早急に動物病院へ連れて行くことか重要です。
のまま放っておくと気付いたころには取り返しの付かないことになっていたり、命まで危ない状況に立たされいることもあります。
また、こうした場合は緊急性が高いことがほとんどなので、何かしらの症状が出てからではなく、異物の丸呑みをした可能性があれば迷わず動物病院へ連絡して連れていきましょう。
犬が異物を丸呑みすることを防ぐためにできること
犬が異物を丸呑みしないようにするためには、普段からおもちゃなど丸呑みする可能性のあるものを与える際は目を離さないようにしたり、机の上に食べ物を置いて席を離れないなど徹底した注意をすることが大事です。
また、万が一飲み込むと危険なものを加えているのを見つけた場合は、絶対に焦って取り上げようと近付いてはいけません。
もし焦って取り上げようと近付くと、犬も奪われないように急いで飲み込もうとしたり、時には噛み付いてきたりすることもあるためお互いにとって危険です。
ですから、もし食べたらいけないものを食べているのを見付けたら、より魅力的なものと物々交換をすることを試みてください。
あくまでも「取り上げる」のではなく「もっといいものをあげる」といったつもりで優しく語りかけ、おやつなどその子の大好きなものを近づけます。
そして、その好物に気が向いたらそのままその好物を与えて、完全にさっきまで加えていたものから気が逸れ瞬間にすぐ取ります。このとき可能であれば、好物のものを複数用意して食べたらいけないものから徐々に引き離してから取ると、より安全に回収することができます。
まとめ
犬は野生のころの習性上、食べ物を丸呑みしてしまうことは避けられません。だからこそ、丸呑みしてしまう可能性のあるものを与えるときは目を離さないようにし、食べてはいけないものを口に入れないように工夫をするなど、飼い主として十分注意し命を守ってあげる必要があります。
しかし、いくら注意しても思わぬできごとが起こる可能性もあるため、焦らず冷静に対処し勢いで呑み込んでしまうことがないようにしましょう。
それでも万が一のことがあった場合は様子を見るのではなく、すぐに対応してもらえるよう動物病院へ連絡をして、早めに受診するようにしてくださいね。