道路に捨てられた犬
フロリダ州オーランド在住のある夫婦が家に帰る途中、道路で身動きが取れない状態になっていた捨て犬を目にしました。
そこは交通量の多い道路だったため、このままでは犬はいつか車に轢かれてしまうと思い、夫婦は車を停めて保護することにしました。
近寄ってみると、その犬は大変酷い状態でした。
その犬の毛は長い間手入れもカットもされた様子はなく、伸びすぎて、顔かから体全体を覆っていて、視界を妨げ歩行もできない状態となっていました。
酷い状態
そんな状態の犬を取りあえず保護したものの、伸びすぎて酷い状態になっている犬の毛を早急になんとかしなければなりません。更に犬からは物凄い悪臭が漂っていました。
既に夜だったため、各動物保護団体は、営業時間を過ぎていました。
ボランティア
そこで夫婦はフェイスブックに犬の写真を載せて助けを求めたところ、ある1人の女性が名乗り出てくれました。
実際のフェイスブックの投稿:https://www.facebook.com
ボランティアとして犬の毛をカットしてくれたのは、フロリダ州でトリミングサロンを経営している”BGEグルーミング”のオーナーのケリーさんでした。
夫婦がその店に犬を連れてたどり着いたのは、真夜中でした。
トリミング
ケリーさんはこの犬のためだけに夜中に店を開け、直ちに毛のカットとシャンプーを始めました。
普通のトリミングであれば通常は1時間半くらいで完了するのですが、この犬の場合は3時間もかかったそうです。幸い、犬はその間ずっと大人しくしていました。
この犬のように長期間毛を放置して不潔な状態が続くと、循環器系の問題を起こす可能性もあるそうです。
気をすべてカットし終えると、犬はしっぽを振ってとても喜んだそうです。
動物病院
犬の推定年齢は4歳。運よく救われた犬は”ラッキー”と命名されました。
すっかり綺麗になったラッキーは、翌朝、動物病院で検査してもらいました。
そこで悲しい事が判明しました。
実は、ラッキーの目はまったく見えておらず、耳も一切聞こえていなかったのです。
それでも、ラッキーが交通事故などに遭う前に保護されたことは、命名の通り本当にラッキーだったと思います。
ラッキーのことはINSIDE EDITION他メディアでも報道されました。
Our INSIDE EDITION feature! Thank you everyone for your support. We are so happy to announce Lucky is doing GREAT in his current foster home and is getting better every day! ♡
BGE Groomingさんの投稿 2017年10月16日(月)
里親
現在、ラッキーは、一時預かりをしていたザックさんという方が正式に里親になられ幸せに暮らしているということでした。
UPDATE ON LUCKY!
BGE Groomingさんの投稿 2017年11月12日(日)
最後に
全ての犬の先祖はオオカミです。
そこから人間の都合で何度も品種改良が行われ、様々な犬種が誕生しました。
本来、犬はトリミングなどしなくても自然に毛が抜け変わるべき動物なのですが、品種改良が行われた段階で、ペットとして作られた犬たちの中には、ラッキーのようにトリミングをしなければ大変な状態になってしまう犬種も出てきました。
しかしながら、飼い主たちの飼育放棄などによりラッキーのような物凄い状態まで毛が伸びてしまい、最後には遺棄されてしまう犬たちも少なくありません。
更に度重なる無理な品種改良によって、遺伝子異常を持った犬が生まれてくる確率も高くなっています。
それなのに、品種改良された犬たちを買い求める人たちがいなくなることはなく、犬たちに降りかかってしまう様々な問題が消滅することがないのが現実です。
何万円も出してペットショップやブリーダーから子犬を購入したのに、可愛がるのは最初の数年で…そのうち飽きてしまい世話をすることも面倒になり、最終的に遺棄する…
犬は生きています。命なのです。ぬいぐるみでもおもちゃではありません。
大切な”命”を最終的に信じられないくらい粗末に扱ってしまう人たちが、世界中にたくさん存在している事が大きな現実問題となっています。
だからこそ、”命を買う”より”命を助ける”という選択をするべきではないでしょうか?
ケリーさんが経営しているBGE グルーミングのフェイスブックページ:https://www.facebook.com
※尚、この記事及び写真&動画の掲載はケリーさんの承諾を得て行っています。