犬が人間よりも優れていることは?
犬は人間には聴こえない音を聴くことができる、犬は暗闇でも物を見ることができる、などと言われていますが、人間と比べてどのくらい優れた能力を持っているのかご存知でしょうか。
警察犬や聴導犬や救助犬など、能力を活かし、働いてくれている犬もいますよね。犬が持つ、優れた「聴覚」と「視覚」についてご紹介したいと思います。
犬の聴覚について
私たち人間が聴く(感じる)ことができる可聴域は、16Hz~20000Hzの音に限られているとされていますが、犬が聴く(感じる)ことができる可聴域は、65Hz~50000Hzであるとされています。犬笛をご存知でしょうか。犬笛は人間が聴くことのできない音を発することができ、その音は30000Hzほどであるとされています。
音が発せられている方向も聞き分けることができる
人間の可聴域と犬の可聴域を比べるだけでも、犬の聴覚が人間よりも優れていることがわかるのですが、さらに犬は音が発せられている方向までをも聴き分けることができます。
私たち人間も音が発せられている方向を聴き分けることは可能なのですが、32方向から発せられている音を聴き分けることができる犬に対して、人間が聴き分けることができるのは16方向だという実験結果もあるようです。
音の間隔の差を感じることができる
犬に対してこのような実験が行われたそうです。メトロノームが発する音の間隔の差を感じることができるのかどうか。「1分間に100回」「1分間に96回」「1分間に144回」など、音を増やしたり減らしたりなどしたそうなのですが、犬はそのわずかな差もしっかり感じることができている、という結果を得たそうです。
犬の視覚について
犬の目はあまり色を感じることができず、人間のようなカラフルな世界を見ることはできないとされています。網膜を構成している視細胞が深く関係しているとされ、また犬の網膜には錐体細胞が少ないため、感じることができる色に限りがあるそうです。とくに、緑と赤の区別が難しく、「緑=薄い黄色」「赤=濃い黄色」という風に感じているのではないかと考えられているようです。
犬が暗闇でも物を見ることができる理由
人間と比べて犬が感じることのできる色はとても少ないのですが、色を感じるために必要な錐体細胞が少ないことが理由です。その一方で、桿体細胞が多いことによって、犬は暗闇でも物を見ることができ、私たち人間が見ることのできない物を見たり感じたりすることができます。
犬の味覚は人間よりも優れているのか?
人間よりも優れた聴覚と視覚を持つ犬ですが、味覚はどうなのでしょうか。あまりご存知の方は多くないかもしれません。
人間と犬の「味蕾」の数
「味蕾(みらい)」という言葉も聞き慣れない方がほとんどかと思うのですが、人間の舌にも犬の舌にも存在し、食べ物に含まれている化学物質が味蕾へと到達することで味を感じることができます。実は、犬の味覚は人間よりも鈍いとされており、舌に存在する味蕾の数が関係しています。
人間の舌に存在する味蕾は約9000個、犬の舌に存在する味蕾は約1700個とされており、大きな差があることがわかります。犬は群れで狩りをして生活していた動物であり、肉以外の味を感じる必要がなかったため、味蕾の数が少ないのではないかと考えられています。しかし、実際は犬には味覚あり、とくに犬の味蕾は甘味をしっかり感じることができるとされています。
まとめ
犬は人間には聴こえない音を聴くことができる、犬は暗闇でも物を見ることができる、などと言われている通り、犬の聴覚と視覚は人間よりも優れています。しかし、味覚は人間の方が優れているようです。その他にも人間よりも優れた能力を多く持つ犬ですが、警察犬・聴導犬・救助犬・介助犬・盲導犬など、私たちの生活にも大きく関わっていますよね。