犬を遺棄する瞬間を偶然目撃
公園で衝撃的な光景を目撃
それは神奈川県の湘南を拠点として関東全域を対象に個人で犬猫の救済活動をボランティアとしてされている麒麟レスキューのマコリンさんが、今年(2017年)8月始めに、保護犬たちの夕方の散歩をいつもの公園でさせている時に起きました。
公園の駐車場に男性が運転するワンボックスカーが入ってきました。
そして、停まったかと思うとドアが開き、男性が車内から犬を1匹外に出し、信じられないことにそのまま置き去りにして車は走り去ってしまったのです。
マコリンさんはその一部始終を偶然目撃していました。でも、あまりにショッキングすぎて目の前の光景がすぐにはちゃんと理解できなかったと言います。
置き去りにされた犬は、座ったままの状態で、車の後を追いかける素振りは一切見せなかったそうです。
はぁ?何?捨てたの? この子を捨てたの?
出典:http://ameblo.jp/macorin-with-wanko
そう、マコリンさんの目の前で犬が遺棄されたのです。それを理解すると同時に、マコリンさんの体は震え始めたそうです。
遺棄された犬の無残な姿
残された犬に近寄ってよく見てみると、それはあまりに酷い状態でした。
毛はあちこち脱毛、爪は伸びるだけ伸びて、残っている毛は糞尿で固まっていて、排泄するお尻の穴も見えず
出典:http://ameblo.jp/macorin-with-wanko
既に夕方、辺りはだんだん薄暗くなってきていました。
このままこの犬をここに放置していると黒毛の犬の姿は暗闇に紛れてしまい、車に轢かれてしまう可能性がありました。
そうでなくても、目の前で明らかに遺棄された犬を、犬猫の保護活動を行っているマコリンさんが放っておけるはずがありません。
物凄い偶然の出来事でした。それは、この犬に与えられた犬生最大のピンチを最高の幸運に変えた瞬間でした。この犬は最悪の飼い主に遺棄された事によって、天使のような人にその場ですぐに救われたのです。なんという強運の持ち主なのでしょう!
マコリンさんはその時、他の保護犬を連れていたため、お散歩のお手伝いをするために同行していた預かりさんの車に、その犬だけを乗せて動物病院に直行してもらい、マコリンさんは自宅に犬たちを置いてから駆け付けました。
犬の体は過酷な状況にいたことを物語っていた
改めて明るい病院の診察台の上で観た犬は本当に酷い状態でした。
▼動画
出典:http://ameblo.jp/macorin-with-wanko/
体はノミだらけで卵もたくさんあり、耳には信じられないことにカビが生えています。耳の白い部分はカビです。
犬にはドロドロに汚れた首輪とリードがつけられていました。(ハーネスはマコリンさんがつけたものです)
しかも首輪は長期間調節されておらず首に食い込んだ状態で、外してみるとその部分は出血していました。
この姿を見た獣医さんも「なんてひどい扱いをされてきたんだ…」と思わずもらしたそうです。
かなり酷い場所に長期間、監禁されていたということは、この犬の状態を見ればよく判ります。
たぶん糞尿もそのまま放置され、この犬はその上に寝るしかなかったのでしょう。毛には糞尿がびっしりとこびりついていました。
皮膚の表面検査の結果、疥癬ではなかったそうですが、 それでも可能性は高いということで、アイボメック注射をうってもらい、ノミ・ダニ除けのフロントラインもしてもらい、長くなりすぎていた爪も切ったりと、病院は午後8時までなのに午後10時まで手厚い処置が施されたそうです。
幸いなことに、肝臓の数値もよく、心雑音もなし、歯茎も綺麗なことから、この犬はまだ若いと診断されました。
検査と取りあえずの処置をしてもらい、マコリンさんはこの犬を自宅に連れて帰りました。
自宅で保護することに決める
ドッグフードをあげたら、ペロリと平らげたそうです。お腹がとてもすいていたのでしょう。
その後、大型犬用のケージを知人宅に預けていたことを思い出し、マコリンさんはそれを取りに行って自宅のテラスに置き、とりあえずその夜はそのケージの中で過ごしてもらったそうです。比較的涼しい夜だったそうですが、扇風機もかけたそうです。
ノミがウジャウジャいて、糞尿で固まってしまった毛をなんとかしなければなりません。
それは翌日にするとして、とりあえずその夜は、排泄ができるようにと、公園からずっと一緒に行動していた預かりボランティアの方がはさみで糞尿で固まっていたお尻の毛玉を少しずつ切ってくれたそうです。
この犬も疲れていたためか、その夜はぐっすりと寝てくれたそうです。
とてもかわいい目をした犬だったので、マコリンさんは可憐な花のイメージから”スミレ”ちゃんと名付けました。
長い間、狭い場所につなぎっぱなしにされていたことで、スミレちゃんの足には筋肉がついておらず、立ち上がるのもフラフラな状態でした。
マコリンさんのいる地区の動物愛護センターでは殺処分はないものの、常時里親が決まらない保護犬たちが200頭も地下室に収容されているそうです。
そんな中にこの弱りきったスミレちゃんを入れるのはあまりに可哀想なので、スミレちゃんはマコリンさんが里親が決まるまで世話をすることにしたそうです。
綺麗にケア
翌日、マコリンさんのスミレちゃんへの体のケアがスタートしました。
まず、スミレちゃんの体にウジャウジャいる無数のノミをすべて退治しなければなりません。それが終わらなければ他の保護犬や保護猫たちがいる室内には入れられないのです。
しかし、足の筋肉がついていないスミレちゃんは長時間立っていることができないため、短時間でシャンプ ーを終わらせなければなりませんでした。
ノミ退治もさることながら、角質化してしまった糞尿の皮膚の壁も洗い落とさなければなりません。
効率よくそれらを落とすためにノミが嫌うティートリーのシャンプーをして、糞尿の壁を落とすために、食用のベーキングパウダー(重曹)をつけて10分くらいマコリンさんと預かりボランティアさんの2人がかりでさすってみたところ、見事にボロボロと落ちて来たそうです。
スミレちゃんは、とてもお利口で顔周りをシャンプーしても抵抗することなくジッとしていてくれたそうです。
糞尿の壁を落とした後の皮膚は真っ黒に変色していました。
▼抱っこされるすみれちゃん(動画)
出典:http://ameblo.jp/macorin-with-wanko/
そして、すっかりと綺麗になったスミレちゃんをクーラーの効いた涼しい部屋に入れることがやっとできたそうです。
その後、スミレちゃんはゆっくりですが 朝晩のお散歩も開始して、排泄も普通にできるようになったということです。
▼お散歩(動画)
出典:http://ameblo.jp/macorin-with-wanko/
ペットの遺棄は犯罪
マコリンさんは、スミレちゃんを遺棄した車の撮影をしていたそうです。車のナンバーもうつっているとのこと。
それを動物愛護センターにも報告し、車のナンバーから所有者が判明すれば、今後、この男性がセンターなどから動物をもらえないようにしてもらうとのことでした。
いったいあの男性は何のために犬を飼ったのか?子犬の時だけ可愛がって飽きたら糞尿の世話もせずに監禁状態で放置し、最終的に公園に遺棄した元飼い主。
そういう人はこの男性に限らず、恐らく日本中にたくさんいると思います。
だから、捨て犬、捨て猫が減ることがないのです。自分本位な人間たちが、犬猫をまるで物のように考えているからそういう事が繰り返されています。
麒麟レスキューさんのブログにこんな記述がありました。
この連休中だけでも(ゴールデンウィークの連休の事です)
子供ができて飼えなくなった、とか
引越し先は飼えない場所で、里親を探したけど見つからないから、連休前に保健所に入れた 、とか
長期間の海外旅行でペットホテルより保健所に入れた方が安価だから、とか
(これは私が連休前に保健所で見た光景、「老犬は寝てばかりだから、ペットホテルでも保健所でも同じだよ、飼いたくなったら、また子犬買えばいいよね」って、親子でその子を別な嘘の理由を立てて、保健所に連れてくる)
そんな哀しい連絡ばかりでした、動物達はいつも飼い主次第です。
こんな穏やかな日だからこそ思うのは
自分さえ良ければいい人間
動物も含め、命をぞんざいに思える人間
そんな人達がどうかなくなりますように、と。
出典:http://ameblo.jp/macorin-with-wanko
マコリンさんが保護活動を始めた経緯
マコリンさんは、犬猫の保護活動を始めて20年の大ベテランです。
保護活動を行ったきっかけは、増え続ける地域猫達のことを知り、なんとかしないとと保護して不妊手術を施し、里親を探し始めたそうです。
その後、スミレちゃんのように公園に犬が捨てれらている事実を知り、犬の保護もしたいと犬の扱いを覚えるために動物愛護団体の預かりさんになったそうです。
それから繁殖業者の元でまともな扱いを受けないままその犬生を終えている子たちのことを知り、その子たちも助けたいと預かりは止めて個人での保護活動を始め、細い糸を辿ってなんとか繁殖業者たちから不要犬を引き取ることができるようになったということでした。
市の動物愛護推進委員にもなったそうですが、虐待の相談を受け、なんとか救いたいと市や動物愛護センター、警察などに相談するも、殆ど相手にされず絶望して推進委員をやっていても意味はないと辞めたそうです。
現在、マコリンさんは”麒麟レスキュー”として個人で犬猫の保護活動を続けています。SNSで発信することで、協力してくれる人たちも現れ、救えた命があったそうです。
TVの志村動物園で取り上げられた犬たち
2016年6月3日に放映された志村動物園で取り上げられた”ゼーレ”と”スノー”という犬たちを覚えていらっしゃいますか?
番組の企画で福士蒼汰さんが会いに行った保護犬たちなのですが、この2匹の犬たちは飼い主から丸太で殴られるという虐待を受けていたことで、マコリンさん主催の麒麟レスキューさんらがなんとか救出しようと動き始め、最終的に茨木CAPINさんが保護することになったのです。
▲左が保護前、右が現在のゼーレ
みんなから支えられての保護活動
麒麟レスキューさんの保護活動は、他の保護団体やこれまで里親になってくれた方たちとSNSの読者たちに支えられています。預かりとして協力してくれたり、保護活動を手伝ってもらったり、寄付で応援してもらったりしているそうです。
麒麟レスキューでは常に預かり募集と支援の寄付を求めています。
詳細は、麒麟レスキューさんのブログをご覧ください。
http://ameblo.jp/macorin-with-wanko/entry-12264744581.html
保護活動の限界はすぐそこまできている!
日本各地で動物保護活動をボランティアの方達が懸命に行っています。
それでも助けを必要としている犬猫たちは後を絶ちません。
日本での動物愛護センターでの殺処分数は年々減少傾向にありますが、それはけして犬猫の遺棄が減っているわけではなく、麒麟レスキューさんのような保護活動をしているボランティアの人たちが必死で引き取り続けているのです。
そんな中で、繁殖業者たちは自分たちの利益を得るためにお構いなしに命を増やし続けています。そして、身勝手な消費者たちが避妊・去勢もせず増やしたり、遺棄し続けています。
双方でなんとか増やすことを止めさせないと、このままでは保護活動を行っている人たちにも限界が来てしまいます。
マコリンさんも「レスキューの限界もすぐそこに来ています」とSNSで発信しています。
以前にも、滋賀県と佐賀県で保護活動を行われている人たちのことを書かせていただきましたが、日本全国でこうした犬猫の保護活動を行っている人たちは、ほんの一握りの人達だけなのです。
それなのに、全国には生体販売をしているペットショップは数えきれないほどあり、そこから犬猫を購入している人たちも数えきれないほどいて、生体販売が恐らく世界一盛んであろう日本の国の中で、犬猫達の数はどんどん増え続けています。
もしかしたらその数は、日本の人口をはるかに超えているのではないでしょうか?つまり日本の国民たちの許与範囲を既にはるかに超えて犬猫達がむやみに増やされ続けているということなのです。
繁殖業者だけではなく、消費者も今回のスミレちゃんのように犬や猫を物のように飽きたら遺棄するという行為を続ける限り、不幸な犬猫達は増え続けてしまいます。
そんな状態で、殺処分ゼロにできるはずもありません。
殺処分ゼロとしている地区での増え続ける犬猫達は果たしてどのように生かされているのでしょうか?
行政は保護活動をしているボランティアさんたちにあまりにも頼りすぎています。
殺さないだけで上記にもあるように”地下室に200頭”などという現状が実在しているのです。
まずは、増やすことを止め、極端な話、売ることも買う事も止め、助けることに本気で専念するべきなのではないでしょうか?
この問題を私たち一人一人が、本気で、今、考えなければならないとは思いませんか?
最後にメッセージ
▲お散歩中のスミレちゃん
最後に、マコリンさんから是非皆さんに伝えてほしいとメッセージをいただいております。
「私には無理」とは思わずに、どうか人間のエゴで瀕死になってる身近にいる子達を救ってあげてください。
▲保護した時のスミレちゃん(左)と、現在のスミレちゃん(右)
ユーザーのコメント
40代 女性 匿名
スミレちゃんの澄んだ瞳がとても美しく、
マコリンさんの心をそのまま写しているようで、
でも、深い悲しみも感じられます。
ワンちゃん、ネコちゃんを物のように捨て、
酷い扱いをするモノ、全員いなくなればいい
と思います。
50代以上 女性 匿名
ドックレスキューさんからはミサトは4歳です。と聞きましたが、歯は歯石だらけで前歯も4本無くて先日は奥歯もゴロっと抜けて窒息寸前までになりました。
また、白内障が進み始めています。
歯も少なく目も見えなくなり始めたミサトは実際に4歳ではなかったのではないかと主人と話をしました。
とても、賢くて私達夫婦を慕い愛情を沢山くれるミサトを幸せに大切にしたいです。
子供を何回も産ませてポイ捨てするブリーダーをゆるせません。
40代 女性 mayumin
ボランティアの方々の活動には頭が下がりかます。
なぜ日本は生体販売を禁止にしないのでしょう。
もっと真剣に考えて欲しいです。
この子たちは人間と同じで生きている。
大切な命なのに…。
軽く扱い過ぎです。本当に腹が立ちます。
破棄した飼い主にも刑罰を。
動物は物ではない…大切な命です。
法律も変えて欲しいです。
どうか辛い思いをしている犬たちが1匹でも多く幸せになりますようにと…願うばかりです。
50代以上 女性 匿名
こんなにも酷い扱いをされた子は見た事がありません。仔犬の時から外で閉じ込められていたのでしょう。
遺棄されて幸せになって…。皮肉なものですね。
マリコンさんの活動には頭が下がります。
私にはとてもできません。
世の中の不幸な子達が居なくなりますように、行政が動く事を願います。
50代以上 男性 匿名
50代以上 女性 佐藤 美和子
日本の動物達の現状には憤ることばかりです。
生体販売に根ざした様々な問題を考えると、先ず動物達の日本での価値感を変えなければ、と思うのです。
ペット産業として事業を成立させる際に、動物が器物か、命か、ということでの法的な扱いなどは どうなっているのでしょうか。
法的に命と定められたときに 少しでも事業にリスクとなるならば、このことが動物達の為に先ず手をつけるべき先見事項なのかも知れません。
30代 男性 匿名
同じ命を簡単に捨てるヤツにはそれ相応の罰を受けるべき。島流し。
30代 女性 匿名
こういう人達は2度と動物を家族に迎えてほしくないですね。
女性 サクラ
50代以上 女性 匿名
50代以上 女性 匿名
転勤で飼えなくなる←海外転勤?国内ならペット可賃貸を探せよ。
家庭の事情←動物(犬)アレルギー発症なの?
捨てる人もだけど里親探しの人達の理由をみてはツッコミたくなります。
長年、連れ添った愛犬を簡単に手放したり捨てる人の気持ちなんて理解できません。
スミレちゃん、とてもキュートです(^^)