犬と人間の体の違いは?
犬と人間との違いは外見を見るとわかることから、体の中の構造など外からではわからない違いもあります。
1.犬は嗅覚、人間は視覚
犬と人間とでは感覚に大きな違いがあります。
簡単に言えば、犬は嗅覚で判断し人は視覚で判断するということです。
人間は視覚、聴覚、嗅覚、聴覚、触覚のうち、視覚を8割使って状況を判断します。
犬の方は視覚2割、聴覚3割、嗅覚4割、その他1割となっています。
目よりも耳と鼻が発達しているということですね。
人とは違い優れた嗅覚を持っているので、微妙な匂いの違いにも気づくことができます。
聴覚も優れており、人間には聞こえない周波数の音も聞こえます。
視覚は動体視力で言えば犬のほうが優れていますが、犬の目は近眼である他に赤色が見えにくくなっています。
味覚は人間のほうが発達しており、犬は味の違いなどは大体嗅覚で判断しています。
2.視覚が違う
犬はもともと近視でピントを合わせる能力が低く、大体人間で言うところの0.3ぐらいの視力だと言われています。
また犬の視界はとても広く240度ぐらいで、人間のほうはおよそ180度が限界だと言われています。
犬種によっても異なり、最も広いのがアフガン・ハウンドで290度、パグやフレンチ・ブルドッグのような鼻が低く目が前のようによった犬の場合であれば人間よし少し広い程度です。
この視界の広さは狩りをするには有利ですが、一方で奥行きを把握するのには向いていません。
両目の距離が離れているため、視野の重なりが狭くなるため距離感が曖昧になるということです。
また、犬は動体視力が非常に優れています。犬種によっては900m離れた場所からでも動くものを見分けることができるといいます。
3.犬の味覚は弱い
犬は4つの味を感じることができます。
「甘味」「塩味」「酸味」「苦味」です。人間はこれに加えて「旨味」を感じることができます。
犬は旨味を感じることができませんが、「水味」というイオン濃度を感じることができます。
また、犬は動物の舌にある味蕾(みらい)という味を感じる小さな器官が少なく、人間が9,000に対して犬は1,700となっています。
4.犬にとって大事なのは嗅覚
人間は犬の約5倍の味蕾を持っていますが、嗅覚細胞は人間は500〜1,000万に対して犬は1億2,500万となっています。
犬は食べる上で味覚よりも嗅覚を重視しており、重要なのはにおい>食感>味覚の順になります。
そのため、もし食欲がない犬がいた場合はにおいを強くしたりすると食べるようになることがあります。においを強くするのに加えて、食感を変えてみるのも良いでしょう。
5.脳の構造の割合が異なる
犬の脳の形状や大きさは大きく異なりますが、構造はほぼ一緒だと言われています。
ですが大きく異る点がひとつあります。それは、それぞれの部位が占める割合です。
人間は前頭前野と呼ばれる部位がとても発達しており、全体の30%を占めると言われています。
一方犬はわずか7%です。
前頭前野は思考や創造性を担う場所で、記憶や意思決定などを司る部位です。
犬の場合、大きく発達しているのは嗅覚に関わる脳の部位で、人間よりもずっと発達しています。
部位の割合から見ると、人間は理性的で善悪の判断ができますが、犬はそこが弱く本能的で嗅覚がとても優れていることになります。
6.体の構造が違う
犬は雑食だと言われていますが祖先と言われているオオカミは元々は肉食です。
人間と暮らすようになり雑食になっていきました。
元々は肉食であるため、体の構造にも違いが多くあります。
犬は刃が鋭く、骨を噛み砕けるように顎の力も強くなっています。しかし牛などのように咀嚼することはできません。
食べ物はタンパク質の分解が得意で、食物繊維の分解が不得意となっています。
そのため野菜などを食べるとそのままうんちに出てきたり、お腹を下したりすることもあります。
体の構造もまったく違います。人間よりも早く走れ、持久力もあります。
7.犬は完全階級制
犬は元々群れで生活する生き物です。
そしてその群れはリーダーをトップとして完全な階級制となっています。
そのため人間と暮らす中でも順位付けが重要で、犬が家族の中でどの順位なのかをしっかり教えなくてはいけません。
順位付けを間違えると犬がリーダーとなり、気に入らないと威嚇したり、噛み付いたりするようになります。
また、自分の順位を認識できる状態にしないと犬は不安になってしまいます。
飼い主さんが群れのリーダーとなり、犬の上に立ち、リーダーシップをとることで安心させてあげましょう。
まとめ
愛犬といつも気持ちが通じ合っているように感じてついつい人間のように思ってしまいますが、人間と異なるところがたくさんあります。
ご紹介したように感覚の違いから脳の構造の違いなど、違いは多いですね。
人間と犬の違いについてきちんと知ることで、愛犬を健康で元気に長生きさせることができるでしょう。